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ウクライナ、自国が欧州に核テロを仕掛けていることを暗に認める

<記事原文 寺島先生推薦>
Kiev Tacitly Admitted to Waging Nuclear Terrorism Against Europe

筆者:アンドリュー・コルブコ (Andrew Korybko)

出典:INTERNATIONALIST 360°  

2022年8月15日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年8月27日



 「ウクライナ政府のザポリージャ原発への核テロは欧州全体にとっての驚異となる」という記事を先週書かせてもらったのだが、それでもまだ西側は、攻撃を行ったのはロシアの方だ、と主張している。それは大手メディア(MSM)から間違った情報を流され、「ユーラシアの巨大国家であるロシアが、自国が統制下におさめている原発を自分で攻撃している」という信じられない言説を刷り込まされているからだ。

 しかし紛うことのない真実が、他でもないゼレンスキーと、大統領府顧問であるポダリャク(Podalyak) の口からこぼれ出たのだ。 ゼレンスキーは厚かましくもこう語っていた。「原発に向かって攻撃したり、原発を盾にして攻撃する全てのロシア兵が理解しなければならないことは、自分たちが我が国の諜報機関や特殊部隊、軍隊にとっての特別な標的となることだ」と。ポダリャクが明言したのは、ウクライナ政府は原発を「解放する」ためには、「どんな武器でも使う」ということだった。


 両者のこれらの表明により、ロシアがウクライナ政府に対して抱いていた警戒心がやはり正しかったという事実が暗にではあるが明らかになった。 ロシアの主張は、ウクライナ政府がヨーロッパに対して核テロを行っているというものだった。その主張に全く疑問の余地のないことが、ウクライナ政府で最上位にいる2名からの公式の発言でいまや明白になったのだ。両者はザポリージャ原発(ZNPP)からロシア軍を追い出すために軍事力を行使する旨を明言したのだから。

 両者からのこのような脅しが西側諸国の支配者層からなんの咎めも受けていない事実から推測すると、西側諸国は彼らの代理国であるウクライナが原発事故というダモクレスの剣を同盟諸国の頭上に吊るそうとしていることを消極的にではあるが受け入れているということになろう。この状況は驚愕と言うしかない。なにしろ、原発事故が起こってしまえばヨーロッパ大陸全体に被害が広がる可能性があるからだ。 とりわけ、EUやNATO加盟諸国と隣接している黒海周辺地域が受ける被害は甚大となるだろう。


 こんな状況を受け入れるという衝撃的な立場に立っていることに対する唯一の考えられる説明は、「ウクライナでの紛争の最新局面において、ロシアがゆっくりではあるが確実に前進している状況に西側諸国が絶望的になり、特定の思考形態にとらわれた支配者層が自国民や将来の自国民の命を犠牲にして、最後の賭けに出ようとしている」というものだろう。

 一方で西側諸国の国民たちは、明らかにこんな賭けに賛成していないが、悲しいかな民衆の力は弱く、事の成り行きを決める力はない。たとえ大規模な平和的反対運動を起こしたとしても、理論上、民衆ができる最大の行為は官僚に圧力をかけてウクライナ政府を批判させることなので情勢に変化は見られないだろう。そんなことを期待するのは非現実的で、なんの変化ももたらさないということだ。この差し迫った核による大惨事を避けられる唯一のものは、その崩壊しつつある国の後援者米国だけである。


 ところが、皮肉的な言い方をすれば、米国政府はこのような危機をそう深刻なことだとは考えていないかもしれない。なぜなら、この「希望の兆し」は、たとえ最悪の事態が生じたとしても、米国の経済的ライバルである大西洋の向こう側の国々が、この先永遠に米国と競争できなくなる「兆し」でもあるからだ。

 とはいえ、米国の支配者層の中のどれくらいの割合の勢力がこのような見方をしているかは不明だし、その勢力がそのような原発事故によりヨーロッパが壊滅状態になるという事態を防ぐために米国が決して介入しないように押さえ込める影響力を持っているかどうかも不明だ。

 しかし、少なくとも軍や諜報機関や外交機関内で恒久的に勢力を維持している人々(つまり「ディープステート」)の中には、このような事態が起こることを嫌がっていない勢力があることは間違いない。そうでなければ、彼らはウクライナ政府を止めているはずだ。また、ウクライナ政府は、ロシアの統制下から「解放する」という口実で、ザポリージャ原子力発電所(ZNPP)を爆撃するという意味の大口を叩くことまでしているのだから。


 この状況から学べることは、ウクライナ紛争自体からわかることよりもずっと多い。つまり米国支配者層内の過激派勢力がいちかばちかの最後の賭けにでて、損失を考えずに彼らの思想上の目論見を是が非でも前に進めようとしている事実がよくわかる事象なのだ。これはすべてが「レッドライン」を超えるという意味ではなく、そうしようとしている人がいなくてもそうなるということは常に起こることだ。

 より視野を広げれば、今月(8月)初旬、ペロシ下院議長が挑発的な台湾訪問をしてから米国の「アジア基軸」政策が急遽再開されて、間接的に核を使うという瀬戸際政策をしているウクライナと同じやり方を、中国に対してアジアでも使う可能性が出てきたということだ。


 東アジアを舞台にした新冷戦は、東欧での新冷戦とはかなり状況が異なるが、同じような戦略方針が採られていることは変わらない。すなわち、アジアでの米国の代理勢力が、ウクライナ政府が採った絶望的状況において最大級の掛け金を使うというやり方を踏襲するであろうことはもはや否定できなくなっているのだ。その手法は中国が熱戦において勝利を収めるような状況が生じたときに使われるだろう(ウクライナにおけるロシアのように、緩慢ではあるが確実な勝利を収めているときでさえもその可能性はある)。

 この作戦は、ある意味、ニクソンがとったいわゆる「狂人理論」とも言える。ニクソンは、考えられないようなことをする狂人のように振る舞えば、当時の米国のライバル諸国が怖じ気づくだろうと考えていたのだ。ただ当時との決定的な違いは、特定の思考にとらわれた現在の米国支配者層は、そのように「振る舞っている」わけではなく「実際に狂人である」可能性があるところだ。
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