カナダのトルドー首相など、ナチ協力者である権威主義者が、ロシアを非難している。
こんな皮肉にはもう慣れっこだ。ナチ協力者である権威主義者たちがロシアを非難している。
<記事原文 寺島先生推薦>
Immune to Irony.Nazi Collaborators and Authoritarian Personalities Denounce Russia.
Strategic Culture 2022年2月25日
マシュー・エレット(Mathew Ehret)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月25日
世界経済フォーラムの集中講義を受けた支配層政治家たちに、自己批判をする能力はないし、自分の偽善に気づけるはずもない。
「ああ、神が我らに与えることのできる才能とは、他人が自分を見るように、己自身を見ることができる力なり。」
-ロバート・バーンズ(Robert Burns)
スコットランドの偉大な詩人ロバート・バーンによるこの有名な一節は、確固たる存在として個人が成長する前提としてはっきりと心に刻んでおくべき言葉だ。
バーンズの理解によれば、「他人の目で己を見ることができる」という神が与えし能力を習得することなしでは、さらには間違った偏見がないか自己点検する力や、謙遜な言動 (それを支えるには創造的な洞察力が求められる)を行える力や、間違った動機を正す力なしでは、取るべき行動や信念は完全に見失われる、ということだ。
だからこそ私は落胆したのだ。それは、予想されたことであって少しも驚くことではなかったとはいえ、自己批判をする方法が完全に存在しないことがわかったからだ。今日の嘘でかためられた船に乗り込んでいる多くの指導者たちの嘘だらけの思わせぶりな演説を聞かされればそう思わざるを得ない。これらの指導者たちは大西洋の両岸の「決まりに基づいた世界秩序」を遵守する人々としても知られている。
枠組みの衝突
ウクライナ東部での7年間の内戦を経て、1万4千人が犠牲になり、平和の取り決めは何度も反故にされ、ルガンスク共和国やドネツク共和国在住の人々から「ナチが先導する民兵隊が組み込まれたウクライナ防衛軍から独立したい」という数え切れないほどの訴えを受け、ついにロシアは東ウクライナの二共和国の承認を決定した。
その数日後に、ロシアはウクライナの非武装化と非ナチ化する計画を実行に移し、狙いを絞った軍事攻撃を開始し、(この記事を書いている時点で)74カ所以上の軍事基地と、米国の生物研究所を破壊し、過激ネオナチ軍を包囲した。
このネオナチ勢力は2014年以降ウクライナ軍に入り込んでいた。
しかしロシアのこの人道的な干渉は完全に理解できるものであり、確実に侵略行為ではない。
にもかかわらず、西側諸国のお笑い傀儡(かいらい)政権は、「ロシアには帝国的野望がある」や、「この行為は西側の民主主義的な価値観を打ち破るものだ」とロシアに対する非難を止めようとしていない。
カナダの話をすれば、ジャスティン・トルドーやトルドーを操るものたちは緊急事態法を武器に、オタワの平和的な反対運動を暴力で破壊することを正当化している。
(そのためこのフリーダム・コンボイ運動に資金を寄付した何百もの人々の銀行口座を凍結することまでしている)。
そんなカナダ政権から対ロシア制裁についての話がうるさいくらい聞こえてくる。さらには「ロシアの侵略」を大げさに非難し、プーチンをアドルフ・ヒトラーになぞらえることも一度だけではない。
ロシアが東ドンバスの二共和国を承認したことに対して、ジャスティンはこう語っていた。 「カナダや我が国の同盟諸国は民主主義を守るつもりです」と。
そして、制裁の規模を拡大することと、カナダ軍をラトビアに派遣することに触れて、トルドーはこう語っていた。「これは全体主義に対して立ち向かうための行動です」と。
さらに続けて曰く「ウクライナの人々は、他のすべての人々と同様に自国の将来を自由に決めなければなりません」と。
この最後の一言からすれば、独立をずっと要求し続けてきた東ウクライナの人々は人間ではない、ということになる。
このような発言がカナダ政権から出てきているが、これは200人近くの人々を逮捕したたった数日後のことだった。逮捕された人々は、オタワで「人々に害を与えた」というひどい罪を犯したためとされ、「秘密の情報」を駆使して銀行口座を凍結された。
こんな行為を許すために上院議員たちや下院議員たちに投票した人はいないはずだ。
フリーランド首相代理(この人は親ナチウクライナ人たちとかなりの回数つながりをもっている)に至っては以下のようなことを公言している。
「緊急事態下で執られた非常措置は、緊急事態が収まった後でも、永久に続けられるべきです」と。
大西洋の両岸のファイブ・アイズ(米・英・加・豪・ニュージーランド)の籠の中では、「“民主主義”を保護しよう」という同様の美徳が米国やEUや英国で声を合わせて叫ばれていて、よってたかってロシアの侵略を非難しており、ロシアの国会議員たちや、事業家たちや、銀行に同様の制裁を課そうとしている。さらには米国や英国もカナダとともにロシア国境に軍を派遣しようとしている。
既にエネルギー危機のために何百万もの欧州の人々が苦しい生活を強いられていて、自ら招いた災難とはいえコロナ禍とも格闘している中、ドイツ政府は欠くことのできないノルド・ストリーム2を停止することで自己破壊するよう圧力をかけられている。大義名分は、ロシアを「罰する」ため、だ。
ナチスとグラディオ作戦
フランス・ティメルマンス欧州委員会副委員長は、典型的な大袈裟な偽善の姿を示し、2月22日にこう語っていた。「今は欧州史における最も暗黒な時代の一つです」と。同副委員長は第1次大戦や第2次大戦が起こったことを忘れてしまったようだ。
ティメルマンスは自分が知識階級支配者層のピエロ的代理人であることを自認していていて、この8年間の対ロシア制裁を推し進めてきた人物であり、その手始めとして2014年のマレーシア航空17便撃墜事件に関して欠陥だらけの調査を行い、この残虐事件に裏から手を回していたウクライナ政府のことを庇った。
欧州が直面した「最も暗黒な時代」だと、嘘の涙を流している間に、ティメルマンスはナチの「ステイ・ビハインド作戦(敵国内に自国のスパイを忍び込ませておく作戦)」が大規模に実施された歴史を忘れてしまったようだ。
この作戦は西側の諜報作戦として冷戦期に採用されたものであり、「グラディオ作戦」という名で知られている。
これは本当に不思議なことだ。というのもこの作戦が実施されたのが、ティメルマンスがオランダで外交対策委員会の委員長代理を務めていた時期であったからだ。2005年にナチのステイ・ビハインド作戦に関する総括的な報告がオランダ防衛省から出されていたからだ。
CIAとNATOとMI6により設立されたグラディオ作戦は、数百人に上るテロ分子を使ったものだが、このテロリストたちにはかつてナチス・ドイツで諜報活動を行っていた工作員が当てられていた。
これらのテロリストたちが欧州各地に配置され、市民たちや厄介な政治家たちの殺害を行っていた。 その過程で諸国の政情の不安定化を焚き付ける行為も行っていた。
このようなテロ行為は冷戦期において、次第に財閥たちに牛耳られている大西洋両岸諸国の政府により、「緊急事態における特別措置」を正当化するために利用されるようになっていった。
そしてこのようなテロ行為は、以下のような論理に基づいていた。すなわち「共産主義に対する戦争なら何でも正当化される、ファシズムであっても」というものだった。
グラディオ作戦はソ連が解体した際に中止されたと主張する人もいるが、全くそうなっていない証拠は存在する。
よく分かる例を挙げれば、ウクライナのネオナチ政党であるウクライナ社会民族党の設立者であるアンドレイ・パルビイ(Андрій Парубій)だ。彼は政権転覆を目指すクーデター後に、国家安全保障・国防会議(RNBOU) 書記のポストを約束されていた。このクーデターは、ジョー・バイデンの指示のもと、ビクトリア・ヌーランドが取り仕切ったものだった。
特筆すべきことは、カナダのフリーランド首相代理(彼女は自分がヒトラーの協力者であったマイケル・チョミアク(Michael Chomiak)の孫であることを誇りに思っている)と密接なつながりを持つパルビイが、2016年にジャスティン・トルドーと面会していたことだ。
その席でパルビイは、武器や訓練などの兵站支援をカナダに要請していた。カナダの政治家たちとアゾフ大隊などのウクライナのネオナチ勢力との面会が頻繁に続けられたため、オタワ・シティズン紙は2021年11月9日に以下のような記事を出していた。
「ネオナチとつながりのあるウクライナの大隊隊員たちと面会したカナダ当局者たちはその勢力を非難しなかったが、メディアがこの面会の詳細についての暴露記事を出すことは懸念していたと、新しく発表された文書に書かれていた。
カナダ政府当局者たちがアゾフ大隊の指導者たちと面会し、短時間の話し合いを持ったのは2018年6月のことだった。
当局者や外交官たちは、この勢力が親ナチ団体であるという警告を受けてはいたが、この面会に反対せず、大隊の指導者たちとの写真撮影を許可した。
その後、アゾフ大隊はこの写真をオンライン上のプロパガンダに利用し、カナダの代表者たちが、“さらに実りのある協力体制を築きたい”語っていたとも記載していた。」

ウクライナのアンドレイ・パルビイ国会議長代理は、2016年2月にオタワを訪問し、首相と面会していた。(左から)ウクライナのアンドレイ・シェバチェンコ(Андрій Шевченко)カナダ大使、ウクライナ最高議会アンドレイ・パルビー議長代理、ジャスティン・トルドー首相、ボリス・ヴジェスニエフスキ(Borys Wrzesnewskyj)カナダ国会議員.
つまり「リベラル民主義国家」だとされているカナダや米国や英国やEU諸国において、今も昔もネオナチとの協力関係が実在し、繰り返されていることは、皮肉でも何でもない。さらには、これらのまさにリベラル民主主義諸国家の国内や周辺においてファシスト的行為も行われてきた。
これらの自称「自由と民主主義の砦」的な国々において、数多くの虐待事象(グアンタナモ湾収容所の事件など)が起こっている。
さらには、2021年1月6日のトランプ支持者たちによる国会議事堂占拠に参加した、反政府派の人々を不当に逮捕したこともそうだ。
オタワで起こった専制的な強制ワクチン接種に反対するフリー・コンボイ運動において、それを支援する人々の銀行口座を凍結したこともそうだ。支配者層には受け入れがたい政治的観点を持つ人々だったわけだ。
さらには、ジュリアン・アサンジなど、内部告発者を投獄することもそうだ。
世界経済フォーラムの集中講座を受講した体験のあるこれらの政治屋たちは、概して自己批判を行ったり、自分自身の偽善に気づく能力を持ち合わせていないことは明らかだ。
これらの政治屋たちは自分と同じ感覚を持つ人々の意見にがんじがらめにされていて、自己満足にしかならないおしゃべりを繰り出すだけだ。自分の意見とは相容れない異論と相対することができない。
本来であれば、このような異論をもつ人々とは、話し合いを重ね、理性をもって対応すべきなのだが。
世界を単極的に支配すべきだとする論者がもつ典型的な思考回路では、人間として持つべき基本的な特徴が欠落してしまっている。自分とは違う階級、違う団体、さらには違う文化基盤を持つ人々の立場から自分のことを見つめ直すことができなくなっている。
彼らが期待しているのは、すべての人、あるいはこの世界全体までもが、自分たちの「象牙の塔」の中や価値観内に収まっているという状態だ。ダボスの世界経済フォーラムの連中の考え方はそう固まってしまっているのだ。
結局のところこれらの政治家たちは、「自己批判という負担」から免除されている。ダボスの連中に苦しめられている普通の人間たちのもつ「自己批判」という観念をもたない。
だが、最大限の悪知恵を働かせて、八百長試合のルールを法的に破れる手口を創り出せる柔軟性だけは持ち合わせている。そんな柔軟性は、これらの「象牙の塔」に居座って世界支配をもくろんでいる連中だけが理解できるものだ。
そして連中は、普通の人間が持つ創造的な考え方が持てず、自分の誤った考えを自己批判できないからこそ、全体像を捉える際に盲点が生まれてしまう。そして、その盲点が連中自身の破滅をつくりだすだろう。
<記事原文 寺島先生推薦>
Immune to Irony.Nazi Collaborators and Authoritarian Personalities Denounce Russia.
Strategic Culture 2022年2月25日
マシュー・エレット(Mathew Ehret)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月25日
世界経済フォーラムの集中講義を受けた支配層政治家たちに、自己批判をする能力はないし、自分の偽善に気づけるはずもない。
「ああ、神が我らに与えることのできる才能とは、他人が自分を見るように、己自身を見ることができる力なり。」
-ロバート・バーンズ(Robert Burns)
スコットランドの偉大な詩人ロバート・バーンによるこの有名な一節は、確固たる存在として個人が成長する前提としてはっきりと心に刻んでおくべき言葉だ。
バーンズの理解によれば、「他人の目で己を見ることができる」という神が与えし能力を習得することなしでは、さらには間違った偏見がないか自己点検する力や、謙遜な言動 (それを支えるには創造的な洞察力が求められる)を行える力や、間違った動機を正す力なしでは、取るべき行動や信念は完全に見失われる、ということだ。
だからこそ私は落胆したのだ。それは、予想されたことであって少しも驚くことではなかったとはいえ、自己批判をする方法が完全に存在しないことがわかったからだ。今日の嘘でかためられた船に乗り込んでいる多くの指導者たちの嘘だらけの思わせぶりな演説を聞かされればそう思わざるを得ない。これらの指導者たちは大西洋の両岸の「決まりに基づいた世界秩序」を遵守する人々としても知られている。
枠組みの衝突
ウクライナ東部での7年間の内戦を経て、1万4千人が犠牲になり、平和の取り決めは何度も反故にされ、ルガンスク共和国やドネツク共和国在住の人々から「ナチが先導する民兵隊が組み込まれたウクライナ防衛軍から独立したい」という数え切れないほどの訴えを受け、ついにロシアは東ウクライナの二共和国の承認を決定した。
その数日後に、ロシアはウクライナの非武装化と非ナチ化する計画を実行に移し、狙いを絞った軍事攻撃を開始し、(この記事を書いている時点で)74カ所以上の軍事基地と、米国の生物研究所を破壊し、過激ネオナチ軍を包囲した。
このネオナチ勢力は2014年以降ウクライナ軍に入り込んでいた。
しかしロシアのこの人道的な干渉は完全に理解できるものであり、確実に侵略行為ではない。
にもかかわらず、西側諸国のお笑い傀儡(かいらい)政権は、「ロシアには帝国的野望がある」や、「この行為は西側の民主主義的な価値観を打ち破るものだ」とロシアに対する非難を止めようとしていない。
カナダの話をすれば、ジャスティン・トルドーやトルドーを操るものたちは緊急事態法を武器に、オタワの平和的な反対運動を暴力で破壊することを正当化している。
(そのためこのフリーダム・コンボイ運動に資金を寄付した何百もの人々の銀行口座を凍結することまでしている)。
そんなカナダ政権から対ロシア制裁についての話がうるさいくらい聞こえてくる。さらには「ロシアの侵略」を大げさに非難し、プーチンをアドルフ・ヒトラーになぞらえることも一度だけではない。
ロシアが東ドンバスの二共和国を承認したことに対して、ジャスティンはこう語っていた。 「カナダや我が国の同盟諸国は民主主義を守るつもりです」と。
そして、制裁の規模を拡大することと、カナダ軍をラトビアに派遣することに触れて、トルドーはこう語っていた。「これは全体主義に対して立ち向かうための行動です」と。
さらに続けて曰く「ウクライナの人々は、他のすべての人々と同様に自国の将来を自由に決めなければなりません」と。
この最後の一言からすれば、独立をずっと要求し続けてきた東ウクライナの人々は人間ではない、ということになる。
このような発言がカナダ政権から出てきているが、これは200人近くの人々を逮捕したたった数日後のことだった。逮捕された人々は、オタワで「人々に害を与えた」というひどい罪を犯したためとされ、「秘密の情報」を駆使して銀行口座を凍結された。
こんな行為を許すために上院議員たちや下院議員たちに投票した人はいないはずだ。
フリーランド首相代理(この人は親ナチウクライナ人たちとかなりの回数つながりをもっている)に至っては以下のようなことを公言している。
「緊急事態下で執られた非常措置は、緊急事態が収まった後でも、永久に続けられるべきです」と。
大西洋の両岸のファイブ・アイズ(米・英・加・豪・ニュージーランド)の籠の中では、「“民主主義”を保護しよう」という同様の美徳が米国やEUや英国で声を合わせて叫ばれていて、よってたかってロシアの侵略を非難しており、ロシアの国会議員たちや、事業家たちや、銀行に同様の制裁を課そうとしている。さらには米国や英国もカナダとともにロシア国境に軍を派遣しようとしている。
既にエネルギー危機のために何百万もの欧州の人々が苦しい生活を強いられていて、自ら招いた災難とはいえコロナ禍とも格闘している中、ドイツ政府は欠くことのできないノルド・ストリーム2を停止することで自己破壊するよう圧力をかけられている。大義名分は、ロシアを「罰する」ため、だ。
ナチスとグラディオ作戦
フランス・ティメルマンス欧州委員会副委員長は、典型的な大袈裟な偽善の姿を示し、2月22日にこう語っていた。「今は欧州史における最も暗黒な時代の一つです」と。同副委員長は第1次大戦や第2次大戦が起こったことを忘れてしまったようだ。
ティメルマンスは自分が知識階級支配者層のピエロ的代理人であることを自認していていて、この8年間の対ロシア制裁を推し進めてきた人物であり、その手始めとして2014年のマレーシア航空17便撃墜事件に関して欠陥だらけの調査を行い、この残虐事件に裏から手を回していたウクライナ政府のことを庇った。
欧州が直面した「最も暗黒な時代」だと、嘘の涙を流している間に、ティメルマンスはナチの「ステイ・ビハインド作戦(敵国内に自国のスパイを忍び込ませておく作戦)」が大規模に実施された歴史を忘れてしまったようだ。
この作戦は西側の諜報作戦として冷戦期に採用されたものであり、「グラディオ作戦」という名で知られている。
これは本当に不思議なことだ。というのもこの作戦が実施されたのが、ティメルマンスがオランダで外交対策委員会の委員長代理を務めていた時期であったからだ。2005年にナチのステイ・ビハインド作戦に関する総括的な報告がオランダ防衛省から出されていたからだ。
CIAとNATOとMI6により設立されたグラディオ作戦は、数百人に上るテロ分子を使ったものだが、このテロリストたちにはかつてナチス・ドイツで諜報活動を行っていた工作員が当てられていた。
これらのテロリストたちが欧州各地に配置され、市民たちや厄介な政治家たちの殺害を行っていた。 その過程で諸国の政情の不安定化を焚き付ける行為も行っていた。
このようなテロ行為は冷戦期において、次第に財閥たちに牛耳られている大西洋両岸諸国の政府により、「緊急事態における特別措置」を正当化するために利用されるようになっていった。
そしてこのようなテロ行為は、以下のような論理に基づいていた。すなわち「共産主義に対する戦争なら何でも正当化される、ファシズムであっても」というものだった。
グラディオ作戦はソ連が解体した際に中止されたと主張する人もいるが、全くそうなっていない証拠は存在する。
よく分かる例を挙げれば、ウクライナのネオナチ政党であるウクライナ社会民族党の設立者であるアンドレイ・パルビイ(Андрій Парубій)だ。彼は政権転覆を目指すクーデター後に、国家安全保障・国防会議(RNBOU) 書記のポストを約束されていた。このクーデターは、ジョー・バイデンの指示のもと、ビクトリア・ヌーランドが取り仕切ったものだった。
特筆すべきことは、カナダのフリーランド首相代理(彼女は自分がヒトラーの協力者であったマイケル・チョミアク(Michael Chomiak)の孫であることを誇りに思っている)と密接なつながりを持つパルビイが、2016年にジャスティン・トルドーと面会していたことだ。
その席でパルビイは、武器や訓練などの兵站支援をカナダに要請していた。カナダの政治家たちとアゾフ大隊などのウクライナのネオナチ勢力との面会が頻繁に続けられたため、オタワ・シティズン紙は2021年11月9日に以下のような記事を出していた。
「ネオナチとつながりのあるウクライナの大隊隊員たちと面会したカナダ当局者たちはその勢力を非難しなかったが、メディアがこの面会の詳細についての暴露記事を出すことは懸念していたと、新しく発表された文書に書かれていた。
カナダ政府当局者たちがアゾフ大隊の指導者たちと面会し、短時間の話し合いを持ったのは2018年6月のことだった。
当局者や外交官たちは、この勢力が親ナチ団体であるという警告を受けてはいたが、この面会に反対せず、大隊の指導者たちとの写真撮影を許可した。
その後、アゾフ大隊はこの写真をオンライン上のプロパガンダに利用し、カナダの代表者たちが、“さらに実りのある協力体制を築きたい”語っていたとも記載していた。」

ウクライナのアンドレイ・パルビイ国会議長代理は、2016年2月にオタワを訪問し、首相と面会していた。(左から)ウクライナのアンドレイ・シェバチェンコ(Андрій Шевченко)カナダ大使、ウクライナ最高議会アンドレイ・パルビー議長代理、ジャスティン・トルドー首相、ボリス・ヴジェスニエフスキ(Borys Wrzesnewskyj)カナダ国会議員.
つまり「リベラル民主義国家」だとされているカナダや米国や英国やEU諸国において、今も昔もネオナチとの協力関係が実在し、繰り返されていることは、皮肉でも何でもない。さらには、これらのまさにリベラル民主主義諸国家の国内や周辺においてファシスト的行為も行われてきた。
これらの自称「自由と民主主義の砦」的な国々において、数多くの虐待事象(グアンタナモ湾収容所の事件など)が起こっている。
さらには、2021年1月6日のトランプ支持者たちによる国会議事堂占拠に参加した、反政府派の人々を不当に逮捕したこともそうだ。
オタワで起こった専制的な強制ワクチン接種に反対するフリー・コンボイ運動において、それを支援する人々の銀行口座を凍結したこともそうだ。支配者層には受け入れがたい政治的観点を持つ人々だったわけだ。
さらには、ジュリアン・アサンジなど、内部告発者を投獄することもそうだ。
世界経済フォーラムの集中講座を受講した体験のあるこれらの政治屋たちは、概して自己批判を行ったり、自分自身の偽善に気づく能力を持ち合わせていないことは明らかだ。
これらの政治屋たちは自分と同じ感覚を持つ人々の意見にがんじがらめにされていて、自己満足にしかならないおしゃべりを繰り出すだけだ。自分の意見とは相容れない異論と相対することができない。
本来であれば、このような異論をもつ人々とは、話し合いを重ね、理性をもって対応すべきなのだが。
世界を単極的に支配すべきだとする論者がもつ典型的な思考回路では、人間として持つべき基本的な特徴が欠落してしまっている。自分とは違う階級、違う団体、さらには違う文化基盤を持つ人々の立場から自分のことを見つめ直すことができなくなっている。
彼らが期待しているのは、すべての人、あるいはこの世界全体までもが、自分たちの「象牙の塔」の中や価値観内に収まっているという状態だ。ダボスの世界経済フォーラムの連中の考え方はそう固まってしまっているのだ。
結局のところこれらの政治家たちは、「自己批判という負担」から免除されている。ダボスの連中に苦しめられている普通の人間たちのもつ「自己批判」という観念をもたない。
だが、最大限の悪知恵を働かせて、八百長試合のルールを法的に破れる手口を創り出せる柔軟性だけは持ち合わせている。そんな柔軟性は、これらの「象牙の塔」に居座って世界支配をもくろんでいる連中だけが理解できるものだ。
そして連中は、普通の人間が持つ創造的な考え方が持てず、自分の誤った考えを自己批判できないからこそ、全体像を捉える際に盲点が生まれてしまう。そして、その盲点が連中自身の破滅をつくりだすだろう。
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