インドにおけるCovid都市閉鎖措置:アンソニー・ファウチには「インドにとって何が良いのかを説教する材料も権限もない」
<記事原文 寺島先生推薦>
Covid Lockdown in India: Anthony
‘Has No Clue and No Authority to Lecture on What Is Good for India’
コリン・トッドハンター(Colin Todhunter)
Global Research
2021年5月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年6月10日
インドのCOVID関連の現状を踏まえて、COVIDに関する米国のトップアドバイザーであるアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)博士は、インドに厳しい都市閉鎖措置の実施と、ワクチンの大量接種を呼びかけている。
しかし、ファウチには、インドにとって何が良いのかを説く手がかりも権限もまったくない。
これは、ジャーナリストのラトナ・チャクラボルティ(Ratna Chakraborty)の見方だ。ウェブサイト「Empire Diaries」に寄稿した彼女は、米国は豊かな国であり、世界の基軸通貨紙幣を印刷、失業者にもしっかりとした財政保障があり、人口も分散しているのだと言っている。
インドはと言えば、財政的に逼迫しており、一歩誤れば大惨事という脆い経済状態にあり、失業者に対する金銭給付もなく、人口密度が高く、ほとんどの人は密集地に群居している。
最初からインド政府は無能だったことと、インド社会の貧困層に対するその冷淡さを考えると、新たな都市閉鎖は再び大惨事を招くとチャクラボルティは言う。また、インド政府は何一つ学習していないし、全国の医療体制を改善しようとする試みも全くない、とも彼女は言っている。
著名な学者であり活動家でもあるノーム・チョムスキーが、インドの最初の都市閉鎖について語った言葉を思い出すといいだろう。
「デモクラシー・ナウ!」のエイミー・グッドマン(Amy Goodman)のインタビュー(2020年5月)でチョムスキーが語ったこと:
「・・・これはもうジェノサイドです。モディ(インド首相)は全面的な都市閉鎖の5時間前に警告を出したと言うのでしょう。それが10億人以上の人々に影響を与えたのですよ。行き場がない人もいました。」
彼はさらに続ける:
「膨大な数の非正規経済で生活する人々は、ただ追い出されるだけです。千マイル離れているような自分の村まで歩いて行け、道端で死ね、とでも言うのですか。これは、巨大惨事の始まりです・・・」
インドで初めて都市閉鎖措置が講じられた時、農村問題のコメンテーターP・セイナス(Sainath)が描いたのはその衝撃のすさまじさだった。とくに出稼ぎ労働者の絶望的な窮状、食料を購入するための現金の不足、そして農家が収穫作業を完了できなかったためにいずれ押し寄せる食料不足などだ。
また、セイナスは、国立健康システム健康センター(National Health Systems Resources Centre)の元常任理事であるスンダララーマン(Sundaraman)博士の意見を報告した。彼は、以下の必要性を語っていた:
「(出稼ぎの人たちが)自分の村に帰ることになる問題の特定と、(そのことが招く彼らの)暮らしの喪失の実態把握、この2つのことは何としてでもやっておかなければなりません。それをしないと、インドの貧困層の大半を昔から苦しめてきた病による死亡者数が、コロナウイルスがもたらす死亡者数を上回る可能性を出してしまうことになる。」
インドで行われた最初の都市閉鎖で破壊的な影響があったし、また、都市閉鎖で何を達成しようとしているかの観点から見るとその効果には疑問が残ることは事実だ。しかしこの2点は別にしても、また都市閉鎖をすれば何億人もの人々を貧困と飢餓に追いやることになるだろう。それは、最初の都市閉鎖によって引き起こされた貧困に単に拍車をかけ、加速させるだけになるだろう。
アジム・プレムジ大学(APU)のCentre for Sustainable Employment(持続可能な雇用センター)が作成した新しいレポートによると、2020年後半になっても、雇用と所得がパンデミック前の水準に回復していないことが明らかになった。
報告書「2021年インド労働者の現状-Covid-19発生後の1年」では、正規労働者の約半数が非正規労働者となり、2億3,000万人が国の最低賃金の貧困ラインを下回っていることが浮かび上がっている。
COVIDが蔓延する以前から、インドは1991年以降、最長の経済減速を経験している。雇用創出力が弱く、開発が不均一で、非正規経済が大部分を占めていたからだ。「政治経済研究部門(The Research Unit for Political Economy)」が最近発表した記事では、経済の構造的な弱点と、多くの一般人の絶望的な状況が浮き彫りになっている。
READ MORE:India, COVID and the Need for Scientific Integrity Not Sensationalism
この調査で、すべてのタイプの労働者の月収が減少していることも分かった:
①臨時労働者では13%減、
②自営業者では18%減、
③期限付き労働者では17%減、
④正規給与者では5%減、
⑤全体では17%減、
となっている。
最貧困層25%の世帯は、所得中央値の3.8倍の借金をしているのに対し、上位25%の世帯は1.4倍の借金だった。この調査は、借金地獄がどういうものなのかに注意を向けている。
6ヶ月後、同様にはっきりしたのは、抵抗力の弱い世帯の20%の食料摂取が未だ都市閉鎖以前のレベルに止まっていることだ。
COVIDが及ぼしている影響
このような影響を考えると、ワクチンを広めることに明らかな利害関係を持つ著名人の話を聞く前に(British Medical Journalの社説「Covid-19, Politicisation, Corruption, and Suppression of Science」を参照)、インドにおける現在のCOVID関連の状況がどんな風になっているのかは是が非でも把握しておく必要がある。人々の表面的な気持ちを煽るだけの言い方は厳に慎むべきだ。
ムンバイ在住の政治アナリストで医療専門家のヨハン・テングラ(Yohan Tengra)によると、真の感染率の数は、ウイルス培養検査あるいは24サイクル以下で行うPCR検査で陽性と判定された症状のある人を検査しなければわからないとのこと。
PCR検査は、世界中でCOVID症例を判定する絶対的基準として使用されてきた。しかし、その精度の低さ、不適切さ、40を超えるサイクル数の使用(陽性者数が膨らむ)、そして「偽陽性」を生み出すことについて、厳しい批判を受けている。
スウェーデンの保健省でさえ、この検査は目的に合わないと考えているようだ:
「ウイルスを検出する検査に使用されているPCR技術は、細胞に感染する能力のあるウイルスと、免疫システムによって中和されたウイルスを区別することができないため、これらの検査は、ある人が感染力を持っているかどうかを判断するために使用することはできない。ウイルスからのRNAは、多くの場合、病後数週間(時には数ヶ月)にわたって検出されるが、だからといってまだ別の人を感染させる力を保っていることにはならない。」
また、2020年12月に米国疾病管理予防センターがPCRについて述べていたことを思い返す必要がある。PCR検査に焦点を当てることが特に重要なのは、いろいろな規制や都市閉鎖(およびワクチン接種)の根拠としてはこのPCR検査しかないからだ;死亡者数が例年通りあるいはそれ以下であっても、「(COVID)症例」数は高かった。それでもいろいろな規制や「段階的都市閉鎖」がいろいろな国で課せられていた。例えば英国がそうだ。
CDC 2010-Novel Coronavirus (2019-nCoV) Real-Time RT-PCR Diagnostic Panelの報告書の39ページに以下の抜粋が掲載されている:
「たとえRNAウイルスが検出されたとしても、それで感染性ウイルスが存在することも、2019-nCoVが臨床症状の原因物質であることも示すことにはならないだろう。この検査は、他の細菌ないしウイルス性病原体による疾患を除外することはできないのだから。」
完全に健康な人が検査を受け、インフルエンザや風邪、その他のウイルスのごくわずかな断片が検出されることがある。そして、その人はCOVID「症例」として分類される。
しかし、それだけに止まらない。最近の論文「ニュルンベルク医師裁判と現代医学がFDA(米食品医薬品局)の実験的、未承認COVID-19 mRNAワクチンをパニック的に推進していることに」の中で、ゲイリー・G・コールズ(Gary G Kohls)博士とミシェル・チョスドフスキー(Michel Chossudovsky)教授は、次のように述べている。COVID-19ワクチンのいわゆる「緊急使用認可」(EUA)に関しては、今ではWHOが公式見解とし、WHOは2021年1月20日には確認もしていることだが、確認された陽性例の集計(RT-PCRテスト)に関わるデータベース全体(国連加盟193ヶ国が2020年2月上旬以降行っている)が無効なのだ。
この二人の筆者は、この欠陥のある方法論では、緊急事態の存在を確認することはできないと指摘している。したがって、EUA基準は無効であるだけでなく、違法ということになる。
さらに、現在、無症状感染というのが意味を持たない可能性を示す科学的証拠が十分にある。
テングラ(Tengra)によると、インドで報告されている症例数は、無症状が大半だそうだ。全インド医学研究所の所長もインド医学研究評議会議長も、いわゆる「第一波」に比べて、今回は無症状の患者が多いと言っている。
これらの「症例」がインドの症例数の大半を占めているため、データやウイルス検出に使用されているPCR検査を疑う必要がある。
テングラによると、インドにおけるCOVID-19の症例致死率は、昨年は3%を超えていたが、現在は1.5%以下に低下している。感染症の致死率はさらに低く、血清調査の結果では0.05%から0.1%となっている。
他の多くの国で起きているように、インドでも死亡証明書のガイドラインが制度化されているため、PCR検査の陽性反応や一般的な症状だけでCOVIDによる死亡とされてしまうことがあるとテングラは指摘する。そのため、COVIDで死亡した人と誤診された人を区別するのは難しくなる。
また、インドでは、結核などの呼吸器系の病気や、肺炎につながる気管支炎などの呼吸器系の感染症が主要な死因となっていることを念頭に置く必要がある。これらの疾患は大気汚染によって著しく悪化し、しばしば酸素を必要とするが、この時期のデリーなどでは大気汚染のために酸素が不足することがある。
そのため、現在メディアで取り上げられている悲惨な光景は、必ずしも致死的なコロナウイルスのせいということではなく、病院で亡くなる人の数が多いということかもしれない。
ワクチン
もし、今回パンデミックだと言っていることが、これまでに概括してきたように、(統計的に)砂上の楼閣であれば、ワクチン接種が必要だという大がかりなキャンペーンは疑うべきであり、そんなことをすれば却って現状を悪化させることになりかねない。
ウイルス学者であるゲルト・ヴァンデン・ボッシェ(Geert Vanden Bossche)博士は
、複数のワクチン企業でワクチンの研究開発に携わってきた。また、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やGAVI(Global Alliance for Vaccines and Immunization)での活動にも携わってきた。いかなる意味でも彼は「ワクチン反対派」ではない。
彼は、このワクチンが大量に導入されると、COVID-19に直接関連した死者数が非常に厄介なレベルにまで達する可能性がある理由について洞察している。死者数が減り、免疫が促進されるどころか、彼は「ワクチンが免疫回避の敷居を下げた」ことを予測している。
ヴァンデン・ボッシェは、パンデミックの最中に大量の感染予防やCovid-19ワクチンの大量接種を行っても、感染力の高い亜種が生まれるだけだと警告している。まさに憂慮すべきシナリオを彼は提示している。もちろん、すべての人が彼の分析に同意するわけではないが、懸念材料であることは間違いない。
また、現在接種されているワクチンの必要性、有効性、安全性についても問題がある。最近、「Doctors for COVID Ethics」というグループが、これらすべての分野で重大な疑念を呈している(その種々の懸念については、英国に本拠を置く「OffGuardian(ウェブ版)」に掲載されている)。
最後に、私たちが問いかけるべきことは2つある。
①COVID-19に関して、私たちは科学や証拠に基づく健康・社会政策を信頼できるのか?
また、
②政府やメディアがそうすべきだと示唆している通り、アンソニー・ファウチや製薬会社は一般の人々の利益を心底考えている、と単純に想定できるのか。
①に対して言うべきことはあまりない。②に対しては、特定の利害関係者がセンセーショナルで、不誠実な言説の波に乗ったり、その火に油を注ぐようなこと一貫して行っている(ことは事実だ)。
Colin Todhunter is a frequent contributor to Global Research and Asia-Pacific Research.
Covid Lockdown in India: Anthony

コリン・トッドハンター(Colin Todhunter)
Global Research
2021年5月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年6月10日
インドのCOVID関連の現状を踏まえて、COVIDに関する米国のトップアドバイザーであるアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)博士は、インドに厳しい都市閉鎖措置の実施と、ワクチンの大量接種を呼びかけている。
しかし、ファウチには、インドにとって何が良いのかを説く手がかりも権限もまったくない。
これは、ジャーナリストのラトナ・チャクラボルティ(Ratna Chakraborty)の見方だ。ウェブサイト「Empire Diaries」に寄稿した彼女は、米国は豊かな国であり、世界の基軸通貨紙幣を印刷、失業者にもしっかりとした財政保障があり、人口も分散しているのだと言っている。
インドはと言えば、財政的に逼迫しており、一歩誤れば大惨事という脆い経済状態にあり、失業者に対する金銭給付もなく、人口密度が高く、ほとんどの人は密集地に群居している。
最初からインド政府は無能だったことと、インド社会の貧困層に対するその冷淡さを考えると、新たな都市閉鎖は再び大惨事を招くとチャクラボルティは言う。また、インド政府は何一つ学習していないし、全国の医療体制を改善しようとする試みも全くない、とも彼女は言っている。
著名な学者であり活動家でもあるノーム・チョムスキーが、インドの最初の都市閉鎖について語った言葉を思い出すといいだろう。
「デモクラシー・ナウ!」のエイミー・グッドマン(Amy Goodman)のインタビュー(2020年5月)でチョムスキーが語ったこと:
「・・・これはもうジェノサイドです。モディ(インド首相)は全面的な都市閉鎖の5時間前に警告を出したと言うのでしょう。それが10億人以上の人々に影響を与えたのですよ。行き場がない人もいました。」
彼はさらに続ける:
「膨大な数の非正規経済で生活する人々は、ただ追い出されるだけです。千マイル離れているような自分の村まで歩いて行け、道端で死ね、とでも言うのですか。これは、巨大惨事の始まりです・・・」
インドで初めて都市閉鎖措置が講じられた時、農村問題のコメンテーターP・セイナス(Sainath)が描いたのはその衝撃のすさまじさだった。とくに出稼ぎ労働者の絶望的な窮状、食料を購入するための現金の不足、そして農家が収穫作業を完了できなかったためにいずれ押し寄せる食料不足などだ。
また、セイナスは、国立健康システム健康センター(National Health Systems Resources Centre)の元常任理事であるスンダララーマン(Sundaraman)博士の意見を報告した。彼は、以下の必要性を語っていた:
「(出稼ぎの人たちが)自分の村に帰ることになる問題の特定と、(そのことが招く彼らの)暮らしの喪失の実態把握、この2つのことは何としてでもやっておかなければなりません。それをしないと、インドの貧困層の大半を昔から苦しめてきた病による死亡者数が、コロナウイルスがもたらす死亡者数を上回る可能性を出してしまうことになる。」
インドで行われた最初の都市閉鎖で破壊的な影響があったし、また、都市閉鎖で何を達成しようとしているかの観点から見るとその効果には疑問が残ることは事実だ。しかしこの2点は別にしても、また都市閉鎖をすれば何億人もの人々を貧困と飢餓に追いやることになるだろう。それは、最初の都市閉鎖によって引き起こされた貧困に単に拍車をかけ、加速させるだけになるだろう。
アジム・プレムジ大学(APU)のCentre for Sustainable Employment(持続可能な雇用センター)が作成した新しいレポートによると、2020年後半になっても、雇用と所得がパンデミック前の水準に回復していないことが明らかになった。
報告書「2021年インド労働者の現状-Covid-19発生後の1年」では、正規労働者の約半数が非正規労働者となり、2億3,000万人が国の最低賃金の貧困ラインを下回っていることが浮かび上がっている。
COVIDが蔓延する以前から、インドは1991年以降、最長の経済減速を経験している。雇用創出力が弱く、開発が不均一で、非正規経済が大部分を占めていたからだ。「政治経済研究部門(The Research Unit for Political Economy)」が最近発表した記事では、経済の構造的な弱点と、多くの一般人の絶望的な状況が浮き彫りになっている。
READ MORE:India, COVID and the Need for Scientific Integrity Not Sensationalism
この調査で、すべてのタイプの労働者の月収が減少していることも分かった:
①臨時労働者では13%減、
②自営業者では18%減、
③期限付き労働者では17%減、
④正規給与者では5%減、
⑤全体では17%減、
となっている。
最貧困層25%の世帯は、所得中央値の3.8倍の借金をしているのに対し、上位25%の世帯は1.4倍の借金だった。この調査は、借金地獄がどういうものなのかに注意を向けている。
6ヶ月後、同様にはっきりしたのは、抵抗力の弱い世帯の20%の食料摂取が未だ都市閉鎖以前のレベルに止まっていることだ。
COVIDが及ぼしている影響
このような影響を考えると、ワクチンを広めることに明らかな利害関係を持つ著名人の話を聞く前に(British Medical Journalの社説「Covid-19, Politicisation, Corruption, and Suppression of Science」を参照)、インドにおける現在のCOVID関連の状況がどんな風になっているのかは是が非でも把握しておく必要がある。人々の表面的な気持ちを煽るだけの言い方は厳に慎むべきだ。
ムンバイ在住の政治アナリストで医療専門家のヨハン・テングラ(Yohan Tengra)によると、真の感染率の数は、ウイルス培養検査あるいは24サイクル以下で行うPCR検査で陽性と判定された症状のある人を検査しなければわからないとのこと。
PCR検査は、世界中でCOVID症例を判定する絶対的基準として使用されてきた。しかし、その精度の低さ、不適切さ、40を超えるサイクル数の使用(陽性者数が膨らむ)、そして「偽陽性」を生み出すことについて、厳しい批判を受けている。
スウェーデンの保健省でさえ、この検査は目的に合わないと考えているようだ:
「ウイルスを検出する検査に使用されているPCR技術は、細胞に感染する能力のあるウイルスと、免疫システムによって中和されたウイルスを区別することができないため、これらの検査は、ある人が感染力を持っているかどうかを判断するために使用することはできない。ウイルスからのRNAは、多くの場合、病後数週間(時には数ヶ月)にわたって検出されるが、だからといってまだ別の人を感染させる力を保っていることにはならない。」
また、2020年12月に米国疾病管理予防センターがPCRについて述べていたことを思い返す必要がある。PCR検査に焦点を当てることが特に重要なのは、いろいろな規制や都市閉鎖(およびワクチン接種)の根拠としてはこのPCR検査しかないからだ;死亡者数が例年通りあるいはそれ以下であっても、「(COVID)症例」数は高かった。それでもいろいろな規制や「段階的都市閉鎖」がいろいろな国で課せられていた。例えば英国がそうだ。
CDC 2010-Novel Coronavirus (2019-nCoV) Real-Time RT-PCR Diagnostic Panelの報告書の39ページに以下の抜粋が掲載されている:
「たとえRNAウイルスが検出されたとしても、それで感染性ウイルスが存在することも、2019-nCoVが臨床症状の原因物質であることも示すことにはならないだろう。この検査は、他の細菌ないしウイルス性病原体による疾患を除外することはできないのだから。」
完全に健康な人が検査を受け、インフルエンザや風邪、その他のウイルスのごくわずかな断片が検出されることがある。そして、その人はCOVID「症例」として分類される。
しかし、それだけに止まらない。最近の論文「ニュルンベルク医師裁判と現代医学がFDA(米食品医薬品局)の実験的、未承認COVID-19 mRNAワクチンをパニック的に推進していることに」の中で、ゲイリー・G・コールズ(Gary G Kohls)博士とミシェル・チョスドフスキー(Michel Chossudovsky)教授は、次のように述べている。COVID-19ワクチンのいわゆる「緊急使用認可」(EUA)に関しては、今ではWHOが公式見解とし、WHOは2021年1月20日には確認もしていることだが、確認された陽性例の集計(RT-PCRテスト)に関わるデータベース全体(国連加盟193ヶ国が2020年2月上旬以降行っている)が無効なのだ。
この二人の筆者は、この欠陥のある方法論では、緊急事態の存在を確認することはできないと指摘している。したがって、EUA基準は無効であるだけでなく、違法ということになる。
さらに、現在、無症状感染というのが意味を持たない可能性を示す科学的証拠が十分にある。
テングラ(Tengra)によると、インドで報告されている症例数は、無症状が大半だそうだ。全インド医学研究所の所長もインド医学研究評議会議長も、いわゆる「第一波」に比べて、今回は無症状の患者が多いと言っている。
これらの「症例」がインドの症例数の大半を占めているため、データやウイルス検出に使用されているPCR検査を疑う必要がある。
テングラによると、インドにおけるCOVID-19の症例致死率は、昨年は3%を超えていたが、現在は1.5%以下に低下している。感染症の致死率はさらに低く、血清調査の結果では0.05%から0.1%となっている。
他の多くの国で起きているように、インドでも死亡証明書のガイドラインが制度化されているため、PCR検査の陽性反応や一般的な症状だけでCOVIDによる死亡とされてしまうことがあるとテングラは指摘する。そのため、COVIDで死亡した人と誤診された人を区別するのは難しくなる。
また、インドでは、結核などの呼吸器系の病気や、肺炎につながる気管支炎などの呼吸器系の感染症が主要な死因となっていることを念頭に置く必要がある。これらの疾患は大気汚染によって著しく悪化し、しばしば酸素を必要とするが、この時期のデリーなどでは大気汚染のために酸素が不足することがある。
そのため、現在メディアで取り上げられている悲惨な光景は、必ずしも致死的なコロナウイルスのせいということではなく、病院で亡くなる人の数が多いということかもしれない。
ワクチン
もし、今回パンデミックだと言っていることが、これまでに概括してきたように、(統計的に)砂上の楼閣であれば、ワクチン接種が必要だという大がかりなキャンペーンは疑うべきであり、そんなことをすれば却って現状を悪化させることになりかねない。
ウイルス学者であるゲルト・ヴァンデン・ボッシェ(Geert Vanden Bossche)博士は
、複数のワクチン企業でワクチンの研究開発に携わってきた。また、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やGAVI(Global Alliance for Vaccines and Immunization)での活動にも携わってきた。いかなる意味でも彼は「ワクチン反対派」ではない。
彼は、このワクチンが大量に導入されると、COVID-19に直接関連した死者数が非常に厄介なレベルにまで達する可能性がある理由について洞察している。死者数が減り、免疫が促進されるどころか、彼は「ワクチンが免疫回避の敷居を下げた」ことを予測している。
ヴァンデン・ボッシェは、パンデミックの最中に大量の感染予防やCovid-19ワクチンの大量接種を行っても、感染力の高い亜種が生まれるだけだと警告している。まさに憂慮すべきシナリオを彼は提示している。もちろん、すべての人が彼の分析に同意するわけではないが、懸念材料であることは間違いない。
また、現在接種されているワクチンの必要性、有効性、安全性についても問題がある。最近、「Doctors for COVID Ethics」というグループが、これらすべての分野で重大な疑念を呈している(その種々の懸念については、英国に本拠を置く「OffGuardian(ウェブ版)」に掲載されている)。
最後に、私たちが問いかけるべきことは2つある。
①COVID-19に関して、私たちは科学や証拠に基づく健康・社会政策を信頼できるのか?
また、
②政府やメディアがそうすべきだと示唆している通り、アンソニー・ファウチや製薬会社は一般の人々の利益を心底考えている、と単純に想定できるのか。
①に対して言うべきことはあまりない。②に対しては、特定の利害関係者がセンセーショナルで、不誠実な言説の波に乗ったり、その火に油を注ぐようなこと一貫して行っている(ことは事実だ)。
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