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歯に衣着せぬトゥルシーの登場は、民主党既存体制の落日を意味する

Straight-talking Tulsi’s rising star means setting sun for Dem Party establishment

RT Op-ed 2018年11月23日

(翻訳: 新見明 2018年12月7日)
<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/444719-tulsi-gabbard-anti-dem-establishment/


フィニアン・カニンガム(1963年生まれ)は、広く国際問題に関して書いていて、その記事はいくつかの言語で出版されている。元々北アイルランドのベルファスト出身で、彼は農業化学の修士であり、イギリス、ケンブリッジ王立化学会の科学担当記者として働いた。その後新聞ジャーナリズムの仕事に就く。20年以上にわたって彼は主要なニュース・メディア組織で編集者かつ著述家として働いてきた。その中にはミラー・アイリッシュ・タイムズやインディペンダントなどがある。今はフリーランスのジャーナリストとして東アフリカに基盤を置いていて、彼のコラムは、RT、スプートニック、Strategic Culture Foundation、Press TVに登場する。


トゥルシー・ガバード © Getty Images / Tom Williams

カショジ記者殺害でサウジアラビアを許すトランプ大統領に対して、トゥルシー・ガバードが痛烈な批判を浴びせたが、それがガバードを2020年大統領選挙の旗手にする見込みをさらに高め、民主党支配層に揺さぶりをかけた。

今週37歳のハワイの代議員が、トランプを「サウジアラビアの売女」と非難した。トランプが、ジャーナリスト、ジャマル・カショギの残忍な殺害に関してサウジ体制を擁護したのを受けてのことだ。米国・サウジ関係はとても重要で、石油王国支配者との断絶は避けなければならない、とトランプは述べた。

トランプは10月2日イスタンブールのサウジ領事館でのアメリカ在住ジャーナリストの残忍な殺害に関して経済的、戦略的な利害を優先したが、それは今週アメリカの政治家やメディアによって広範に軽蔑されることとなった。しかしガバードのトランプへの酷評は、恐らく最も痛烈で記憶に残るものだった。

それは一種の戦闘的な一撃で、進歩派や知識人からも支持され、彼女を注目させることとなった。アメリカの選挙民は長い間、既成政治に対する"自称"挑戦者によって裏切られてきた。しかしトゥルシー・ガバードは、ホワイトハウス奪取への大衆反乱を起こせる希望を与えている。

2012年ガバードが議会に始めて選出されて以来、彼女は徐々に、自身を国民的な人物に高めてきた。「社会主義者」バーニー・サンダース上院議員や、彼の若き民主党の支持者に支援されて、ガバードは2020年、トランプが再度立候補するとき大統領候補として益々期待されている。

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(左)トゥルシ・ガバード(民主党、ハワイ)© Reuters / Brian Snyder; (右)ドナルド・トランプ米大統領© REUTERS/ Leah Millis「サウジアラビアの売女となるな」とトゥルシ・ガバードはトランプに言うが、批評家は非難する。


彼女は既成の民主党に揺さぶりをかけることができる進歩派ニュー・ウェイブの一人と見られている。彼女が既得権益に対して恐れずものを言うので、それが党のボスと彼女が仲違いしたときでも、支持者がガバードの周りに集まる。

2016年、彼女は民主党全国委員会を辞任した。そのとき、大統領立候補者指名でバーニー・サンダースに対してヒラリー・クリントンが有利になるようにした、と彼女は訴えた。ガバードはその次にサンダースを支持して、さらに民主党全国委員会をいらだたせた。既存の党に対する彼女の立場は、若者や党の進歩派の中で多くの賞賛を獲得した。彼らの多くは、自身を「社会主義者」と公然と名乗っている。

ガバードが党のヒエラルキーに挑戦したのはこれが最初ではない。オバマ政権の間に、彼女はしばしばナショナル・テレビショーに出演して、オバマのシリア軍事介入政策を糾弾し、反政府軍グループをワシントンが支援していると非難した。彼女は一貫してアメリカの海外での戦争や体制転覆の陰謀を非難してきた。

ガバードはイラク戦争に2度派兵された退役軍人として、彼女のアメリカの軍事的冒険主義への批判は、誰も反駁できないほどの影響力をもっている。

去年、彼女はシリアを訪れ、バシャール・アサド大統領と会見した。そこで彼女は「事実を発見する任務」でやってきたと語った。彼女の旅に対するアメリカメディアの批判にひるむことなく、ガバードはそれ以来、シリアのテロを打ち破るシリアとロシア軍の努力を称えている。彼女はまた、アサドの政府軍が化学兵器を使ったという欧米メディアの主張を批判し、トランプがシリア軍による化学兵器使用を口実に、その報復として空爆を命じたことを糾弾した。


またrt,comによると、証拠もない「アサドの化学兵器攻撃」宣伝を拒否して非難されるガバード議員


現在、下院の多数を占める新たに選出された他の民主党下院議員とは違って、ガバードは外交政策問題に経験と専門知識がある。彼女は下院の外交問題委員と軍事委員を勤めてきた。だから彼女の主張は確かなものだ。

ある議会聴聞会で、ガバードは元NATO司令官フィリップ・ブリードローブに、ロシアがアメリカ大統領選挙に介入したという主張で、アメリカの偽善について教えた。彼女は将軍に、アメリカはロシアを含めて80以上の国に、数十年にわたって選挙に介入してきたことを思い出させた。

女性議員が今週、カショギ殺害に関してサウジアラビアを許したトランプを激しく攻撃したが、彼女の歯に衣着せぬスタイルは一貫していた。

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イドリブ県のアルカイダのヌスラ戦線のメンバー、2015年5月28日© Ammar Abdullah
トゥルシ・ガバードは、トランプのアルカイダに関するやっかいな二枚舌を非難する。


以前ガバードは、サウジアラビアへの武器販売をアメリカがやめるように求めた。サウジアラビアが中東のテロリストグループを支援している、と彼女は非難した。また彼女は、テロと結びついた国々へアメリカが支援することは違法だとする法案を議会に提出した。

オバマやクリントンの軍事介入に対する彼女の遠慮ない批判が、ある意味でトランプがガバードに注目した理由だった。トランプの大統領選挙後まもなく、ハワイ選出の民主党員は、当時の側近スティーブ・バノンによって設定されたトランプタワーでの会談に招かれた。そこでの話では、トランプ政権の国務長官のポジションさえ申し出があった。共和党内閣の中の民主党員だって!

話は何も実現しなかった。しかし今週のサウジアラビアに関するトランプへの厳しい叱責は、ガバードが権力に対して真実を述べることにやぶさかでないことを示している。たとえかつて彼女がトランプ陣営に誘われた事があったとしても。

しかし彼女は短気で、ずけずけものを言うので、民主党幹部はガバードに反発するかもしれない。彼女の呼びかけである財政改革運動やウォールストリートへの規制強化の呼びかけが、ワシントンの年度ごとに膨らむ巨大な軍事予算の削減要求と同様、党の内外で進歩派を結集させるのも当然なことだ。しかし民主党議会重鎮の多くには、軍産複合体と結びついたロビー・グループからたらふく資金が流れている。ガバードが新星であることは、重鎮らが政治家として日暮れであることを意味している。党機関の運営を考えると、2016年クリントンとサンダースの総崩れで見られたように、2020年に大統領立候補者としてガバードの評価は高まる可能性がある。

これは党内の緊張とディレンマを意味する。あまりにもしばしば民主党体制は共和党と共にワシントンを独占している政党と見られている。多くの普通の民主党支持者や自称支持者にとっては、党は進歩的に任務を放棄して、労働者階級の利害のために戦うことをせず、税の再分配を通して大企業支配と戦うことや、新帝国主義戦争に反対することをしてこなかったのだ。


Also on rt.com A brave new US Congress or same old hypocrisy?
rt.com勇敢な新米国議会なのか、それとも同じ古い偽善なのか。


民主党が進歩的計画を放棄したことが、2016年の大統領選挙でトランプがヒラリー・クリントンに勝利した要因であったことはよく議論されることだ。クリントンはウォール・ストリートの代理人としてまたペンタゴンの操り人形と見られていたのだ。

それでもアメリカ政治の進歩派左翼にはガバードを警戒する声がある。彼らは、彼女の元社会主義的保守主義を指摘し、ゲイの権利や中絶に反対していることを批判する(彼女はカソリックとして育ち、今はヒンズー教徒であるが)。左派の批評家はまた過去の「トランプやバノンとのいちゃつき」を潜在的に右翼ナショナリストの傾向があるとして警戒する。

しかしそのような批判は、多くの普通のアメリカ人投票者にとって形式的なことに見えるかもしれない。

Liberal-pro stationのラジオホストであるティム・ガットーは、ガバードが2020年大統領選挙で勝利できるものをもっていると考えている。民主党を多数の投票者にふさわしいものに変えることによって可能になる、と。

ガットーは述べた。「退役軍人として、私はアメリカのシリア介入と中東での終わりなき戦争に反対の声を上げるトゥルシー・ガバードに拍手を送る。私は彼女がエリート層に対してアメリカ人民を擁護し続ける真の進歩主義者であると信じる」と。

彼は付け加えた。「ガバード議員は、未だ予備役にあるにもかかわらず、アメリカの外交政策に反対の声を上げた。もし彼女が民主党首脳部に抱き込まれなかったら、そのとき彼女はアメリカ進歩的左翼にとって、大統領選挙でこの国を正気に戻す最大のチャンスである」と。
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