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米国政府の介入。ハイチとキューバで、米国が後援する政権不安定化工作が継続中。

米国政府の介入。ハイチとキューバで、米国が後援する政権不安定化工作が継続中。
<記事原文 寺島先生推薦>
Washington’s Interference: Continued US Sponsored Destabilization in Haiti and Cuba

 Abayomi Azikiwe(アバヨミ・アズキウェイ)著

Global Research
2021年7月18日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年8月20日




 ジョブネル・モイーズ大統領の暗殺と、キューバ共産党に対する反政府運動には、米国によるカリブ海のこの二国への内政干渉が進行中であるという痕跡が見える。

 ハイチのジョブネル・モイーズ大統領は、7月7日の早朝の時間帯に、首都ポルトー・プランスの自宅で暗殺された。

 モイーズ大統領の死をめぐる状況については、ハイチ内外での様々な報道や調査機関により、真実が明らかにされつつある。

 モイーズ前大統領殺害の容疑者として逮捕された人々の多くは、国防総省や米国の法執行機関を通して米国と繋がっていることが分かった。ジョー・バイデン政権は、ハイチでのこの事件に関して「この動きに軍を使って介入」していないと表明しているが、FBIなどの米国国土安全保障省(DHS)の工作員をハイチに派遣したことを認めている。 これらの米国の工作員たちは、今ハイチ国内に潜伏しており、米海軍も、米国大使館を保護するという表向きの理由でハイチに派遣されている。

 モイーズは米国から経済政策や外交政策において支援を受けてきた。それは2016年に物議を醸し出すような状況下で彼が大統領に選出されてからのことだ。2017年の2月にモイーズが大統領の職につくまでに、数ヶ月を要した。大統領につくやいなや、大規模なデモやストライキが勃発した。それは労働者階級や貧困層に悪い影響を与えるモイーズの政策への反発だった。

 ドナルド・トランプ前大統領とは、密接な関係を結んでいたのだが、それだけではハイチの政治的安定には不十分だった。2018年から現在に至るまで、社会不安はずっと噴出している。ここ数ヶ月間、モイーズと彼の政党であるテット・カレ(ハゲ頭という意味)党が支援するギャングの犯罪組織が台頭し、この犯罪組織が首都ポルトー・プランスのいくつかの地域を脅し、破壊している。

 この暗殺の容疑者の多くは、米国と長年緊密な同盟関係にある南米コロンビア出身者だ。コロンビアの公安部隊は、歴代米国政権から多大な援助を受けてきた。それは革命運動を阻止するためであった。ただしその革命運動は、コロンビア国民からは広く支持されてきたのだが。

 コロンビア出身の容疑者のうちの多くは、米国国防総省からの訓練を受けていた。米国国防総省は、ラテン・アメリカや、アフリカや、アジアの国々の軍人に対して頻繁に訓練を実施している。その目的は、米国と同盟関係にある抑圧された国々の保安部隊の内部に影響力を保ったり、支配したりすることだ。

 国務省からの出版物であるボイス・オブ・アメリカ下線文(VOA)誌でさえ、7月16日に以下のような記事を出した。

 (以下はボイス・オブ・アメリカの記事から)

 ジョブネル・モイーズ大統領の暗殺事件に関わって、ハイチの警視庁に身柄を拘束されたコロンビア人のうちの数名は、「米国における軍人訓練と軍人教育」を受けていた、と国防総省の報道官はVOAへのメールで明言している。 このことは、これまでの訓練のデータベースを見直している中で分かったことだ、とケン・ホフマン中佐は語ったが、いつのどこの訓練かは明らかにしなかった。「データベースの見直しを現在行っている途中なので現時点ではこれ以上の詳細はお知らせできません」とホフマン中佐は語っている。このことを初めに報じたのはワシントン・ポスト紙だった。国防総省によれば、国防総省は、毎年何千人もの南米や、中米やカリブ海の国々の軍人を訓練している、とのことだ。

(ボイス・オブ・アメリカの記事からの抜粋はここまで)

 捕まった3人のハイチ国民はすべて米国籍を所有していた。うち2名はコロンビア出身者とともに拘束された。報道によれば、彼らは政府や富裕資産家や、企業の安全警備を行っている民間の軍事会社に勤めていたそうだ。

 この暗殺と米国を結ぶほかの線もある。記事によれば、モイーズ前大統領の自宅への武装した潜入者たちは、米国麻薬取締局(DEA)のものだと名乗っていた。さらに容疑者の何名かが語ったと報じられたところによると、彼らがモイーズ宅にいたのは、モイーズの逮捕令状を執行するためだった、とのことだ。

 暗殺に関わっていた少なくとも一名は「情報源」であると特定された。その「情報源」というのは、DEAに関わる情報提供者や工作員を指す言葉だ。ハイチは長年、米国に麻薬を流す通路になっていると批判されてきた。

キューバの状況、米国政府は経済封鎖を続け、キューバを破壊しようと企てている

 モイーズ大統領暗殺後の7月11日に、米国の企業メディアから以下のような記事が上がった。その内容は、キューバのいくつかの都市で何千もの人々が繰り出し、食料と医薬品と市民の自由が欠けていることに対する抗議運動を行ったというものだった。これらのデモの矛先は、支配者であるキューバ共産党に向けられていた、と報じられていた。


キューバ共産党中央委員会の新旧第一書記

 しかしこの経済危機が生み出された原因が、60年間に及ぶ米国によるキューバ経済封鎖措置にあることは報じられなかった。そしてその措置のキューバへの影響は、世界規模に拡がるものだ。ここ20年間キューバの経済成長を支えてきたのは、観光業であり、国内経済での米ドルの解禁であり、中小私営企業の合法化であったからだ。

 COVID-19の流行以来、世界経済全体が大規模な失業や、貧困や、経済の行き詰まりに苦しんでいる。最も発展した資本主義の国々(米、英、仏、独、日)の医療システムは、コロナウイルス患者でひっ迫している。

 キューバはつい最近まで、流行の抑え込みに成功し、観光業を再開し始めていた。しかしここ数週間、政府が自国で生産したワクチン接種計画に取り掛かりつつあった時、コロナウイルスの感染が急増している。ただし症例数の増加はキューバだけの話ではない。米国内ではデルタ株などの変異種が出現しており、入院患者が特に南部で急増している。

 キューバの連帯組織や、反帝国主義者たちは、ミゲル・ディアス・カネル大統領が置かれた苦しい立場を繰り返し主張している。具体的には、ジョー・バイデン大統領が社会主義国家であるキューバ国内の人権問題を心配するのであれば、 大統領令を出して、前任者のドナルド・J・トランプが制定した米国とキューバ間の制限措置を取り除くべきだ、ということだ。


キューバ共産党結党100周年記念式典

 トランプが課した措置により、米国に住むキューバ国民が本国に仕送りをすることが制限された。トランプはそれ以外にも厳しい措置を課したのだが、そこには前任のバラク・オバマ大統領が手をつけ始めていた両国の関係を正常化しようという方向性を弱めようという狙いがあった。オバマはキューバとの国交を再開したのだが、経済封鎖や制裁の解除については、米議会はまだ承認していない。

 以下はベネズエラに拠点を置くテレスール・ニュース社の記事の抜粋だ。

 「金曜日(7月16日)にキューバのミゲル・ディアス・カネル大統領は、米国のジョー・バイデン大統領がキューバ内での危機に懸念を示していることに対して疑問の声をあげ、米国政府が何十億ドルつぎ込んでも、キューバの革命を破壊することに失敗していると語った。“バイデンがキューバ国民のことを人道的に心配しているのであれば、トランプ前大統領が課した246件の打撃的な制裁を取り除くこともできるだろう。その第1段階としてまずは経済封鎖を解くべきだ”とディアス・カネルは語っている。何十年間もキューバの経済状況を最悪のものにしてきたこれらの強制的な措置には、米国民のキューバ渡航の制限や、送金の制限や、外国企業がキューバと取引を行えば課される制裁などがある。キューバ当局や多くの専門家たちは、反動的な動きを見せているキューバ系米国人のグループを非難している。このグループは、米国の対キューバ政策に関して、フロリダ州当局に大きな政治的影響力を持っている」

 バイデン政権は、キューバの反政府運動への指示を7月11日にすぐ表明した。このような行為はキューバ国民の経済的苦境を強めることにしかならない。 米国政府とキューバ革命政権間の敵対心を煽るだけだ。


米国内の反帝国主義派の役割

 もちろん、抑圧された国々や共産主義の国々に攻撃を加えている帝国主義国家の内部にいて、自由と世界平和を目指す闘争に関わっている人々は、これらの国々の民衆の為に支援の手を差し出すべきだ。キューバにとっては、国の内外で社会主義革命の成果を手にすることは、発展した資本主義の国々の中の社会主義を前進させる集団との何よりの連帯となる。

 ハイチは、奴隷にされていたアフリカ系住民による12年にも及ぶ革命戦争の末、建国された。この革命戦争の相手は、米国に後押しされた仏、英、西であった。つまり米国は初めからずっと、ハイチが独立国として発展しようとする力を持つことを抑え込もうとしてきたのだ。ハイチは、ヒスパニオラ島を共有する隣国のドミニカ共和国とともに、何度も経済封鎖を受け、軍に直接攻め込まれもしてきた。ハイチを国家として了承する見返りに、ハイチはフランスに対して「補償金」の支払いを余儀なくされた。その理由は、植民地時代にフランス人が所有していた砂糖のプランテーション農場などをハイチ人が破壊したから、ということだった。

 近年のハイチ政権の潮流とは関係なく、反帝国主義派は、多くの労働者や、農民や、青年や、全ての民主派勢力の主権を守り、彼らの自己決定権に繋げなければならない。米国が内政干渉を続ける限り、ハイチが自国の利益のために発展することはできない。

 キューバは19世紀と20世紀の間に起こったいわゆる米西戦争と呼ばれる戦争の後、米国の完全な支配下に置かれていた。1959年のキューバ革命が大きな成功に繋がったのは、この島国の固有の独立を守る必要があったからだ。 終わることのない経済封鎖措置の中、1961年4月のピッグス湾侵入作戦のような状況が62年間ずっと続いているというのが、米国政府とキューバ政府間の関係だと言える。

 ハイチの民衆も、キューバの民衆も、米国内の民衆の敵ではない。帝国主義が、発展国の労働者階級や抑圧された人々と、米国が敵国と見なしている抑圧された国々や社会主義の国々の人々とを分断しようとする動きを許してはいけない。世界中のプロレタリアートや抑圧された民衆の団結だけが、世界中の人々が共に平等な関係を結ぶことができる社会を建設することを可能にするのだ。


 
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