メディアに騙されてウクライナ入りした英国人傭兵の後悔
<記事原文 寺島先生推薦>
British mercenary says he was ‘duped’ into Ukraine conflict by Western media
A UK national captured in Donbass says he has been abandoned by both Kiev and London
英国の傭兵によると、彼がウクライナ入りしたのは西側メディアに騙されたからだとのことだ
ドンバスで拘束された英国籍の傭兵は、自分が英国からもウクライナからも見放されたと語っている
原典:RT
2022年6月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年7月2日

マウリポリでウクライナ軍のために闘っていた一人の英国市民が、投降する前の4月中旬にRTの取材に答え、ウクライナ政府のために闘うことを自分が決意したことを後悔していると語った。
エイデン・アスリン(Aiden Aslin)被告は、主に西側メディアの報道のせいで、ウクライナを支持するようになってしまい、結果的には自分が政治ゲームの「コマ」にされてしまったと語った。
アスリン被告がRTの取材に応じたのは、ドネツクで法廷が開かれる前のことで、その後アスリン被告は他の二人の外国人戦士とともに死刑を宣告された。罪状は傭兵として、ドネツク人民共和国(DPR)内において軍の力により権力を掌握しようとしていた容疑だ。
アスリン被告によると、彼はウクライナ紛争については2014年から追跡しており、もともとは「親ロシア派」で「親ドンパス派」だったとのことだ。アスリン被告は以前はクリミアのロシアへの再併合も支持していたし、ドンバスの人々には独立する権利があるとも考えていた。
「僕が考えを変え始めたのは、大手メディアの報道を見るようになってからです。その報道が伝えていたのは、基本的に[ドンバスで]すべてのことを行っているのは地元の人々ではなくロシア軍兵士だというものでした」とアスリン被告は認め、さらに付け加えて、彼が見ていたのはFox NewsやBBCやCNNだったと語った。DPRの民兵隊に投降してから分かったことは、一緒に闘ってきたウクライナ人兵たちよりもドンバス兵たちの方が自分と共通するところが多いという事実だった。
「僕は騙されたようなものです」
英国人のアスリン被告が語ったところによると、ネオナチ的な考え方を有するとして知られている悪名高いアゾフ大隊の戦士たちから脅しを受けたことさえあったそうだ。アスリン被告によると、アゾフ大隊はウクライナ国家親衛隊に組み込まれた時からいい方向に変わったと思っていたが、実際直接会ってみると「以前の様子とそんなに変わっていない」ことが分かったとのことだった。

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British captive who fought in Mariupol describes ‘reality’
英国籍をもつアスリン被告はかつてクルド民族の民兵隊であるYPGとともに、イスラーム国(IS、以前のISIS)のテロリストたちと闘った経験を持っており、腕にはYPGの一員であることを示すタトゥーが彫られている。2年前、そのタトゥーを見たアゾフ大隊の一人の戦士がアスリン被告に、「そんなタトゥーは剥がしてしまいたい」と言ったそうだ。「僕がその戦士に、自分が左派であると伝えると、彼の態度は一変したんです」とアスリン被告は語り、そのやりとりがあってからは、そのアゾフ連隊の戦士は自分のことを「友人というよりは敵」として見るようになったと付け加えた。
アスリン被告がさらに疑念を持ったのは、ウクライナ軍の訓練の水準の低さについてだった。「その訓練は、求められているほどには専門的なものではありませんでした」とアスリンさんは語り、実弾を使った訓練は低水準で、軍事施設を標的にしていても、市民の生活施設を誤爆してしまいかねない程度だったとした。
「[ウクライナ軍の件に関して]さらに頭に置いておくべきことは、アルコールが蔓延していたことです」とアスリン被告は言葉を続けた。
アスリン被告は、今振り返ればウクライナ軍に入るのではなく、非軍事施設での仕事を探すべきだったと語った。「もっと違う方法を採ればよかったです。そうすれば軍事態勢の中で政治的なコマのように扱われることもなかったでしょう」とアスリン被告は述べ、ウクライナ政権が紛争を終結しそこなったことを非難した。

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British men who fought for Ukraine sentenced to death
「ウクライナ政権は、戦争を簡単に終わらせられたはずです。その機会があったのにそうしないことを選んだのです。僕の意見ですが、その主な理由はお金が絡んでいたからでしょう」とアスリン被告は語った。今アスリン被告は、自分が英国からもウクライナからも見放されていると感じている。
牢獄からウクライナ側に連絡をとろうとしたが全く上手くいかなかったと、元戦闘員のアスリン被告は語っている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、アスリン被告が捕虜になってから今まで一度もアスリン被告のことに触れたことはないとアスリン被告は語っている。現在アスリン被告とアスリン被告の弁護士は英国当局と連絡を取ろうとしているが、英国当局はアスリン被告のことはウクライナが「最優先して取り組むべき課題」だと主張し続けているだけだ。
「僕がウクライナ政権に問わないといけないことは、あなた方がいつも言っている通り、僕たちのことを英雄だと考えるのであれば、なぜまるで僕たちが存在しないかのような扱い方をするのですか?という点です」とアス被告さんは語った。
アスリン被告はウクライナに来て軍の任務につくことを考えている他の外国人たちにこう促していた。「騙されて戦争に荷担してはいけません。この戦争は本来あなた方が闘うべき戦争ではないのですから」。
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