アメリカは11月15日に向けてキューバでの「カラー革命」を計画しているのか?
アメリカは11月15日に向けてキューバでの「カラー革命」を計画しているのか?
<記事原文 寺島先生推薦>
Is The United States Organizing a Color Revolution in Cuba for November 15?
It remains an open question as to how successful the upcoming action against the Cuban government will be. But who is behind the protests is hardly in doubt.
Global Research
2021年11月3日
Alan MacLeod
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年11月15日

***
米国政府は、11月15日に予定されているキューバでの全国的な抗議活動を組織し、推進し、大規模なものにする上で重要な役割を果たしつつある。
国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は、記者会見で「米国はキューバ政府の転覆計画に直接関与しているのか」と問われても否定せず、抗議行動の要求を米国がどれだけ支持しているかを2回にわたって長々と述べたが、これは懐疑的な読者にとっては「イエス」に等しい回答である。「米国は、キューバの人々が自由に指導者と未来を選択するために闘っていることに深くコミットしている」とプライスは後のプレスリリースで捕足している。
その1週間後、フアン・ゴンザレス(Juan Gonzalez)国務副次官補(西半球担当)は、さらに踏み込んで、キューバが抗議活動を妨害しようとするならば、米国政府はキューバに制裁を加えると発表した。「我々は、変化を求めるキューバ国民の声を支援し、維持し、強化することに全面的にコミットしている」と補足した。
他の米国政府関係者も、今回のデモを支持する声明を相次いで発表している。
「米国は、民主主義、繁栄、そして人権というキューバの人々のビジョンを共有している。我々は、11月15日に平和的に集会を行う彼らの権利を支持し、キューバ政府に対し、表現の自由を認め、人々の声に耳を傾けるよう求める。彼らの声を封じることはできない」と、西半球担当次官補のブライアン・A・ニコルズ(Brian A.Nichols)は書いている。
MintPress(訳注:アメリカのネットニュース)が先月報道しているが、この抗議活動は当初11月20日の予定だった。しかし、政府が法的な許可を与えないことに加え、同日左翼のカウンターデモもあることから、抗議活動は5日前倒しになった。
世界中のメディアが注目した7月のデモのきっかけとなったFacebookのような反政府オンライン情報空間には、ミゲル・ディアス=カネル(Miguel Diaz Canel)政権に圧力をかけ、さらにはこの動きが政権を転覆させるための新たな機会となる切なる願望が寄せられている。
しかし、MintPressがキューバ国内で取材した情報筋によると、7月の抗議活動の成功の鍵は、まさにその自発性にあり、キューバ当局に対して何週間も前に情報を漏らすことは、自滅的な考えであり、そんなことをすれば政府軍は何かが始まるずっと前に、運動のリーダーの多くを制圧することができるのだという。
組織された「自発性」
7月に行われた抗議活動は、1990年代以降、キューバで行われた抗議活動の中でも最大・最重要なものだった。しかし、メディアの注目を集め、著名人や政治家、さらにはアメリカ大統領までもが支持したものの、すぐに立ち消えになった。抑圧に対する自然発生的な蜂起と見せかけて、実際にはフロリダのキューバ系アメリカ人コミュニティが管理するフォーラムで組織されたものだった。アメリカ政府は、7月のデモを公然と支持していた。しかし、今回はまだ何も始まってもいないのに支援しているのだ。
政府は、7月のデモを公然と支持していた。しかし、今回はまだ何も始まってもいないのに支援しているのだ。
現在やろうとしているのは、キューバ式「カラー革命」、つまり欧米が支援する市民主導の政権交代であると思われる。カラー革命として最も有名なのは、2000年にセルビアのスロボダン・ミロシェビッチ(Slobodan Milosevic)大統領を倒した一連の抗議活動だろう。デモ参加者たちは、非暴力戦術を用いて、政府を転覆させるために多くの人々を街に集めた。後に、このイベントを組織したとされるOTPORというグループは、米国政府から資金提供されていたことが判明した。それ以来、OTPORは、米国が認めない政府を倒すために、世界中の活動家を訓練するために利用されている。
バイデン政権の対キューバ政策は、一見すると、キューバとの関係を正常化する方向に進んだオバマ大統領とは180度異なるように見える。しかし、オバマ大統領がキューバとの関係正常化に踏み切ったのは、ラテンアメリカ諸国の反対勢力に押されたためであり、「関係正常化路線を継続しないと米国は地域機関から追放される」と脅されたからである。10年後、独立心を持った政府の多くが(しばしばワシントンの助けを借りて)転覆させられた。バイデンがトランプ時代の制裁を継続することにより大きな意味を持つのはこのような文脈においてである。この制裁は、国連によって、毎度のことながら、違法とされており、国連は2014年に、制裁によって推定1.1兆ドル相当の損害が発生したと推定している。
キューバ政府に敵対する今後の行動がどれだけ成功するかについては、まだわからない。しかし、この抗議行動の背後に誰がいるかは、ほぼはっきりしている。
*
Alan MacLeod is Senior Staff Writer for MintPress News. After completing his PhD in 2017 he published two books: Bad News From Venezuela: Twenty Years of Fake News and Misreporting and Propaganda in the Information Age: Still Manufacturing Consent, as well as a number of academic articles. He has also contributed to FAIR.org, The Guardian, Salon, The Grayzone, Jacobin Magazine, and Common Dreams.
<記事原文 寺島先生推薦>
Is The United States Organizing a Color Revolution in Cuba for November 15?
It remains an open question as to how successful the upcoming action against the Cuban government will be. But who is behind the protests is hardly in doubt.
Global Research
2021年11月3日
Alan MacLeod
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年11月15日

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米国政府は、11月15日に予定されているキューバでの全国的な抗議活動を組織し、推進し、大規模なものにする上で重要な役割を果たしつつある。
国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は、記者会見で「米国はキューバ政府の転覆計画に直接関与しているのか」と問われても否定せず、抗議行動の要求を米国がどれだけ支持しているかを2回にわたって長々と述べたが、これは懐疑的な読者にとっては「イエス」に等しい回答である。「米国は、キューバの人々が自由に指導者と未来を選択するために闘っていることに深くコミットしている」とプライスは後のプレスリリースで捕足している。
その1週間後、フアン・ゴンザレス(Juan Gonzalez)国務副次官補(西半球担当)は、さらに踏み込んで、キューバが抗議活動を妨害しようとするならば、米国政府はキューバに制裁を加えると発表した。「我々は、変化を求めるキューバ国民の声を支援し、維持し、強化することに全面的にコミットしている」と補足した。
他の米国政府関係者も、今回のデモを支持する声明を相次いで発表している。
「米国は、民主主義、繁栄、そして人権というキューバの人々のビジョンを共有している。我々は、11月15日に平和的に集会を行う彼らの権利を支持し、キューバ政府に対し、表現の自由を認め、人々の声に耳を傾けるよう求める。彼らの声を封じることはできない」と、西半球担当次官補のブライアン・A・ニコルズ(Brian A.Nichols)は書いている。
El régimen de #Cuba sigue anunciando duras condenas de hasta 27 años para los manifestantes, incluyendo cargos de sedición contra menores. Pedimos al régimen que respete las libertades fundamentales del pueblo y libere a todos los manifestantes pacíficos detenidos. #PresosPorQué
— Embajada de los Estados Unidos en Cuba (@USEmbCuba) October 25, 2021
It’s becoming clearer that the US govt is indeed the main sponsor of the #15Nov protest in Cuba
— Manolo De Los Santos (@manolo_realengo) October 22, 2021
What else to say when a top US official @Cartajuanero, NSC Senior Director threatens Cuba with more sanctions if it doesn’t allow a US intervention plan https://t.co/1LdOX7tPB1
MintPress(訳注:アメリカのネットニュース)が先月報道しているが、この抗議活動は当初11月20日の予定だった。しかし、政府が法的な許可を与えないことに加え、同日左翼のカウンターデモもあることから、抗議活動は5日前倒しになった。
世界中のメディアが注目した7月のデモのきっかけとなったFacebookのような反政府オンライン情報空間には、ミゲル・ディアス=カネル(Miguel Diaz Canel)政権に圧力をかけ、さらにはこの動きが政権を転覆させるための新たな機会となる切なる願望が寄せられている。
しかし、MintPressがキューバ国内で取材した情報筋によると、7月の抗議活動の成功の鍵は、まさにその自発性にあり、キューバ当局に対して何週間も前に情報を漏らすことは、自滅的な考えであり、そんなことをすれば政府軍は何かが始まるずっと前に、運動のリーダーの多くを制圧することができるのだという。
組織された「自発性」
7月に行われた抗議活動は、1990年代以降、キューバで行われた抗議活動の中でも最大・最重要なものだった。しかし、メディアの注目を集め、著名人や政治家、さらにはアメリカ大統領までもが支持したものの、すぐに立ち消えになった。抑圧に対する自然発生的な蜂起と見せかけて、実際にはフロリダのキューバ系アメリカ人コミュニティが管理するフォーラムで組織されたものだった。アメリカ政府は、7月のデモを公然と支持していた。しかし、今回はまだ何も始まってもいないのに支援しているのだ。
政府は、7月のデモを公然と支持していた。しかし、今回はまだ何も始まってもいないのに支援しているのだ。
現在やろうとしているのは、キューバ式「カラー革命」、つまり欧米が支援する市民主導の政権交代であると思われる。カラー革命として最も有名なのは、2000年にセルビアのスロボダン・ミロシェビッチ(Slobodan Milosevic)大統領を倒した一連の抗議活動だろう。デモ参加者たちは、非暴力戦術を用いて、政府を転覆させるために多くの人々を街に集めた。後に、このイベントを組織したとされるOTPORというグループは、米国政府から資金提供されていたことが判明した。それ以来、OTPORは、米国が認めない政府を倒すために、世界中の活動家を訓練するために利用されている。
バイデン政権の対キューバ政策は、一見すると、キューバとの関係を正常化する方向に進んだオバマ大統領とは180度異なるように見える。しかし、オバマ大統領がキューバとの関係正常化に踏み切ったのは、ラテンアメリカ諸国の反対勢力に押されたためであり、「関係正常化路線を継続しないと米国は地域機関から追放される」と脅されたからである。10年後、独立心を持った政府の多くが(しばしばワシントンの助けを借りて)転覆させられた。バイデンがトランプ時代の制裁を継続することにより大きな意味を持つのはこのような文脈においてである。この制裁は、国連によって、毎度のことながら、違法とされており、国連は2014年に、制裁によって推定1.1兆ドル相当の損害が発生したと推定している。
キューバ政府に敵対する今後の行動がどれだけ成功するかについては、まだわからない。しかし、この抗議行動の背後に誰がいるかは、ほぼはっきりしている。
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Alan MacLeod is Senior Staff Writer for MintPress News. After completing his PhD in 2017 he published two books: Bad News From Venezuela: Twenty Years of Fake News and Misreporting and Propaganda in the Information Age: Still Manufacturing Consent, as well as a number of academic articles. He has also contributed to FAIR.org, The Guardian, Salon, The Grayzone, Jacobin Magazine, and Common Dreams.
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