ロシアは戦争の火蓋が切って落とされる前に正しい身の処し方を学ぶだろうか?
ロシアは戦争の火蓋が切って落とされる前に正しい身の処し方を学ぶだろうか?
<記事原文 寺島先生推薦>
https://www.globalresearch.ca/will-russia-learn-in-time-before-war-is-upon-us/5765349
Global Research
2021年12月23日
ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)博士
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年1月10日

ソ連崩壊後初めてのことになるが、ロシア政府はついに一歩を踏み出した。そのメッセージは、「ウクライナやジョージアにNATOは入るな。以上。」だ。
私はこうなることを予測していた。ロシア政府は、永年の屈辱や、挑発にさらに耐え続けるだろう。ただしそれは、自国の存在が危ぶまれるまでの話だ、と。
この踏み出された一歩を、傲慢で自信過剰な米国政府は気づけるだろうか?
ロシアメディアがロシアに対する不公平な扱いに泣き言を言い続けたところで米国政府には届かないだろう。今はロシアメディアは、WTO(世界貿易機関)の規定を満たしていないと責められ、この国際的な金銭支払システムからの締め出しを脅されていることを非難しているが、そんなことをしても米国政府には効かない。
巨大な権力は泣き言など言わないものだ。巨大な権力が危険な意思表示をすれば、他国から嫌われることはなくなるものだ。しかしロシアはそういうやり方はずっととってこなかった。ロシア外相はいつもフェアプレーを重んじた善良な意志や意図のもとで動いている。そのような動きを米国政府がわかってくれると思っているかのように。しかし、米国政府はそんな動きにはお構いなしなのだ。
米国政府は、ロシアを米国政府の権力と覇権の障害だと捉えている。米国政府が唯一興味を持っているのは、ロシアを弱体化させることだけだ。米国政府がロシアと交渉する気になるのは、ロシアに降伏するつもりがある時だけだ。
ロシア政府や、ロシアメディアはヌーランドのことを気づいているだろうか?彼女は、オバマ政権で国務次官補を務め、選挙で正式に選ばれたウクライナ政府を米国が転覆させ、ロシアに敵対する米国の操り人形のような政府が樹立したのを影から指示していた人物だ。そのヌーランドが今バイデン政権で国務次官に就任している。
米国政府は常に、ロシアを苦しませようとする勢力は後押しして、そうしない勢力は排除しようとする。トランプ大統領は、ロシアとの関係を正常化したがっていたが、3年間にわたる「ロシアゲート」に直面させられ、「盗まれた選挙」により、大統領官邸から追い出された。トランプは、米国の軍(防衛)産複合体を、敵国のない形で残そうとしたのだが、それは許されない選択だったのだ。
ロシアが平和を望んでいるのは分かる。私も同じ気持ちだ。しかし平和を手にするためには、侮辱や挑発を受け入れないという姿勢を示すことが必要なのだ。ラブノフ外相がいつも言う「西側諸国の皆さんと交渉する準備はいつでもできています」という姿勢ではだめなのだ。米国政府には、善良な意志は弱さにとられる。そうなることで挑発がエスカレートし、結果、戦争になってしまう。
ラブノフ外相はこう言うべきだった。「ロシアは敵国からの侮辱は受け入れません」と。米国政府がロシアと交渉する気になるのは、ロシアに降伏する意思がある時だけだ。米国政府の言い分はこうだ。「ロシアが西側諸国の一員になるには、操り人形のような国になれば可能だ。フランスや、ドイツや、英国など他の全ての西側諸国のように」
ロシアが善良な意思ではなく、強さや、危険な面を出していたのなら、西側諸国はロシアに交渉の手を差し出していただろう。ロシアは米国政府と意味のある交渉などできはしないだろう。米国政府がロシアを恐れない限りは。政府の中枢やメディアが、自国が不公平に扱われているなどと泣き言をいっているだけの国であるなら、米国政府はそんな国と真剣に交渉しようなどと夢にも思わないだろう。
<記事原文 寺島先生推薦>
https://www.globalresearch.ca/will-russia-learn-in-time-before-war-is-upon-us/5765349
Global Research
2021年12月23日
ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)博士
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年1月10日

ソ連崩壊後初めてのことになるが、ロシア政府はついに一歩を踏み出した。そのメッセージは、「ウクライナやジョージアにNATOは入るな。以上。」だ。
私はこうなることを予測していた。ロシア政府は、永年の屈辱や、挑発にさらに耐え続けるだろう。ただしそれは、自国の存在が危ぶまれるまでの話だ、と。
この踏み出された一歩を、傲慢で自信過剰な米国政府は気づけるだろうか?
ロシアメディアがロシアに対する不公平な扱いに泣き言を言い続けたところで米国政府には届かないだろう。今はロシアメディアは、WTO(世界貿易機関)の規定を満たしていないと責められ、この国際的な金銭支払システムからの締め出しを脅されていることを非難しているが、そんなことをしても米国政府には効かない。
巨大な権力は泣き言など言わないものだ。巨大な権力が危険な意思表示をすれば、他国から嫌われることはなくなるものだ。しかしロシアはそういうやり方はずっととってこなかった。ロシア外相はいつもフェアプレーを重んじた善良な意志や意図のもとで動いている。そのような動きを米国政府がわかってくれると思っているかのように。しかし、米国政府はそんな動きにはお構いなしなのだ。
米国政府は、ロシアを米国政府の権力と覇権の障害だと捉えている。米国政府が唯一興味を持っているのは、ロシアを弱体化させることだけだ。米国政府がロシアと交渉する気になるのは、ロシアに降伏するつもりがある時だけだ。
ロシア政府や、ロシアメディアはヌーランドのことを気づいているだろうか?彼女は、オバマ政権で国務次官補を務め、選挙で正式に選ばれたウクライナ政府を米国が転覆させ、ロシアに敵対する米国の操り人形のような政府が樹立したのを影から指示していた人物だ。そのヌーランドが今バイデン政権で国務次官に就任している。
米国政府は常に、ロシアを苦しませようとする勢力は後押しして、そうしない勢力は排除しようとする。トランプ大統領は、ロシアとの関係を正常化したがっていたが、3年間にわたる「ロシアゲート」に直面させられ、「盗まれた選挙」により、大統領官邸から追い出された。トランプは、米国の軍(防衛)産複合体を、敵国のない形で残そうとしたのだが、それは許されない選択だったのだ。
ロシアが平和を望んでいるのは分かる。私も同じ気持ちだ。しかし平和を手にするためには、侮辱や挑発を受け入れないという姿勢を示すことが必要なのだ。ラブノフ外相がいつも言う「西側諸国の皆さんと交渉する準備はいつでもできています」という姿勢ではだめなのだ。米国政府には、善良な意志は弱さにとられる。そうなることで挑発がエスカレートし、結果、戦争になってしまう。
ラブノフ外相はこう言うべきだった。「ロシアは敵国からの侮辱は受け入れません」と。米国政府がロシアと交渉する気になるのは、ロシアに降伏する意思がある時だけだ。米国政府の言い分はこうだ。「ロシアが西側諸国の一員になるには、操り人形のような国になれば可能だ。フランスや、ドイツや、英国など他の全ての西側諸国のように」
ロシアが善良な意思ではなく、強さや、危険な面を出していたのなら、西側諸国はロシアに交渉の手を差し出していただろう。ロシアは米国政府と意味のある交渉などできはしないだろう。米国政府がロシアを恐れない限りは。政府の中枢やメディアが、自国が不公平に扱われているなどと泣き言をいっているだけの国であるなら、米国政府はそんな国と真剣に交渉しようなどと夢にも思わないだろう。
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