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ロシアへの制裁のせいで、EUは石炭時代に逆戻り

<記事原文 寺島先生推薦>
EU steps back into coal age – media
Several members of the bloc have announced emergency plans to boost ‘dirty fuel’ usage amid the shortage of Russian gas

(EUは石炭時代に逆戻りとのメディア報道 ロシアからの天然ガスが不足する中、EU加盟数カ国は緊急時対応として、「汚れた燃料」の使用計画を発表

出典:RT

2022年6月26日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年7月8日

 

 多くのEU加盟諸国は緊急時対応を開始したが、その目的は、天然ガスの使用を少なくし、制限をかけるために、石炭を燃料とした発電に戻すことだと、米国のニュースサイトのビジネス・インサイダー(Business Insider)が6月22日(火)に報じた。

 今週(6月最終週)ドイツ、オーストリア、オランダの発表によると、石炭による発電は、次の冬に迎えるであろう危機の対応策の一助となる可能性があるとのことだった。ドイツのロベルト・ハーベック副首相及び経済相によると、ドイツは石炭発電所を再開するという「苦い決断」をしたとのことだった。

 「そうしないと、冬期を迎える今年の年末には電力貯蔵施設に十分な燃料がないという危機に対処しなければなりません。私たちは、政治的に脅迫されているのです」と同副首相が述べたとロイター通信は報じている。
 
 オーストリアも、緊急時には天然ガスを燃料とする発電所で石炭を燃料にするような変更を行うと発表した。またオランダは石炭によるエネルギー生産の制限を取り払った。
 
 さらにいくつかの記事によると、イタリアの石炭を燃料とした発電所がこの数ヶ月間石炭の買いだめをしているとのことだ。


READ MORE: Austria puts green energy transition on hold – media

 また6月21日(月)には、オランダとデンマークも緊急計画を発表し、供給不足が生じた際には天然ガスの使用に制限をかける可能性を示唆している。さらにイタリアもエネルギーに関する非常事態宣言を発することを検討しているとロイター通信は、情報源を示した上で報じている。つまりイタリアも天然ガスの使用制限を産業界に課し始めるということだ。ドイツとオーストリアは既に同様の緊急時対応を開始している。
 
 EUが石炭を使用しない「グリーンエネルギー」を強く求める政策から「汚れた燃料」を使用する方向に移行しているのは、先週(6月第4週)EUの主な天然ガス供給業者であるロシアのガスプロム社が、ノルド・ストリーム・パイプラインからの天然ガス配送量を6割削減したことを受けてのことだった。この事象が生じたのはドイツの整備会社のシーメンス社がポンプ採油装置の修理品をカナダの業者から受け取り損ねたためだった。それはカナダ政府が対ロシア制裁措置を取っているためだ。


Russia slashes gas flow to EU

 ロシアが強調しているのは、この削減の理由は単なる技術上の理由であるという点だ。ロシアからドイツや欧州内部に天然ガスを運ぶ設備が通常の輸送量をまかなえなくなっているというのだ。8機あるポンプのうち、いま3機しか使えていない。

 「天然ガスならあります。送る準備もできています。でもそのためには欧州諸国が装置を取り戻さなければいけません。修理は欧州諸国の責任のもと行われるべきです」とロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官が6月21日(月)に述べたとロイター通信は報じている。

 しかし欧州諸国の当局は、削減を決定したのは政治的判断によるものだと非難している。EU諸国は天然ガスの4割をロシアに依存しており、天然ガスの輸送削減はEUの安定的なエネルギー供給の脅威となっている。現在欧州諸国における天然ガスの必要度は非常に高くなっている。というのも夏の暑さのせいで欧州諸国での冷房設備の使用頻度が上がっているからだ。しかし、この先冬場を迎えれば状況は更に悪化する可能性がある。暖房の方がエネルギーの消費量はずっと高いからだ。
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