オレナ・セメニャカとは何者か?:アゾフ大隊を操り、欧州を牛耳る女
オレナ・セメニャカとは何者か?:アゾフ大隊を操り、欧州を牛耳る女
<記事原文 寺島先生推薦>
Meet Ukraine’s Azov Figurehead Olena Semenyaka, Europe’s Female Führer
Strategic Culture
2022年3月20日
デクラン ヘイズ(Declan Hayes)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月31日
この戦争から何かいい事が生まれるとしたら、それは欧州全体がNATOを排除し、剣を鍬に打ち替えるようになることだろう。
ウクライナの道化師・ゼレンスキー大統領が見出しを独占している中、オレナ・セメニャカのことは脇に追いやられているようだ。これは残念なことだ。というのも、ウクライナのインチキ・ミスタービーンよりも、この女性セメニャカに注目したほうが、ウクライナ問題の核心がはるかによく見えてくるからだ。
セメニャカはウクライナ国家主義者たちの「ファースト・レディ」と言われてきた。セメニャカが擬似知性主義を駆使し、世界中のネオファシスト勢力との繋がりを持ち、さらにウクライナではアゾフ勢力に対して教祖的な指導者として君臨していることで、彼女は今やウクライナ政権を影から支配する恐るべき権力者になっている。
ゼレンスキーの繰り出すロシア嫌い的なジョーク(そのままの意味だ)に失笑しているうちは、キエフの状況は安泰かもしれない。しかし、セメニャカの言動の方は、笑い飛ばして済ますわけにはいかない。1987年生まれで、ソ連解体後に育ったセメニャカは、優れた哲学科の学生だった。セメニャカは汎スラブ至上主義に関するすべてをかじり、2014年にマイダンでファシストがクーデターを起こしたときには、いま彼女が手にしているウクライナ・ナチスにおける最上位の巫女的立場をすでに確立していたのだった。
セメニャカは全力を捧げてアゾフ勢力の活動に取り組み、ウクライナをヨーロッパの人種差別主義再興の中心地にしようとしていた。アゾフの国際関係担当と、出版関連担当長を務めているセメニャカは、同様の考え方を持つ海外の諸団体や、その諸団体を運営している様々な諜報機関と関係を築いて きた。さらにセメニャカは、2014年にキエフで結ばれた、いわゆる「鋼鉄協約」のための知的基盤を確立する上で重要な役割を果たした。この協約によって、世界中の白人至上主義者がアゾフの掲げる「嫌ロシア虐殺」の旗の下に集まることとなった。そして何より特筆すべきことは、セメニャカは、その魅力的な容貌と身の振りこなしによって、今日のナチスが裏に潜ませた残虐性をメディアの力で柔和させ、見えなくしてしまう工作の中心人物になっていったことだ。
鋼鉄協約・・・第2次大戦前に独伊が結んだ協約を基とするもの

セメニャカは優秀ではあるが、斬新さはない。ニュルンベルク裁判で首席検事を務めたロバート・ジャクソン(Robert Jackson)が開廷のときに語った言葉を思い起こせば分かる。彼は、ヒットラーの共犯者たち(セメニャカのような妄信的変人も含めて)を念頭において語っている。セメニャカのような知識人たちが種を撒いたからヒトラー帝国が生まれたのだ。それはハイドリヒ(Heidrich)の副官だったヨアヒム・パイパー(Joachim Peiper)に仕えたナチス親衛隊への志願兵たちが、武力をもって種を撒いたのと同じだ。ドイツ国防軍は、無数のセメニャカのような人々の援助がなければ、誰にも止められないほどの強固な軍隊にはならなかっただろう。アゾフたちにも同じことが言える。セメニャカのようなすごい役者がいなければ、ウクライナ政権を陰から支配する権力とはなれなかったのだ。これらの人々がウクライナ国内の国家主義思想を再興させ、「ロシアに起源を持つウクライナ」を、「汎スラブ主義に基づく反ロシア主義のウクライナ」という袋小路へと導いたのだ。そして後者のウクライナは、現在、ロシアの空爆とロシア軍のウクライナ中心地への侵攻によりズタズタにされている。
セメニャカは自らが犯したその間違いの責任を取らなければならない。アゾフの司令官アンドリー・ビレツキー(Andriy Biletsky)とともに活動してきたセメニャカは、東ウクライナでのアゾフの8年間の民族浄化行動を美化し、そのような犯罪行為を自身が提唱するインテルマリウム(中欧・東欧統合主義)や汎欧州失地回復というおとぎ話に置き換えようとしてきた。これらの主張は白人至上主義の帝国を具現化しようとする主張であり、西はドイツから東はロシア国境、北はラトビア、南はシチリア島までを帝国の領域にしようという構想に基づくものだ。
ヒトラーと同様、セメニャカは野望に事欠かなかった。また、アゾフとともに活動してきたセメニャカがその野望を、それがどれだけ実現不可能で達成不可能であったとしても、実現しようと決意していたこともヒトラーと変わらない。

セメニャカには幅広い協力者たちが存在し、これらの協力者たちはこの野望実現の計画に心酔していた。彼女は、人種差別主義に基いた書籍を多数発行し、また他の人々のそのような書籍の宣伝を行うだけではなく、他国の多くの極右勢力と同盟関係を築いてきた。具体的には、ドイツのネオナチ、フランスの新右翼(Nouvelle Droite)、セルビアの悪魔主義者団体、カサ・パウンド・イタリア、エストニア保守人民党(EKRE)、その青年部にあたる「青い目覚め(Sinine Äratus)」勢力、ラトビア国民連合勢力、ポーランドの青年伝統主義者勢力、「スウェーデンの代替案を考える会」、フィンランドの白人至上主義者団体スオメンシス、ポルトガルの白人至上主義者団体エスクド・アイデンティタリオ、その他さまざまな欧州白人至上主義者の団体、さらには米国の白人至上主義者の団体などだ。これらの団体の関係者の多くが最近ウクライナでアゾフのために戦い、命を落としている。
セメニャカは自身が持つ哲学的知見を用いて、西欧各地の様々な極右主義を、ウクライナ国家主義に落とし込むことに成功した。それはステパン・バンデラ(Stepan Bandera)などドイツ・ナチスに協力したウクライナの虐殺推進者たちが主張していた国家主義だ。彼女はアゾフの主張をEU諸国の西側的考え方にしみ込ませさせることに成功したのだ。
しかし哲学という武器は、ロシアの武器に対抗するには弱すぎる。セメニャカの夢は、「バルト海―黒海―アドリア海」を繋いだ地域の統合や、ブラックメタルの旋律により奏でられたアーリア人堕天使主義の拡散、ファシストのもとでの女性主義の実現を夢としているのである。それはウクライナ国家の歌詞の内容と同様に、「反ロシア主義は確固たる基盤である」という間違った前提に立ったものだ。しかしそれは確固たる基盤ではない。それは、つかむことが出来ない流砂のようなものなのだ。アゾフ大隊はいまそのことを身に染みて感じているだろう。

反ロシア主義は、他のすべての排他主義的な主張と同様に、戦争への序曲につながる以外の何物でもない。ウクライナの真の愛国主義者たちがウクライナのために果たすべきことは、すべての隣国と経済的および社会的なつながりを構築することであり、意味のない虐殺行為をけしかけることではない。そんなことをしても加害者呼ばわりされて終わりだ。これはこれまでの歴史認識を白紙にしたり、歪めたり、あるいは破棄したりすることではなく、真のウクライナ愛国者とは、これまで葉が一枚しかない草が育っていたところに、葉が二枚ある草を育てようとしている人々だという宣告をすることだ。
訳注:ここは、ウクライナとロシアは同一起源だという考え方とウクライナとロシアは起源が違うと考え方を対比している
この戦争が起こらなくても、ウクライナの経済状況は非常に悪かった。実現しそうもないアーリア人堕天使主義や、セメニャカの怪しげなブラックメタルの旋律を使った聖像の御旗を掲げたインテリマリアム的失地回復の夢を追い求めていなければ、一般のウクライナ国民たちがこんな苦杯を味わわずにすんだのだ。こんな計画がうまくいくはずがなかった。論理的に考えて、神聖ローマ帝国の新生などありえないし、欧州中を巻き込めるくらいの規模でのそんな主張を広めるような社会産業的手段や軍事力もないのだから。アゾフがそんなことを達成できるという希望は、本拠地としているウクライナの森の中にある脆弱な森の基地からも、包囲した都市部の前哨基地からも湧き上がってはこない。アゾフたちはうまく利用されているだけなのだ。ただしアゾフを利用しているのは、セメニャカのような安っぽい哲学者たちや、彼女たちが信奉しているニーチェやワグナーが説いたおとぎ話だけではない。
ウクライナの戦争は、第二次大戦がそうだったように、ヨーロッパのナチ勢力の敗北という形でいずれ終わるだろう。しかしウクライナや他の国々の真の愛国者たちが恋焦がれている恒久の平和が成し遂げられるためには、怪しげな邪教をすべて排除する必要がある。そうでないと、アーリア人神話の世界ではいざしらず、少なくともこの現実の世界においては、このような邪教は私たちを奈落の底につきおとしてしまう。そんな奈落の底がいかなるものかは、NATOが繰り出してきた終わりなき戦争の矛先にされてきた人々なら、わかりすぎるほどわかっている。
このひどい戦争から何かいいことが生まれるとしたら、それは、すべてのヨーロッパ人が、セメニャカが唱えるインテルマリウム構想だけにとらわれない立場にたって、NATOの爆弾や銃弾を拒否し、予言者イザヤの言葉を借りるならば、剣の代わりに鋤の刃を作ろうとしなければならない、ということだ。さらにはその方向を目指しながら、セメニャカが推しているような哲学書をドストエフスキーやトルストイの著書に持ち替え、セメニャカが推しているブラックメタルの旋律をチャイコフスキーのクラシックの旋律に置き換えることだ。セメニャカが唱えるニーチェ的聖戦ほど虚無的ではないが、このような方向性の方が、いつまでも人々に利益をもたらし、生産性も高い。そうすれば、ヨーロッパは住む価値のある場所になるかもしれない。私がそう思うだけなのかもしれないが。
<記事原文 寺島先生推薦>
Meet Ukraine’s Azov Figurehead Olena Semenyaka, Europe’s Female Führer
Strategic Culture
2022年3月20日
デクラン ヘイズ(Declan Hayes)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月31日
この戦争から何かいい事が生まれるとしたら、それは欧州全体がNATOを排除し、剣を鍬に打ち替えるようになることだろう。
ウクライナの道化師・ゼレンスキー大統領が見出しを独占している中、オレナ・セメニャカのことは脇に追いやられているようだ。これは残念なことだ。というのも、ウクライナのインチキ・ミスタービーンよりも、この女性セメニャカに注目したほうが、ウクライナ問題の核心がはるかによく見えてくるからだ。
セメニャカはウクライナ国家主義者たちの「ファースト・レディ」と言われてきた。セメニャカが擬似知性主義を駆使し、世界中のネオファシスト勢力との繋がりを持ち、さらにウクライナではアゾフ勢力に対して教祖的な指導者として君臨していることで、彼女は今やウクライナ政権を影から支配する恐るべき権力者になっている。
ゼレンスキーの繰り出すロシア嫌い的なジョーク(そのままの意味だ)に失笑しているうちは、キエフの状況は安泰かもしれない。しかし、セメニャカの言動の方は、笑い飛ばして済ますわけにはいかない。1987年生まれで、ソ連解体後に育ったセメニャカは、優れた哲学科の学生だった。セメニャカは汎スラブ至上主義に関するすべてをかじり、2014年にマイダンでファシストがクーデターを起こしたときには、いま彼女が手にしているウクライナ・ナチスにおける最上位の巫女的立場をすでに確立していたのだった。
セメニャカは全力を捧げてアゾフ勢力の活動に取り組み、ウクライナをヨーロッパの人種差別主義再興の中心地にしようとしていた。アゾフの国際関係担当と、出版関連担当長を務めているセメニャカは、同様の考え方を持つ海外の諸団体や、その諸団体を運営している様々な諜報機関と関係を築いて きた。さらにセメニャカは、2014年にキエフで結ばれた、いわゆる「鋼鉄協約」のための知的基盤を確立する上で重要な役割を果たした。この協約によって、世界中の白人至上主義者がアゾフの掲げる「嫌ロシア虐殺」の旗の下に集まることとなった。そして何より特筆すべきことは、セメニャカは、その魅力的な容貌と身の振りこなしによって、今日のナチスが裏に潜ませた残虐性をメディアの力で柔和させ、見えなくしてしまう工作の中心人物になっていったことだ。
鋼鉄協約・・・第2次大戦前に独伊が結んだ協約を基とするもの

セメニャカは優秀ではあるが、斬新さはない。ニュルンベルク裁判で首席検事を務めたロバート・ジャクソン(Robert Jackson)が開廷のときに語った言葉を思い起こせば分かる。彼は、ヒットラーの共犯者たち(セメニャカのような妄信的変人も含めて)を念頭において語っている。セメニャカのような知識人たちが種を撒いたからヒトラー帝国が生まれたのだ。それはハイドリヒ(Heidrich)の副官だったヨアヒム・パイパー(Joachim Peiper)に仕えたナチス親衛隊への志願兵たちが、武力をもって種を撒いたのと同じだ。ドイツ国防軍は、無数のセメニャカのような人々の援助がなければ、誰にも止められないほどの強固な軍隊にはならなかっただろう。アゾフたちにも同じことが言える。セメニャカのようなすごい役者がいなければ、ウクライナ政権を陰から支配する権力とはなれなかったのだ。これらの人々がウクライナ国内の国家主義思想を再興させ、「ロシアに起源を持つウクライナ」を、「汎スラブ主義に基づく反ロシア主義のウクライナ」という袋小路へと導いたのだ。そして後者のウクライナは、現在、ロシアの空爆とロシア軍のウクライナ中心地への侵攻によりズタズタにされている。
セメニャカは自らが犯したその間違いの責任を取らなければならない。アゾフの司令官アンドリー・ビレツキー(Andriy Biletsky)とともに活動してきたセメニャカは、東ウクライナでのアゾフの8年間の民族浄化行動を美化し、そのような犯罪行為を自身が提唱するインテルマリウム(中欧・東欧統合主義)や汎欧州失地回復というおとぎ話に置き換えようとしてきた。これらの主張は白人至上主義の帝国を具現化しようとする主張であり、西はドイツから東はロシア国境、北はラトビア、南はシチリア島までを帝国の領域にしようという構想に基づくものだ。
ヒトラーと同様、セメニャカは野望に事欠かなかった。また、アゾフとともに活動してきたセメニャカがその野望を、それがどれだけ実現不可能で達成不可能であったとしても、実現しようと決意していたこともヒトラーと変わらない。

セメニャカには幅広い協力者たちが存在し、これらの協力者たちはこの野望実現の計画に心酔していた。彼女は、人種差別主義に基いた書籍を多数発行し、また他の人々のそのような書籍の宣伝を行うだけではなく、他国の多くの極右勢力と同盟関係を築いてきた。具体的には、ドイツのネオナチ、フランスの新右翼(Nouvelle Droite)、セルビアの悪魔主義者団体、カサ・パウンド・イタリア、エストニア保守人民党(EKRE)、その青年部にあたる「青い目覚め(Sinine Äratus)」勢力、ラトビア国民連合勢力、ポーランドの青年伝統主義者勢力、「スウェーデンの代替案を考える会」、フィンランドの白人至上主義者団体スオメンシス、ポルトガルの白人至上主義者団体エスクド・アイデンティタリオ、その他さまざまな欧州白人至上主義者の団体、さらには米国の白人至上主義者の団体などだ。これらの団体の関係者の多くが最近ウクライナでアゾフのために戦い、命を落としている。
セメニャカは自身が持つ哲学的知見を用いて、西欧各地の様々な極右主義を、ウクライナ国家主義に落とし込むことに成功した。それはステパン・バンデラ(Stepan Bandera)などドイツ・ナチスに協力したウクライナの虐殺推進者たちが主張していた国家主義だ。彼女はアゾフの主張をEU諸国の西側的考え方にしみ込ませさせることに成功したのだ。
しかし哲学という武器は、ロシアの武器に対抗するには弱すぎる。セメニャカの夢は、「バルト海―黒海―アドリア海」を繋いだ地域の統合や、ブラックメタルの旋律により奏でられたアーリア人堕天使主義の拡散、ファシストのもとでの女性主義の実現を夢としているのである。それはウクライナ国家の歌詞の内容と同様に、「反ロシア主義は確固たる基盤である」という間違った前提に立ったものだ。しかしそれは確固たる基盤ではない。それは、つかむことが出来ない流砂のようなものなのだ。アゾフ大隊はいまそのことを身に染みて感じているだろう。

反ロシア主義は、他のすべての排他主義的な主張と同様に、戦争への序曲につながる以外の何物でもない。ウクライナの真の愛国主義者たちがウクライナのために果たすべきことは、すべての隣国と経済的および社会的なつながりを構築することであり、意味のない虐殺行為をけしかけることではない。そんなことをしても加害者呼ばわりされて終わりだ。これはこれまでの歴史認識を白紙にしたり、歪めたり、あるいは破棄したりすることではなく、真のウクライナ愛国者とは、これまで葉が一枚しかない草が育っていたところに、葉が二枚ある草を育てようとしている人々だという宣告をすることだ。
訳注:ここは、ウクライナとロシアは同一起源だという考え方とウクライナとロシアは起源が違うと考え方を対比している
この戦争が起こらなくても、ウクライナの経済状況は非常に悪かった。実現しそうもないアーリア人堕天使主義や、セメニャカの怪しげなブラックメタルの旋律を使った聖像の御旗を掲げたインテリマリアム的失地回復の夢を追い求めていなければ、一般のウクライナ国民たちがこんな苦杯を味わわずにすんだのだ。こんな計画がうまくいくはずがなかった。論理的に考えて、神聖ローマ帝国の新生などありえないし、欧州中を巻き込めるくらいの規模でのそんな主張を広めるような社会産業的手段や軍事力もないのだから。アゾフがそんなことを達成できるという希望は、本拠地としているウクライナの森の中にある脆弱な森の基地からも、包囲した都市部の前哨基地からも湧き上がってはこない。アゾフたちはうまく利用されているだけなのだ。ただしアゾフを利用しているのは、セメニャカのような安っぽい哲学者たちや、彼女たちが信奉しているニーチェやワグナーが説いたおとぎ話だけではない。
ウクライナの戦争は、第二次大戦がそうだったように、ヨーロッパのナチ勢力の敗北という形でいずれ終わるだろう。しかしウクライナや他の国々の真の愛国者たちが恋焦がれている恒久の平和が成し遂げられるためには、怪しげな邪教をすべて排除する必要がある。そうでないと、アーリア人神話の世界ではいざしらず、少なくともこの現実の世界においては、このような邪教は私たちを奈落の底につきおとしてしまう。そんな奈落の底がいかなるものかは、NATOが繰り出してきた終わりなき戦争の矛先にされてきた人々なら、わかりすぎるほどわかっている。
このひどい戦争から何かいいことが生まれるとしたら、それは、すべてのヨーロッパ人が、セメニャカが唱えるインテルマリウム構想だけにとらわれない立場にたって、NATOの爆弾や銃弾を拒否し、予言者イザヤの言葉を借りるならば、剣の代わりに鋤の刃を作ろうとしなければならない、ということだ。さらにはその方向を目指しながら、セメニャカが推しているような哲学書をドストエフスキーやトルストイの著書に持ち替え、セメニャカが推しているブラックメタルの旋律をチャイコフスキーのクラシックの旋律に置き換えることだ。セメニャカが唱えるニーチェ的聖戦ほど虚無的ではないが、このような方向性の方が、いつまでも人々に利益をもたらし、生産性も高い。そうすれば、ヨーロッパは住む価値のある場所になるかもしれない。私がそう思うだけなのかもしれないが。
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