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ウクライナ情勢続報3

ウクライナ情勢続報3
<記事原文>

Ukraine Update #3

ブログ Paul Craig Roberts
2022年3月1日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年3月3日

 まずはマイケル・ハドソン(Michael Hudson)による解説を読んでいただきたい。その解説によると、ロシアに対する制裁の被害を受けるのはドイツだが、米国政府に手を伸ばしている3つの利益団体(軍産複合体、石油会社、金融・保険・不動産関連業界)にとっては利益になる。https://www.unz.com/mhudson/america-defeats-germany-for-the-third-time-in-a-century/つまり制裁はロシアに害を与えるというよりも、米国政府にたかっている連中の利益獲得のために行われる意味が強いということだ。ロシアが負う主たる負担は屈辱感だ。

 ロシアは、米国や欧州に対して大きな被害を与えられる制裁を加えることができる立場にいる。しかし今のところロシアはそうはしていない。ロシアは送る軍はできるだけ少なくするよう決めているようだ。ロシア政府は天然ガスの輸出を止めてドイツを麻痺させる策には出ていない。ロシアはロシア国内の米国や欧州諸国の資産を国有化する策にも出ていない。ロシアは天然資源の販売を差し止めることで世界の供給網を阻害する策にも出ていない。ロシアは小麦の輸出も止めてはいない。ロシアは米国や欧州諸国に対して、国際逮捕状を発行してもいない。その逮捕状とは、米国と欧州諸国がセルビア、アフガニスタン、パキスタン、イラク、リビア、シリアに対して犯した戦争犯罪や、多くの人々を暗殺した罪を問う逮捕状のことだ。

 現状の軍事戦線についていえば、ウクライナ軍は事実上包囲されていて、反撃を加えたり、効果的な抵抗を示したりはできなくなっている。ただし例外は、人口が集中しているところに大型武器を配置しているネオナチ民兵だ。ロシア政府の現在の戦時法においては、ロシア軍が一般市民の在住地区に、重火器を使用することは禁じられている。もちろんこんな法律を遵守してもロシアに何の利もない。西側の御用メディアは「ロシアが一般市民たちに攻撃を加えている」という偽情報を垂れ流し続けている。

 このような御用メディアの報じ方こそ、西側の人々の愚かさを示していると言えるだろう。ロシアが非軍事施設や民間人を標的にして軍の資源を無駄にすると考えるなど本当に愚かだ。プーチンが言っているように、西側は「嘘で固められた帝国」だ。そのうちきっとニューヨーク・タイムズで読んだり、NPRやCNNで聞くニュースの中に、「ロシア軍が未熟児の赤ちゃんたちを保育器から引きずり出したり、子どもたちを銃殺したりしている」というニュースが出てくるに決まっている。

 西側が脅威や告発を喚き散らしているのは、他にできることがないからだ。西側の低脳者たちが脅しているのは、ISISの聖戦士をウクライナに送り込みロシアと闘わせることだ。さらには米軍の退役軍人をボランティアの雇い兵としてポーランドに派遣することだ。その情報と同時に聞こえてくるのは、ウクライナがロシアの侵攻を食い止め、勝利に転じつつあるという情報だ。それなのにいったいなぜ、外国から援軍を期待しなければいけないのだろうか?

 ウクライナのドミトル・クレバ(Дмитро Кулеба)外相は、国連に「ロシアの非武装化」を要求しているが、これは想像もできないくらいのばかげた芸当だ。ウクライナ政府が自国の運営さえままならないときに、なぜクレバのような人物が外相を務めているのかと思われても仕方ないだろう。フランスのブリュノ・ル・メール財務大臣は「ロシアに対する完全な経済・金融戦争」を宣告している。この発言に対してロシアのドミートリー・メドヴェージェフ(Дмитрий Медведев)安全保障会議副議長は、「発言に注意してください。さもないと本当の戦争になりますよ」と警告している。愚かなウルズラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)欧州委員会委員長は声明で、EUはポーランド経由でウクライナに戦闘機を派遣すると語ったが、この声明はポーランドのアンジェイ・ドゥーダ(Andrej Duda)大統領の発言と全く矛盾している。「我が国はウクライナに戦闘機を派遣するつもりは全くありません。そうすればウクライナ紛争に軍事的に介入する道を開くことになるからです。ウクライナの紛争に参戦するつもりはありません。NATOはこの紛争には関わっていません。」https://www.rt.com/news/550955-poland-bulgaria-deny-warplanes-ukraine/ 

 プーチンはNATO加盟国にウクライナに武器を供給しないよう警告している。もしそのような武器の輸送があれば、運輸の際に破壊されるだろう。ロシアはウクライナの空路を制圧している。ウクライナ軍は包囲されている。そんな中でどうやって武器がウクライナに届くというのか?なぜ西側の愚者たちは負けた戦争を長引かせようとしているのか?なぜホワイトハウスはゼレンスキーに降伏し、ロシアから得られる最善の状況を交渉で引き出させようとはしないのか?

  西側諸国の指導者たちの無意味な大言壮語の中には、ウクライナをNATOに加盟させるという話はでてこない。出てくるのは、ウクライナをEUに入れるという話だ。EUというのは軍事同盟ではなく経済同盟だ。しかしゼレンスキーが亡命中のウクライナにとって、EUに加盟することにどんな意味があるのかは明らかではない。ウクライナの将来は、ロシア軍の引き上げにかかっている。ロシア軍は目的を達せば出て行くだろうからだ。

 ここ数年私がずっと書き続けていたように、西側に対するロシアの辛抱は永遠に続くわけではなかった。そして西側が圧力をかけることを止めない限りは、ロシアは反撃し続けるとも指摘してきた。私が言ったのは、ロシアが長い期間辛抱すればするほど、ロシアが行う反撃は厳しくなるということだった。さらには、まったくの愚者だらけで固められている西側世界の状況からすれば、状況は危険なものになるということだった。ロシアと米国が核兵器を警告に使っている今、状況は本当に危険だ。米国の利益のために奉仕する、米国の操り人形的欧州諸国が、「ウクライナの不穏分子一掃作戦の邪魔をするな」というプーチンの警告を無視すれば、今度は欧州がロシアの攻撃対象になり、無力なNATOが反抗するか、降参するかどちらかを選ばなければならなくなりかねない。今の状況を注視しよう。「嘘で固められた帝国」である西側諸国は、そこまで追い詰められているのだ。

 

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