ボリス・エリツィンは何百人ものCIAの工作員に取り囲まれていた。そしてエリツィンは彼らのいいなりだった
<記事原文 寺島先生推薦>Boris Yeltsin had entourage of ‘hundreds’ of CIA agents who instructed him how to run Russia, claims former parliamentary speaker
Russia Today ワールドニュース
2021年6月12日

ジョニー・ティックル(Jonny Tickle)著
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年6月30日
ロシアの初代大統領であったボリス・エリツィン元大統領は、「何百人もの」CIAの工作員に取り囲まれ、指導者としての任期中ずっと指図を受けていた。これはルスラン・ハズブラートフ元ロシア国会議長の話だ。
ラジオ番組「ガバリート・モスクワ(Говорит Москва)」で、ハズラートフ元議長は、エリツィンの側近は米国人で満たされていたと語った。1996年に、エリツィンは米国政府の助けを借りて大統領に選ばれた。しかし米国政府が、エリツィンの在職中にどの程度までエリツィンに対して影響力を持っていたかについては議論されてきたが、いまだにはっきりとはわかっていない。
「(CIAの工作員が)100人いたことは間違いありません」とハズラートフ元議長は語った。また元議長は、「これらの工作員がすべてを決めていました」とも語った。さらに付け加えて、「大統領選挙に勝利した後、エリツィンは米国に安全保障当局者と部局長を派遣し、米国政府がそれらの当局者や部局長の“精査”を行い、“結論”を出していました」とのことだった。
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ハズラートフ元議長の発言は、アレクサンドル・ルツコイ元ロシア副大統領がロシアのオンラインメディアサイトの「レンタ」の取材で語ったことをうけてのものだった。その内容によると、CIAの12名の常勤工作員が、エリツィン元大統領とガイダル(訳注:ロシア創成期に経済政策で中心的な役割を果たした政治家)が行った市場再建策の実行に手を貸し、中央経済計画を体系的に崩壊させ、「ショック療法」と呼ばれる資本主義政策にロシアを導くことになった、とのことだった。ルツコイ元副大統領がさらに述べたところによると、ある重要な場面で、エリツィン元大統領が外国なまりのある或る見知らぬ男と話しているところを耳にしたことがあったそうだ。
しかしハズラートフ元議長によれば、ルツコイ元副大統領が米国とつながっていたことは周知の事実であり、米国政府の役人たちさえエリツィン元大統領に対して影響力を持っており、エリツィン元大統領が指名した人物の起用を取り下げたことは何度もあったとのことだ。
「ルツコイ元副大統領が言っていることは、ほぼ正しいことです。エリツィン元大統領は外国人から助言を受けていました」とハズラートフ元議長は続けた。「秘密でもなんでもありませんし、多数の人がこのことを知っています。盗聴が行われているなどといった探偵小説に出てきそうなエピソードは知りませんが、総じてこのことはよく知られていることなのです。エリツィン元大統領は、外国の代表者たちとすべての人事問題について密に話し合いをしていました」
エリツィン元大統領が大統領職を去ったのは1999年のことだが、強力な大統領制を敷くことも、敵対する議会から権力を奪うことも、三権分立を排除することも成し遂げられなかった。これらの動きには、米国政府の支持があったのだが、その意図は新しく建国されたロシアという国において、共産党に権力を持たせないでおくことだった。
今、エリツィン元大統領の遺産に対する評価には賛否両論ある。多くのロシア人はエリツィン元大統領のことを、「ロシアを西洋資本主義に売り渡した飲んだくれ」だと考えている。一方海外では、エリツィン元大統領は、南アフリカのネルソン・マンデラや、ポーランドのレフ・ワレサや、チェコの初代大統領ヴァーツラフ・ハヴェルのような革命的な政治家と同列で捉えられている。ビル・クリントン元米国大統領に至っては、エリツィン元大統領のことをアブラハム・リンカーンになぞらえてさえいる。
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