英国高裁判決によってアサンジの米国への送還脅威高まる
英国高裁判決によってアサンジの米国への送還脅威高まる
<記事原文 寺島先生推薦>
Threat of Extradition for Assange Grows Following British High Court Ruling
Global Research
2021年8月17日
マジョーリ・コーン(Marjorie Cohn)教授
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年9月7日

***
8月11日、英国高等裁判所のティモシー・ホロイド(Timothy Holroyde)卿判事とジュディス・ファービー(Dame Judith Farbey)デイム(大英勲章第1位および2位を授与された女性_英辞郎)判事は、ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift)判事の7月5日の判決を覆し、トランプ政権がスパイ活動法に基づいて提起した容疑で拘束されているジュリアン・アサンジに対するバイデン政権の控訴理由を2つ追加することを認めるという異例の事態となった。アサンジは、チェルシー・マニングが彼とウィキリークスに提供した、イラク、アフガニスタン、グアンタナモにおける米国の戦争犯罪の証拠を明らかにしたことで起訴された。英国から引き渡され、米国で裁かれ、有罪となった場合、175年の懲役刑が科せられる。
スウィフト判事は、米国が要求した5つの理由のうち、3つの理由に基づいて控訴できるとの判決を下した。8月11日の判決では、米国はさらに2つの理由を主張することができるようになった。米国の控訴内容の拡大は、アサンジにとって、そして調査報道の将来にとって安穏としているわけにはゆかない兆候だ。
2020年9月、アサンジの件で3週間にわたる引き渡し審理が行われた。1月4日、英国地方裁判所のヴァネッサ・バライツァー(Vanessa Baraitser)判事は、裁判を受けるためにアサンジを米国に送還するというトランプ政権の要請を否定する判決を下した。バライツァー判事の判決は、アサンジの精神状態と米国の刑務所での拘束条件に照らして、自殺の危険性が高いという内容だった。ドナルド・トランプ大統領が退任する際、彼の政権はバライツァー判事の判決に控訴する許可を高等裁判所に首尾よく請願した。
ジョー・バイデンはトランプの訴えを取り下げるべきだった。これは、オバマ・バイデン政権がジャーナリストを起訴すると修正第1条の報道の自由の保証が損なわれることを恐れてアサンジを起訴しなかった流れに沿うものだ。真実の情報を発表したことでスパイ活動法に基づいて起訴されたジャーナリストやメディアはこれまでのところゼロだ。憲法修正第1条は、公共の関心事であれば、たとえ不法に入手した資料でもそれを公表するジャーナリストを保護している。戦争犯罪の証拠はその中に入る。米国政府が、機密情報を公開したジャーナリストやメディアを起訴したことはない。それはジャーナリズムを正常に機能させるための極めて大事な手段となっているからだ。
しかしバイデンは、倍返しでトランプの控訴を引き継いでいる。
10月27日・28日、米国の控訴を審理する時、高等裁判所は、引き渡し審理で証言した証人の信憑性を判断する独自の立場にあった地方裁判所判事の事実認定の重みを変える可能性がある。
米国の控訴根拠
英国地裁が(アサンジの)身柄引き渡しを認めなかったことに対してバイデン政権が、控訴した5つの根拠は次の通り:
§ バライツァー判事は、2003年の犯罪人引き渡し法第91条に基づき、アサンジの精神的・肉体的な状態を理由に引き渡しが不当または厳しすぎると結論づけたが、それは法的に誤り。
§ バライツァー判事は、アサンジが健康や生命を脅かすような状況に置かれないことを裁判所に確約する機会を米国に与えるために、(そういったことは事前に)米国に通知すべきだった。
§ バライツァー判事は、アサンジの精神状態の深刻さに関する弁護側の精神医学専門家マイケル・コペルマン(Michael Kopelman)教授の証拠を除外するか、あるいはあまり重視しないようにすべきだった。
§ バライツァー判事は自殺リスクの全般的エビデンス評価において誤りを犯している:さらに
§ 引き渡し審理の後、米国は英国に対し、米国に引き渡された場合のアサンジの拘束条件に関する「確約」パッケージを提供した。また、米国は、アサンジが有罪となった場合、オーストラリアに移送して身柄拘束の刑に服させることに同意する確約を与えた。
7月5日、高等裁判所は、米国が三番目、四番目の理由を除くすべての理由で控訴することを認めた。8月11日の判決以降、米国は5つの理由すべてで控訴することが認められた。
<関連記事>

Letter from London: Worrying Turn in Assange Case
精神科医コペルマンの証言
バライツァー判事は、精神医学の専門家であるマイケル・コペルマン(Michael Kopelman)が提出した証拠に大きく依存していたが、全面的ではない。1月4日の判決で、バライツァー判事は次のように書いている:
[コペルマン]は、2019年5月から12月の期間にアサンジ氏を評価し、彼の症状を直接検討するのに最適な立場にあった。彼は、細心の注意を払って、アサンジ氏の背景や精神科受診履歴について情報を提供した。彼は刑務所の医療記録に注意深く目を通し、12月の報告書に添付された詳細な要約を提出した。彼は経験豊富な臨床医であり、誇張や仮病の可能性を見逃すことはなかった。私には彼の臨床的所見を疑う理由はまったくなかった。
神経精神医学の世界的権威であるコペルマンは、アサンジを獄中で評価し、米国で収監された場合には自殺の危険性が高いと結論づけました。バライツァー判事は、「米国への引き渡しが差し迫った場合、アサンジ氏が自殺の方法を見つけることは、精神科医として確信している」というコペルマンの発言を引用している。彼女は、他の専門家もコペルマンの自殺の予測を支持していると述べた。
米国は控訴についての主張で、バライツァー判事が2019年12月の報告書で、アサンジにはステラ・モリスというパートナーがいて、二人の間には幼い子どもたちがいることを省略したため、コペルマンの証拠を除外すべきだった(または、あまり力点を置くべきではなかった)と言っている。コペルマンは彼らのことを知っていたが、モリスが子どものプライバシーを心配していたことを配慮してのことだった。その後の2020年8月のコペルマンの報告書も、2020年9月の身柄引き渡し聴聞会での証言も、モリスのこと、二人の子どもたちに言及している。それまでに、衆知の事実となっていた。
バライツァー判事は、1月4日の判決を下す前に、コペルマンの2つの報告書と彼の証言を検討している。そして、最初の隠し事を認めた上での弁明の言葉が以下:
私は、コペルマン教授が、モリスさんとアサンジ氏の関係を開示しなかったことで、裁判所に対する義務を怠ったとは思いませんでした.... 私の判断では、二人の関係を隠すというコペルマン教授の決断は、裁判所に対する義務の観点からは誤解を招く不適切なものであったが、モリスさんの苦境に対する人間として理解できる反応でした.... 要するに、コペルマン教授の意見は公平で冷静なものであり、彼の動機や証拠の信頼性を疑う理由は何もなかったのです。
英国の裁判所では、控訴裁判所は一般的に、一審が行った事実認定(信頼性の決定を含む)の見直しはしないことが確立されている。
ホロイド卿判事は、「控訴裁判所が、誤解を招くような証拠が書かれていることが判明したが、それにもかかわらず下級裁判所がその意見を受け入れた専門家証人の立場を考慮しなければならないのは非常に珍しいことである」と認めている。また、控訴裁判所が「下級審の(バライツァー)判事が証拠の評価を誤った」と判断することを「完全に妨げる」ものではないと付け加えた。私の結論は、今回のケースは少なくともそのような力が働く可能性があるということになる。
米国の「確約」
米国は、アサンジが米国に送還され、裁判を受け、有罪判決を受け、収監された場合、事実上の隔離状態に置かれる過酷な条件である特別行政措置(SAM)を受けたり、コロラド州フローレンスのADX極秘刑務所に収容されたりすることはないという「確約」を提示している。また、米国は、アサンジがオーストラリアで懲役刑を受けることにも反対しないとのことだ。
しかし、ここで「確約」と言われているものはいずれも条件付きだ。米国は、(アサンジの)将来の行動によっては、SAMを課したり、アサンジをADXに収容したりする権利を有している。また、オーストラリアがアサンジの監禁を受け入れることに同意することを米国が保証できるわけではない。
米国は、バライツァー判事が引き渡し審問の際に、米国で収監された場合のアサンジの生活や健康状態を考慮して引き渡しを拒否するつもりであることを伝えるべきだったと主張している。そうすれば、米国はその時点で確約を提示することができただろう。しかし、米国の今回の提案は、本来は引き渡し審理で提出すべきだった新証拠となる。
10月に行われる控訴審で高等裁判所は、米国が控訴している理由を検討し、引き渡しを拒否したバライツアァー判事の判決を維持するか、覆すかを決定する。高等裁判所が地方裁判所の判決を支持した場合、米国は英国の最高裁判所に再審理を求めることができる。高等裁判所が地方裁判所の判決を覆した場合、アサンジは最高裁判所に上訴し、最高裁判所の判決がアサンジに不利なものであれば、欧州人権裁判所に上訴することができる。
もし米国がアサンジの身柄を引き渡し、スパイ活動法に基づいて裁判を行うことが最終的に認められれば、調査ジャーナリストたちに、米国政府に批判的な内容を発表することは危険であるという不吉なメッセージを送ることになる。そんなことにでもなれば、憲法修正第1条に基づく報道の自由を脅かし、米国民から政府の責任を追及するための重要な情報を奪うことになるだろう。
*
Marjorie Cohn is professor emerita at Thomas Jefferson School of Law, former president of the National Lawyers Guild, and a member of the bureau of the International Association of Democratic Lawyers and the advisory board of Veterans for Peace. Her books include Drones and Targeted Killing: Legal, Moral, and Geopolitical Issues.
She is a frequent contributor to Global Research.小さい文字
<関連記事>

Assange’s Indictment Treats Journalism as a Crime
14 April 2019

US Imperialism Defeated: UK Court Blocks Extradition of Julian Assange
4 January 2021

Free Press Advocates Call on Biden to Dismiss Trump’s Appeal Against Assange
7 July 2021
The original source of this article is Global Research
Copyright © Prof. Marjorie Cohn, Global Research, 2021
<記事原文 寺島先生推薦>
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Global Research
2021年8月17日
マジョーリ・コーン(Marjorie Cohn)教授
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年9月7日

***
8月11日、英国高等裁判所のティモシー・ホロイド(Timothy Holroyde)卿判事とジュディス・ファービー(Dame Judith Farbey)デイム(大英勲章第1位および2位を授与された女性_英辞郎)判事は、ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift)判事の7月5日の判決を覆し、トランプ政権がスパイ活動法に基づいて提起した容疑で拘束されているジュリアン・アサンジに対するバイデン政権の控訴理由を2つ追加することを認めるという異例の事態となった。アサンジは、チェルシー・マニングが彼とウィキリークスに提供した、イラク、アフガニスタン、グアンタナモにおける米国の戦争犯罪の証拠を明らかにしたことで起訴された。英国から引き渡され、米国で裁かれ、有罪となった場合、175年の懲役刑が科せられる。
スウィフト判事は、米国が要求した5つの理由のうち、3つの理由に基づいて控訴できるとの判決を下した。8月11日の判決では、米国はさらに2つの理由を主張することができるようになった。米国の控訴内容の拡大は、アサンジにとって、そして調査報道の将来にとって安穏としているわけにはゆかない兆候だ。
2020年9月、アサンジの件で3週間にわたる引き渡し審理が行われた。1月4日、英国地方裁判所のヴァネッサ・バライツァー(Vanessa Baraitser)判事は、裁判を受けるためにアサンジを米国に送還するというトランプ政権の要請を否定する判決を下した。バライツァー判事の判決は、アサンジの精神状態と米国の刑務所での拘束条件に照らして、自殺の危険性が高いという内容だった。ドナルド・トランプ大統領が退任する際、彼の政権はバライツァー判事の判決に控訴する許可を高等裁判所に首尾よく請願した。
ジョー・バイデンはトランプの訴えを取り下げるべきだった。これは、オバマ・バイデン政権がジャーナリストを起訴すると修正第1条の報道の自由の保証が損なわれることを恐れてアサンジを起訴しなかった流れに沿うものだ。真実の情報を発表したことでスパイ活動法に基づいて起訴されたジャーナリストやメディアはこれまでのところゼロだ。憲法修正第1条は、公共の関心事であれば、たとえ不法に入手した資料でもそれを公表するジャーナリストを保護している。戦争犯罪の証拠はその中に入る。米国政府が、機密情報を公開したジャーナリストやメディアを起訴したことはない。それはジャーナリズムを正常に機能させるための極めて大事な手段となっているからだ。
しかしバイデンは、倍返しでトランプの控訴を引き継いでいる。
10月27日・28日、米国の控訴を審理する時、高等裁判所は、引き渡し審理で証言した証人の信憑性を判断する独自の立場にあった地方裁判所判事の事実認定の重みを変える可能性がある。
米国の控訴根拠
英国地裁が(アサンジの)身柄引き渡しを認めなかったことに対してバイデン政権が、控訴した5つの根拠は次の通り:
§ バライツァー判事は、2003年の犯罪人引き渡し法第91条に基づき、アサンジの精神的・肉体的な状態を理由に引き渡しが不当または厳しすぎると結論づけたが、それは法的に誤り。
§ バライツァー判事は、アサンジが健康や生命を脅かすような状況に置かれないことを裁判所に確約する機会を米国に与えるために、(そういったことは事前に)米国に通知すべきだった。
§ バライツァー判事は、アサンジの精神状態の深刻さに関する弁護側の精神医学専門家マイケル・コペルマン(Michael Kopelman)教授の証拠を除外するか、あるいはあまり重視しないようにすべきだった。
§ バライツァー判事は自殺リスクの全般的エビデンス評価において誤りを犯している:さらに
§ 引き渡し審理の後、米国は英国に対し、米国に引き渡された場合のアサンジの拘束条件に関する「確約」パッケージを提供した。また、米国は、アサンジが有罪となった場合、オーストラリアに移送して身柄拘束の刑に服させることに同意する確約を与えた。
7月5日、高等裁判所は、米国が三番目、四番目の理由を除くすべての理由で控訴することを認めた。8月11日の判決以降、米国は5つの理由すべてで控訴することが認められた。
<関連記事>

Letter from London: Worrying Turn in Assange Case
精神科医コペルマンの証言
バライツァー判事は、精神医学の専門家であるマイケル・コペルマン(Michael Kopelman)が提出した証拠に大きく依存していたが、全面的ではない。1月4日の判決で、バライツァー判事は次のように書いている:
[コペルマン]は、2019年5月から12月の期間にアサンジ氏を評価し、彼の症状を直接検討するのに最適な立場にあった。彼は、細心の注意を払って、アサンジ氏の背景や精神科受診履歴について情報を提供した。彼は刑務所の医療記録に注意深く目を通し、12月の報告書に添付された詳細な要約を提出した。彼は経験豊富な臨床医であり、誇張や仮病の可能性を見逃すことはなかった。私には彼の臨床的所見を疑う理由はまったくなかった。
神経精神医学の世界的権威であるコペルマンは、アサンジを獄中で評価し、米国で収監された場合には自殺の危険性が高いと結論づけました。バライツァー判事は、「米国への引き渡しが差し迫った場合、アサンジ氏が自殺の方法を見つけることは、精神科医として確信している」というコペルマンの発言を引用している。彼女は、他の専門家もコペルマンの自殺の予測を支持していると述べた。
米国は控訴についての主張で、バライツァー判事が2019年12月の報告書で、アサンジにはステラ・モリスというパートナーがいて、二人の間には幼い子どもたちがいることを省略したため、コペルマンの証拠を除外すべきだった(または、あまり力点を置くべきではなかった)と言っている。コペルマンは彼らのことを知っていたが、モリスが子どものプライバシーを心配していたことを配慮してのことだった。その後の2020年8月のコペルマンの報告書も、2020年9月の身柄引き渡し聴聞会での証言も、モリスのこと、二人の子どもたちに言及している。それまでに、衆知の事実となっていた。
バライツァー判事は、1月4日の判決を下す前に、コペルマンの2つの報告書と彼の証言を検討している。そして、最初の隠し事を認めた上での弁明の言葉が以下:
私は、コペルマン教授が、モリスさんとアサンジ氏の関係を開示しなかったことで、裁判所に対する義務を怠ったとは思いませんでした.... 私の判断では、二人の関係を隠すというコペルマン教授の決断は、裁判所に対する義務の観点からは誤解を招く不適切なものであったが、モリスさんの苦境に対する人間として理解できる反応でした.... 要するに、コペルマン教授の意見は公平で冷静なものであり、彼の動機や証拠の信頼性を疑う理由は何もなかったのです。
英国の裁判所では、控訴裁判所は一般的に、一審が行った事実認定(信頼性の決定を含む)の見直しはしないことが確立されている。
ホロイド卿判事は、「控訴裁判所が、誤解を招くような証拠が書かれていることが判明したが、それにもかかわらず下級裁判所がその意見を受け入れた専門家証人の立場を考慮しなければならないのは非常に珍しいことである」と認めている。また、控訴裁判所が「下級審の(バライツァー)判事が証拠の評価を誤った」と判断することを「完全に妨げる」ものではないと付け加えた。私の結論は、今回のケースは少なくともそのような力が働く可能性があるということになる。
米国の「確約」
米国は、アサンジが米国に送還され、裁判を受け、有罪判決を受け、収監された場合、事実上の隔離状態に置かれる過酷な条件である特別行政措置(SAM)を受けたり、コロラド州フローレンスのADX極秘刑務所に収容されたりすることはないという「確約」を提示している。また、米国は、アサンジがオーストラリアで懲役刑を受けることにも反対しないとのことだ。
しかし、ここで「確約」と言われているものはいずれも条件付きだ。米国は、(アサンジの)将来の行動によっては、SAMを課したり、アサンジをADXに収容したりする権利を有している。また、オーストラリアがアサンジの監禁を受け入れることに同意することを米国が保証できるわけではない。
米国は、バライツァー判事が引き渡し審問の際に、米国で収監された場合のアサンジの生活や健康状態を考慮して引き渡しを拒否するつもりであることを伝えるべきだったと主張している。そうすれば、米国はその時点で確約を提示することができただろう。しかし、米国の今回の提案は、本来は引き渡し審理で提出すべきだった新証拠となる。
10月に行われる控訴審で高等裁判所は、米国が控訴している理由を検討し、引き渡しを拒否したバライツアァー判事の判決を維持するか、覆すかを決定する。高等裁判所が地方裁判所の判決を支持した場合、米国は英国の最高裁判所に再審理を求めることができる。高等裁判所が地方裁判所の判決を覆した場合、アサンジは最高裁判所に上訴し、最高裁判所の判決がアサンジに不利なものであれば、欧州人権裁判所に上訴することができる。
もし米国がアサンジの身柄を引き渡し、スパイ活動法に基づいて裁判を行うことが最終的に認められれば、調査ジャーナリストたちに、米国政府に批判的な内容を発表することは危険であるという不吉なメッセージを送ることになる。そんなことにでもなれば、憲法修正第1条に基づく報道の自由を脅かし、米国民から政府の責任を追及するための重要な情報を奪うことになるだろう。
*
Marjorie Cohn is professor emerita at Thomas Jefferson School of Law, former president of the National Lawyers Guild, and a member of the bureau of the International Association of Democratic Lawyers and the advisory board of Veterans for Peace. Her books include Drones and Targeted Killing: Legal, Moral, and Geopolitical Issues.
She is a frequent contributor to Global Research.小さい文字
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Assange’s Indictment Treats Journalism as a Crime
14 April 2019

US Imperialism Defeated: UK Court Blocks Extradition of Julian Assange
4 January 2021

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7 July 2021
The original source of this article is Global Research
Copyright © Prof. Marjorie Cohn, Global Research, 2021
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