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感染症と、ワクチン、そして戦争

感染病、ワクチン、そして戦争
<記事原文 寺島先生推薦>
Infectious Diseases, Vaccines and War

Global Research
2022年1月26日
マーク・ハーバーマン(Marc Herbermann)教授
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>



 「ワクチンは毎年何百万人もの命を救っている。最も安全で効果的な公衆衛生上の介入策のひとつである・・・」。

 こういった言い方は、今日自明の理のように思われる。現在、政府が義務付けているCovid-19の予防治療に批判的な多くの著名人でさえ、ワクチンの推進派であると公言している。

 この小論は、mRNA製剤の効果に関する議論に参加するつもりはない。その代わりに、上であげたワクチンの効果についての一般的な紹介的な言い方を検証してみたいのである。それは、実際のワクチンの効果に裏打ちされたものなのだろうか?科学には、その存在意義に疑義を挟んではいけないような聖なる領域は存在しない。もし、ワクチンの研究開発が科学的であるならば、なぜワクチンが効くのかの根拠を問うことも許されるし、同様にどんな副作用があるのかを問うことも許されるのである。

感染症が減少した理由は何なのか?

 インフルエンザ・ウイルスは、米国疾病対策予防センター(CDC)が指摘するように、数百の亜型と変種株からなり、常に変異を繰り返している。米国では、ワクチン接種が普及するずっと前の20世紀前半に、インフルエンザによる死亡率が激減している。しかし、実体のないインフルエンザ・ウイルスに対するワクチンは、依然として導入されていた。1979年から2019年の間に年間配布数は10倍以上の1億8900万回に上ったが、その間のインフルエンザ平均死亡率はほぼ一定だった[1]。 19世紀末以降の同様の動きは、米国とカナダで他の病気についても見られた。麻疹、結核、猩紅熱、百日咳の死亡率は、対応するワクチンが導入される前にすでに大幅に低下していたのだ。

 早くから集団予防接種が無意味であることは他の国でも示されていた。19世紀の欧州でのワクチン接種と病気に関する信頼できる数値がかつてより紹介されていた。イギリスの医師で疫学者のトーマス・マッキューン(Thomas McKeown)は、イングランドとウェールズにおける結核が、その感染力に関する論争が解決するよりもずっと前から減少していたことを実証している。1882年にロバート・コッホ(Robert Koch)が結核菌を発見するよりもずっと前のことだ[2]。 トーマス・マッキューンの報告「Reasons for the Decline of Mortality in England and Wales during the Nineteenth Century(19世紀イングランドとウェールズにおける死亡率の減少)」では、イングランドとウェールズの人口が、1700年から1851年までに三倍になっていることは、考えられる「感染症の挙動における自然の変化」を超えていると述べている。もしこの見解を受け入れ、もし特定の医療措置が死亡率に大きな寄与をしなかったことに異論がないのであれば、18世紀後半から19世紀初頭にかけての人口増加の主因は、経済・社会状況の改善にあったと結論づけなければならない」と述べている。

 19世紀から20世紀にかけてのドイツにおける複数の感染症のワクチン接種と発生件数の増減においても、同様の状況が見られる。結核、百日咳、ジフテリア、破傷風など、感染症のほとんどが予防接種が導入されるずっと以前から減少していたことが、呼吸器内科医のゲルハルト・ブッフバルト(Gerhard Buchwald)によって徹底的に検証されている。ブッフバルトによれば、ドイツで始まった集団予防接種は、プラスではなく、むしろマイナスに作用した。ワクチン接種が広く行われた後、曲線は右肩下がりではなく、時には右肩上がりに転じることさえあった。1925年、ジフテリアの予防接種が導入された年、ドイツにおけるジフテリアの患者数は約5万人であった。その後、患者は急増し、1939年までに15万人に達した。ポリオとの戦いも同様である。1950年代にビレロン(Virelon)という薬を使った予防接種が広まった後、ドイツでは患者が増加したとブッフバルトは説明する。

 21世紀に入ってからも、同様に有害な健康施策が見受けられる。WHOの大規模なポリオ予防接種キャンペーンは、2005年以降、ナイジェリア北部でポリオ感染を急増させた;数十万人がワクチン由来の循環型ポリオウイルスであるcVDPV2に感染した。2000年から2017年にかけて、さらに大きな大惨事がインドで起こった。インド政府が取得したポリオ件数追跡調査の数値に基づく研究では、インドで小児の非ポリオ急性弛緩性麻痺(NPAFP)が急増した原因は、経口投与ポリオワクチン(OFP)の投与を急激に増やした結果だと結論づけた。OFPの投与を繰り返すうちに症例数が増加し、「さらに49万1千人の子どもたちが麻痺した」のはOFP投与が原因とも考えられるとしている。

 ワクチン接種推進論者は、ワクチンの有効性の証拠として、ポリオのワクチン接種キャンペーンを引き合いに出したがるしかし、このようなキャンペーンが「感染を減らすため」という本来の趣旨とは逆の作用をするのであれば、私たちはこの主張をどう考えればよいのだろうか?①NPAFPはポリオの典型的な症状を表すもうひとつの指標に過ぎない、そして②この用語を使うことで、ワクチン接種が完全に失敗しただけでなく、プラスよりもはるかに大きなマイナスをもたらしたという事実を隠蔽することになる、と私たちは考えることができるのではないだろうか?

 ロバート・F・ケネディJr.は、20世紀後半から21世紀初頭にかけて、ワクチンが各国で果たした役割について詳細に書いている。豊富な情報源、事例、ケーススタディによって、彼は「アンソニー・スティーブン・ファウチもウィリアム・ヘンリー・ゲイツも...自分たちのワクチンが「何百万人もの命を救った」という重要な主張を裏付ける経験的証拠を提示したことはない」という主張の裏付けを彼の著作で書くことができている。

READ MORE:How Vaccine Hysteria Could Spark A Totalitarian Nightmare
 

 ロバート・F・ケネディJr.は次のことも実証している:「ゲイツが開発したアフリカ向け、アジア向けの大ヒットワクチン(ポリオ、DTP、B型肝炎、マラリア、髄膜炎、HPV、Hib)のほぼすべてが、ワクチンが防ぐよりもはるかに多くの後遺症や死亡を引き起こしている。」

医学とは関係ない諸目的

 アフリカ諸国は、植民地時代、長い間、医学実験の実験場としての役割を担ってきた。今日も一部の製薬会社は、他の手法を使ってこの伝統をアフリカ引き継いでいる。新しいタイプの生体認証方式が西アフリカでは、数年前から進んでいる。Covid-19危機のずっと以前からだ。ゲイツが資金提供するGAVIワクチン同盟とマスターカード社は、「トラスト・スタンプ」を開発した。このプログラムは、個人のデジタル生体認証に個人のワクチン接種記録をリンクさせるものだ。個人認証データとキャッシュレス決済を絡めて監視し、政府の政策やWHOの施策に沿った行動を強制することが可能になる。

 2020年にジンバブエで導入された生体認証システムを使って、3000人のいわゆる「ゴーストワーカー」が発見され、給与支払名簿から削除された。このように、アフリカは医療実験の実験室としてだけでなく、Covid-19危機をきっかけに欧米先進国で本格的に導入されつつある、市民のデジタル全方位管理の実験場としても機能しているのである。2021年8月、WHOはかねてから準備していた、二次元バーコードで予防接種状況をデジタル認証・「証明」する提案を明らかにした。これは「医療に関連しない」目的にも利用できる。

戦争と平和――歴史からの教訓


 再度言おう。中央ヨーロッパでは、ワクチンが広く導入される前に、ほとんどの感染症が減少していた。(減少したのは)ワクチンのせいではない。衛生的な生活環境の改善、特にきれいな水、規制された廃棄物処理、そして十分なビタミンCを含む食料などがあったからだ。こういった発見を考慮すれば、今日の国家の介入についていろいろな結論を導き出すことができる。

 例えば、インドでは栄養不足が全土に広がっており、結核発生率も世界で一番だ。WHOは、2012年の結核による死亡者数を世界全体で130万人と発表している。今回、WHOは、1990年から2010年までのインド中東部州における結核の発生状況を報告した。これらの報告に基づいて、保健科学者のグループは、栄養不足を減らしたらどうなるか、を推定した。彼らは、栄養問題に介入すると「インド中東部の州における結核関連死亡率は43%から71%に亘って」減らすことができる結果を導き出した。彼らの想定の一番大事なところは、「栄養不足問題に介入することで、栄養不足が蔓延している地域の結核の発生率と死亡率にかなりの影響を与えることができる」とした点だ。

 公式に流布される効果と実際に起こっている集団接種後のもろもろの結果の間にはあるギャップが存在する。それは平時ばかりでなく戦時においてもそうだ。戦時中は、国のインフラが崩壊し、医療体制が崩れ、感染症対策もままならないことが多い。そのため、疾病管理プログラムは混乱し、人道支援機関同士の連携も不十分になる。こうした状況はすべて、「感染症の発生と感染を増大させる」のだ。
 
 また、感染症は「生物兵器として」意図的に使用されることもある。メイール・コノリー(Máire Connolly)とデイヴィッド・L・ヘイマン(David L. Heymann)は、さまざまな危機的状況にある地域で仕事をしたり、WHOに勤務していた。この二人の記述によれば、「ナポレオン戦争時、イギリス軍の病死者は戦傷者の8倍であった。アメリカ南北戦争では、推定66万人の兵士の死因の3分の2が肺炎、腸チフス、赤痢、マラリアであり、こういった事情で戦争が2年延びた。」1871年、ゲルハルト・ブッフバルト(Gerhard Buchwald)によると、ドイツ帝国のほぼ全人口が天然痘の予防接種を受けていた。しかし、何万人もの天然痘患者が発生した。その発生源はフランス人捕虜の収容所であった。彼らは天然痘の予防接種を受けていたが、収容所の衛生状態は非常に悪く、天然痘の流行はドイツ国民に急速に広がった。

 第一次世界大戦の終わり、ある世界的大惨事が第一次世界大戦そのものより多くの人命を奪った。人類の三分の一を感染させたスペイン風邪は、5千万から1億人の命を奪った。科学ジャーナリストのハンス・トルツィン(Hans Tolzin)は、そのレポート「Die Seuchen Erfinder(疫病の発明者たち)」の中で、4つの伝染病とされるものを分析した。40ページにわたって、彼は現代の資料を参照しながら「スペイン風邪」を検証した。トルツィンは、「スペイン風邪」に先立って、米軍の宿舎で天然痘と腸チフスの集団予防接種が行われたことを書いている。1911年、米軍では腸チフスの予防接種が義務化された。その後、第一次世界大戦に至るまで、米軍兵士を対象とした数多くの実験的な予防接種が行われた。

 しかし、集団予防接種は軍隊だけで行われたわけではない。1918年には、愛国心に訴えたり、注射をしないと取り残されると言われたり、またアリゾナ州やインディアナポリス州では民間人に強制接種をしたりして、人々の気持ちを動かし、天然痘などの予防接種をさせた。医学博士で生理学の教授でもあるロベルト・コッホ(Robert Koch)は、次のような説明をしている。1918年に米軍は:
「何の感染症も起きていないフィリピンで328万5376人の原住民にワクチン接種を強制し、...接種者のうち47369人が天然痘にかかり、このうち16477人が死亡した。1919年には、実験の規模を2倍にした。7,670,252人の原住民が予防接種を受けた。このうち65,180人が天然痘にかかり、44,408人が死亡した。最初の実験では3分の1が死亡し、2回目では感染者の3分の2が死亡した。」

 アメリカ陸軍で腸チフスの予防接種が義務化された後、腸チフスをはじめ、ワクチンで予防できるはずの病気が急激に増加した。アメリカ軍の新兵は、アメリカが第一次世界大戦に参戦する前に14回から25回の予防接種を受けた。エレノア・マクビーン(Eleanor McBean)博士は、「予防接種を受けた兵士の間には、未接種の一般市民と比べて7倍の病気があり、その病気は予防接種を受けていたものであった」と述べている。新たに公開された文書からの証拠も、当時大規模な軍用ワクチン実験があったことを示している。

 その後の戦争、例えば1991年の湾岸戦争でも、兵士たちは再び毒物にさらされ、あらゆる種類の実験的なワクチンを接種された。米国政府は、「湾岸戦争症候群」の存在を無視、あるいは否定している。この湾岸戦争において、何万人もの米軍兵士が死亡し、何十万人もの兵士が医学的障害を負うことになるなど、おびただしい数の多様な身体機能低下症状が集団的に発生している。

結論

 以上の検証は、多くの感染症が減少したのはワクチンのおかげであるとする、一般に流布されているワクチン接種擁護論に疑問を投げかけるものである。ワクチン接種が有効でない、あるいは逆効果であることの証拠を縷々示した。

 適切な保健衛生・公衆衛生、きれいな水、十分な栄養など、現代の生活環境改善がもたらす効果は、予防的な医薬品を投入するよりも、感染症や死亡率の減少につながっているのだった。

 一方、戦争は感染症の蔓延を加速させるが、戦争が終結すると感染症は減少する傾向にある。一方、戦時中に行われた集団予防接種は、戦後何年も経っても深刻な健康被害をもたらすことになった。現在の流れを見ると、21世紀には、ワクチン接種が監視の目的でも使われるようになることが予想される。人間へのワクチン接種について、その効用をあれこれ、私たちの目をくらますような明るい見通しを述べ立てるが、そうなることはない。

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Marc Herbermann is an assistant professor at the Division of Global Language and Literature at Kyonggi University in Suwon, in South Korea. One of his fields of interest is medicine in German speaking countries. He is also particularly interested in studying the conditions of war and peace.


Notes
1. CDC 2019; 2020a; 2020b; Doshi 2009; Geier, King, and Geier 2006.
2. Colgrove 2002; Wegmann 1988, 174; McKeown and Record 1962.


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