「マスクを外せ」「マスクをしろ」。CDCは一貫して「一貫しない」忠告を繰りかえす
<記事原文 寺島先生推薦>
Masks off? Or masks on? A history of the CDC’s consistently inconsistent advice on face coveringsd
Russia Today 2021年7月29日
リリー・ワグマン(Riley Waggaman)
Riley Waggaman is a Moscow-based writer. Vanity Fair once called him "America's most trusted cub reporter" but they were probably being facetious. Follow him on Twitter @RileyWaggaman
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年9月30日

米国のCDC(疾病管理予防センター)は、マスク着用に関する指針を決めることに忠実に取り組み続けている。以前に出していた指針に惑わされることなく、何度も指針を書き換えてきた。そしていま、またもや、書き換えが必要になった。まただ。
残念なことだが、多くの米国民は、ワクチンを2度接種した人々に対して出されたマスク着用に関する新しい指針を受け入れたくないと思っているようだ。ワクチンを打った人々に、以前は「マスクをしなくてもいい」と言っていたのに、「やっぱりマスクを着けてほしい」と依頼することと比べれば、「四六時中マスクを二枚重ねて着用してください」と依頼する方がましなのかもしれなし、現状においてはきっとそれが一番ありえる依頼だし、一番筋の通った公共医療政策だと言えるだろう。
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前置きはこれくらいで十分だろう。これまでのマスクに関する指針を振り返れば、自ずと答えは出る。CDCは、米国民が信頼を置いている公共医療当局とともに、科学的証拠に基づいた政策を追求しており、 大衆の意見に迎合することなど一度もなかった。以下、マスクに関する指針を時系列に追ってみた。これを読めば、これまでの試行錯誤の中で、米国の公的医療当局が出してきた指針に対して、ぶつくさ文句を言わなくてすむようになるかもしれない。
2004年11月
CDCは「インフルエンザ対策におけるマスクの効用についての疑問に対して。市民が免疫をつける対策として最適ではない方法を選べば、インフルエンザの感染は広がる恐れがある」という指針を発表した。それからほぼ20年たった今では考えられないようなビックリさせられるタイトルだ。
「マスク着用は、医療機関以外の場所では普通は薦められません」とその指針には書かれていた。CDCの説明によれば、インフルエンザの症状は発症するまで1週間の潜伏期間があったとしても、症状が出ていない人が顔面を覆っても特に利点はない、とのことだった。
「今のところ、症状が出ていない人が人前でマスクを着用することは推奨できません。合併症を患う危険が高い人が、インフルエンザの感染を防ごうとする時もそうです」
2009年4月
CDCは、H1N1(豚インフルエンザ)が検出されている地域においては、フェイスマスクや、医療用の高性能マスクの使用を奨励していた。
「地域全体でインフルエンザの感染を抑える手段として、フェイスマスクや医療用の高性能マスクを使用する効用についての情報は極端に限られています」とCDCは説明していた。顔面を覆うべきなのは、病人の治療など特別な場合のみだ、とされていた。さらにCDCは付け加えて、「人が密集した場所での予防措置としてマスクに頼ることは、良い考えではない」とのことだった。豚インフルエンザの流行時中、公的医療当局はこの立場を変えることはなかった。
2020年2月5日
COVID-19が世界規模で流行し始めていたこの頃、米国国立感染症・アレルギー研究所の所長で、医療関連の大統領顧問の代表のアンソニー・ファウチは、或る元米国政府の高級官僚からの、旅行中は予防策としてマスクを着用すべきかどうかについての問い合わせのメールに対して、着用は必要ないという以下のような回答を行っていた。
「ドラッグストアで購入できるような一般的なマスクでは、ウイルスの侵入を防げません。このウイルスはとても小さいので、マスクの材質を通り抜けられるからです」
2020年2月28日
「CDCは現時点で新型#コロナウイルスの予防策としてフェイスマスクを着用することは推奨していません」。CDCはこんなツイートを行った。
CDC does not currently recommend the use of facemasks to help prevent novel #coronavirus. Take everyday preventive actions, like staying home when you are sick and washing hands with soap and water, to help slow the spread of respiratory illness. #COVID19 https://t.co/uArGZTJhXj pic.twitter.com/yzWTSgt2IV
— CDC (@CDCgov) February 27, 2020
2020年2月29日
マスクを買い求めようと米国民が大パニックを起こし始めたことが、公的医療当局のトップたちをイライラさせていた。
「市民の皆さん。深刻に受け止めてください。マスクを買うのはやめてください!マスクをしても、人混みで#コロナウイルスの感染を妨げる効果はありません」と米国のジェローム・アダムス公衆衛生局長官はツイートした。 同長官はさらにつけ加えて、一般の米国民は、手洗いなどマスク以外の衛生対策にもっと気をつけるべきであり、マスクは医療従事者たちに回すべきだ、ともツイートしていた。この助言はこれまで長年CDCが出してきた指針と同じ内容だった。彼のツイートは後に削除されたが、ネットユーザーがこのツイートを忘れることはない。
トランプ政権がコロナウイルスの流行に対する緊急事態宣言を出した1ヶ月後、ファウチはテレビ番組「60 Minutes」のインタビューでこう答えていた。「マスクを着用して街中を歩き回ることに何の道理もありません。流行時の最中であれば、マスクを着用すれば少しは気休めになりますし、他人からの飛沫も少しは遮ることができるかもしれません。しかしマスクが皆さんが感じているような完全な防御策になることは証明されていないのです」
CDCが長年守ってきた指針通り、ファウチが強調したのは、マスクは医療従事者や病人たちの為に取っておくべきだ、ということだった。
2020年3月29日
アダムス公衆衛生局長官は、先述のツイートにさらに加えて、公衆衛生局の方針について以下のようなツイートをした。「当局では、常に一般市民の皆さんにはマスクを着用しないよう推奨しています。というのも、マスクをすることで意味のある効果が得られるという証拠が乏しく、逆に悪影響が出るという証拠が出ているからです」
1/3 Regarding masks:@WHO @CDCgov & my office have consistently recommended against the general public wearing masks as there is scant or conflicting evidence they benefit individual wearers in a meaningful way, but real concerns about pulling from the healthcare worker supply... pic.twitter.com/uvjT31ZGt7
— Dr. Vivek Murthy, U.S. Surgeon General (@Surgeon_General) March 28, 2020
(もしかしたらSurgeon Generalというツイッターアカウント名でこんがらがっている方もおられるかもしれない。それは公衆衛生局長官は今は別の人物が務めているからだ)
2020年3月31日
ドナルド・トランプが、「米国民は顔の周りにスカーフを巻いてCOVID-19から身を守ればいい」と言ったことを攻撃する記事の中で、NBCは以下のような少しおどけた表現をしていた。「マスクをしていればコロナウイルスから守ってくれるかどうかについての科学からの答えは何も変わっていない(つまりマスクは健康な人を感染から守ってはくれないということ)のに、政府からの指針は変わるということなのだろうか」と。同じ記事の中でNBCが強調していたのは、「顔を何かで覆うことが、コロナウイルスの流行を食い止める決定的な対策になるという科学的な証拠は全くない」 ということだった。
同日CNNが報じたのは、ファウチが、医療従事者のためのマスクが十分あることを条件に、マスクの着用を一般の人々にも「広げていく」ことを支持する、という内容だった。
「その理由は、自分が感染しているか、していないか分からない人が、ほかの人々に病気をうつしたくないと思っているのであれば、それを実現させる術はマスクを着用することだからです。おそらくそうするしかないのです」とファウチは語った。この発言はこれまでのこの件に関する彼の考え方を180度転換するものだった。
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2020年4月2日
CDCのCOVID-19についての「よくある質問とその回答」欄にこんな記事が載せられた。「CDCは健康な人々がCOVID-19を含む呼吸関連の病気からの保護のためにマスクを着用することは推奨していません。マスクの着用が推奨されるのは、医療専門家から着用するよう助言があった場合のみです。フェイスマスクはCOVID-19に罹患していて、症状が出ている人のみ着用すべきです」
2020年4月3日
ほぼ全ての米国民はフェイスマスクを着用すべきだと突然告げられた。
米国中でロックダウン措置が取られ始める中、CDCは米国民にフェイスマスクの自発的な着用を呼びかけた。その理由は、そうすることがウイルスの拡散を阻止することに繋がるというデータが出ているから、とのことだった。トランプ大統領の説明によれば、新しい指針が打ち出されたのは、健康に見える人でもウイルスを拡散していると思われるからだ、とのことだった。「症状が出ていない人でも、人にうつすことがあるのです」
10年以上公的医療当局が掲げ続けてきた指針は、急にどこかに飛んでいってしまった。「一般の皆さんもマスクをすべきです。しかし、医療用の高性能マスクの使用は控えてください。そのようなマスクは医療従事者たちのために取っておかないといけませんので」ということだ。一般市民たちは布マスクをつけさせられた。そのマスクは、FDAが示した作り方に従えば、家でも作れるものだった。
「無症状者からも広がる呼吸関連ウイルスとマスクとの戦い」(マスクについては、CDCはこれまで不必要で無駄な対策だとしてきたはずなのだが)が、勃発した。
2020年4月4日
CDCは、COVID-19についての「よくある質問とその回答」のページを更新した。「米国内の様々な地域におけるCOVID-19の疾病の拡散についての証拠をもとにしたCOVID-19の広がり方に関する新しいデータから」、CDCが新しく推奨したのは、顔の周りに布を巻くことだった。具体的には、「ソーシャル・ディスタンスを保てるようなほかの措置をとることが困難な場合、2歳以上の人々が公共の場にいる時に」マスクを着用すべきだ、というものだった。CDCが強調していたのは、「意識がない」人々にはその推奨措置は求めない、ということだった。
2020年5月~12月
CDCの指揮の元で、各州や地方当局はマスク着用の強制に取り掛かり始めた。「カレンたち(訳注:自警団のように他人の行為を強く批判する白人女性を指す言葉)」が、マスクをせずに食料品店で買い物をする人々に喧嘩をふっかける事件が国中で頻繁に発生した。世間は混乱し、深い被害妄想に囚われる人も増えていった。
マスク支持派とマスク反対派が、この「無症状の人でも感染力があるのか」についての決死の闘いを繰り広げていた。COVID-19の感染についての種々雑多な研究結果が更なる大混乱を招いていた。「無症状の人々が感染を広げるなんてありえない」という研究者たちもいれば、無症状の人々が人に病気をうつした一例を躍起になって探している研究者たちもいた。世界保健機関(WHO)は、無症状の人々が病気をうつすことは、「極めて稀だ」と言っていたが、すぐにその言を撤回して、「更なるデータが必要だ」と言い換えた。
Wow! Just poublished, in Nature no less: Asymptomatic spread is not a thing. Our lockdowns of the healthy were largely for nothing, except to destroy societal health.
— Ivor Cummins (@FatEmperor) November 21, 2020
The Chinese KNOW, and now WE do too
So 2019 WHO guidelines were correct: no asymptomatic quarentine recommended🤨 pic.twitter.com/pb6ouJyMPm
『英国医学誌』の記事によると、「このような論議をするのはばかげたことに思える。というのも、PCR検査は生きたウイルスと死んだウイルスの区別ができない検査であるため、“無症状”の患者を特定することはできないからだ」とのことだった。「今のところ、検査で陽性であると診断された人は、生きたウイルスに感染している真の感染者であるかもしれないし、そうでないかもしれない。さらに言うと、感染しているかもしれないし、していないかもしれない」
2021年2月10日
CDCは自身が行った研究結果を発表した。それはマスクを2枚着用すれば(“二枚重ねマスク”という名で知られている) 、コロナウイルスの粒子に晒される確率が減る可能性がある、という内容だった。
しかしCDCが研究結果で伝えたかったのは、米国民に使い捨てマスクを2枚重ねて着用するべきだ、ということではなかった。このデータが指摘しているのは、「しっかりと密着したマスクを着用することはとても大切だ」ということであった。
皆この説明に感銘を受けたのだが、ただもう既にマスクを付ける流行は終了していた。ワクチンを接種した何百万人もの米国民は、「ワクチンを打てば今までにないくらいCOVID-19からきちんと守ってもらえる、と言われてきたのに、なぜ今さら、今着けているマスクの上にもう1枚マスクを着けるように言われるのだろう。今既に顔を覆っているマスクを脱いでください、と言ってもらえると思っていたのに・・・」と思っていた。ああ迷える子羊たちよ、ご辛抱を。
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2021年3月8日
ついに、だ。ついにワクチンを2度接種した米国民たちは、既にワクチン接種を済ませた家族や親友たちと屋内で会うのであれば、マスクを着用しなくてよくなった、とCDCは発表した。ただしワクチン接種を行った人々でも、「旅行する際や、多くの人々が集まる集会においては、まだ警戒を怠らないように」とも付け加えていた。
2021年4月27日
CDCは、「ワクチンを2度接種した人々は、屋外の小規模な集会ではマスクを外してもよい」という声明を出した。しかし、大規模な屋外のイベントに参加する際には、まだマスク着用が奨励されていた。さらにワクチンを接種した人々でも、老人ホームへの訪問は制限がかけられていて、「人情としてどうしても会わなければ行けない状況の時」のみ認められていた。
2021年5月13日
COVID-19のワクチンを2度接種した米国民たちは、特別な場合を除いて、屋外においても、屋内においても、マスクを着用したり、ソーシャル・ディスタンス対策を取らなくてもよい、とCDCは発表した。
ロシェル・ワレンスキーCDCセンター長は、この指針転換を評してこう語っていた。「興奮させられるような力強い瞬間です」
2021年7月9日
「ワクチンを2度接種した教員や学生たちは、校舎内ではマスクをしなくてもよい」、とCDCはこれまでの学校に対する指針の変更を発表した。
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2021年7月21日
CNBCの取材に対して、ファウチはこう答えていた。「CDCが概して推奨しているのは、ワクチン接種を行った人々は、屋外や屋内でマスクを着用しなくてもいい、ということです」。同時にファウチは、「感染拡大が大きく見られる」地域に住んでいる人々は、マスク着用をすべきだと語っていた。
「さらなる安全を追求したい方は、ワクチンを接種済みであっても、屋内、特に混雑した場所にいる時は、マスクを着用することを考えた方がいいかもしれません」とファウチは語った。この発言は、ほんの数秒前に彼が語っていたCDCの指針を完全に覆すものだった。
2021年7月27日
感染力が強いとされるデルタ株が広がりを見せる中、CDCは、2度ワクチン接種を済ませた米国でも、 COVID-19の感染拡大が「かなり、あるいは大幅に広がっている」地域に居住している場合は、屋内におけるマスク着用を再開すべきだと発表した。
またCDCは、K-12(訳注:幼稚園児から高校生まで)の学校では、従業員も生徒もマスク着用を必須とすることを推奨した。さらにワクチンを接種した人々も、免疫系に問題がある家族や、注射を打つには幼すぎる家族の周りではマスクを着用すべきだ、とした。
頭を下げて警戒しよう、マスクを着けよう
そして我々は今ここにいる。この記事が示したマスク着用に対する指針の歴史が示している通り、CDCや、ファウチや、米国のすべての医療行政当局は、揺るがない勇気を常に示し続けてきた。今週出した新しい指針も、科学を追求した結果CDCが必死に出した答えだ。証拠というものは、ゆっくりと変わってゆくものだ。しかし、マスクに関してだけは、その証拠は急激に変わっているように見える。
米国民にとっての最善の世界は、可能な限り皆がマスクをしている世界なのだ。それも皆、アンソニー・ファウチとCDCのおかげだ。
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