ウクライナは1999年のNATOによるユーゴスラビア攻撃の第二幕である-クストリッツァ監督
ウクライナは1999年のNATOによるユーゴスラビア攻撃の第二幕である-クストリッツァ監督
<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine is second act of NATO’s 1999 attack on Yugoslavia – Kusturica
The world is now undergoing a “deconstruction of power” that thought itself supreme 23 years ago, the famous Serbian director tells RT
世界は今、23年前に自らを最高と考えた「権力の解体」に直面していると、有名なセルビア人監督がRTに語った。
RT 2022年3月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月1日

現在のウクライナ紛争は基本的に1999年のNATOによるユーゴスラビア爆撃の続編である、とセルビアの著名な映画監督であるエミール・クストリッツァ氏は、3月22日火曜日、RTに語った。そして、ロシア恐怖症と西側の国際法蔑視の連続性を指摘した。
1999年3月24日、NATOは当時のユーゴスラビア連邦共和国に対して空戦を開始した。空爆は78日間続き、交渉による休戦で終了し、国連平和維持軍がコソボ州の反乱軍へ進駐することを許したのだった。
ロシアは弱体化し、ボリス・エリツィン大統領を支える「西側寡頭政治」に支配されていたため、セルビアは自由・国境・生存のために戦おうとしても「絶対的に孤独」だったのだ、とクストリッツァ監督はメチャヴニクの自宅からRTに語っている。
これは「国際法がカッコ付き(いわく付きの)人道法だと私が言うものに改変されたとき」のことだったのだ、と映画監督は語った。NATO進駐の公式根拠がコソボでの人道的災害をNATOが止めようとしたということであり、その後になって作られた「保護する責任」という原則は戦争を正当化するためだったのだ、と指摘した。
「今回の戦争は突然起こったのではない。この戦争は突然起こったのではなく、もっと前に起こったことの延長線上にある」と監督は語り、現在のウクライナ紛争に言及した。クストリッツァ監督が見ているのは、西側諸国におけるロシア恐怖症の継続性であり、西側こそが冷戦後にロシアからの協力の申し出を拒否したということなのである。
こちらの動画を参照
NATOは空爆が平和をもたらしたと主張したが、その成果は2000年10月のカラー革命を可能にしたことだけだ、とクストリッツァ監督は指摘する。ユーゴスラビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領は、2004年と2014年のウクライナでの2回の革命の雛形となるような形で打倒されたのである。
「セルビアへの爆撃は第一幕に過ぎず、今、私たちは同じ物語の第二幕を目撃しているのです」
セルビア人は戦争賛成派ではない。ただ1999年のことを覚えていて、現在のウクライナ紛争の原因を理解しているだけだ、とクストリッツァはRTに語った。
「一極集中の世界では、支配者たちは誰も自分たちの動きに対して代償を払っていない」「今、私たちは世界中で権力の解体に直面しており、最終的に重要なのはどのような武器を持っているかだと思います」と監督は指摘した。
1999年当時、セルビアは最新の武器を持っていなかった。エリツィンは、もっと絶大な効果をもたらす防空システムの納入を阻止したのだ、とクストリッツァは言う。それでも、セルビア人はアメリカのステルス爆撃機を撃墜することができた。セルビア人はNATOの「人道的」爆撃を今日でも覚えている、と彼は付け加えた。
「彼らNATOは決して地上には出てこなかった、なぜならセルビア人の戦い方を知っているからだ」とクストリッツァは指摘した。
READ MORE:

廃墟の中で生き抜く:ドンバスの街に人はもはや存在しない、とウクライナは言う
ユーゴスラビアは2006年に終焉を迎えた。モンテネグロが独立を宣言した時だった。コソボのアルバニア臨時政府は、NATOの支援を受けていたが、2008年に独立を宣言した。ベオグラード(セルビア)の承認は得られなかったのではあるが。セルビアは今や、ほぼ四方をNATO諸国に囲まれた「孤島」のような存在になっている。しかしセルビアは(自分たちが過去にNATOから受けた扱いを知っているので)、すべてのメディアが西側の支配下にあるわけではなく、不正や検閲に対して声を上げることができる場所でもあるのだ、とクストリッツァ監督は述べた。
「キャンセル・カルチャーの、ほとんど信じがたい悪魔バージョン」だと彼が表現したものを、彼は非難した。それはつまり、かつてのナチスのように街の広場で本を燃やすという行為にまでは及んでいないものの、今やロシアの指揮者・作曲家・作家を排除していることである。
「チェーホフ、プーシキン、ドストエフスキー、トルストイといったロシアの作家は、我々がヨーロッパ文化と呼ぶものと切り離せない」とクストリッツァは語り、西側は現在それらを切り捨てようとしているが、世界は「いずれこれらの断片が再び一つになるのを見るだろう」と主張している
現在のボスニア・ヘルツェゴビナで生まれたクストリッツァ監督は、1981年に初めて長編映画を制作し、その後、数々の賞を受賞した長編映画を監督し、俳優、音楽家、作家としても活躍している。彼は2003年公開の映画『ライフ・イズ・ア・ミラクル』のセットとして建てられた、セルビア西部の民族をテーマにした村に住んでいる。
<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine is second act of NATO’s 1999 attack on Yugoslavia – Kusturica
The world is now undergoing a “deconstruction of power” that thought itself supreme 23 years ago, the famous Serbian director tells RT
世界は今、23年前に自らを最高と考えた「権力の解体」に直面していると、有名なセルビア人監督がRTに語った。
RT 2022年3月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月1日

現在のウクライナ紛争は基本的に1999年のNATOによるユーゴスラビア爆撃の続編である、とセルビアの著名な映画監督であるエミール・クストリッツァ氏は、3月22日火曜日、RTに語った。そして、ロシア恐怖症と西側の国際法蔑視の連続性を指摘した。
1999年3月24日、NATOは当時のユーゴスラビア連邦共和国に対して空戦を開始した。空爆は78日間続き、交渉による休戦で終了し、国連平和維持軍がコソボ州の反乱軍へ進駐することを許したのだった。
ロシアは弱体化し、ボリス・エリツィン大統領を支える「西側寡頭政治」に支配されていたため、セルビアは自由・国境・生存のために戦おうとしても「絶対的に孤独」だったのだ、とクストリッツァ監督はメチャヴニクの自宅からRTに語っている。
これは「国際法がカッコ付き(いわく付きの)人道法だと私が言うものに改変されたとき」のことだったのだ、と映画監督は語った。NATO進駐の公式根拠がコソボでの人道的災害をNATOが止めようとしたということであり、その後になって作られた「保護する責任」という原則は戦争を正当化するためだったのだ、と指摘した。
「今回の戦争は突然起こったのではない。この戦争は突然起こったのではなく、もっと前に起こったことの延長線上にある」と監督は語り、現在のウクライナ紛争に言及した。クストリッツァ監督が見ているのは、西側諸国におけるロシア恐怖症の継続性であり、西側こそが冷戦後にロシアからの協力の申し出を拒否したということなのである。
こちらの動画を参照
NATOは空爆が平和をもたらしたと主張したが、その成果は2000年10月のカラー革命を可能にしたことだけだ、とクストリッツァ監督は指摘する。ユーゴスラビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領は、2004年と2014年のウクライナでの2回の革命の雛形となるような形で打倒されたのである。
「セルビアへの爆撃は第一幕に過ぎず、今、私たちは同じ物語の第二幕を目撃しているのです」
セルビア人は戦争賛成派ではない。ただ1999年のことを覚えていて、現在のウクライナ紛争の原因を理解しているだけだ、とクストリッツァはRTに語った。
「一極集中の世界では、支配者たちは誰も自分たちの動きに対して代償を払っていない」「今、私たちは世界中で権力の解体に直面しており、最終的に重要なのはどのような武器を持っているかだと思います」と監督は指摘した。
1999年当時、セルビアは最新の武器を持っていなかった。エリツィンは、もっと絶大な効果をもたらす防空システムの納入を阻止したのだ、とクストリッツァは言う。それでも、セルビア人はアメリカのステルス爆撃機を撃墜することができた。セルビア人はNATOの「人道的」爆撃を今日でも覚えている、と彼は付け加えた。
「彼らNATOは決して地上には出てこなかった、なぜならセルビア人の戦い方を知っているからだ」とクストリッツァは指摘した。
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ユーゴスラビアは2006年に終焉を迎えた。モンテネグロが独立を宣言した時だった。コソボのアルバニア臨時政府は、NATOの支援を受けていたが、2008年に独立を宣言した。ベオグラード(セルビア)の承認は得られなかったのではあるが。セルビアは今や、ほぼ四方をNATO諸国に囲まれた「孤島」のような存在になっている。しかしセルビアは(自分たちが過去にNATOから受けた扱いを知っているので)、すべてのメディアが西側の支配下にあるわけではなく、不正や検閲に対して声を上げることができる場所でもあるのだ、とクストリッツァ監督は述べた。
「キャンセル・カルチャーの、ほとんど信じがたい悪魔バージョン」だと彼が表現したものを、彼は非難した。それはつまり、かつてのナチスのように街の広場で本を燃やすという行為にまでは及んでいないものの、今やロシアの指揮者・作曲家・作家を排除していることである。
「チェーホフ、プーシキン、ドストエフスキー、トルストイといったロシアの作家は、我々がヨーロッパ文化と呼ぶものと切り離せない」とクストリッツァは語り、西側は現在それらを切り捨てようとしているが、世界は「いずれこれらの断片が再び一つになるのを見るだろう」と主張している
現在のボスニア・ヘルツェゴビナで生まれたクストリッツァ監督は、1981年に初めて長編映画を制作し、その後、数々の賞を受賞した長編映画を監督し、俳優、音楽家、作家としても活躍している。彼は2003年公開の映画『ライフ・イズ・ア・ミラクル』のセットとして建てられた、セルビア西部の民族をテーマにした村に住んでいる。
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