キッシンジャー氏、ウクライナで起こりうる3つの結末を提示
<記事原文 寺島先生推薦>
Kissinger outlines three possible outcomes in Ukraine
出典:RT
2022年7月1日
<飜訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年月7月10日
モスクワの勝利、ロシアと西側諸国との戦争、2月24日以前のラインへの復帰、これらすべてが実行可能なシナリオであると、米国のベテラン政治家は考えている。

ウクライナでの軍事作戦中のロシア軍兵士。© Sputnik / Alexey Maishev
最近99歳になったヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、現在進行中のロシアとウクライナの紛争がどのように終わるかについて自身の考えを述べた。
「この戦争の結末には3つの可能性があり、その3つともまだどうなるかわからない」、とキッシンジャーは「スペクテイター誌」のインタビューで語った。
最初のシナリオは、「ロシアが現在の場所に留まるなら、ウクライナの20%とドンバスの大部分、工業と農業の主要地域、そして黒海沿いの一帯を征服したことになる」というものだ。
もしそうなれば、モスクワの「勝利」となり、「NATOは、これまで考えられていたほど決定的な役割を果たすものではないという認識を持たれるだろう」と、このベテラン政治家は指摘した。
第二に考えられるのは、「この戦争以前にロシアが獲得した領土(クリミアを含む)からロシアを追い出そうとする試みがなされることだ。しかしこのシナリオに則り戦争が続けば、ロシアとの直接戦争になる可能性がある」とキッシンジャーは警告している。

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「第三の結末は“ 西側”がロシアに軍事的征服を達成させないようにし、戦線が戦争が始まった時点の位置に戻るなら、今回のロシアによる侵略は目に見えて敗北したことになる」と述べた。
そうなれば、ウクライナは2月24日にロシアの軍事作戦が始まる前と同じように再建され、「NATOに加盟することまではいかないまでも、NATOによって再軍備されることにはなるだろう」と前国務長官は示唆した。
「残りの問題は交渉に委ねることができる。しばらくは凍りついたような状況になるだろうが、時間がたてば行き詰まりは克服されるだろう」と断言した。
この「第3の結末」は、5月にダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)でのビデオ演説で描いたものと同じだという。
この演説は世界的に話題になったが、彼は「(ウクライナの)和平交渉は2カ月以内に始める必要がある」と主張し、さもなければ紛争は「NATOが結束して行ってきたウクライナの自由に関する戦争」から「ロシアそのものに対する戦争」になりかねない、と述べたのである。
その協議の理想的な結果は、「現状復帰」であるという。
この提案はウクライナの多くの人々を怒らせ、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、キッシンジャーがモスクワをなだめるために「深い過去から現れ、ウクライナの一部をロシアに与えるべきと言っている」と述べた。彼は、元国務長官が、今が2022年であることを忘れ、1938年にミュンヘンで聴衆に向かって話していると思っているのでは、と述べた。

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ミュンヘン協定とは、大陸での大きな紛争を避けるために、イギリス、フランス、イタリアがナチス・ドイツにチェコスロバキアの一部を割譲することに同意したというものである。しかしこの同意にも関わらず、第二次世界大戦は翌年から始まった。
キッシンジャーの名前は、キエフ政府が暗黙で認めている「ミロトウォレッツ:Peacemaker」という「暗殺リスト」ウェブサイトにも登場している。このサイトは、作者がウクライナの敵だと考える人物を普通に検索できるデータベースを持っている。彼は「ウクライナとその国民に対するロシア当局の犯罪の共犯者」という烙印を押されたのである。
このベテラン政治家は「スペクテイター誌」に、「ダボス会議の声明の目的は、戦争の勢いが政治的に手に負えなくなる前に、戦争目的の問題に戻る必要があることを指摘することだった 」と語っている。
ゼレンスキーの批判については、「彼の最近の発言では、私がダボス会議で概説したことを基本的に受け入れている」とキッシンジャーは主張した。
Kissinger outlines three possible outcomes in Ukraine
出典:RT
2022年7月1日
<飜訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年月7月10日
モスクワの勝利、ロシアと西側諸国との戦争、2月24日以前のラインへの復帰、これらすべてが実行可能なシナリオであると、米国のベテラン政治家は考えている。

ウクライナでの軍事作戦中のロシア軍兵士。© Sputnik / Alexey Maishev
最近99歳になったヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、現在進行中のロシアとウクライナの紛争がどのように終わるかについて自身の考えを述べた。
「この戦争の結末には3つの可能性があり、その3つともまだどうなるかわからない」、とキッシンジャーは「スペクテイター誌」のインタビューで語った。
最初のシナリオは、「ロシアが現在の場所に留まるなら、ウクライナの20%とドンバスの大部分、工業と農業の主要地域、そして黒海沿いの一帯を征服したことになる」というものだ。
もしそうなれば、モスクワの「勝利」となり、「NATOは、これまで考えられていたほど決定的な役割を果たすものではないという認識を持たれるだろう」と、このベテラン政治家は指摘した。
第二に考えられるのは、「この戦争以前にロシアが獲得した領土(クリミアを含む)からロシアを追い出そうとする試みがなされることだ。しかしこのシナリオに則り戦争が続けば、ロシアとの直接戦争になる可能性がある」とキッシンジャーは警告している。

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「第三の結末は“ 西側”がロシアに軍事的征服を達成させないようにし、戦線が戦争が始まった時点の位置に戻るなら、今回のロシアによる侵略は目に見えて敗北したことになる」と述べた。
そうなれば、ウクライナは2月24日にロシアの軍事作戦が始まる前と同じように再建され、「NATOに加盟することまではいかないまでも、NATOによって再軍備されることにはなるだろう」と前国務長官は示唆した。
「残りの問題は交渉に委ねることができる。しばらくは凍りついたような状況になるだろうが、時間がたてば行き詰まりは克服されるだろう」と断言した。
この「第3の結末」は、5月にダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)でのビデオ演説で描いたものと同じだという。
この演説は世界的に話題になったが、彼は「(ウクライナの)和平交渉は2カ月以内に始める必要がある」と主張し、さもなければ紛争は「NATOが結束して行ってきたウクライナの自由に関する戦争」から「ロシアそのものに対する戦争」になりかねない、と述べたのである。
その協議の理想的な結果は、「現状復帰」であるという。
この提案はウクライナの多くの人々を怒らせ、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、キッシンジャーがモスクワをなだめるために「深い過去から現れ、ウクライナの一部をロシアに与えるべきと言っている」と述べた。彼は、元国務長官が、今が2022年であることを忘れ、1938年にミュンヘンで聴衆に向かって話していると思っているのでは、と述べた。

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ミュンヘン協定とは、大陸での大きな紛争を避けるために、イギリス、フランス、イタリアがナチス・ドイツにチェコスロバキアの一部を割譲することに同意したというものである。しかしこの同意にも関わらず、第二次世界大戦は翌年から始まった。
キッシンジャーの名前は、キエフ政府が暗黙で認めている「ミロトウォレッツ:Peacemaker」という「暗殺リスト」ウェブサイトにも登場している。このサイトは、作者がウクライナの敵だと考える人物を普通に検索できるデータベースを持っている。彼は「ウクライナとその国民に対するロシア当局の犯罪の共犯者」という烙印を押されたのである。
このベテラン政治家は「スペクテイター誌」に、「ダボス会議の声明の目的は、戦争の勢いが政治的に手に負えなくなる前に、戦争目的の問題に戻る必要があることを指摘することだった 」と語っている。
ゼレンスキーの批判については、「彼の最近の発言では、私がダボス会議で概説したことを基本的に受け入れている」とキッシンジャーは主張した。
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