迫り来る戦争の影から逃れる道を見出すことは困難
迫り来る戦争の影から逃れる道を見出すことは困難
<記事原文>Difficult to Find a Way Out of the War that is Enveloping Us
ブログ Paul Craig Roberts
2022年2月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月3日
戦争を避ける道がどれほど狭いかの説明を、グレン・グリーンウォールド(Glenn Greenwald)の記事にまかせよう。
「ウクライナがより軍国化し、より権威主義に陥り、無謀になっているというプロパガンダ」
https://greenwald.substack.com/p/war-propaganda-about-ukraine-becoming?utm_source=url
米国民は洗脳され、偽情報を流され過ぎたせいで、今から何が起こるのかを全く考えられなくなっている。米国民たちのお気楽さの代償として、米国が滅亡の危機に追いやられている。
(以下は記事からの抜粋)
「誇張しすぎてしすぎることはないが、米国の政府関係者や米国メディアが一致団結して、共通理解を保っている様は驚くべきものだ。まるで全会一致状態で、何の異論も許さないような雰囲気だ。このような状況は9/11以降初めてのことのように思える。マルコ・ルビオ(Marco Rubio:共和党議員、金融業界の代弁者的存在)がバーニー・サンダース(Bernie Sanders)と全く同じようなことを語り、リンセー・グラハム(Lindsay Graham:共和党議員)の言動はもはやナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi:民主党議員、米下院議長)とほとんど違いが分からない。CNNやニューヨーク・タイムズが報じているウクライナ侵攻についての一語一句は、CIAや米国防総省が言っていることと一致している。その潮流に従って米国民の世論は、大幅で急激な変化を見せている。直近の世論調査によれば、ウクライナで米国が主要な役割を果たすべきかについては、大多数の米国民が反対の意思表示をしていた。しかし2月25日に発表された最新のギャラップ社(Gallup)の世論調査では、米国民の52%が「ロシアとウクライナ間の紛争が米国にとって大きな脅威となる」と答えており、さらにその回答は党派による違いを乗り越えるものだった(共和党支持層の56%と民主党支持増の61%がそう答えていた)。さらに米国民の85%がロシアに嫌悪感をもっており、ロシアに好感を持っているのは15%にとどまった。」
(記事からの引用はここまで)
米国民が、洗脳されたただの愚者に成り下がる中、米国政府の指導者たちやメディアも狂気の精神異常者だ。以下に、グリーンウォールドの記事からの2段落を記す。
(以下は記事からの抜粋)
「メディアに最も愛されている国会議員のうちの一人であるアダム・キンジンガー(Adam Kinzinger:共和党。イリノイ州選出)が、2月25日にはっきりと、語気を強めて要求したのは, 米軍をウクライナに派遣し、「飛行禁止区域」を打ち立てるべきだということだった。つまり米国兵たちが、ロシアに対してウクライナの航空領土に侵入しないよう命じる、ということだ。そしてその命令に従わないロシアの戦闘機などの軍機に攻撃を加えるというものだ。そうなれば現時点で地球上最大の核兵器をもつ米露二国がウクライナ上空で戦闘状態になることは避けられなくなる、ということだ。
キンジンガーのおとぎ話のような話によると、ロシアは合理的な計算のもと、米国の支持(指示)に即時に従うということだ。こんな馬鹿げた話はない。今やプーチンは、話の通じない狂人(比喩的な意味だけではなく医学的に見て)と化し、普通の常識を持ち合わせていないという言説を前提にしているのだろう。そして今のプーチンはどんな危険を冒してでもウクライナを降伏させ、歴史に名を残そうとしていると考えているのだろう。こんなおかしな提案がなされるのはこれが初めてではない。キッシンガーがこの計画を明らかにする数日前には、一人の記者が、国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官に、バイデン大統領はなぜロシアに対して戦闘的な態度で臨まないのかについて質問していた。米国シンクタンクのブルッキングス研究所のベン・ウィッツ(Ben Wittes) が2月27日に 要求したのは、「ロシアの政権転換」だった。リチャード・ハース(Richard Haass)外交問題評議会会長はこの発言を歓迎し、「ロシアで望まれる政権転換が起こる可能性についても話し合いのまな板の上に乗せるべきだ」と語っていた。
(記事からの抜粋はここまで)
アダム・キッシンガー議員はおそらく、この世で最も物事を知らない人物だろう。同議員の考えによれば、米国の運命はウクライナと直接繋がっていて、米国政府は米国民もウクライナ国民も簡単に救うことができるというものだ。そしてその理由は、「ロシアは我が国の空軍を脅かす力は持っていないから」だというのだ。なんとすごい考え方だろう。ロシアは遙かに離れたところから米軍の戦闘機の行動を防げる術を持っているというのに。グリーンウォールドは、我々が迫り来る壊滅から逃れられない理由を以下のように説明してくれている。
(以下は記事からの抜粋)
「戦争へのプロパガンダは、私たちの心理面にも、無意識にも、本能にも最も強力な刺激を与える。プロパガンダに操作され、私たちは理性を失ってしまう。このプロパガンダにより、部族主義や好戦的愛国主義や道徳心や情緒主義が引き起こされる。これらすべての要素が何千年にもなる人間の進化の歴史の中で組み込まれてきたものだ。世間を覆い尽くしている「道徳的な言説」を支えようという連帯心が強まれば強まるほど、批判的にその言説の是非を捉えることが困難になってしまう。プロパガンダが閉ざされたものになればなるほど、(プロパガンダが閉ざされる理由は、言説に対する異論が強力な検閲により排除されているか、自国に対する従順や忠誠がないことを批判されることで、そのような異論が邪悪なものであるとうまく思わされているかだが)、皆が今そのような渦中にあることを認識することさえ困難になっていく。
道徳的に完全に正しいとされる言説が確立されることにより、人々の批判的思考能力が低下させられれば、私たちの脳内の理性が支配する部分の能力が機能しなくなってしまう。だからこそ、オバマ政権のロシア大使であったマイケル・マックフォール(Michael McFaulh)のような反ロシア派のトップに立つ人々は「プーチンのためのプロパガンダ(つまりはウクライナ紛争をマックフォールの観点以外の観点で見る人のこと)」を存在させないよう要求しているのだ。そのようなプーチン・プロパガンダーは、SNS上にアカウントを持つことさえ許さないというのだ。さらには「フェイスブックはロシアメディアが広告を出したり、収益を上げたりすることを禁止していない」ことに対して、多くの人々が怒りの声を上げているのも同じことだ。マーク・ウォーナー(Mark Warner:民主党、バージニア州選出)上院議員は、今は普通のことになってしまった 政府当局がソーシャルメディア業界に対して、SNS上での言論の自由を抑え込む作戦を駆使して、どんな言論が許され、どんな言論が許されないかまで口を出せることを前提に、2月26日こう発言している。「私が懸念しているのは、ロシアについての偽情報がネット上に散乱していることです。ですので今日、私は主要テック産業の代表取締役たちに書簡を送り、ロシアのプロパガンダを拡散させないよう依頼しました」と。異論はすべて抑え混むこと。あるいは少なくとも、そのような異論は非国民の意見として、市民が無視してしまえるような環境整備をすること。これがプロパガンダ体制を強力に維持するための手口だ。」
(記事からの抜粋はここまで)
お気楽度を測るのには方法がある。私が使っている方法は、私のブログの新しい投稿に関するニュースレターに登録している読者のうち、どれだけの読者がそのお知らせメールを開封しているかを確認する方法だ。そのニュースレターの登録者数を見れば、読者が何に警戒をし、何に興味を持っているかがわかる。危険な戦争が展開されようとしている最中なのに、そのお知らせメールを開封しているのがニュースレター登録者の半分にもいっていない。私が分かったことは、自分の知っている状況を他の人に説明することも、今はできなくなっているということだ。その理由は、ほとんどの米国民が核戦争など起こるはずもないし、もしそうなっても、我が米国が勝利すると思わされているからだ。
ウクライナの最新の策は、同盟国であるイスラエルにロシアとの仲立ちを懇願することだった。ロシアがこの策に乗ったとしたら、話をうまく片づけられてしまうだろう。しかしおそらくこの策には好機もある(にもなる)。プーチンがイスラエルを以下のように説き伏せることもできるからだ。すなわちNATOが包囲網を強めれば、NATO加盟国の南端に予防措置を講じる計画があると伝えるのだ。つまりイランにS400ミサイルを供給して、イランにロシア軍基地を置くと伝えるのだ。ウクライナがNATO加盟国にならず、ネオナチ民兵を解散させれば、それを止めると伝えるのだ。
希望の星を見い出す方法をかねてから考えておくべきだったのだ。
<記事原文>Difficult to Find a Way Out of the War that is Enveloping Us
ブログ Paul Craig Roberts
2022年2月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月3日
戦争を避ける道がどれほど狭いかの説明を、グレン・グリーンウォールド(Glenn Greenwald)の記事にまかせよう。
「ウクライナがより軍国化し、より権威主義に陥り、無謀になっているというプロパガンダ」
https://greenwald.substack.com/p/war-propaganda-about-ukraine-becoming?utm_source=url
米国民は洗脳され、偽情報を流され過ぎたせいで、今から何が起こるのかを全く考えられなくなっている。米国民たちのお気楽さの代償として、米国が滅亡の危機に追いやられている。
(以下は記事からの抜粋)
「誇張しすぎてしすぎることはないが、米国の政府関係者や米国メディアが一致団結して、共通理解を保っている様は驚くべきものだ。まるで全会一致状態で、何の異論も許さないような雰囲気だ。このような状況は9/11以降初めてのことのように思える。マルコ・ルビオ(Marco Rubio:共和党議員、金融業界の代弁者的存在)がバーニー・サンダース(Bernie Sanders)と全く同じようなことを語り、リンセー・グラハム(Lindsay Graham:共和党議員)の言動はもはやナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi:民主党議員、米下院議長)とほとんど違いが分からない。CNNやニューヨーク・タイムズが報じているウクライナ侵攻についての一語一句は、CIAや米国防総省が言っていることと一致している。その潮流に従って米国民の世論は、大幅で急激な変化を見せている。直近の世論調査によれば、ウクライナで米国が主要な役割を果たすべきかについては、大多数の米国民が反対の意思表示をしていた。しかし2月25日に発表された最新のギャラップ社(Gallup)の世論調査では、米国民の52%が「ロシアとウクライナ間の紛争が米国にとって大きな脅威となる」と答えており、さらにその回答は党派による違いを乗り越えるものだった(共和党支持層の56%と民主党支持増の61%がそう答えていた)。さらに米国民の85%がロシアに嫌悪感をもっており、ロシアに好感を持っているのは15%にとどまった。」
(記事からの引用はここまで)
米国民が、洗脳されたただの愚者に成り下がる中、米国政府の指導者たちやメディアも狂気の精神異常者だ。以下に、グリーンウォールドの記事からの2段落を記す。
(以下は記事からの抜粋)
「メディアに最も愛されている国会議員のうちの一人であるアダム・キンジンガー(Adam Kinzinger:共和党。イリノイ州選出)が、2月25日にはっきりと、語気を強めて要求したのは, 米軍をウクライナに派遣し、「飛行禁止区域」を打ち立てるべきだということだった。つまり米国兵たちが、ロシアに対してウクライナの航空領土に侵入しないよう命じる、ということだ。そしてその命令に従わないロシアの戦闘機などの軍機に攻撃を加えるというものだ。そうなれば現時点で地球上最大の核兵器をもつ米露二国がウクライナ上空で戦闘状態になることは避けられなくなる、ということだ。
キンジンガーのおとぎ話のような話によると、ロシアは合理的な計算のもと、米国の支持(指示)に即時に従うということだ。こんな馬鹿げた話はない。今やプーチンは、話の通じない狂人(比喩的な意味だけではなく医学的に見て)と化し、普通の常識を持ち合わせていないという言説を前提にしているのだろう。そして今のプーチンはどんな危険を冒してでもウクライナを降伏させ、歴史に名を残そうとしていると考えているのだろう。こんなおかしな提案がなされるのはこれが初めてではない。キッシンガーがこの計画を明らかにする数日前には、一人の記者が、国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官に、バイデン大統領はなぜロシアに対して戦闘的な態度で臨まないのかについて質問していた。米国シンクタンクのブルッキングス研究所のベン・ウィッツ(Ben Wittes) が2月27日に 要求したのは、「ロシアの政権転換」だった。リチャード・ハース(Richard Haass)外交問題評議会会長はこの発言を歓迎し、「ロシアで望まれる政権転換が起こる可能性についても話し合いのまな板の上に乗せるべきだ」と語っていた。
(記事からの抜粋はここまで)
アダム・キッシンガー議員はおそらく、この世で最も物事を知らない人物だろう。同議員の考えによれば、米国の運命はウクライナと直接繋がっていて、米国政府は米国民もウクライナ国民も簡単に救うことができるというものだ。そしてその理由は、「ロシアは我が国の空軍を脅かす力は持っていないから」だというのだ。なんとすごい考え方だろう。ロシアは遙かに離れたところから米軍の戦闘機の行動を防げる術を持っているというのに。グリーンウォールドは、我々が迫り来る壊滅から逃れられない理由を以下のように説明してくれている。
(以下は記事からの抜粋)
「戦争へのプロパガンダは、私たちの心理面にも、無意識にも、本能にも最も強力な刺激を与える。プロパガンダに操作され、私たちは理性を失ってしまう。このプロパガンダにより、部族主義や好戦的愛国主義や道徳心や情緒主義が引き起こされる。これらすべての要素が何千年にもなる人間の進化の歴史の中で組み込まれてきたものだ。世間を覆い尽くしている「道徳的な言説」を支えようという連帯心が強まれば強まるほど、批判的にその言説の是非を捉えることが困難になってしまう。プロパガンダが閉ざされたものになればなるほど、(プロパガンダが閉ざされる理由は、言説に対する異論が強力な検閲により排除されているか、自国に対する従順や忠誠がないことを批判されることで、そのような異論が邪悪なものであるとうまく思わされているかだが)、皆が今そのような渦中にあることを認識することさえ困難になっていく。
道徳的に完全に正しいとされる言説が確立されることにより、人々の批判的思考能力が低下させられれば、私たちの脳内の理性が支配する部分の能力が機能しなくなってしまう。だからこそ、オバマ政権のロシア大使であったマイケル・マックフォール(Michael McFaulh)のような反ロシア派のトップに立つ人々は「プーチンのためのプロパガンダ(つまりはウクライナ紛争をマックフォールの観点以外の観点で見る人のこと)」を存在させないよう要求しているのだ。そのようなプーチン・プロパガンダーは、SNS上にアカウントを持つことさえ許さないというのだ。さらには「フェイスブックはロシアメディアが広告を出したり、収益を上げたりすることを禁止していない」ことに対して、多くの人々が怒りの声を上げているのも同じことだ。マーク・ウォーナー(Mark Warner:民主党、バージニア州選出)上院議員は、今は普通のことになってしまった 政府当局がソーシャルメディア業界に対して、SNS上での言論の自由を抑え込む作戦を駆使して、どんな言論が許され、どんな言論が許されないかまで口を出せることを前提に、2月26日こう発言している。「私が懸念しているのは、ロシアについての偽情報がネット上に散乱していることです。ですので今日、私は主要テック産業の代表取締役たちに書簡を送り、ロシアのプロパガンダを拡散させないよう依頼しました」と。異論はすべて抑え混むこと。あるいは少なくとも、そのような異論は非国民の意見として、市民が無視してしまえるような環境整備をすること。これがプロパガンダ体制を強力に維持するための手口だ。」
(記事からの抜粋はここまで)
お気楽度を測るのには方法がある。私が使っている方法は、私のブログの新しい投稿に関するニュースレターに登録している読者のうち、どれだけの読者がそのお知らせメールを開封しているかを確認する方法だ。そのニュースレターの登録者数を見れば、読者が何に警戒をし、何に興味を持っているかがわかる。危険な戦争が展開されようとしている最中なのに、そのお知らせメールを開封しているのがニュースレター登録者の半分にもいっていない。私が分かったことは、自分の知っている状況を他の人に説明することも、今はできなくなっているということだ。その理由は、ほとんどの米国民が核戦争など起こるはずもないし、もしそうなっても、我が米国が勝利すると思わされているからだ。
ウクライナの最新の策は、同盟国であるイスラエルにロシアとの仲立ちを懇願することだった。ロシアがこの策に乗ったとしたら、話をうまく片づけられてしまうだろう。しかしおそらくこの策には好機もある(にもなる)。プーチンがイスラエルを以下のように説き伏せることもできるからだ。すなわちNATOが包囲網を強めれば、NATO加盟国の南端に予防措置を講じる計画があると伝えるのだ。つまりイランにS400ミサイルを供給して、イランにロシア軍基地を置くと伝えるのだ。ウクライナがNATO加盟国にならず、ネオナチ民兵を解散させれば、それを止めると伝えるのだ。
希望の星を見い出す方法をかねてから考えておくべきだったのだ。
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