いまウクライナで起こっていることは、すべて3年前のランド研究所のプランに書かれていた
<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine, It Was All Written in the Rand Corp Plan
マリオン・ディヌッチ(Manlio Dinucci) 、グローバルリサーチ、2022年3月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>、2022年3月20日

マンリオ・ディヌッチが書いたコラムはイル・マニフェスト紙による検閲の対象になってしまった。
以下は、その件に関するマンリオ・ディヌッチの回答だ。
3月8日、オンライン上で私が書いたコラムを一時公開した後(リンク参照)、マニフェスト編集部は、私が「真理省」の指示に従わず、ウクライナ危機に関する討論を呼びかけたとして、そのコラム「戦争の技術」をサイトからも紙版からも一晩で消滅させた。
こうして、10年以上にわたってコラムを掲載してきたこの新聞社と私との長い協力関係が終わった。
参考記事
Ukraine and the Orwellian “Ministry of Truth”: The Attack Was Launched by NATO Eight Years Ago.
読者の皆様には、これからも別のルートで情報をお伝えしていきますので、よろしくお願いします。
マンリオ・ディヌッチ
**
<以下はディヌッチ氏が書いた削除されたコラムの本文>
米国の対ロシア戦略計画は、3年前にランド研究所によって練り上げられた(マニフェスト『ランド研究所:ロシアを崩壊させる方法』2019年5月21日)。ランド研究所はワシントンDCに本拠を置く「政策課題の解決策を開発するグローバルな研究機関」で、50カ国から採用した1800人の研究者やその他の専門家がおり、75カ国語に対応し、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ペルシャ湾のオフィスやその他の場所に分散している。米国人社員は25カ国以上で生活し、仕事をしている。
自らを「非営利、無党派の組織」と表現するランド研究所は、国防総省、米陸軍、空軍、国家安全保障機関(CIAなど)、他国の機関、強力な非政府組織から公式に資金提供を受けている。
ランド研究所は、冷戦時代、ソ連に資源を消費させる過酷な軍事対決を強い、米国の勝利に導く戦略を考案したと自負している。この手口は、2019年に練り上げられた新しい計画「Overextending and Unbalancing Russia」でも継承されている。すなわち、敵対国に過剰な拡張を強いてバランスを崩し、打ちのめすことをけしかけるという手口である。
以下はランド計画で示された主な攻撃方針で、米国は近年、実際にこの方針で動いている。
その計画書にはこうある。「まずはロシアのアキレス腱から攻めなければならない。それは天然ガスと石油の輸出に頼っているロシア経済だ。この目的を達成するために、商業・金融制裁を行い、同時に、ロシア天然ガスのヨーロッパへの輸入を減らし、米国の液化天然ガスに置き換えるように仕向けなければならない。」
「イデオロギーや情報の分野では、ロシア国内で抗議行動を促進させることと同時に、国外でのロシアのイメージを低下させることが必要である。」
「軍事面では、欧州のNATO諸国が反ロシアの役割を強化するような作戦が必要である。米国は、対ロシア向けの戦略爆撃機や長距離攻撃ミサイルへの投資を増やすことで、リスクが少なく、高い成功率と高い利益を得ることができる。一方欧州には、ロシアに向けた新たな中距離核ミサイルを欧州に配備することで、高い成功率を保証するが、高いリスクも伴う。」
「それぞれの選択肢で望ましい効果が得られるように調整することで、結局、ロシアは米国との対決で最も高い代償を払うことになるが、米国とその同盟国は、他の目的から転用して大きな資源を投入しなければならない」とランド研究所は結論づけている。
その戦略の一環として、ランド研究所の2019年の計画では、「ウクライナへ兵器援助を提供することは、ロシアの対外的脆弱性の最大のポイントを突くことになるが、米国が提供するウクライナへの武器や軍事的助言の増加は、近隣のロシアが(軍事的に見て)ウクライナに対して大きな優位性を持つため、はるかに大きな紛争を誘発せずにロシアの犠牲を高めるために慎重に調整されなければならない」と予測されている。
今回のウクライナ危機で破局が生じたのはまさにこの点である。つまり、ランド研究所が「ロシアにとって最大の対外的脆弱性」と呼ぶものを利用し、「より大規模な紛争を誘発することなく、ロシアの犠牲を増大させるように調整された」方法で、ウクライナを武装させたのである。モスクワは、米国とNATOがますます強化する政治的、経済的、軍事的な締め付けに巻き込まれ、モスクワの度重なる警告と交渉の提案が無視されて、ロシアは軍事作戦で対応し、キエフの支配者ではなく、米国とNATOの司令部が実際に建設し管理していたウクライナの2千以上の軍事施設を破壊してしまった。
3年前にランド研究所の計画を報じた記事は、次のような言葉で締めくくられている。「計画のいくつかの選択肢は、実際には同じ戦争戦略の別の形態に過ぎず、その犠牲とリスクの代償は我々全員が支払うことになる」。私たちヨーロッパ人は、今それを支払っており、もし私たちが米国とNATOの戦略の使い捨ての駒であり続けるなら、ますます高価な代償を支払うことになるだろう。
*
この記事は、Il Manifestoにイタリア語で掲載されたものである。
マンリオ・ディヌッチ、受賞歴のある作家、地政学的アナリスト、地理学者、イタリア・ピサ在住。グローバリゼーション研究センター(CRG)のリサーチ・アソシエイト。
Ukraine, It Was All Written in the Rand Corp Plan
マリオン・ディヌッチ(Manlio Dinucci) 、グローバルリサーチ、2022年3月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>、2022年3月20日

マンリオ・ディヌッチが書いたコラムはイル・マニフェスト紙による検閲の対象になってしまった。
以下は、その件に関するマンリオ・ディヌッチの回答だ。
3月8日、オンライン上で私が書いたコラムを一時公開した後(リンク参照)、マニフェスト編集部は、私が「真理省」の指示に従わず、ウクライナ危機に関する討論を呼びかけたとして、そのコラム「戦争の技術」をサイトからも紙版からも一晩で消滅させた。
こうして、10年以上にわたってコラムを掲載してきたこの新聞社と私との長い協力関係が終わった。
参考記事
Ukraine and the Orwellian “Ministry of Truth”: The Attack Was Launched by NATO Eight Years Ago.
読者の皆様には、これからも別のルートで情報をお伝えしていきますので、よろしくお願いします。
マンリオ・ディヌッチ
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<以下はディヌッチ氏が書いた削除されたコラムの本文>
米国の対ロシア戦略計画は、3年前にランド研究所によって練り上げられた(マニフェスト『ランド研究所:ロシアを崩壊させる方法』2019年5月21日)。ランド研究所はワシントンDCに本拠を置く「政策課題の解決策を開発するグローバルな研究機関」で、50カ国から採用した1800人の研究者やその他の専門家がおり、75カ国語に対応し、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ペルシャ湾のオフィスやその他の場所に分散している。米国人社員は25カ国以上で生活し、仕事をしている。
自らを「非営利、無党派の組織」と表現するランド研究所は、国防総省、米陸軍、空軍、国家安全保障機関(CIAなど)、他国の機関、強力な非政府組織から公式に資金提供を受けている。
ランド研究所は、冷戦時代、ソ連に資源を消費させる過酷な軍事対決を強い、米国の勝利に導く戦略を考案したと自負している。この手口は、2019年に練り上げられた新しい計画「Overextending and Unbalancing Russia」でも継承されている。すなわち、敵対国に過剰な拡張を強いてバランスを崩し、打ちのめすことをけしかけるという手口である。
以下はランド計画で示された主な攻撃方針で、米国は近年、実際にこの方針で動いている。
その計画書にはこうある。「まずはロシアのアキレス腱から攻めなければならない。それは天然ガスと石油の輸出に頼っているロシア経済だ。この目的を達成するために、商業・金融制裁を行い、同時に、ロシア天然ガスのヨーロッパへの輸入を減らし、米国の液化天然ガスに置き換えるように仕向けなければならない。」
「イデオロギーや情報の分野では、ロシア国内で抗議行動を促進させることと同時に、国外でのロシアのイメージを低下させることが必要である。」
「軍事面では、欧州のNATO諸国が反ロシアの役割を強化するような作戦が必要である。米国は、対ロシア向けの戦略爆撃機や長距離攻撃ミサイルへの投資を増やすことで、リスクが少なく、高い成功率と高い利益を得ることができる。一方欧州には、ロシアに向けた新たな中距離核ミサイルを欧州に配備することで、高い成功率を保証するが、高いリスクも伴う。」
「それぞれの選択肢で望ましい効果が得られるように調整することで、結局、ロシアは米国との対決で最も高い代償を払うことになるが、米国とその同盟国は、他の目的から転用して大きな資源を投入しなければならない」とランド研究所は結論づけている。
その戦略の一環として、ランド研究所の2019年の計画では、「ウクライナへ兵器援助を提供することは、ロシアの対外的脆弱性の最大のポイントを突くことになるが、米国が提供するウクライナへの武器や軍事的助言の増加は、近隣のロシアが(軍事的に見て)ウクライナに対して大きな優位性を持つため、はるかに大きな紛争を誘発せずにロシアの犠牲を高めるために慎重に調整されなければならない」と予測されている。
今回のウクライナ危機で破局が生じたのはまさにこの点である。つまり、ランド研究所が「ロシアにとって最大の対外的脆弱性」と呼ぶものを利用し、「より大規模な紛争を誘発することなく、ロシアの犠牲を増大させるように調整された」方法で、ウクライナを武装させたのである。モスクワは、米国とNATOがますます強化する政治的、経済的、軍事的な締め付けに巻き込まれ、モスクワの度重なる警告と交渉の提案が無視されて、ロシアは軍事作戦で対応し、キエフの支配者ではなく、米国とNATOの司令部が実際に建設し管理していたウクライナの2千以上の軍事施設を破壊してしまった。
3年前にランド研究所の計画を報じた記事は、次のような言葉で締めくくられている。「計画のいくつかの選択肢は、実際には同じ戦争戦略の別の形態に過ぎず、その犠牲とリスクの代償は我々全員が支払うことになる」。私たちヨーロッパ人は、今それを支払っており、もし私たちが米国とNATOの戦略の使い捨ての駒であり続けるなら、ますます高価な代償を支払うことになるだろう。
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この記事は、Il Manifestoにイタリア語で掲載されたものである。
マンリオ・ディヌッチ、受賞歴のある作家、地政学的アナリスト、地理学者、イタリア・ピサ在住。グローバリゼーション研究センター(CRG)のリサーチ・アソシエイト。
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