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プーチンが語る未来---旧世界は終わり、主権が尊重される経済が生まれる


<記事原文 寺島先生推薦>
The old world is over: Key takeaways from Putin's first major speech since Russia's military offensive in Ukraine — RT Russia & Former Soviet Union
(旧世界は終わった。プーチン大統領がウクライナ侵攻後、はじめて行った重要演説のポイント)

Russian leader has buried the old world order and outlined his view on Russia’s and the world’s future, in a key address

ロシアの指導者は、重要な演説の中で、古い世界秩序を葬り去り、ロシアと世界の将来についての自らの見解を示した。

出典:RT

2022年6月17日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年7月3日



演説を行うロシアのウラジーミル・プーチン大統領。ロシアのサンクトペテルブルクで開催された第25回サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の全体会議で。© Sputnik / Pavel Bednyakov

 新しい権力の中心が出現し、一極的な世界秩序はもう戻ってはこない。「植民地  的な考え方は失敗したと、ロシアのプーチン大統領は6月17日の金曜日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)で語った。クレムリンはそれを「極めて重要」な演説であると言っている。


古い世界秩序は風と共に去る

 冷戦でアメリカが勝利を宣言したとき、アメリカ人は自らを 「地上の神の使者」 と呼び、それ以来自分たちが追い求める利益は、不可侵で何の義務も負わなくていいと考えてきたと、プーチン大統領はSPIEFの聴衆に語った。その後、新しい権力の中心が出現し、自国のシステム、経済モデル、主権を守る権利を持つようになった。

 このような「地政学、世界経済、技術分野、国際関係のシステム全体における真に革命的な地殻変動」は、「基本的で、極めて重要で、動かしがたいもの」である。「そして、激動する変化の時を待っていれば、物事が正常に戻り、すべてが以前のようになると考えるのは間違いである。そんなふうにはならない」とプーチンは述べた。


反ロシア制裁は西側諸国に裏目に出た

 米国とその同盟国は、ウクライナ紛争をめぐるロシアへの「制裁」作戦を開始したとき、ロシアの経済と社会を崩壊させ、弱体化させることを望んでいた。しかし、この制裁は、作成者自身へのブーメランとなって戻ってきた。それは、社会的、経済的問題を悪化させ、食料、電気、燃料の費用を引き上げ、西側諸国、特にヨーロッパでの生活の質に打撃を与えるという結果をもたらしたからだ。

 「EUは政治的主権を完全に失い、官僚的支配者層は他人の曲に合わせて踊り、上から言われたことは何でも受け入れ、自国の国民と経済に害を与えている」とプーチンは言った。

 EU市民は「現実から切り離され、常識に反した決定」の代償を払うことになる。制裁による直接の損失だけでも、1年で4000億ドルを超える可能性がある、と彼は付け加えた。


エネルギー価格高騰とインフレは自業自得

 西側諸国のエネルギー価格の高騰やインフレをロシアのせいにすること、ホワイトハウスが言うところの「プーチンによる値上げ」は、「愚かなことば」であり「読み書きのできない人たちのために作られた」ものだと、ロシア大統領は述べた。

 「我々を責めないで、自分たちを責めなさい」と、プーチンは言った。

 EUが「再生可能エネルギーを盲信」し、ロシアとの天然ガスの長期契約を放棄したことが、昨年のエネルギー価格の高騰を招いた。また、米国とEUはCovid-19の大流行に対処するために何兆ドルものドルやユーロを印刷したこともその原因だと、ロシアの指導者は言った。


西側諸国を待ち受ける「指導的な立場にあるエリートの交代」

 EUとアメリカの指導者たちが行っている政策は、社会における不平等や分裂を悪化させている。福祉の面だけでなく、様々な団体の価値観や方向性の面でもだ、とプーチン大統領は述べた。

 「このような現実や社会の要求からの剥離は、必然的に大衆迎合政治家の急増や過激な運動の拡大、深刻な社会的・経済的変化、劣化、そして近い将来には、指導的な立場にいる支配者層の 交代につながるだろう」とロシアの指導者は述べた。


飢饉が起きても、それはロシアのせいではない

 米国とEUのロシアに対する制裁、特に肥料や穀物の輸出は、世界的な食糧難を拡大させる原因の一つである。もし、世界の最貧国で飢饉が起きたら、「それは、すべてアメリカ政権とヨーロッパの官僚の ”良心” によるものだ」とプーチンは指摘した。

 食料供給に関する問題は、ここ数ヶ月ではなく、過去数年の間にすでに起きている。その原因は「他人の費用で自分の問題を解決することに慣れている人々の近視眼的行動」、お金を印刷して貿易の流れを歪める一種の「略奪的植民地政策」であると、プーチン氏は述べた。

 ロシアは、飢餓の脅威が最も深刻なアフリカと中東に食糧を送る準備ができているが、西側諸国が課す「物流、財政、輸送」の障害に直面していると述べた。


ウクライナ紛争の理由

 ロシアが2月にウクライナに軍を派遣したのは、西側諸国が義務を守ることを拒否し、「彼らと新たな合意を結ぶことは単純に不可能」だったからだ。この決定は「強制されたが、必要だった」のである。なぜなら、ロシアには主権国家として、自国の安全を守り、「西側の全面的な保護を受けたキエフ政権とネオナチによる大量虐殺」からドンバスの市民・住民を守るあらゆる権利があったからだと、プーチン氏は述べた。

 西側諸国は何年もかけてウクライナを「反ロシア」国家に仕立て上げ、武器や軍事顧問を送り込んだとプーチンは述べ、彼らはウクライナの経済や国民の生活については「どうでもよかった」と指摘し、「東部にNATOの足場を作り、ロシアに対して、侵略、憎悪、ロシア恐怖症を育てるために費用を惜しまなかった」と、主張した。「特別軍事作戦の目的はすべて無条件に達成される」 とプーチンは言った。


経済発展は国家主権が尊重されてこそ成り立つ

 21世紀には、主権は部分的であってはいけない。そのすべての要素が等しく重要であり、互いに補い合うものであり、経済もその1つである。ロシアが経済発展において守るべき原則は5つある。開放性、自由、社会的公正、インフラ、技術的主権だと、プーチンは主張した。

 ロシアは「決して孤立と独裁の道を歩まず、貿易を望む人なら誰とでも交流を拡大する」とプーチンは述べ、さらに「そのような国はたくさんある」と付け加えた。また、モスクワは民間企業を支援し、交通基盤を整備し、社会的不平等を是正し、重要な技術を外国からの輸入に依存しないようにするつもりだとも述べた。

 「真に主権ある国家は、常に対等な友好関係を約束する」が、他方で「国力が弱く他国に依存している国は、概して、敵を探すのに忙しく、外国人嫌いの感情を植え付け、ついには独自性、独立性を失い、支配者に盲従する」と述べた。
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