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ロシアと中国に深刻な脅威となっているのは、米国の大言壮語ではなく、ペンタゴンの生物兵器だ

<記事原文 寺島先生推薦>
Despite U.S. Bluff and Bluster, Pentagon’s Bioweapon Threat to Russia and China Is Serious - Islam Times
(米国の脅しとハッタリよりも、ペンタゴンの生物兵器がロシア・中国への深刻な脅威となっている。)

フィニアン・カニンガム(Finian Cunningham)

2022年4月17日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年5月1日



 イスラムタイムズ紙―私たちは、ウクライナに間違いなく存在する生物兵器プログラムから、ペンタゴン(米国国防総省)のロシアに対する脅威を考慮に入れなければならない。
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 ロシアのプーチン大統領は今週(訳註:2022年4月第4週)「我が国はウクライナに軍事介入する以外に「選択の余地」はなかった。それは、ドンバスのロシア語を話す人々に対する大量虐殺を止め、増大しつつあるウクライナ領土に起因するロシアへの国家安全保障上の脅威を無力化するためだった」と述べた。

 NATOの支援を受けたキエフ政権による8年間のドンバス地域への軍事攻撃(1万4000人の死者を出した)は、その証拠Aである。また、キエフ軍連隊の文書化されたナチスのイデオロギーとロシア人を殺すという明確な願望は証拠Bであり、ナチスとの提携にもかかわらずNATOがこの政権を訓練し武器化したことは証拠Cになる。

 そして4つめの証拠Dとして考えなくてはならないのは、ペンタゴンがウクライナに間違いなく存在する生物兵器計画によってロシアへ脅威を与えていることである。その脅威は中国にも及ぶ。なぜなら、ペンタゴンは中国の国境付近にも生物研究所を増設しているからである。

 ロシアが2月24日にウクライナへの介入を開始すると、キエフ政権は即座に、ペンタゴンが資金提供し管理する30箇所の研究所ネットワークに病原体標本の破壊を命じた。これらの研究所が生物兵器開発に従事していたことは、その後3月8日に米国務省のビクトリア・ヌーランド氏が上院外交委員会の公聴会で認めている。

 このヌーランド氏の告白は、ロシア側が公表した文書によって裏付けられている。この文書はロシアがウクライナで軍事行動をする中で入手したものである。

 これらの文書には、研究所建設に関与したペンタゴンや米国の民間企業に勤務していた複数のアメリカ人高官の名前が記されている。また、研究所の目的が炭疽菌やコロナウイルスのような病原体を使った生物兵器の開発だったことも同文書から明らかだった。

 ペンタゴンの国防脅威削減局(この名前にはオーウェル的な響きが聞こえる)のトップはジョアンナ・ウィントロールという名前で、彼女のウクライナでの仕事はキエフのアメリカ大使館と連携して行われていた。

訳註:ジョージ・オーウェルの小説『1984年』で描かれた国家には、半永久的に戦争を継続するための「平和省」、思想・良心の自由を統制する「真理省」などが登場する。ここではそれをふまえて「国防脅威削減局」という名前を揶揄している。

 歴史的に見ると、ペンタゴンは生物兵器施設の廃棄という名目で、ウクライナや他の旧・ソビエト共和国の研究所を買収してきた。しかし、実際に起こったことは、ペンタゴンは病原体プログラムを更新し、拡大したのだった。このことは、米国がかつての敵国の生物兵器技術と人材を利用してきた歴史と一致している。第二次世界大戦後、米国は日本とナチスの生物兵器プログラムをメリーランド州にある当時新設されたフォート・デトリック施設において再び始めている。

 ウクライナでロシア人が発見した文書の束は、ペンタゴンのプログラムが、ドローンからの空輸で病原体を兵器化する方法を検討していたことも示している。また、ウクライナからロシアへの鳥の移動を利用して致命的な病気をどのように拡散させるかも検討されていた。

 ロシアは、ウクライナにおけるペンタゴンの活動は数年前にドンバスで致死性の病気が発生したことと一致すると主張している。具体的には、2018年にロシア語圏で複数の標準的薬物治療に耐性を持つ結核が発生して死者が出ている。

 ロシアと中国はこれまで、ウクライナにおける生物兵器の話題を国連安保理で議論するように提案してきたが、すべて米国に拒否されてきた。米国は、ロシアと中国の懸念は「偽情報」であると断言している。4月6日にロシアと中国が求めた公聴会でも、米英は安保理会合にさえ出席しなかった。

 しかし、懸念を表明しているのは、モスクワと北京だけではない。フランシス・ボイル教授は生物兵器に関する世界的に有名な著作家であり、法律の専門家でもあるが、彼によれば、米国がウクライナで生物兵器プログラムの実施に関与したことは間違いなく、そのような活動は米国が生物兵器条約に直接違反することになる、という。

 ボイル氏は、ウクライナの研究所にフォート・デトリックの職員が関与し、国防総省が密接に連携していたことは、その研究が大量破壊兵器の製造のためだったことを示していると指摘する。

 「ペンタゴンはウクライナの生物兵器研究所に資金を提供し、フォート・デトリックはペンタゴンの付属機関である。ペンタゴンの右腕はペンタゴンの左腕が何をしているかを知っていたと思う」。『生物兵器とテロリズム(Biowarfare and Terrorism)』(2005)の著者でもあるボイル氏は語っている。

 昨年、2021年6月、フォート・デトリックは数名の軍事専門家をウクライナに派遣し、「実験室と実戦環境」においてウクライナ軍と共に「劇場内で能力を理解し互いに援助する」ための訓練を行ったと、ミリタリータイムズ紙は報じている。

 フォート・デトリックには冷戦初期から続く生物兵器開発の由緒ある悪しき歴史がある。炭疽菌のような「機能獲得型」病原体を何十年にもわたって秘密裡に研究してきた。さらに、病気の疫学を研究するために、何も知らないアメリカ国民を対象にした実験を行ってきたことまで知られている。

 中国は特に、メリーランド州フレデリックにあるアメリカの生物兵器センターについて、独立した検査官に開放し、その研究所の実態を調査すべきだと訴えている。中国は、2019年にアメリカで未知のインフルエンザに似た感染症が大量に発生した後、フォート・デトリックが一時的に閉鎖されたことを指摘している。これは、2019年末に中国の武漢市でCovid-19(新型コロナ)の発生が検出される数カ月前のことである。中国の疑惑に拍車をかけたのは、武漢での発生が、2019年10月に同市で開催された「世界軍人運動会」の後に起こったことだ。その祭典には米国からもチームが参加している。

訳註:第7回目は武漢で開催された。世界109カ国から一万人近い軍人アスリートが参集。米国からは約300人が参加した。

 Covid-19の世界的大流行を引き起こしたSARSコロナウイルスも、ウクライナの国防総省の研究所で実験が行われていたとみられている。

 ところが、米国は臆面もなく、武漢のウイルス研究所がコロナウイルスを流出させた可能性があるとして、中国に国際査察団への開放を要求している。一方で、中国はすでにWHOの2つの科学チームが武漢で発症状況を調査することを許可し、WHOは自然界で動物からヒトに感染が広がったと結論づけている。

 しかし、これとは対照的に、米国はロシアと中国から、ペンタゴンが支援している研究所がウクライナで何をしていたかについて国連で議論するよう求められたが、すべて拒否している。また、フォート・デトリックの生物学的実験に関する独立した調査を求める中国の要求も米国は拒否している。

 ワシントンがモスクワと北京を非難し、要求を突きつける権利があると感じているのは、傲慢さの現れだ。しかし、米国の有罪性の証拠はさらにうずたかく積み重なっている。

 中国は、冷戦が終結したとされる過去30年の間に、ペンタゴンが30カ国以上に300以上の生物学研究所を拡張してきて、しかもその大部分がロシアと中国の隣国にあることを指摘している。

 フォート・デトリックが生物学的大量破壊兵器を利用してきた不吉な記録と、特定の攻撃目的のためにその記録がウクライナで存在感を増していることが、ロシアの軍事介入をつくり出しているのだ。中国が批判的な立場をとり、米国からの回答と説明責任を求めるのも、また正当な行動である。
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