fc2ブログ

ウクライナ情勢 続報その2

ウクライナ情勢  続報その2

 <記事原文>

Ukraine Update #2

ブログ  Paul Craig  Roberts

 2022年2月25日

 <記事翻訳  寺島メソッド翻訳グループ>

2022年2月27日 

 西側メディアが果たしている機能は、作り話を事実に、嘘を真実に変えることだ。そして言説が作り出された後は、際限なくそれを繰り返し報じる。私は昨日(2月24日)必死に情報を集め、読者の皆さんに今の正しい状況を伝えようとした。今日(2月25日)は、軍の現状の続報をお伝えし、ロシア政府が見落としている危機的状況について指摘したい。

 高性能ミサイルを使って、ロシアはウクライナの軍事基盤を破壊した。攻撃対象は軍用飛行場、航空機、軍需品や燃料格納所や、軍事通信施設に限られている。これまでも、今も、一般市民を攻撃対象にはしていない。ロシア政府のやり方は、米国・NATOとは全く違う。米国・NATO軍はセルビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、パキスタンで一般市民に対する無差別爆撃を行ってきた。 偽善者である西側の「指導者」たちは、ウクライナのごく少数の犠牲者たちに見かけだけの涙を流してみせたが、自分たちが「サダム・フセインが大量破壊兵器を所持している」などという嘘に基づいた不当な戦争で何万人もの市民を殺害したことに対しての良心の咎めがある振りさえもしていない。CNNなど西側の御用メディアは、ロシア軍が一般市民を攻撃しているという印象を与えるために、  遠くから街に煙が立ち上る風景を映している。 実際はその煙が上がっているのは軍の通信施設や武器格納庫からだ。ロシア軍の兵器は非常に精密なので、ロシア軍は視界に入っている全てのものを爆破する必要はなく、軍事目的を達成する全ての建物を狙い撃ちできる。 しかしロシアがこのような人道的な配慮を行って得られるものは何もないので、いずれはこの配慮を放棄せざるを得なくなる可能性がある。その件については、この記事内で後述する。  

 私が言える範囲内の事だが、今回のロシアの一発目の攻撃に対してウクライナ軍は何の軍事的対応もできていない。全く断固とした対応が見えてこないのだ。ウクライナ兵の中には、武器を捨てたものたちもいる。記事によると、原子力発電所をCIAの工作員たちから守るため、ロシア軍部隊の補助をしている人たちもいるとのことだ。ウクライナ国境警備兵の多くはロシアへの亡命を求めているという。そしてロシア軍はウクライナ兵たちを殺さないよう最善の注意を払っているようだ。 

 しかしCIAの助言者たちを伴っているネオナチ民兵たちは、そうはいかないようだ。彼らはドンバスにも、ウクライナの首都キエフにも存在していて、間違いなくウクライナ国内の他の都市や町にもいる。このネオナチ勢力が、わざと人口の多いところに拠点を置き、一般市民を盾にしているのだ。 キエフでは、ネオナチ民兵たちは、ロケット発射機を準備しており、それらを使ってキエフ空港を占拠しているロシア軍を攻撃する構えだ。 軍からの命令で、ロシア兵は一般市民の居住地区を直接攻撃できない。そこに残存しているネオナチ勢力が潜めるということだ。  https://sputniknews.com/20220225/moscow-ukrainian-troops-deploy-mrls-grad-in-kiev-to-provoke-casualties-among-civilians-1093369676.html 

https://sputniknews.com/20220225/russian-mod-kiev-uses-same-methods-as-terrorists-uses-civilians-as-human-shields-1093367914.html 

  ここにロシア政府の戦略上の問題が浮かび上がる。ロシアはウクライナのナチ化に手を出さず、ずっと放置していたため、 米国が支援する反乱勢力を温存する余地を残してしまったのだ。ナチ民兵たちを壊滅させることは、一方では、市街戦で多くのロシア兵の命を奪うことになってしまう。そしてもう一方では、米国やイスラエルが行っている大砲や爆弾の雨のせいで、多くのウクライナ市民たちの命を奪ってしまう可能性があるのだ。

 私はロシア政府が自分たちが相手にしているのは兵士たちではなく、精神異常者であるという事実を分かっているのか疑問だ。 ロシア政府はことを迅速に終わらせる必要があるが、ナチ民兵たちは紛争を長引かせて、ロシア政府がウクライナの一般市民を1人でも殺害してしまう状況に引きずり込もうとするだろう。その難問を理解した上で、プーチンは、ウクライナ兵士たちは自国政府が「子どもたちや、女性たちや、愛するものたちを」盾に利用することを許すな、と語っていたのだ。プーチンがウクライナ兵たちに伝えたのは、「自分たちの手で権力を掌握しろ」ということだったのだ。 プーチンによると、ウクライナ兵士たちはずっと良い交渉相手だとのことだ。それは「麻薬依存症のネオナチたちと比べて」という意味だ。この連中が「キエフ市内で砦を作り」、一般市民たちを人質にとっているとプーチンは言ったのだ。 

https://www.rt.com/russia/550628-putin-address-ukraine-military-power/

 ロシアの戦略上の弱点は軍にはない。それは戦時国際法を尊重しようとして、ウクライナ市民たちに害を与えないように気を使っているところだ。ロシアはネオナチを追い出したあと、ウクライナ市民たちと良い関係を結びたいと考えているのだ。ロシア政府は本当にウクライナ市民たちの感情を気にしている。 これがロシアの苛立ちであり弱さなのだ。その理由はロシアには世論をコントロール術がないからだ。どうせロシアがすることは何でも悪く描かれるのだから、ナチを追い出すためならできることは何でもした方が得策なのだ。そうしないから膠着状態に追いやられてしまうのだ。ロシア政府は、国際法に従おうとしているが、実際のところ国際法などは存在しないようなものであることを分かっていないようだ。西側諸国などは、国際法どころか自国の法律さえ守っていないのだから。

 この問題は昨日ロシアが侵攻して始まった問題ではない。この問題が始まったのは米国政府の民主的に選ばれた政府を転覆させ、操り人形のような政府に首をすげ替えた時から始まっていたのだ。その操り人形政府は無力で、ナチが独立した民兵隊を組織するのを止められなかった。 ロシア政府は、蕾のうちから芽を摘んでおくべきだったのに、無垢な子どものように外交政策による解決を信じてそうできなかったのだ。

 ロシアに困難が生じているのは、ロシアが自分の持つ力を常に制限しようとしてきたからだ。こんなことをして効果があるのは、敵が同じような考え方をしている場合だけだ。残念なことにロシアの敵はそのような考え方の持ち主ではない。

 最新の制裁に対するロシアの対応にもロシアの躊躇が見て取れる。制裁により損害を受けるのは、ロシアよりも、米国や欧州なのは事実だ。  しかしロシアは屈辱を味わうことになる。ロシアという大国が、やろうと思えば2分で完璧に破壊し尽くせるような弱小国たちから制裁を受けるという屈辱感だ。  

 制裁や制裁についての話を止めるために、ロシア政府がすべきことは、欧州への天然ガスの輸出を止めることだ。欧州のエネルギー供給企業の或る大手の会社の会長が言ったように、もしロシアが天然ガスの輸出を止めたのならば、ドイツの産業界の全てのエネルギー供給が止まってしまうことになる。つまりドイツ産業界は麻痺するということだ。そうなれば爆撃によってもたされる惨状と変わらない。今はまだ冬なので、多くのドイツ国民たちは家の中で凍えながら冬を過ごさないといけなくなる。

 では今はどうなっているだろう。こうだ。ロシア連邦院議長のワレンチナテ・マトヴィエンコ(Валентина Матвиенко)は、これ以降もロシアは欧州に対する天然ガスで信頼を得られるよう供給し続ける意向を示している。米独がロシア政府の支援するノルド・ストリーム2パイプライン計画を破棄する措置を取ったにも関わらずだ。独政府がこの計画の承認を即時に取りやめることを決定したのは、 ロシアがウクライナに軍事行動を取る前のことだった。この決定は、今週始めにロシア政府がウクライナから分離・独立を主張していたドネスク共和国とルガンスク共和国の独立承認を受けたものだった。

 ロシア銀行に対する欧州による制裁も変更されたが、その狙いはロシアの愚策に乗じようとするものだった。ドイツの金融大臣が18日に語ったところによると、ロシアのウクライナに対する軍事行動に伴う欧州による制裁により、ロシア銀行はドイツとの関係が完全に封鎖されることになるとのことだった。 現在許可されている独露間の唯一のやり取りは、ドイツの企業群がロシアの天然ガスに対する支払いだけだとクリスティアン・リントナー(Christian Lindner)独財務大臣は語っている。

https://www.rt.com/business/550619-germany-blocks-russian-banks/ 

 このようなロシアの施策は愚策ではないと言えるかもしれない。ロシアはただ、契約上の同意事項に従い、ロシアは契約相手として善良で信頼できる相手だと思ってもらおうとしているのかもしれない。 或いは、ロシアの無能な経済専門家たちや中央銀行が、「ロシアには、天然ガスで得られる外貨が必要だ」と、経済に疎い政府を説き伏せてしまっている可能性もある。それでもやはりこれは愚策だ。ロシアが信頼の置けるビジネス相手だと思われても得られるものは何もない。 実際ドイツはロシアが信頼の置けるビジネス相手になることに関心を示していないからこそ、 ノルド2パイプライン計画に待ったをかける行為に出たのだから。 外貨の面についても、ロシアは外貨に頼る必要は全くない。制裁が強まれば外貨はなくなるが、それで困るのは米国や欧州の通貨に支配されている条件下だけのことだ。 ロシア中央銀行はロシア経済の金融の発展に外貨を必要としない。 ロシアが欧州にエネルギー源の輸出を差し止めれば、ルーブルを強化するためにルーブルを手形に入れればいいのだ。敵国の外貨を手形にするのではなく。

 つまり、圧倒的な軍事力があるにも関わらず、ロシアが置かれている立場は弱いということだ。もしプーチンがグローバリズムの世界に足を踏み入れれば、さらに弱くなるだろう。ここにプーチンが抱える二者択一の大問題が生じる。プーチンはロシアの国家主権の確保につとめてきた。しかし国家主権を確保しようとすれば、グローバリズムとは相容れない。プーチンはどちらかを選べるが、両方を選ぶことはできない。

 私の推測では、西側がロシアをうち負けかせるとすれば、それはロシアをグローバリズムに引きずり込めた場合だろう。

関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tmmethod

Author:tmmethod
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
最新コメント