ニカラグア在住選挙監視員が見た、西側から「茶番」といわれた選挙の真実
ニカラグア在住選挙監視員が見た、西側から「茶番」といわれた選挙の真実
<記事原文 寺島先生推薦>
I monitored the US-denounced Nicaraguan election; people believe in the Ortega government
Russia Today 論説面
2021年11月8日
ダニエル・コバイク(Daniel Kovalik)
Daniel Kovalik teaches International Human Rights at the University of Pittsburgh School of Law, and is author of the recently-released No More War: How the West Violates International Law by Using “Humanitarian” Intervention to Advance Economic and Strategic Interests.
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年11月28日

西側のメディアや政治家たちは、ニカラグアの総選挙を「インチキ」や「茶番」と決めつけているようだが、ニカラグア市民の多数は11月7日に投票を行ったし、外国からの干渉には「ノー」という答えを突きつける答えを出したのだ。
仮の集計結果によると、11月7日の選挙で、有権者の65%が投票し、そのうち75%の人々がサンディニスタの指導者ダニエル・オルテガに投票し、現職のオルテガの連続4期目の大統領職を確定させたことがわかった。
多くのニカラグア国民、特に貧困層や労働者階級の人々にとっては、そのような選択をしたのは当然のことだ。サンディニスタはニカラグアに史上最大の勝利をもたらし、1979年には米国の支援を受けた獰猛な独裁者であったアナスタシオ・ソモザをやぶり、1984年にはニカラグアで初となる自由で公正な選挙を行い、ニカラグアを脅かしていた1980年代の米国支援によるコントラを破った。

ニカラグア国民の大多数の人々の福祉になど目もくれない新自由主義に基づく政権による17年間の支配の後、サンディニスタは政権を取り返し、経済の活性化を成し遂げ、すべての国民を対象とした教育と医療の無償化を実現させ、インフラ整備に何億ドルもの資金を投入した。
77.5%のニカラグア国民が選挙の数日前に行われた世論調査において同意したのは、ニカラグアはサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の指揮の下、社会的にも経済的にも前進できる、という事実だった。いっぽう国民の74.6%は、ニカラグアはサンディニスタ政権のもとで、より繁栄が見込まれると考えていることも明らかになっている。さらにニカラグア国民の91.8%は、「団結して、より強力になり貧困を撲滅しよう」というダニエル・オルテガ大統領の提案に同意している。
オルテガ大統領の「団結して、より強力になろう」という提案が強く支持されていることは、政府が多くの反対勢力に対してとった最近の厳しい対策が支持されていることにも現れているようだ。その反対勢力というのは、しばしば米国などの後援による工作や支援(またはその両方)を手助けしたとして非難されている人々のことだ。一例をあげると、少なくとも200人のニカラグア国民が犠牲となった2018年の暴動事件を幇助した勢力だ。
8月に行われた世論調査においてニカラグア国民が示したのは、「[国民の]76.8%が、この国には差別はなく、基本的人権が擁護され、機会の平等も行き届いていると考えている」という事実だった。
先述した今回の選挙前の世論調査で示された数値は、私が公的な選挙監視員としてここニカラグアで目にしたことと整合性がとれている。当時私は太平洋岸にあるニカラグアのチナンデガに他の多数の監視員とともに派遣されていた。そこで私が目撃したのは、個人や、家族総出で投票に来ている人々の姿だった。彼らのほとんどは質素な暮らしを送っている人々であり、彼らにとって選挙はとても重要な意味をもつことであった。多くの人々が一張羅をまとって投票に来ていた。
ほとんど歩けないお年寄りが投票所に現れるのをたびたび目にした。その人たちは家族に支えてもらっていることが多かった。或る女性は、投票が出来るよう4人に車いすを運んでもらって階段を上っていた。言い方を変えると、投票行為を行うのに大変な苦労をする人々がたくさんいた、ということだ。私たちに紫のインクをつけた親指を示して、もう投票を済ませたことを伝える投票者たちもいた。私たちが訪問した4カ所の投票所のうちの1カ所ではお祭りでもしているかのような雰囲気で、食べ物や飲み物が売られ、投票者たちは投票所の中や外で、交流を楽しんでいた。

少なくとも私が目にしたことからいうと、ニカラグア国民は、政府や選挙制度を信頼していることがうかがえた。国民たちが信頼しているものの一つに、国外からの干渉から国家主権を守るために、政府が有している権利や果たすべき義務も含まれている。それは特に米国による絶え間ない干渉に対してだ。米国はずっとニカラグアに対する干渉を行い続けている。その手口は、しばしばニカラグア国内にいる売国奴を使うというものだ。そのような破壊行為が1世紀以上行われてきたのだ。
西側メディアは、米国によるそのような干渉行為は全くないような報じ方をしており、ほとんどの米国民はそんなことがかつて起こったことを知らなかったり、忘れてしまったりしている。しかしニカラグア国民は実際起こってきたこととして、米国による干渉の痛みを忘れてはいない。ニカラグア国民は、力の限りこれらの干渉に抵抗しようとしている。その結果が、11月7日の選挙結果だったのだ。国民がこのような外国からの干渉には、何よりも反対しているという声を伝えたのだ。だからこそ、米国政府や、米国メディアは、この選挙結果に激怒しているのだ。
<記事原文 寺島先生推薦>
I monitored the US-denounced Nicaraguan election; people believe in the Ortega government
Russia Today 論説面
2021年11月8日
ダニエル・コバイク(Daniel Kovalik)
Daniel Kovalik teaches International Human Rights at the University of Pittsburgh School of Law, and is author of the recently-released No More War: How the West Violates International Law by Using “Humanitarian” Intervention to Advance Economic and Strategic Interests.
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年11月28日

西側のメディアや政治家たちは、ニカラグアの総選挙を「インチキ」や「茶番」と決めつけているようだが、ニカラグア市民の多数は11月7日に投票を行ったし、外国からの干渉には「ノー」という答えを突きつける答えを出したのだ。
仮の集計結果によると、11月7日の選挙で、有権者の65%が投票し、そのうち75%の人々がサンディニスタの指導者ダニエル・オルテガに投票し、現職のオルテガの連続4期目の大統領職を確定させたことがわかった。
多くのニカラグア国民、特に貧困層や労働者階級の人々にとっては、そのような選択をしたのは当然のことだ。サンディニスタはニカラグアに史上最大の勝利をもたらし、1979年には米国の支援を受けた獰猛な独裁者であったアナスタシオ・ソモザをやぶり、1984年にはニカラグアで初となる自由で公正な選挙を行い、ニカラグアを脅かしていた1980年代の米国支援によるコントラを破った。

ニカラグア国民の大多数の人々の福祉になど目もくれない新自由主義に基づく政権による17年間の支配の後、サンディニスタは政権を取り返し、経済の活性化を成し遂げ、すべての国民を対象とした教育と医療の無償化を実現させ、インフラ整備に何億ドルもの資金を投入した。
77.5%のニカラグア国民が選挙の数日前に行われた世論調査において同意したのは、ニカラグアはサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の指揮の下、社会的にも経済的にも前進できる、という事実だった。いっぽう国民の74.6%は、ニカラグアはサンディニスタ政権のもとで、より繁栄が見込まれると考えていることも明らかになっている。さらにニカラグア国民の91.8%は、「団結して、より強力になり貧困を撲滅しよう」というダニエル・オルテガ大統領の提案に同意している。
オルテガ大統領の「団結して、より強力になろう」という提案が強く支持されていることは、政府が多くの反対勢力に対してとった最近の厳しい対策が支持されていることにも現れているようだ。その反対勢力というのは、しばしば米国などの後援による工作や支援(またはその両方)を手助けしたとして非難されている人々のことだ。一例をあげると、少なくとも200人のニカラグア国民が犠牲となった2018年の暴動事件を幇助した勢力だ。
8月に行われた世論調査においてニカラグア国民が示したのは、「[国民の]76.8%が、この国には差別はなく、基本的人権が擁護され、機会の平等も行き届いていると考えている」という事実だった。
先述した今回の選挙前の世論調査で示された数値は、私が公的な選挙監視員としてここニカラグアで目にしたことと整合性がとれている。当時私は太平洋岸にあるニカラグアのチナンデガに他の多数の監視員とともに派遣されていた。そこで私が目撃したのは、個人や、家族総出で投票に来ている人々の姿だった。彼らのほとんどは質素な暮らしを送っている人々であり、彼らにとって選挙はとても重要な意味をもつことであった。多くの人々が一張羅をまとって投票に来ていた。
ほとんど歩けないお年寄りが投票所に現れるのをたびたび目にした。その人たちは家族に支えてもらっていることが多かった。或る女性は、投票が出来るよう4人に車いすを運んでもらって階段を上っていた。言い方を変えると、投票行為を行うのに大変な苦労をする人々がたくさんいた、ということだ。私たちに紫のインクをつけた親指を示して、もう投票を済ませたことを伝える投票者たちもいた。私たちが訪問した4カ所の投票所のうちの1カ所ではお祭りでもしているかのような雰囲気で、食べ物や飲み物が売られ、投票者たちは投票所の中や外で、交流を楽しんでいた。

少なくとも私が目にしたことからいうと、ニカラグア国民は、政府や選挙制度を信頼していることがうかがえた。国民たちが信頼しているものの一つに、国外からの干渉から国家主権を守るために、政府が有している権利や果たすべき義務も含まれている。それは特に米国による絶え間ない干渉に対してだ。米国はずっとニカラグアに対する干渉を行い続けている。その手口は、しばしばニカラグア国内にいる売国奴を使うというものだ。そのような破壊行為が1世紀以上行われてきたのだ。
西側メディアは、米国によるそのような干渉行為は全くないような報じ方をしており、ほとんどの米国民はそんなことがかつて起こったことを知らなかったり、忘れてしまったりしている。しかしニカラグア国民は実際起こってきたこととして、米国による干渉の痛みを忘れてはいない。ニカラグア国民は、力の限りこれらの干渉に抵抗しようとしている。その結果が、11月7日の選挙結果だったのだ。国民がこのような外国からの干渉には、何よりも反対しているという声を伝えたのだ。だからこそ、米国政府や、米国メディアは、この選挙結果に激怒しているのだ。
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