ドンバス指導者の暗殺<分析>
Donbass leader’s murder shows Kiev clearly wants to end Ukrainian crisis by force – analysts
RT Home/World News/ 2018年8月31日
(翻訳:新見明 2018年9月11日)
<記事原文> https://www.rt.com/news/437376-dpr-murder-kiev-ukraine-force/

FILE PHOTO. © Anatolii Stepanov / Global Look Press
ドネツク人民共和国(自称)の指導者アレクサンドル・ザハルチェンコの暗殺は、キエフによって「まことしやかに」画策され、それはウクライナ政府の本来の計画を明るみに出したのだと、専門家はRTに語った。
モスクワは、金曜日のDPR(ドネツク人民共和国)の指導者を殺したドネツク爆破事件の背後にウクライナ政府がいると糾弾した。彼の死は実際キエフ政権の戦争屋にとって利益をもたらすとアナリストは分析している。
「ザハルチェンコの殺害は、まずウクライナの強硬派を利するものである。彼らはミンスク合意やドンバス地域の人々とのどんな和平合意にも関心がないからである」と政治評論家のアレクサンダー・パビッチは暗殺に関して述べた。強硬派は「ウクライナ大統領(ペトロ)・ポロシェンコ自身によって率いられていて」、それ故、強硬派は現政府の中心勢力である、とハビッチは考えている。
元アメリカ外交官ジム・ジャトラスはRTに次のように語った。キエフはいつもウクライナ紛争を「ゼロサムゲーム」と考えている。そして「ドネツクとルガンスク共和国指導者を弱体化するものは何でもキエフにプラスになると考えられているちがいない」。「この殺害は先制攻撃のパターンに当てはまる」。キエフは自称の共和国に攻撃を開始したのだ、と。
「キエフは一度も政治的調整に関心を持ったことがない」
ザハルチェンコの殺害が明らかに示していることは、キエフ政府がいつも東ウクライナを「武力によって片づける問題だ」と考えていることだ、とイギリスの哲学者、歴史家、作家のジョン・ラーフランドはRTに語った。
ラーフランドは次のように述べた。キエフはいつも自称共和国勢力を「ロシア人戦闘員でウクライナ人戦闘員ではない」。ウクライナは「もし自分の領土の人々が外国の侵略者であるとするなら、外国の侵略者とはドンバスの人々のことだ。と言うことはキエフは政治的解決には関心がなく、彼らを自分たちの市民とは考えていない」と。
ラーフランドは続けて述べた。ザハルチェンコの殺害は「いくらかの人々が知っているかもしれないことを・・・つまりウクライナが政治的解決に関心がないということを、全世界に示していることだ。またポロシェンコはウクライナ連邦化に強固に反対していることをごく最近表明した。それは結局、彼が東ウクライナの自治に反対であり、ミンスク合意を実行する意思がないということだ、と。
ポロシェンコの言葉はジャトラスの言葉の繰り返しだった。つまりジャトラスは「もしミンスク合意過程が全く死んでしまったことにだれかが疑問を抱くなら、そのような疑問は終わらせるべきだ」と述べたのだ。一方パビッチは、暗殺が、最近のプーチン・メルケル会談後のミンスク合意過程への新たな勢いを葬り去ろうとする意図が明らかにあるということだ、と述べた。
西欧は、「キエフにあまりに多額の投資をした」のだ
しかしこれら全ての事実が、西欧においてウクライナ紛争への態度を変えることはない。なぜなら西欧諸国は、真実よりも彼ら自身の利害を気にかけているからだ、とアナリストは警告した。
ヨーロッパの政策立案者たちは「多くの政治資金を、ロシアのウクライナ侵略説を正当化することに投資してきた」。そして今や、それはEUの公式見解でもある、とラーフランドは述べた。たとえ彼らが本当の状況がどんなものであるかを理解したとしても、「彼らが考えを変えるにはなおかなり時間がかかるだろう」、と彼は警告した。
アメリカやヨーロッパ当局がウクライナ支援の増加までも約束した模様で、「ワシントンとモスクワの和解の見込みはないことを確認し」、さらなる緊張を高めるものは何でも歓迎したがっていると、ジェトラスは見ている。
この事件は、「ロシア・ウクライナの緊張の高まりに興味をしめす全ての外国勢力」を利するものである。それはアメリカの陰の政府やリベラル介入主義のNATOやイギリスに導かれ、現在、無謀な反ロシアキャンペーンを展開している、とパビックは述べた。
西欧は結局、ザハルチェンコの殺害を地域の活動家のせいにしようとし、ある種の内部抗争の結果として濡れ衣をきせるだろうと、アナリストは予想した。この事件はまたアメリカにおける反ロシアヒステリーを推進する「ポロシェンコの立場を高める」ことになると、パビックは続けた。彼らの多くがジョン・マケインの葬儀に参列し、ポロシェンコも参列する予定になっている。
一方、大手メディアはその問題を過小評価しがちで、あるいはそれを単に無視するのだ。ラーフランドは、この殺害がその地域の状況に悲惨な結果をもたらすだろうと警告した。「もしかするとこの殺害は、あらゆる政治的解決の可能性を壊すだろう。そして我々はウクライナ紛争の最悪の時期に戻されるだろう。それは政治的交渉過程を破壊することになるだろう」と彼は述べた。
RT Home/World News/ 2018年8月31日
(翻訳:新見明 2018年9月11日)
<記事原文> https://www.rt.com/news/437376-dpr-murder-kiev-ukraine-force/

FILE PHOTO. © Anatolii Stepanov / Global Look Press
ドネツク人民共和国(自称)の指導者アレクサンドル・ザハルチェンコの暗殺は、キエフによって「まことしやかに」画策され、それはウクライナ政府の本来の計画を明るみに出したのだと、専門家はRTに語った。
モスクワは、金曜日のDPR(ドネツク人民共和国)の指導者を殺したドネツク爆破事件の背後にウクライナ政府がいると糾弾した。彼の死は実際キエフ政権の戦争屋にとって利益をもたらすとアナリストは分析している。
Read more![]() (写真)ドネツク人民共和国(DNR)(自称)の指導者アレクサンドル・ザハルチェンコが東ウクライナの爆破で殺された。 |
「ザハルチェンコの殺害は、まずウクライナの強硬派を利するものである。彼らはミンスク合意やドンバス地域の人々とのどんな和平合意にも関心がないからである」と政治評論家のアレクサンダー・パビッチは暗殺に関して述べた。強硬派は「ウクライナ大統領(ペトロ)・ポロシェンコ自身によって率いられていて」、それ故、強硬派は現政府の中心勢力である、とハビッチは考えている。
元アメリカ外交官ジム・ジャトラスはRTに次のように語った。キエフはいつもウクライナ紛争を「ゼロサムゲーム」と考えている。そして「ドネツクとルガンスク共和国指導者を弱体化するものは何でもキエフにプラスになると考えられているちがいない」。「この殺害は先制攻撃のパターンに当てはまる」。キエフは自称の共和国に攻撃を開始したのだ、と。
「キエフは一度も政治的調整に関心を持ったことがない」
ザハルチェンコの殺害が明らかに示していることは、キエフ政府がいつも東ウクライナを「武力によって片づける問題だ」と考えていることだ、とイギリスの哲学者、歴史家、作家のジョン・ラーフランドはRTに語った。
Read more![]() © Sputnik「テロリストの戦術」: 反逆罪で告訴されたロシア人ジャーナリストは、ウクライナ刑務所で100日目になる。 |
ラーフランドは次のように述べた。キエフはいつも自称共和国勢力を「ロシア人戦闘員でウクライナ人戦闘員ではない」。ウクライナは「もし自分の領土の人々が外国の侵略者であるとするなら、外国の侵略者とはドンバスの人々のことだ。と言うことはキエフは政治的解決には関心がなく、彼らを自分たちの市民とは考えていない」と。
ラーフランドは続けて述べた。ザハルチェンコの殺害は「いくらかの人々が知っているかもしれないことを・・・つまりウクライナが政治的解決に関心がないということを、全世界に示していることだ。またポロシェンコはウクライナ連邦化に強固に反対していることをごく最近表明した。それは結局、彼が東ウクライナの自治に反対であり、ミンスク合意を実行する意思がないということだ、と。
ポロシェンコの言葉はジャトラスの言葉の繰り返しだった。つまりジャトラスは「もしミンスク合意過程が全く死んでしまったことにだれかが疑問を抱くなら、そのような疑問は終わらせるべきだ」と述べたのだ。一方パビッチは、暗殺が、最近のプーチン・メルケル会談後のミンスク合意過程への新たな勢いを葬り去ろうとする意図が明らかにあるということだ、と述べた。
西欧は、「キエフにあまりに多額の投資をした」のだ
しかしこれら全ての事実が、西欧においてウクライナ紛争への態度を変えることはない。なぜなら西欧諸国は、真実よりも彼ら自身の利害を気にかけているからだ、とアナリストは警告した。
ヨーロッパの政策立案者たちは「多くの政治資金を、ロシアのウクライナ侵略説を正当化することに投資してきた」。そして今や、それはEUの公式見解でもある、とラーフランドは述べた。たとえ彼らが本当の状況がどんなものであるかを理解したとしても、「彼らが考えを変えるにはなおかなり時間がかかるだろう」、と彼は警告した。
Read more![]() アメリカ軍人がキエフで、ウクライナ独立記念日のリハーサルで行進している。「彼らの家の主人?」、ボルトンが独立記念日でウクライナを「視察」する。 |
アメリカやヨーロッパ当局がウクライナ支援の増加までも約束した模様で、「ワシントンとモスクワの和解の見込みはないことを確認し」、さらなる緊張を高めるものは何でも歓迎したがっていると、ジェトラスは見ている。
この事件は、「ロシア・ウクライナの緊張の高まりに興味をしめす全ての外国勢力」を利するものである。それはアメリカの陰の政府やリベラル介入主義のNATOやイギリスに導かれ、現在、無謀な反ロシアキャンペーンを展開している、とパビックは述べた。
西欧は結局、ザハルチェンコの殺害を地域の活動家のせいにしようとし、ある種の内部抗争の結果として濡れ衣をきせるだろうと、アナリストは予想した。この事件はまたアメリカにおける反ロシアヒステリーを推進する「ポロシェンコの立場を高める」ことになると、パビックは続けた。彼らの多くがジョン・マケインの葬儀に参列し、ポロシェンコも参列する予定になっている。
一方、大手メディアはその問題を過小評価しがちで、あるいはそれを単に無視するのだ。ラーフランドは、この殺害がその地域の状況に悲惨な結果をもたらすだろうと警告した。「もしかするとこの殺害は、あらゆる政治的解決の可能性を壊すだろう。そして我々はウクライナ紛争の最悪の時期に戻されるだろう。それは政治的交渉過程を破壊することになるだろう」と彼は述べた。
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