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全米で服役者のストライキ

Nationwide US prison strike demands end to ‘slave labor’ & ‘racist’ sentencing

RT Home/US News/ 2018年8月21日

翻訳(大手山茂、岩間龍男 2018年9月11日)
<記事原文>https://www.rt.com/usa/436516-nationwide-prison-strike-slavery/


© Shannon Stapleton / Reuters

アメリカのいくつかの州にまたがる刑務所の収容者が3週間のストライキを起こしている。 彼らが言う「人種差別的刑法」、「非人道的待遇条件」、そして「奴隷労働にも匹敵する所内労働に賃金が支払われていないこと」に抗議してのことだ。

「刑務所の法律家は声を上げる」と呼ばれる服役者グループが陣頭指揮を執り、このストライキは8月21日から9月9日まで市民的不服従の形を取っているとされる。 抗議者たちは10項目の要求を公にしている。 重点項目としては服役者と前科者の投票権を回復すること、そして受刑者の尊厳ある待遇だ。

他の要求項目には①「刑務所内の奴隷待遇を即時止めること」、②刑務所内のすべての服役者の労働に対して「該当する州や地域で通常支払われる賃金を支払うこと」、そして③「人種差別的な科料過剰請求や、行き過ぎた判決と、非白人に対する仮出所不認可の即時停止」などがある。

ストライキの陣頭指揮を取っているグループは、同時にいくつかの法律や連邦政府の計画の廃止を要求している。 これらの法律や計画は最低刑期を義務化しており、暴力的な犯罪者には最低刑期の85%をきちんと終えなければ仮出所資格を認めてはならない、あるいは服役者が訴訟を起こす権利を制限することを各州に求めている。

アメリカ自由人権協会はこのストライキを支持しており、その要となる要求は投票権の回復だとしている。 ほとんどの州では服役者が投票することはできないようになっており、前科者の投票権を認めていないケースもある。 バーモント州、メイン州だけが服役者も前科者も例外なく投票権を認めている。

南北戦争後に採択されたアメリカ合衆国憲法修正条項第14条は、「反乱あるいは他の犯罪に加担した廉で」投票権を差し止めることを認めた――その対象となったのが連邦離脱のために戦った南部市民だったことは明白――けれど、この表現は、一時的であれ恒久的であれ、なべて凶悪犯罪者であれば投票権を与えないことを各州に許してきた。

服役者たちのもうひとつの大きな抗議事項は修正条項第13条に起因している。 修正条項第13条は1865年に奴隷制と意に反する苦役を廃止した。 ただし、「当事者が十分有罪判決を下されるような犯罪への刑罰としての場合を除く」となっている。これはアメリカの刑務所制度では健在であることを意味していると、服役者たちは主張する。

今回のストライキが奴隷制と関連づけられたもうひとつの点は象徴的だ。 8月21日は1831年バージニア州で起こったナット・ターナーに率いられた奴隷反乱の記念日なのだ。 1971年の同日、刑務所内活動家で「ブラック・ゲリラ・  ファミリー」の創設者であるジョージ・ジャクソンが殺された。 彼がカリフォルニア州のケンティン刑務所から脱獄しようとしたのだ。 今回のストライキの指導者たちはこの二つの記念日をストライキ開始日にしたことを意味のあることだとしている。

9月9日をストライキの最終日にしたのは1971年ニューヨーク州北部にあるアッティカ刑務所での反乱を記念してのことだ。 約1,300人のアッティカ刑務所の収容者達が奴隷労働と警察の暴虐を止めるよう4日間要求を続けた。 その後警察力による弾圧で結果的に39人が死亡、128人が負傷した。

「2016年刑務所ストライキ」も同様に、「刑務所の法律家は声を上げる」グループによって組織され、9月9日をストライキ開始日とした。

アメリカは服役者総数と収監率(10万人当たり655人)の双方で世界ランキングのトップだ。 現在アメリカでは広範囲にまたがる拘置所や刑務所におおよそ230万人の服役者がいる、これは「プリズン・ポリシー・イニシアティブ」(2001年設立されマサチューセッツ州に本部のあるシンクタンク)が公表した最新の数字だ。 これに現在執行猶予中の370万人、仮出所の84万人を加えれば、アメリカの司法当局はほぼ7百万人への支配権を実際行使していることになる。
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