ロシアとウクライナ、ケルチ海峡で緊迫したにらみ合い
Tense standoff around Kerch Strait between Russia & Ukraine: How it developed
RT /World News/ 2018年11月26日
(翻訳:新見明 2018年11月28日)
<記事原文>
https://www.rt.com/news/444857-russia-ukraine-kerch-strait-standoff/

© Ruptly
クリミア半島水域は、ロシア船とウクライナ船が緊張したにらみ合い状態。追跡劇や発砲もあり、戦闘機が飛び交う。モスクワとキエフ双方から厳しい非難の応酬がなされた。
ウクライナ船が、黒海のオデッサからアゾフ海のマリウポールまで、ウクライナの2港間を航行していた。これらをつなぐ唯一の航路はクリミアとロシア本土の間のケルチ海峡である。キエフは、前もって海軍の船がその地域を航行することをモスクワに通告したと言っている。モスクワは(通告がなかったので)警告が与えられた反論した。
2003年の条約で、ロシアもウクライナもケルチ海峡における航行の自由が保証されているが、船が狭く、複雑な航路を通過するには細かな技術的取り決めがある。その地域を通る全ての船は、クリミアのケルチ港によって管理されている。そして全ての船はその施設に連絡し航路と行き先を告げ、海峡を通る許可を得なければならない。

ケルチ海峡近辺のウクライナ船(黄色)の動き© Google Maps / edited
モスクワ時間の午前7時頃(グリニッジ標準時GMT午前4時)に、ウクライナ海軍籍の2隻の艦船と1隻のタグボートが、黒海のロシアの海上境界線を越えて、ケルチ海峡に向かった。
これらの船は手続きに従わなかった、と境界において指令を出すロシア連邦保安サービスは述べた。

© FSB
ロシア当局はウクライナ船籍に繰り返しロシア領域水域から去るように求めたが、彼らはそれらの指示を無視した。そして船は一時的に航行が禁止されている水域に入った。
一方、モスクワ時間の午前11時30分頃(グリニッジ標準時午前8時30分)に、さらに2隻のウクライナ船がアゾフ海の港ベルジアンスクを出港し、反対側からケルチ海峡に接近した。しかしそれから向きを変え、港に戻った。

© FSB
巨大な貨物船が、数隻のロシア海軍に伴われて、保安を理由にケルチ海峡の唯一の航路を、封鎖した。またロシア軍は航空機を緊急発進させた。状況は緊迫していた。サイトのビデオはクリミア橋の下を通るロシアKa-52を写している。後にそれらは数機のSu-25爆撃機と合流した。
ウクライナ船は、ロシア当局の警告にもかかわらず航行を続けた。ウクライナ海軍は、軍艦が通常の移動行動の一部として、オデッサの港町からアゾフ港マリウポールに航行していたと述べた。そして前もってその航行をロシア当局に通告したと主張した。
FSB(ロシア連邦保安局)はウクライナ船の行動を「挑発」として非難した。ロシア当局によるビデオでは、ウクライナ船がロシア船に接近して機動させていることを示している。
深夜FSB(ロシア連邦保安局)は声明を発表した。ウクライナ船が法律に沿った停船指示を無視して、危険な航行を続けたので、ロシア戦艦は発砲せざるを得なかった、と。
船が拿捕されたとき、3人のウクライナ水兵が怪我をしていて、医療援助が与えられた。アゾフ海から海峡に向かっていた船団は、彼らの港に戻っていった。

ビデオ[画像のみ]:ケルチ港のウクライナ船
キエフは目的を達成するために「盗賊手段」を用いる、とロシア外務相スポークスマン、マリア・ザハローバは、ケルチ海峡付近の事件の後に述べた。ウクライナは「まず挑発をする。それからパワー・ゲームをする。そして[最後に][相手側の]侵略を非難する」と彼女は続けた。
真夜中頃、ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコは、ウクライナ国家保安・防衛委員会(NSDC)に戒厳令を出すように指示した。委員会は発令に向けた動きを開始した。ベルコーブナ・ラーダ(ウクライナ議会)は、月曜日臨時議会でその決定を承認するかどうか票決する。
ポロシェンコは、戒厳令は直ちに軍の動員を意味するものではなく、攻撃作戦は計画されていないと述べた。
一方ロシアは、同じく月曜日に国連臨時安保理事会開催を求めた。議題は「国際平和・安全の維持」の一つだけである。
RT /World News/ 2018年11月26日
(翻訳:新見明 2018年11月28日)
<記事原文>
https://www.rt.com/news/444857-russia-ukraine-kerch-strait-standoff/

© Ruptly
クリミア半島水域は、ロシア船とウクライナ船が緊張したにらみ合い状態。追跡劇や発砲もあり、戦闘機が飛び交う。モスクワとキエフ双方から厳しい非難の応酬がなされた。
ウクライナ船が、黒海のオデッサからアゾフ海のマリウポールまで、ウクライナの2港間を航行していた。これらをつなぐ唯一の航路はクリミアとロシア本土の間のケルチ海峡である。キエフは、前もって海軍の船がその地域を航行することをモスクワに通告したと言っている。モスクワは(通告がなかったので)警告が与えられた反論した。
2003年の条約で、ロシアもウクライナもケルチ海峡における航行の自由が保証されているが、船が狭く、複雑な航路を通過するには細かな技術的取り決めがある。その地域を通る全ての船は、クリミアのケルチ港によって管理されている。そして全ての船はその施設に連絡し航路と行き先を告げ、海峡を通る許可を得なければならない。

ケルチ海峡近辺のウクライナ船(黄色)の動き© Google Maps / edited
モスクワ時間の午前7時頃(グリニッジ標準時GMT午前4時)に、ウクライナ海軍籍の2隻の艦船と1隻のタグボートが、黒海のロシアの海上境界線を越えて、ケルチ海峡に向かった。
これらの船は手続きに従わなかった、と境界において指令を出すロシア連邦保安サービスは述べた。

© FSB
ロシア当局はウクライナ船籍に繰り返しロシア領域水域から去るように求めたが、彼らはそれらの指示を無視した。そして船は一時的に航行が禁止されている水域に入った。
一方、モスクワ時間の午前11時30分頃(グリニッジ標準時午前8時30分)に、さらに2隻のウクライナ船がアゾフ海の港ベルジアンスクを出港し、反対側からケルチ海峡に接近した。しかしそれから向きを変え、港に戻った。

© FSB
巨大な貨物船が、数隻のロシア海軍に伴われて、保安を理由にケルチ海峡の唯一の航路を、封鎖した。またロシア軍は航空機を緊急発進させた。状況は緊迫していた。サイトのビデオはクリミア橋の下を通るロシアKa-52を写している。後にそれらは数機のSu-25爆撃機と合流した。
ウクライナ船は、ロシア当局の警告にもかかわらず航行を続けた。ウクライナ海軍は、軍艦が通常の移動行動の一部として、オデッサの港町からアゾフ港マリウポールに航行していたと述べた。そして前もってその航行をロシア当局に通告したと主張した。
FSB(ロシア連邦保安局)はウクライナ船の行動を「挑発」として非難した。ロシア当局によるビデオでは、ウクライナ船がロシア船に接近して機動させていることを示している。
深夜FSB(ロシア連邦保安局)は声明を発表した。ウクライナ船が法律に沿った停船指示を無視して、危険な航行を続けたので、ロシア戦艦は発砲せざるを得なかった、と。
船が拿捕されたとき、3人のウクライナ水兵が怪我をしていて、医療援助が与えられた。アゾフ海から海峡に向かっていた船団は、彼らの港に戻っていった。

ビデオ[画像のみ]:ケルチ港のウクライナ船
キエフは目的を達成するために「盗賊手段」を用いる、とロシア外務相スポークスマン、マリア・ザハローバは、ケルチ海峡付近の事件の後に述べた。ウクライナは「まず挑発をする。それからパワー・ゲームをする。そして[最後に][相手側の]侵略を非難する」と彼女は続けた。
真夜中頃、ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコは、ウクライナ国家保安・防衛委員会(NSDC)に戒厳令を出すように指示した。委員会は発令に向けた動きを開始した。ベルコーブナ・ラーダ(ウクライナ議会)は、月曜日臨時議会でその決定を承認するかどうか票決する。
ポロシェンコは、戒厳令は直ちに軍の動員を意味するものではなく、攻撃作戦は計画されていないと述べた。
一方ロシアは、同じく月曜日に国連臨時安保理事会開催を求めた。議題は「国際平和・安全の維持」の一つだけである。
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