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「サル痘も米軍関連生物研究施設由来か?」。ロシアが警告

<記事原文 寺島先生推薦>

Military Points to Presence of US-Funded Biolabs in Nigeria Amid Global Monkeypox Scare
(世界がサル痘に怯えるなかで、ナイジェリアに米国支援の生物研究所があることを軍が指摘)

筆者:イリャ・ツカノフ (Ilya Tsukanov)

出典:INTERNATIONALIST 360° 

2022年5月27日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年8月15日



 ロシア軍は2ヶ月かけた調査により、ウクライナで行われていた米国の軍事生物研究の規模と到達点の詳細を明らかにした。それにより、国防総省がウクライナを恐ろしい生物薬品研究の実験場にしてきたことや、これらの活動の裏で軍や私企業、政府の利益が絡み合っていることが明らかになった。

 ロシア軍放射線・化学・生物学防護部隊のイーゴリ・キリロフ中将は5月27日(金)、新たな記者会見を開き、ウクライナにおける米軍の生物研究活動についての新しい情報を発表した。加えてキリロフは、ロシア軍がサル痘について掴んでいる情報の詳細についても明らかにした。サル痘は天然痘の親類に当たる病気で、ここ数週間、世界中で健康上の不安を掻き立てる原因となっている。 キリロフによると、国防総省は既に2003年に天然痘の強制予防接種を課しており、外交官や医療従事者もこの流行病の予防接種を受けるよう求められていたとのことだ。

 「このことから推測されることは、米国は天然痘の病原体を戦闘用の優先病原体と見なしていることを示しており、いま行われている予防接種措置の目的は、自国軍部隊を保護することではないかという疑念です」とキリロフ中将は語っている。



2003年の国防総省天然痘ワクチン接種計画覚書からの抜粋
© Photo : Russian Ministry of Defence

 2003年の米国の「軍の天然痘への備えとワクチン接種導入計画」の全編はこちらで閲覧可能。

 「国防総省がこの感染症に懸念を示していることは偶然であるとは到底言えません。天然痘の原因となる物質が復活してしまうことがあれば、世界規模で全人類に壊滅的状況を招くことになるでしょう」とキリロフ中将は語り、さらに語気を強め、天然痘の致死率は新型コロナの10倍であると述べた。

 キリロフ中将は、ウクライナ国内で入手した文書から引用し、米国の専門家たちがウクライナの研究所の研究員たちに対して、天然痘が流行するという緊急事態への対応方法についての訓練を施していたことを明らかにした。ウクライナ語で書かれたこの訓練に関する文書はこちらで閲覧可能。

 天然痘は世界規模での取組みのおかげで1970年代に撲滅され、その後、抗天然痘ワクチンが世界のほとんどの国で実施され、再発が抑えられてきた。しかし最近になって世界各国の医療行政当局はサル痘に対する懸念を表明し始めている。それは今月(2022年5月)初めにサル痘の症例が広がって以来のことだ。


ナイジェリアの米国生物研究所

 キリロフ中将が着目した点は、世界保健機関(WHO)が最近出した判断によると、現在流行しているサル痘ウイルスの原因物質はナイジェリアに由来するという点であり、ナイジェリアも「米国が生物研究の基盤を提供しているもう一つの国」であることを指摘した。

 「入手した情報から得た内容によると、アフリカの一国家であるナイジェリアには、米国が統率する生物研究施設が少なくとも4ヶ所存在するとのことです」とキリロフ中将は語った。さらにキリロフ中将は2021年のミュンヘン安全保障会議核脅威イニシアティブが行った演習について触れ、この演習が生物技術を使った、危険度の高いサル痘の菌株による流行の予行演習だったことについて、「奇妙な偶然であり、専門家による検証が必要です」と語った。

 さらにキリロフ中将が強調したのは、米国が生物研究における安全性の必要条件を逸脱していることが繰り返し指摘され、また天然痘を含む病原体の生体物質の保管が不注意なまま放置されている証拠があることに対して、世界保健機関は諸都市に置かれた米国が資金提供している研究施設の調査を行うべきだという点だった。具体的には、ナイジェリアの首都アブジャやザリア、ラゴスに置かれた研究施設についてである。さらにその調査結果を世界に公表すべきだとも語った。

 RCB(ロシア軍放射線・化学・生物学防護部隊) 隊長であるキリロフ中将がさらに懸念を表明したのは、米国内に保管されている天然痘ウイルスの標本の安全性についてだった。「米国内においては、適切な管理下に置かれておらず、生物研究上の安全性基準も満たしていないため、これらの病原体がテロ目的で使用されることに繋がる可能性があります。2014年から2021年の間に、ウイルスの保管に関する説明がなされていないのに、このウイルスが保管されていた瓶が発見される事象が米国食品医薬品局(FDA)の研究所や、メリーランド州にある陸軍感染症医学研究所(USAMRIID)や、ペンシルバニア州にあるワクチン研究センターの研究所で繰り返し起こっています」とキリロフ中将は述べた。

 さらにキリロフ中将は語気を強め、これらの研究施設での研究は、1996年に世界保健機関が出した決議に違反する行為であると述べた。この決議においては、天然痘を発症させる原因となる物質の保管を禁じていて、保管が許されるのは、アトランタ市にある米国疾病予防管理センター(CDC)のみだとされていた。


天然痘ウイルスの保管箇所については、米露それぞれ一箇所のみの許可を求めることを決議した1996年の第49世界保健機関総会決議
© Photo : Russian Ministry of Defence



国防総省が資金提供したウクライナの研究所に関する新たな詳細情報

 5月27日(金)の発表において、キリロフ中将は新たな文書も提示した。それはウクライナ国内で国防総省が組織した10ヶ所近い軍事生物研究施設の計画についてであり、その中には恐ろしい物質や 「経済的に重要な」感染症についての研究も含まれており、2008年から2019年の間で、8010万ドル規模の資金が投入されていた。

 キリロフ中将が着目したのは、2007年の覚書についてだったが、この覚書は国防総省がUP-2という計画の準備に関して用意したものだった。この計画はウクライナ国内で危険な病原体についての研究のための計画であり、キリロフ中将のことばを借りると、その「主目的」は、「ウクライナ人特有の病原体の分子構造の情報収集と菌株の標本の伝達」だったとのことだ。


UP-2概念計画(複数の病原体の研究計画)を承認したDTRA(国防脅威削減局)の文書。この計画は2005年の「ウクライナでの協力的脅威削減生物兵器拡散阻止計画」に合わせて計画されるものとされていた。
© Photo : Russian Ministry of Defence


 UP-2計画に関する「共同計画同意書」の全文6頁はこちらで閲覧可能。

 UP-1計画についても同様の覚書が準備されていた。この計画では、炭疽菌により広められるリケッチアなどの病気の研究が計画されていたとキリロフ中将は語り、この文書によれば、全ての危険な病原体はキエフにある中央関連研究施設に運搬され、その後米国に運搬されることが求められていたことを指摘した。

 UP-1計画に関する「共同計画の同意書」についてはこちらで閲覧可能。



UP-1計画承認が記載された2008年2月19日付国防総省の覚書
© Photo : Russian Ministry of Defence


 さらにRCB防衛隊はUP-4についての文書も公開した。この計画は危険な感染症を渡り鳥を使って拡散する方法の研究についてであり、既にロシア国防省は詳細に報告済みだ。2019年10月から2020年1月にかけての「UP-4計画の一選択肢、第2年四半期報告」によると、野生の鳥から合計991種が研究者たちにより収集されたとのことだ。


国防脅威削減局のUP-4計画に関する報告書からの抜粋
© Photo : Russian Ministry of Defence


 国防総省の提携先であるブラック&ビーチ社がメタビオータ社の協力のもと準備した50頁以上あるDTRA(国防脅威削減局)からの報告書のうちの9頁はこちらで閲覧可能。

 さらに5月27日(金)にRCB防衛隊が公表した文章には 2019年にブラック&ビーチ社が まとめたDTRAのウクライナでの研究活動の詳細をまとめた報告書も含まれていた。 そこには、ウクライナ国内や外国の多くの組織との協力のもとで行われていた19ヶ所ほどの別々の研究施設における研究活動が含まれていた。協力していたのは、ウクライナ保健省、USDA(米国農務省)、CDC(米国疾病予防管理センター)、米国のいくつかの大学、それと西側の巨大製薬諸会社だった。
 重要な詳細情報が満載の63頁からなる文書のうちの10数頁はこちらで閲覧及びダウンロード可能。



国防総省の提携先であるブラック&ビーチ社が、ウクライナでの主な研究活動について出した2019年の文書の一頁


ウクライナの保安機関が、米国と協力する危険性を警告していた

 5月27日(金)に明らかにされた文書の中には、ウクライナ保安庁(SBU)からの書簡も含まれていた。その書簡には、SBUがウクライナで米国が関わった生物研究活動により感染症学上の脅威が生じる懸念について記されていた。この書簡はSBUヘルソン州支局総長代理のA.A.レメショフ(A.A. Lemeshov)大佐が記したもので、対テロリストセンターのセンター長代理G.I.クズネツォフ(G.I. Kuznetsov)大佐と、分析部部長S.I.シャナイダ(S.I. Shanaida)大佐宛に2017年2月28日宛に出されたものであり、内容はウクライナの研究所の安全性と生物物質を使ったテロの脅威に焦点を当てるものだった。

 レメショフ大佐が歯に衣着せぬ言い方で警告したのは、以下の通りだった。「最近、我が国が置かれている疫学及び伝染病的状況はますます由々しき状況になっている。それは米国国防脅威削減局がブラック&ビーチ社の特別組織を通じて行っている取組みが原因となっている。これらの取組みはウクライナ国内の微生物研究所の病原体研究を管理下におこうというもので 、特に力を入れているのは、危険な感染症の病原体についてであり、これらは新型の生物兵器の製造や、既存の生物兵器の改良に使われる可能性がある」。

 同大佐が強調していたのは、「ウクライナの生物研究の安全性を維持し、ウクライナ国内で病原体の標本を貯蔵しようとする計画を妨げることが必要です。そしてそのような行為が行われているのは、“地域特有の菌株を研究し、ウクライナ国民から集めた標本にはどのくらい毒に対する耐性があるかを見極めるため ”という口実が使われています。推奨されるべき行為は、ブラック&ビーチ社の共同生物研究活動計画についての取組を追跡調査することです。」

 ウクライナ語で書かれた原版の文書はこちらで閲覧可能。そのロシア語版はこちらで閲覧可能。



ロシア国防省所有のウクライナ保安局の役員が、ウクライナ国内の米国軍事生物研究活動はウクライナの国家安全にとって脅威であると明白に記した文書。
© Photo : Russian Ministry of Defence


 キリロフ中将率いるRCB防衛隊は数ヶ月の準備を経て、ウクライナでの米軍の生物研究活動についてメディアに対して記者会見を行い、入手した文書などの証拠をもとに、国防総省や米国政府の関係者や私企業が、ウクライナの提携先と協力してウクライナ領内で危険な研究に従事していたことを明らかにした。今月(5月)初旬、ロシアのコンスタンティン・コサチェフ(Konstantin Kosachev)上院議員が述べたのは、ロシア政府には国連においてこの件に関する公式調査の開始を求める意図があるとのことだ。具体的には、米国がウクライナで生物兵器禁止条約違反となる行為を行っているかの調査だ。

 今月(2022年5月)初めに行われた、根拠となる文書が豊富にある記者会見において、キリロフ中将が明らかにしていたのは、米軍が恐ろしい病原体の研究を行っていることに加えて、 ウクライナが西側の製薬諸会社の人体実験のモルモットとして行動していた点だった。具体的には、ファイザー社、バテル社、ギリアド社、ダイナポートワクチン社、 アッビィ社、イーライリリー&カンパニー社、メルク社、 モデルナ社などだ。これらの諸会社が、安全性の理由で自国では実験できない薬品の実験をウクライナで行っているのだ。
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