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あとは野となれ山となれ---ユーゴ、アフガン、リビア、そしてウクライナに見る米国NATO戦争の実態とその末路

<記事原文 寺島先生推薦>
NATO Admits It Wants ‘Ukrainians to Keep Dying’ to Bleed Russia, Not Peace
NATO sees Ukrainians as mere cannon fodder in its imperial proxy war on Russia.


NATOは、平和ではなく、ロシアから血を流すために「ウクライナ人が死に続ける」ことを望んでいると認める。
NATOは、ウクライナ人をロシアとの帝国的代理戦争における単なる大砲の餌とみなしている。

著者:ベン・ノートン(Ben Norton)

出典:グローバル・リサーチ(Global Research)

2022年4月13日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年5月17日



 アメリカ主導のNATO軍事同盟は、ロシアを血祭りに上げ、西側の地政学的権益を拡大するために、ウクライナ人が最後の1人まで戦うことを望んでいることを明らかにした。

 衝撃的なほど露骨な告白として、ワシントン・ポスト紙は、NATO加盟国の中には、ロシアが政治的利益を得るのを妨害するために「ウクライナ人が戦い続け、死に続ける」ことを望んでいる国があることを認めた。

 4月5日のウクライナとロシアの和平交渉に関する報告において、その米国有力紙は、NATOが恐れているのはキエフがモスクワの要求に屈することだと明らかにした。

 ワシントン・ポスト紙は明確にこう書いている。「NATOの一部にとって、ウクライナ人が戦い続けて、どんどん死んでいく方が、キエフや他のヨーロッパ諸国が、あまりに早く、あるいは戦費をたくさん使いすぎて、和平を達成するよりも都合がいいいのだ」。

 匿名の西側外交官は、「NATOの一部が和平を勝ち取るために妥協することには限界がある」と強調し、ロシアが安全保障上の懸念を抱くのを妨害できるのなら、ウクライナでの戦争はむしろ長引いたほうがいいのだと言う。

 同紙は、NATO加盟国は「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に勝利の形見を与えたくない」と必死になっており、そのためにはウクライナ人を肉弾戦に追い込むことも厭わないと述べている。

 米国のジェイク・サリバン国家安全保障顧問は、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の政権はワシントンと緊密に連携しており、ホワイトハウスと「ほぼ毎日」連絡を取り合っていると指摘した。誰が本当の責任者なのかは明白だ。

 同紙は同様に、米軍がヨーロッパに10万人以上の部隊を展開していることも明らかにした。

 ワシントン・ポスト紙は米国政府と密接な関係にある。同紙のオーナーは、2000億ドルの富豪ジェフ・ベゾスで、歴史上最も裕福な人物の一人である。

 ベゾスは巨大企業アマゾンの創業者兼会長でもあり、CIAペンタゴンNSA(米国国家安全保障局)FBI(米国連邦捜査局)ICE(米国移民・関税執行局)など米国政府機関と数百億ドル規模の契約を結んでいる。

関連記事:NATOはロシアに宣戦布告したのか?
Did NATO Just Declare War on Russia? - Global ResearchGlobal Research - Centre for Research on Globalization


 もしワシントンポスト紙が、ホワイトハウスの高官からの引用で、NATOに関するこの情報を開示しているなら、明らかにワシントンの広報責任者から許可を得ているのだろう。

 この報道は、NATOがウクライナ人をロシアとの帝国的代理戦争における単なる大砲の餌と見ていることを半公的に認めるものである。

 実際、西側諸国の高官の中には、このことを公然と述べている者もいる。

 国務省の元高官で、右翼の戦争タカ派のエリオット・A・コーエンは、『アトランティック』誌の記事で、「アメリカとNATOの同盟国は、ロシアとの代理戦争に従事している」と自慢げに語った。

 彼は誇らしげにこう言っている。「彼らはロシア兵を殺すために何千もの弾薬を供給し、うまくいけば他の多くのこと、例えば情報の共有も、行っている。それは、多ければ多いほど、早ければ早いほどいいんだ」。

 国務省の古参は、「ウクライナに入る武器の流れは洪水である必要がある」とまで言っている。

 これはまさにNATO加盟国が行っていること、つまり、ロシアの隣国を武器であふれさせることなのだ。

 米国とEUはロシアとの和平交渉を支援する代わりに、積極的に戦争をエスカレートさせ、ウクライナに数十億ドルに値する武器を送り込んでいる。数万発の対戦車ミサイル、数千発の対空ミサイル、数百機の神風ドローン、さらには戦車や装甲車等々。

 言及されないのは、米国とヨーロッパの軍需企業がいかにこの戦争で大きな利益を得てきたかということだ。2月24日にロシアがウクライナに軍を派遣した後に民間軍事関連企業の株価が急騰したのは西側諸国が軍事費の大幅増を約束したからだ。

 ジョー・バイデン政権は2月下旬に3億5000万ドルの兵器を直ちに提供し、3月にはウクライナに136億ドルの追加支援を約束し、そのうちの65億ドルは軍事支援用だった。

 NATOの外相たちは4月6日と7日にブリュッセルの軍事同盟本部で会合を開き、ウクライナでの戦争をさらに拡大することを誓い合った。

 西側の政治家たちは、日本、韓国、グルジア、フィンランド、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドなど、NATO以外の加盟国数カ国の代表と一緒に参加した。

 ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、この会議のためにブリュッセルを訪れ、NATOが本当に平和ではなく更なる戦争を望んでいるのかという疑問がすっかりなくなった。

 「私は今日、3つの最も重要な事柄について議論するためにここに来た。それは、武器と武器と武器である」とクレバ氏は自分の話をまとめた。

 NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長も同様に宣言した。「侵攻後、同盟国はさらなる軍事支援、ますますの軍事装備に踏み出した。今日の会議で明確に示されたことは、同盟国はもっとやるべきことがあり、もっと大量の兵器を提供する準備ができており、さらにその緊急性を強く、強く認識していることである」。

 ストルテンベルグ氏は言うに事欠いて、ウクライナに対するNATOの直接的な軍事支援は2014年にまでさかのぼり、何万人ものウクライナ兵がNATOによって訓練されてきた。それはロシアが侵攻するずっと前のことだ、とまで自慢げに話した。

 NATOは、ロシアの弱体化と不安定化を期待して、ウクライナ人が命を犠牲にし続けることを望んでいることが透けて見える。

 一方、これ以上戦争するのはやめて、平和が解決策であるべきだと考えるウクライナ人は、悲惨な結末に直面している。

 ロシアとの和平交渉に参加していたウクライナ人交渉官、デニス・キレーエフが殺害されている。ネオナチなどの極右過激派に影響されていることで有名なウクライナ保安局(SBU)が殺害したと伝えられている。

 このような極端な暴力や戦争挑発主義は、「防衛的」同盟であるはずのNATOの主張と真っ向から対立するものである。

 しかし、実際には、NATOは民主主義はおろか、防衛に専念したことすらない。1949年に軍事同盟を設立したメンバーの中には、ポルトガルのファシスト独裁政権も含まれていた。

 第1次冷戦時代、NATOは悪名高いグラディオ作戦で、かつてのナチスの協力者とファシストを支援した。NATOの支援により、極右過激派は左翼を抑圧するためにヨーロッパでテロを行ったが、特にイタリアの悪名高い「鉛の時代」の時はそうであった。

 第1次冷戦が終わると、NATOはロシア国境への拡張を続け、1990年のドイツ再統一後、軍事同盟は「1インチも東に移動しない」という米英仏の約束を繰り返し破ってきた。

 1990年代の空爆で、NATOは旧ユーゴスラビアを破壊し、切り刻んだが、この国はもう存在しない。 

 そして、2001年に米国が開始したアフガニスタン戦争に協力し、2021年まで共同で軍事占領を続けた。

 2011年、NATOはアフリカで最も繁栄した国であるリビアに戦争を仕掛けた。欧米の軍事作戦は、リビアの国家を粉々にした。それから、化石燃料を扱う外国企業が北アフリカの膨大な石油資源を略奪した。

 2022年の今日も、リビアには統一された中央政府は存在しない。しかし、サハラ砂漠以南のアフリカ難民のための野外奴隷市場は存在する。

 リビア、アフガニスタン、旧ユーゴスラビアの廃墟は、NATOが本当に世界に何を提供しているのかを示している。

 そして、米国主導の軍事同盟は今、ワシントンとウォール街の利益を促進するために、ウクライナを犠牲にするつもりである。

この記事を書いたベン・ノートンは、地政学と米国の外交政策を専門とする独立系ジャーナリストである。
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