ウクライナ情勢 続報4
ウクライナ情勢 続報4
<記事原文>Ukraine Update #4
ブログ Paul Craig Roberts
2022年3月3日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ
2022年3月5日
ウクライナで何が起こっているかについて正確な説明を行うことはやっかいなことだ。西側メディアの情報はまったく当てにならない。嘘のニュースしか伝えないからだ。ロシアの残虐行為や、ロシアによる死傷者や、ロシアが負けていることや、西側諸国の指導者たちからの終わることのない全く意味のない警告など、偽ニュースばかりが報じられている。ウクライナの報道記事は、米国が侵攻中だった頃のイラクの記事よりも馬鹿げた内容になっている。さらに、ウクライナの諸都市や、ウクライナ軍の残存勢力が包囲され、捕えられている中、ウクライナの国内メディアは締め出されて、ニュースを提供できる状態にはない。米国とは違い、ロシアはテレビで自国の戦争状況を伝えず、多くは報じない。欧州諸国の政府はRTやスプートニクが伝えるその乏しいニュースさえ禁じている。ロシア国防省は、ウクライナ軍を包囲する際に498名のロシア兵の命が犠牲になったことを発表しなかった。私の考えだが、この兵たちが死んだのは、ロシア政府が使用可能な軍事力の使用を軍に対して制限したせいだ。ロシア政府は敵を殺さずに戦争に勝つことを望んでいる。
御用メディアは、ウクライナ救出のために派遣された雇われ兵士たちと戦闘機のことを報じているが、これらの記事はすべて全く意味のないものだ。ボランティア兵士たちがロシアの戦闘部隊と相対することなどできるわけがない。さらに、ウクライナの空路と領空はロシアに抑えられているので、外国からのそのような兵や武器は包囲されているウクライナには届かず、輸送の段階で破壊されるだろう。
ロシアが迅速に勝利を収めれば、世界にとっては戦争を早く終わらせることになるだろう。うかうかしていたら西側の頭の悪い数カ国が戦争を拡大する失態を犯しかねない。さらにロシアが迅速に勝利を収めれば、西側諸国の政府が馬鹿者のそしりを受けたり、意味のない非難を受けたり、無意味な脅しを掛けたりしなくてすむだろうに。
アレクサンドル・グルシコ(Александр Грушко)ロシア外相代理はこの紛争を終わらせるための最大限の軍事力行使の遅延がもたらす危険について理解している。軍事力行使が遅れれば愚かなNATO加盟諸国にウクライナに対する救援隊を準備する時間を与えることになる。グルシコはそのような不合理な考え方は戦争の拡大を招くと語っている。さらに「衝突が起こらないという保証がなくなり、完全に不必要な方向に事態が悪化することも否定できない」とも語っている。
ロシアが迅速に勝利すれば、西側諸国の愚かな介入を阻み、優柔不断さを消し去り、皆にはっきりとロシアの意図を伝えることができる。その意図とは、ロシアが「我が国の玄関前から立ち去れと警告したのだから、そこに足を踏みいれるな!」という意図だ。このさき世界平和を維持し、核戦争を回避するには、ロシアに足を踏み入れるというゲームはもう終わっていることを愚かな西側諸国が理解しないといけない。今回のウクライナ侵攻の最も重要な機能は、欧州諸国が今回のことを教訓とすることだ。ウクライナのナチ化を止めることではない。もちろんそれも大事なことだが。
戦争を迅速に終わらせることを阻止している最も大きな要因は、ロシアのラブロフ外相やロシア政府が軍事力の行使を最小限に抑えていることだ。ラブロフ外相はロシア政府の優柔不断な態度を見せなくすることができないまま交渉を求め、ウクライナにロシアの要求は最小限のものであることを約束し、ロシアはウクライナや欧州全体の安全を保証することを再確認するという態度を示している。そして、優柔不断だと取れる態度を示した後で、ラブロフ外相はこうこぼしている。「また、ウクライナとウクライナの保護国は言い訳を見つけて交渉を延期しようとしている」と。誰かラブロフ外相に伝えるべきだ。「交渉を求めるのは勝者ではなく、敗者の方だ」と。何度も言っているように、ロシアが学ぶべきなのは、口を動かすのではなく、迅速な行動で示すことだ。そうしなければ、ロシアのウクライナ侵攻はただの無駄な努力となり、ロシアが決めたレッドラインの本気度をきちんと伝えることができないまま終わってしまうだろう。
<記事原文>Ukraine Update #4
ブログ Paul Craig Roberts
2022年3月3日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ
2022年3月5日
ウクライナで何が起こっているかについて正確な説明を行うことはやっかいなことだ。西側メディアの情報はまったく当てにならない。嘘のニュースしか伝えないからだ。ロシアの残虐行為や、ロシアによる死傷者や、ロシアが負けていることや、西側諸国の指導者たちからの終わることのない全く意味のない警告など、偽ニュースばかりが報じられている。ウクライナの報道記事は、米国が侵攻中だった頃のイラクの記事よりも馬鹿げた内容になっている。さらに、ウクライナの諸都市や、ウクライナ軍の残存勢力が包囲され、捕えられている中、ウクライナの国内メディアは締め出されて、ニュースを提供できる状態にはない。米国とは違い、ロシアはテレビで自国の戦争状況を伝えず、多くは報じない。欧州諸国の政府はRTやスプートニクが伝えるその乏しいニュースさえ禁じている。ロシア国防省は、ウクライナ軍を包囲する際に498名のロシア兵の命が犠牲になったことを発表しなかった。私の考えだが、この兵たちが死んだのは、ロシア政府が使用可能な軍事力の使用を軍に対して制限したせいだ。ロシア政府は敵を殺さずに戦争に勝つことを望んでいる。
御用メディアは、ウクライナ救出のために派遣された雇われ兵士たちと戦闘機のことを報じているが、これらの記事はすべて全く意味のないものだ。ボランティア兵士たちがロシアの戦闘部隊と相対することなどできるわけがない。さらに、ウクライナの空路と領空はロシアに抑えられているので、外国からのそのような兵や武器は包囲されているウクライナには届かず、輸送の段階で破壊されるだろう。
ロシアが迅速に勝利を収めれば、世界にとっては戦争を早く終わらせることになるだろう。うかうかしていたら西側の頭の悪い数カ国が戦争を拡大する失態を犯しかねない。さらにロシアが迅速に勝利を収めれば、西側諸国の政府が馬鹿者のそしりを受けたり、意味のない非難を受けたり、無意味な脅しを掛けたりしなくてすむだろうに。
アレクサンドル・グルシコ(Александр Грушко)ロシア外相代理はこの紛争を終わらせるための最大限の軍事力行使の遅延がもたらす危険について理解している。軍事力行使が遅れれば愚かなNATO加盟諸国にウクライナに対する救援隊を準備する時間を与えることになる。グルシコはそのような不合理な考え方は戦争の拡大を招くと語っている。さらに「衝突が起こらないという保証がなくなり、完全に不必要な方向に事態が悪化することも否定できない」とも語っている。
ロシアが迅速に勝利すれば、西側諸国の愚かな介入を阻み、優柔不断さを消し去り、皆にはっきりとロシアの意図を伝えることができる。その意図とは、ロシアが「我が国の玄関前から立ち去れと警告したのだから、そこに足を踏みいれるな!」という意図だ。このさき世界平和を維持し、核戦争を回避するには、ロシアに足を踏み入れるというゲームはもう終わっていることを愚かな西側諸国が理解しないといけない。今回のウクライナ侵攻の最も重要な機能は、欧州諸国が今回のことを教訓とすることだ。ウクライナのナチ化を止めることではない。もちろんそれも大事なことだが。
戦争を迅速に終わらせることを阻止している最も大きな要因は、ロシアのラブロフ外相やロシア政府が軍事力の行使を最小限に抑えていることだ。ラブロフ外相はロシア政府の優柔不断な態度を見せなくすることができないまま交渉を求め、ウクライナにロシアの要求は最小限のものであることを約束し、ロシアはウクライナや欧州全体の安全を保証することを再確認するという態度を示している。そして、優柔不断だと取れる態度を示した後で、ラブロフ外相はこうこぼしている。「また、ウクライナとウクライナの保護国は言い訳を見つけて交渉を延期しようとしている」と。誰かラブロフ外相に伝えるべきだ。「交渉を求めるのは勝者ではなく、敗者の方だ」と。何度も言っているように、ロシアが学ぶべきなのは、口を動かすのではなく、迅速な行動で示すことだ。そうしなければ、ロシアのウクライナ侵攻はただの無駄な努力となり、ロシアが決めたレッドラインの本気度をきちんと伝えることができないまま終わってしまうだろう。
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