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ビガノ大司教が語るゼレンスキー政権の正体:ユダヤ人大統領がネオナチと手を組む不思議

検閲と不寛容によって否定される多元的な言論の自由

<記事原文 寺島先生推薦>

Msgr. Carlo Maria Viganò on the Russia-Ukraine Crisis. “Pluralism and Freedom of Speech Disavowed by Censorship and Intolerance”

By His Excellency Carlo Maria Viganò

Global Research 2022年3月11日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月1日



1 ウクライナのカラー革命と、クリミア、ドネツク、ルガンスクの独立

 ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領の政権が2013年、ウクライナと欧州連合の連合協定を中断し、ロシアとの経済関係を緊密にすることを決定した。

 その後、「ユーロ・マイダン(欧州広場)」と呼ばれる一連の抗議デモが始まり、それは数カ月に及び、最終的にヤヌコヴィッチを打倒し新政府を発足させた革命に至ったのである。

 それはジョージ・ソロスがスポンサーとなった作戦であったと、彼はCNNに率直に語っている。「私はウクライナがロシアから独立する以前からウクライナに財団を持っている。この財団は常にビジネスをおこなっており、今日の出来事において決定的な役割を果たした」(こちらこちらこちらを参照)。

 政権交代は、ヤヌコヴィッチの支持者と、ウクライナの親西欧化に反対するウクライナ国民の一部の反発を招いた。ウクライナの親西欧化は、国民が望んでいたものではなかった。それはカラー革命によって獲得されたものだからである。カラー革命については、その全面的なリハーサルが数年前にグルジア、モルドバ、ベラルーシでおこなわれていたのだ。

 2014年5月2日の衝突に続いて、民族主義的民兵組織(極右集団「右派セクター」を含む)も介入し、オデッサでの大虐殺もあった。

 欧米の報道機関もこれらの恐ろしい出来事をスキャンダラスに語り、アムネスティ・インターナショナル(こちらを参照)や国連はこれらの犯罪を糾弾し、その残虐性を記録した。

 しかし、責任者に対していかなる国際法廷も手続きを開始することはなかった。ところが今日、ロシア軍にたいしては侵略行為だとして国際法廷に訴えると言っている。

 その後、関係者の間で多くの協定がむすばれた。しかし、そのほとんが尊重されていない。その中には、2014年9月5日に署名したミンスク議定書も含まれる。これはウクライナに関する三者協議会、すなわちウクライナ、ロシア、ドネツク人民共和国&ルガンスク人民共和国の代表からなる協議会だった。

 合意のポイントの中には、OSCE(欧州安全保障協力機構)の監視のもと、武装した違法集団、軍事装備、そして戦闘員や傭兵をウクライナ領内から排除し、すべての違法集団の武装解除をおこなうことも含まれていた。

 合意内容に反して、ネオ・ナチの民兵集団は政府に公式に認められているだけでなく、そのメンバーには閣僚の地位すら与えられている。

 また2014年には、クリミア、ドネツク、ルガンスクがウクライナからの独立を宣言し――すなわち国際社会が認めた民族の自決の名のもとに――ロシア連邦への編入を求めるとの宣言もした。

 ウクライナ政府は、住民投票によって承認されたこれらの地域の独立をいまだに認めず、ネオ・ナチ民兵や正規軍自身がドンバス地区の住民に対して自由に暴れることを放置しているのである。ドンバス政府をテロ組織だというのである。

 ドンバス地区で2014年11月2日におこなわれた2つの住民投票は、ドネツク州とルガンスク州の権力の分散と特別な地位の形のみを規定したミンスク議定書の延長上にあることは事実である。

 フランコ・カルディーニ教授(イタリア、人間社会科学研究所・名誉教授)が最近、次のように指摘した。

 「2022年2月15日、ロシアはこの状況を終わらせ、ロシア語を話す住民を守るための協定案を米国に届けた。しかしこれは名目的なものに過ぎない。この戦争は2014年に始まっていたからだ」(こちらこちらを参照)。

 そして、それは、ドンバスという地域のロシア系少数派と戦おうとする、ウクライナ多数派が意図的に始めた戦争だった。ペトロ・ポロシェンコ大統領は2015年に述べている。

 「私たちには仕事も年金もあるが、彼らにはないだろう。私たちは子どもを産んだらボーナスをもらえるが、彼らはそうではない。私たちの子どもには学校や幼稚園があり、彼らの子どもは地下室にいる。このようにして、われわれはこの戦争に勝つのだ」(こちらを参照)。

 こうした措置が、仕事も給料も教育も奪われた、いわゆる「ワクチン未接種者」に対する差別と似ていることに気づかないわけがない。

 ドネツクとルガンスクでは8年間にわたり爆撃がおこなわれ、数十万人の犠牲者、150人の子どもの死者、そして拷問、レイプ、誘拐、差別といった非常に深刻な事例が発生している(こちらを参照)。

 ドネツクとルガンスクの大統領であるデニス・プーシリンとレオニード・パセチニクは、2022年2月18日、ドンバス人民共和国民兵とウクライナ軍との衝突が続いているため、それぞれの国の民間人のロシア連邦への避難を命じた。

 ロシア国会下院は、プーチン大統領が2月21日にドネツク&ルガンスク両共和国と締結した友好・協力・相互援助条約を、全会一致で批准した。同時に、ロシア大統領はドンバス地域の平和を回復するために、ロシア連邦から軍隊を派遣することを命じた。

 ここで一つ疑問が湧いてくるだろう。

 鉤十字の旗を掲げ、アルドルフ・ヒトラーの肖像を掲げるネオ・ナチの軍隊や準軍事組織が、独立共和国のロシア語を話す住民に対して露骨な人権侵害をおこなっている状況で、なぜ国際社会がロシア連邦の介入を非難に値すると感じ、実際に暴力についてプーチンを非難しなければならないのか、という疑問だ。

 1991年8月24日のウクライナ独立宣言で有効とされ、国際社会も認めた国民の自決権はどこにあるのだろうか?

 NATOは、ユーゴスラビア(1991年)、コソボ(1999年)、アフガニスタン(2001年)、イラク(2003年)、リビアとシリア(2011年)で同じようなことをおこないながら、誰も異議を唱えることはなかった。にもかかわらず、なぜ今日、ロシアのウクライナへの介入でスキャンダルになるのだろうか?

 言うまでもなく、イスラエルはこの10年間、北部の国境に敵対的な武装戦線が形成されるのを防ぐためと称して、シリア、イラン、レバノンの軍事目標を繰り返し攻撃してきたが、どの国もテルアビブへの制裁を提案することはなかった。

 次のような光景を目にすることほど、ひとを当惑し失望させるものはない。

 EUと米国(ブリュッセルとワシントン)は、ゼレンスキー大統領を無条件に支持している。ゼレンスキー政権は8年前から、ロシア語を話すウクライナ人を迫害し続けていて何のお咎めもない(こちらを参照)。

 彼らは多民族国家のなかで母国語で話すことさえ禁じられている。なかでもロシア語話者は17.2%にも及んでいる。

 しかもウクライナ軍は、民間人を人間の盾として使っていることについても、欧米は沈黙している。これらのことは実に恥ずべきことではないか。

 そのうえウクライナ軍は、人口密集地、病院、学校、幼稚園の中に対空兵器を置いている。これは空爆が住民の間に多くの死者を出すことを目的にしているのだ。

 主流メディアは、ロシア兵が民間人を安全な場所に誘導したり(こちらこちらを参照)、ロシア兵が人道的回廊を組織しているのに(こちらこちらを参照)、それをウクライナ武装集団が発砲したりしている画像を見せないように注意している。

 同様に、ゼレンスキーが武器を与えた民間人の一部による略奪、虐殺、暴力、窃盗についても沈黙している。インターネット上で見ることのできる動画は、ウクライナ政府によって巧妙に煽られた内戦の風潮を物語っている。

 これに、ウクライナ軍に徴兵されるために釈放された囚人や、外国人部隊の志願者も加えることができる。規則も訓練もない狂信者の集団は、状況を悪化させ、管理不能にすることに貢献するだろう。

 



2 ウクライナのネオ・ナチと極右過激派の運動


 ロシアの侵略から国民を守るために国際社会から人道的援助を求める国は、集団的想像力を生かして、民主主義の原則の尊重と、過激派イデオロギーによる活動やプロパガンダの拡散を禁止する法律の制定を、求めるべきである。

 軍事的かつ準軍事的活動に従事するネオナチ運動は、しばしば公的機関の公式支援を受けて、ウクライナで自由に活動している。これらには次のようなものがある。

 ①ステパン・バンデラのウクライナ国民党組織(OUN)。
  これはナチス、反ユダヤ主義と、チェチェンですでに活動していた人種差別主義の母体を持つ運動であり、「右派セクター」に属している。なお、この「右派セクター」は2013/2014年の「ユーロ・マイダン(欧州広場)」のクーデター時に結成された極右運動の連合体である。

 ②ウクライナ反乱軍(UPA)。

 ③UNA/UNSO。
  これは極右政党ウクライナ国民会議の準軍事組織である。

 ④コルチンスキー同胞団(Korchinsky Brotherhood)。  
 これはISISメンバーにキエフでの保護を提供した組織である(こちら)。

 ⑤人間嫌い構想(Misanthropic Vision)(MD)。
  これは19カ国に広がるネオナチネットワークである。キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、共産主義者、同性愛者、アメリカ人や有色人種に対して、テロや過激主義や憎悪を公に煽り立てている組織である(こちら)。

 忘れてならないのは、ウクライナ政府がこれら過激派組織への明確な支援をおこなってきたことである。彼ら過激派組織の代表者の葬儀に大統領警護官を送ったり、あるいはまた同様に、アゾフ大隊を支援したりしたことによってである。

 そのアゾフ大隊とはウクライナ軍に正式に所属している準軍事組織であり、新しい名称をアゾフ特殊作戦連隊といい、国家警備隊に組織されている。

 アゾフ連隊は、ウクライナ系ユダヤ人のオリガルヒであるイゴール・コロモイスキーによって資金提供されている。

 彼は前ドニエプロペトロフスク州知事であり、また、「右派セクター(プラヴィイ・ゼクトール)」の民族主義民兵の資金提供者だと考えられている。この右派セクター(プラヴィイ・ゼクトール)こそ、オデッサの大虐殺に責任があると考えられている組織だ。



「ウクライナの防衛者」の日(2018年10月14日)にキエフを行進するアゾフ大隊などの極右集団のメンバー。写真はLeave the West Behindより。

 私が、「パンドラ文書」でゼレンスキー大統領のスポンサーとして言及したコロモイスキーと同じ人物である。このアゾフ大隊は、ヨーロッパやアメリカのいくつかの極右組織と関係がある。

 アムネスティ・インターナショナルは、サリル・シェティ事務局長が2014年9月8日に、アルセニー・ヤツェニュク首相と会談した後、ウクライナ政府に対し、キエフ軍と共に活動するアゾフ大隊などの住民虐待と戦争犯罪を終わらせるよう要請した。

 ウクライナ政府は、この件に関する公式調査を開始したが、アゾフ大隊の将校や兵士は誰も調査を受けていないようだと認めた。

 それどころか、ウクライナのアルセン・アヴァコフ内務大臣が2015年3月に発表したのは、アゾフ大隊が「オペレーション・フィアレス・ガード(大胆不敵の防衛作戦)」の訓練任務の一環として、米軍部隊による訓練を受ける最初の部隊の1つになることだった。

 しかし米国の訓練は2015年6月12日に打ち切られた。それは米国下院がネオナチの過去を理由に同大隊へのすべての援助(武器や訓練を含む)を禁止する修正案を可決したからだった。

 しかし、その後、CIAの圧力により修正案は撤回され(こちらこちらを参照)、アゾフ大隊の兵士は米国で訓練を受けることになった(こちらこちらを参照)。

  「われわれは彼らをもう8年も訓練している。彼らは実に優れた戦士たちだ。それこそ、CIAのプログラムが重大な力を発揮しただろうと思われる点だ」

 OSCE(欧州安全保障協力機構)の報告書が2016年、明らかにしたのは、アゾフ大隊が囚人の大量殺害、集団墓地での死体の隠蔽、身体的・心理的拷問技術の組織的使用に責任があるということだった。

 ところが驚いたことに、つい数日前、アゾフ大隊の副司令官ヴァディム・トロヤンが、アルセン・アヴァコフ内相によって、オブラスト州警察署長に任命されていたのである。

 こういった面々が、ウクライナ軍とともにロシア兵と戦っている「英雄たち」なのである。そして、このアゾフ大隊の英雄たちは、自分たちの子どもを守る代わりに、あえて自分たちの肉親を仲間にしようと、少年少女を入隊させている(こちらこちらを参照)。

 これは、武力紛争における未成年者の関与に関する「国連子どもの権利条約の選択議定書」(こちらを参照)に違反している。

 この議定書は、国家の軍隊であっても武装集団であっても、18未満の子どもを強制的に徴集したり戦闘で使ったりしないことを定めた特別な法的手段なのである。

 必然的に、EUが提供する殺傷力のある武器が、こうした子どもたちによって使われる運命にあるのである。その中のEUのなかには、「反ファシスト」を標榜する政党の支援で首相になったはずの、ドラギ首相のイタリアもあるのだ。

3 ウクライナ大統領、ヴォロディミール・ゼレンスキー


 多くの政党が指摘しているように、ゼレンスキー大統領の立候補と当選は、近年始まった喜劇俳優や芸能人の政治家への起用という決まり文句に対応するものである。

 エリートコースに乗っていなければ機関の頂点に登れないと信じてはならない。それどころか政治の世界では見知らぬ人であればあるほど、その人の成功は権力者によって決定されると考えるべきなのだ。

 ゼレンスキーの女装パフォーマンスは、LGBTQのイデオロギーと完全に一致する。それは、ヨーロッパの政界スポンサーが、すべての国の受け入れるべき「改革」計略の必須条件と考えるものそのものであり、男女平等、中絶、グリーンエコノミーに匹敵する条件である。

 WEF(こちらを参照)のメンバーであるゼレンスキーが、WEF会長クラウス・シュワブやその同盟者たちの支援という恩恵を受けて政権を取り、ウクライナでもグレート・リセットが実行されるようになったのも不思議はない

 ゼレンスキーが製作・主演した57回にわたるテレビシリーズは、メディアが彼のウクライナ大統領選への立候補と選挙戦を計画したことを示している。

 フィクション番組『人民の僕(しもべ)』で、彼は思いがけず共和国大統領に就任し、政治の腐敗と戦う高校教師の役を演じた。絶対的に何のへんてつもなかったこのシリーズが、それでも「ワールドフェスト・レミ賞」(アメリカ、2016年)を受賞し、「ソウル国際ドラマ賞」(韓国)のコメディ映画部門で最終候補のトップ4に入り、ハンブルクの「ワールドメディア映画祭」でエンターテインメントTVシリーズ部門の「インターメディアグローブ銀賞」を受賞したのも、偶然ではないだろう。

 ゼレンスキーがテレビシリーズで得たメディア上の反響は、彼のインスタグラムのフォロワーを1000万人以上にし、同名の政党「Servant of the People」を設立する前提になった。

 この政党には、ゼレンスキー自身やオリガルヒ・コロモイスキーとともに、「クバルタル95スタジオ(Kvartal 95 Studio)」の総支配人&株主(ゼレンスキーとコロモイスキーも株主)で、「TV 1+1」テレビネットワークの所有者でもあるイバン・パカノフもメンバーとして名を連ねている。

 ゼレンスキーのイメージは人為的な産物であり、メディアのフィクションであり、ウクライナ共同体の想像力のなかに何とか政治的キャラクターを作り出そうとした「合意の捏造」作戦だったのだ。彼はフィクションではなく現実において権力を獲得したのだった。

 「彼が勝利した2019年の選挙のちょうど1カ月前、ゼレンスキーは会社[Kvartal 95 Studio]を友人に売却し、自分が正式に放棄してしまっていた事業の売却収益を自分の家族に与える方策(手口)をまだ探していた。

 その友人とはセルヒイ・シェフィールで、後に大統領府参事官に任命された人物だったんだ。(中略)株式の売却は、マルテックス・マルチキャピタル社の利益のためにおこなわれた。この会社はシェフィールが所有していて、英領ヴァージン諸島で登記がされている会社だ」(こちらも参照)。

<訳注>つまり税金逃れのために、世界的な租税回避地(タックス・ヘイブン)として有名な英領ヴァージン諸島に、幽霊会社をつくったわけだ。


 ウクライナの現大統領は、選挙キャンペーンで、2丁の機関銃を持ち、汚職やロシアへの従属を指摘された国会議員に発砲するという、控えめに言っても不穏なCMを流していた(こちらを参照)。

 しかし、ウクライナ大統領が「人民の僕(しもべ)」の役割で喧伝した汚職との闘いは、いわゆる『パンドラ文書』<註>から浮かび上がる彼の姿とは一致しない。

 <註>世界各国の首脳や有名人が幽霊会社で租税回避していたことを示す「パンドラ文書」

 この文書には、選挙の前夜、ユダヤ人大富豪コロモイスキー[1]が海外口座を通じて彼に4千万ドルを支払ったように見える(ここここここを参照)[2]。

 彼の祖国ウクライナでは、彼が親ロシア派のオリガルヒ(新興財閥)から権力を奪ったのは、ウクライナ国民に権力を与えるためではなく、むしろ自分の利益集団を強化し、同時に政敵を排除するためだと非難する声が多く聞かれる。

 「彼は保守派の閣僚たちを、まず第一に、有力な内務大臣である(アルセン・)アヴァコフを清算した。

 次に彼は、自分の法律をチェックする役割を担っていた憲法裁判所長官を、突然に退任させた。そのうえ彼は、7つの野党テレビ局を閉鎖した。

 さらに彼は、親ロシア派であり、ウクライナ議会の第二党である「生活のための野党」の党首ヴィクトル・メドヴェドクを逮捕し、反逆罪で告発した。この政党は、ゼレンスキー大統領の政党「人民の僕」に続く、第2の政党だった。

 また、この政党はポロシェンコ前大統領を反逆罪で裁判にかけようとしていた。ロシアやその友人と仲良くしている人以外は疑ってかかる人物だったというわけだ。

 人気者の元ボクシング世界チャンピオンでありキエフ市長であるヴィタリー・クリチコも、すでに何度も捜索や差し押さえを受けている。

 要するに、ゼレンスキーは自分の政治に沿わない人物を一掃したいようだ」(こちらを参照)。

 ゼレンスキーは2019年4月21日、73.22%の得票率でウクライナ大統領に選出され、5月20日に宣誓をした。

 彼は2019年5月22日、「クヴァルタル95」社長のイワン・バカノフを、ウクライナ治安サービス第一副局長およびウクライナ治安サービス中央総局の汚職・組織犯罪対策主管局長に任命した。

 バカノフと並んで、ミハイロ・フェドロフを挙げることができる。彼は副大統領およびデジタル移行推進担当大臣に任命された。彼もWEF(世界経済フォーラム)のメンバーである(こちらを参照)。

 ゼレンスキー自身は、カナダのジャスティン・トルドー首相にインスピレーションを受けたと認めている(こちらと、こちらを参照)。

4 ゼレンスキーとIMF、WEFの関係

 ギリシャの悲劇的な前例が示すように、国家の主権と議会の表明する民意は、国際的な巨大金融業(IMF)の決断によって事実上、抹殺される。それが、経済的本質から由来する大金融業(IMF)の決断が恐喝および明白なゆすりを通じて政府の政策に干渉するからだ。欧州の最貧国の一つであるウクライナも例外ではない。

 ゼレンスキーの当選直後、国際通貨基金(IMF)は「要求に従わなければ、ウクライナに50億ドルの融資をしない」と脅した。IMFの専務理事であるクリスタリナ・ゲオルギエヴァとの電話会談で、ウクライナ大統領は叱責された。ヤキフ・スモリイを更迭して、自分が信頼するキーロ・シェフチェンコに代えたからだ。シェフチェンコはIMFの「命令」に従わないからだ。

 アンドレアス・アスランド(Anders Åslund)は『Atlantic Council』に書いている。

 ゼレンスキー政権を取り巻く問題は、憂慮すべき事態に発展している。

 まず、2020年3月以降、大統領は、ヤキフ・スモリイの下で進められた改革だけでなく、前任者のペトロ・ポロシェンコが始めた改革をも覆したからだ。

 第二に、同大統領の政府は、ウクライナがまだ達成していない課題にたいするIMFの懸念を解消するための適切な提案をしていない。

 第三に、大統領はもはや議会に与党の多数派をつくり改革派の多数派を形成することに無関心なようでだから」(こちらを参照)。

 明らかなことは、このIMFの介入は、グローバリストが指示している経済・財政・社会政策の課題にウクライナ政府が取り組むよう、強要することが目的としていた。

 その手始めがウクライナ中央銀行を政府からの「独立」(括弧つきの独立)させることである。これは、IMFがキエフ政府に対して中央銀行に対する合法的支配を放棄するように求める婉曲的な表現である。なぜなら中央銀行は貨幣の発行や公的債務の管理といった国家主権を行使する手段の一つだから、それを放棄しろというのである。

 一方、そのわずか4カ月前、IMFの専務理事であるクリスタリナ・ゲオルギエヴァは、WEFのクラウス・シュワブ、チャールズ英国皇太子、アントニオ・グテーレス国連事務総長とともに、「グレート・リセット」に着手したのだった。

 こうして、それまでの政権では不可能だったことがゼレンスキー大統領のもとで実現した。ゼレンスキーが、BCU(Baxter Credit Unionバクスター信用組合)の新総裁キーロ・シェフチェンコと共に、意向に沿ったからである。

 その1年足らず後、シェフチェンコは自分の服従の度合いを証明するために、「中央銀行が各国の気候目標の鍵であり、ウクライナはその道を示している」という論文をWEFに寄稿した(こちらを参照)。

 こうして、アジェンダ2030は、脅迫のもとに、実行される。

 他にも、WEFとつながりのあるウクライナの企業はある。ウクライナ国立貯蓄銀行(ウクライナ最大の金融機関の一つ)、DTEKグループ(ウクライナのエネルギー分野における重要な民間投資家)、Ukr Land Farming(土地開発の農業分野における先端企業)などだ。銀行、エネルギー、食糧は、クラウス・シュワブが理論化した『グレートリセット:第四次産業革命』に完全に合致する分野である。

 ウクライナ大統領ゼレンスキーは、2021年2月4日、ZIK、Newsone、112 Ukraineなど7つのテレビ局を閉鎖した。これらはすべて自国政府を支持しない罪を犯したというのである。

 アンナ・デル・フレオが書いているように、「この自由を抹殺する行為に対して厳しい非難が殺到した。とりわけ欧州ジャーナリスト連盟と国際ジャーナリスト連盟は、このような閉鎖措置にたいして即時解除を要求した」のである。

 こうして、3つの放送局は5年間放送ができなくなり、約1500人の雇用が危険にさらされることになる。

 この3つのネットワークが閉鎖されるべき本当の理由は、ウクライナの政治的焦点、すなわち大統領の恣意性以外にない。これら三つの放送局は、情報セキュリティを脅かし、「悪質なロシアの影響」を受けていると非難されたのだ。

 これにたいして、ウクライナのジャーナリスト組合であるNUJUからも、言論の自由に対する非常に重い攻撃だと強い反対があった。何百人ものジャーナリストが自己表現の機会を奪われ、何十万人もの市民が情報を得る権利を奪われていると主張した。

 ここではロシアとプーチンが非難されているが、実際にはゼレンスキーが、そして最近では欧州連合が、「偽情報を防ぐという口実でつくられたソーシャルメディアの規程」に加担して実行したことである。

 しかし、EFJ(ヨーロッパジャーナリスト連盟European Federation Journalists)事務局長リカルド・ギテーレス(Ricardo Gutierrez)は、「テレビ放送局の閉鎖は報道の自由を制限する最も極端な形態の一つだ」と述べている。

「国家は効果的な情報の多元性を確保する義務があります。大統領の拒否権は、表現の自由に関する国際基準にまったく合致していないことは明らかだ」(こちらを参照)。

 ヨーロッパにおけるロシア・トゥデイとスプートニクの報道管制の後、ヨーロッパジャーナリスト連盟と国際ジャーナリスト連盟がどのような声明を出したか、興味深いところである。

5 バイデン親子のウクライナにおける利益相反関係

 もう一つ、深く分析しない傾向があるのが、2002年からウクライナ市場で操業している石油・ガス会社、ブリズマ社に関する問題である。以下の点を思い起こしてみよ。

 バラク・オバマのアメリカ大統領時代(2009年から2017年まで)、オバマの右腕で、国際政治を一手に引き受ける「委任権」を持っていた人物こそジョー・バイデンであった。

 そしてそれ以来、民主党のアメリカ指導者が提供する「保護なるもの」がウクライナの民族主義者に与えられ、キエフとモスクワの間に和解できない不一致を生み出す路線となったのである。(中略)

 その当時のジョー・バイデンこそ、ウクライナをNATOに近づけるという政策を実行した人物であった。彼は、ロシアから政治的・経済的な力を奪いたかったのである。(中略)

 近年、ジョー・バイデンの名前はウクライナをめぐるスキャンダルとも関連付けられているが、それがバイデンのホワイトハウス入りを危うくしたスキャンダルでもあったのである(略)。

 2014年4月、ウクライナ最大のエネルギー企業(ガスと石油の両方で活動)であるブリスマ・ホールディングスが、ハンター・バイデンを月給5万ドルのコンサルタントとして雇った(中略)。

 すべてが透明である。ただし、その数ヶ月の間、ジョー・バイデンが、ドンバスの所有権をウクライナに取り戻すことを目的としたアメリカの政策を続けたことを除けば、である。

 ドンバスこそ、現在ロシアによって承認され、共和国となった地域だ。このドネツク地域には未開発のガス田が豊富にあるとされ、ブリスマ・ホールディングスがこれをずっと狙ってきた。

 経済政策と絡めた国際政策であり、当時のアメリカのメディアを鼻白ませたものだった」(こちらを参照)。

 民主党は、トランプがバイデンの選挙戦を害するためにメディアのスキャンダルを作り出したと主張したが、トランプの告発は事実となった。

 ジョー・バイデン自身、「ロックフェラー外交問題評議会」の会合で、当時のペトロ・ポロシェンコ大統領とアルセニ・ヤツェニク首相に介入し、ヴィクトル・ショーキン検事総長による息子ハンターへの調査を阻止したことを認めた。

 ニューヨーク・ポスト紙は、バイデンが「2015年12月のキエフ訪問時に、米国で10億ドルの融資保証を保留する」と脅していたと報じている(こちらを参照)。

 「ショーキン検事総長をクビにしなければ、金がなくなるぞ」(こちらこちらを参照)。そして事実上、検事総長は解雇され、ハンターをさらなるスキャンダルから救ったのである。スキャンダルがハンターを巻き込んだ後ではあったが。


 バイデンのキエフ政治への干渉は、ブリズマと腐敗したオリガルヒへの便宜と引き換えに、現在のアメリカ大統領が自分の家族とイメージを守ることのみに関心を持っていることを裏付けている。

 それがウクライナの無秩序と戦争をさえ煽っているのである。自分の役割を利用して自分の利益を大事にして、家族の犯罪を隠蔽する人間が、正直にかつ脅迫に屈することなく統治などできるものだろうか。

6 核兵器の開発・拡散・使用を禁止したブダペスト覚書の破棄を表明

 最後に、ウクライナの核兵器の問題である。

 ゼレンスキーは、2022年2月19日、ミュンヘンでの会議でウクライナの核兵器の開発・拡散・使用を禁止したブダペスト覚書(1994年)を破棄する意向を表明した。

 また、この覚書には、ロシア、米国、英国がウクライナの政策に影響を与えるために経済的圧力を行使しないことを義務付ける条項がある。

 IMFや米国が、「グレートリセット」に沿った改革と引き換えに経済援助を与えることは、さらなる合意違反となる。

 ウクライナ大使のアンドリー・メルニク(在ベルリン)は、2021年にドイツ国営放送で、ウクライナがNATOに加盟できなかった場合、核の地位を回復する必要があると主張した。

 ウクライナの原子力発電所は、国営企業NAEKエネルゴアトムが運転・再建・保守をおこなっているが、2018年から2021年にかけてロシア企業との関係を完全に終了させた。

 NAEKの主なパートナーは、たどっていけば米国政府に行き着くことのできる企業である。これを考えれば、ロシア連邦がウクライナの核武装の可能性を脅威とみなし、キエフに核不拡散条約の遵守を要求していることは容易に理解できる。


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