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Covid-19には、ADE 抗体依存性感染増強(ワクチンを打つことによる再感染時の重症化のリスクの高まり)は本当にないのだろうか?

<記事原文 寺島先生推薦>

Vaccine Transparency: Why Antibody-Dependent Enhancement (ADE) Might be a Ticking Time Bomb

Too Few Irons in the Fire or Out of the Frying Pan?


ロブ・バーカーク博士(Dr. Rob Verkerk)著

グローバル・リサーチ 2021年2月14日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年4月30日

 カナダのブロック大学健康科学学部のアダム・ニックネイル客員教授は、同教授の博士課程の学生であるジェレミア・コイッシュ氏とともに、誰よりも先んじて、既に昨年6月に、ある警告を発していた。 その警告とは、ワクチン接種により、コビドの抗体依存性感染増強(ADE:ワクチンを打つことによる再感染時の重症化のリスクの高まり)が引き起こされないかを慎重に吟味しておかなければ、大きな危険が生じる可能性があるという警告だった。具体的に言えば、ワクチンを打てば軽症で済むはずなのに、ワクチン接種した人が、その後本物のウイルスに感染した際に 、ワクチンを接種していない人よりも重症になる可能性が逆に高くなるという可能性だ。

 この論文には、非常に的を得たタイトルが付けられている。そのタイトルは、「フライパンで温めたものをまた火の中に焚べようというのか?Covid-19におけるADEについてのデュー・デリジェンス(投資前に投資先の企業について行う精査のこと)」。この論文は2020年6月に、「Microbes and Infection(微生物と感染)」誌に掲載されたものである。この論文の主張は、ADEが起こる危険性は、デング熱の際と同様に、コロナウイルスを媒介とする感染症においては普通に起こる現象であるということだ。ADEについてよくご存知ない方々のために説明すると、ADEというのは体内の免疫反応のことで、一度その病気に感染した経験のある人や、その病気のワクチンを接種した人が、後にその病気に感染した際に、初めて感染した人と比べて軽い症状になるはずなのに、逆に重い症状が出てしまう状態のことを指すことばだ。

慎重にことを進めるべきだ

 ニックネイル教授らのこの主張に対する反論と思われる論文が2020年8月に出されている。この論文は、ウイルス疫学者であるリー・カツェルニク 博士によるものだ。彼女はデング熱とジカ熱の専門家で、現在トニー・ファウチ博士が所長を務めている米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)に籍を置いている。 共著者であるスコット・ハルステッド氏と共に、カツェルニク博士はADEを恐れる必要はない、と主張している。カツェルニク博士とハルステッド氏は両氏とも、Covid-19を引き起こすとされている SARS-CoV-2ウイルスと、ADEが見られる他の病気との間には決定的な違いがあると述べている。すなわち、SARS-CoV-2ウイルスにおいて、ADEが起こる可能性はかなり低いというのだ。両氏がその説の証拠として提示している例は、ADEの症状が見られる典型例であり、ADEが元来存在する病気だった。その病気とは有名な猫感染症腹膜炎(FIP:ネコ間で感染されるコロナウイルス)や、RSウイルスや、デング熱や、SARSを取り上げている。 これらの病気と、Covid-19とSARS-CoV-2の感染とを比べた場合、病理学面や、疫学面や、免疫反応において、大きな違いがあることを主張している。

 ハルステッド氏とカツェルニク博士の論文を注意深く読めば気づくことがある。それは、両氏はADEの危険性を軽視しているのに、ワクチンに対する過剰反応(VAH)が起こる危険性反応についてはハッキリと記載している点だ。このVAHとは、過剰免疫反応と深い関係がある反応であり、1960年代の後半に初めて確認された。それは、子どもにはしかのワクチン接種を行った際に、異形麻しんが出たことによってわかった反応だ。
 両氏の論文を引用してCovid-19におけるADEの危険性を軽視する人たちの多くは、この論文の題名と、要旨しか読んでいないと思われる。 このような人たちが読み落としているのは、カツェルニク博士とハルステッド氏 が軽視しているのは、元来存在するADEやiADE(ワクチンを打っていない人が当該の病気に再度感染した場合の反応のこと)のことだけであるという事実だ。さらにこのような人たちは、 この論文の最後の文章にある両氏からの冷静な助言にも目を通していないのだろう。そこにはこうある。「Covid-19に関わる問題が様々な分野に影響を与えている中で、効果的なワクチンが必要とされている現状ではあるが、VAHの要因を明らかにするため、世界規模での徹底した調査が行われるべきである」と。

 この助言に従うには、具体的にどんな方法で調査すべきなのかについての言及は多くはない。ただ、何千もの被験者が第三相のワクチン試用を受けたが、プラセボグループと比較して、実際にワクチンを打たれたグループの中に、重症の反応を見せた被験者はなかったということだけが触れられている。

(訳注 ワクチンの治験は3段階で行われる。その際プラセドグループと呼ばれるグループを使った治験も行われる。詳しくはこちら
 ハーバート・バージン氏と、アン・アービン氏は、世界で最も影響力のある科学誌の一つである「ネイチャー」誌に記事を書いた。その記事は、上述のカツェルニク博士とハルステッド氏による記事が出る前の7月に書かれたものだが、その記事の内容とは相容れない内容だった。両記者が主張していたのは、ADE(VAHも)が発生したかどうかや、ADEの発生頻度を特定するのは非常に困難だという事だった。「この先非常に重要となることは、Covid-19の流行が進行する中で、人体における安全面を慎重に吟味した分析に基づいてワクチン接種を進めていくことだ」と両記者は記述していた。

ワクチンの危険性に透明性をもたせることが肝要

 ADEやVAHがいつ、どのように発生するかわからないのであれば、ワクチン接種後の調査結果が完全に明らかにされる必要がある。そうすることで、再感染したり、ワクチン接種後に感染して重症化した際には、その重症化の原因が、以前感染したことや、以前ワクチン接種をしたことと関係があると考えることができるからだ。

 完全な調査結果を得るためには時間も必要となる。そのためには、これまでワクチン接種の試用の際に考えられてきた時間よりもずっと長期間の観察が必要となる。

 現時点で、米国のVAERS(ワクチン有害事象報告システム)や、英国のMHRA(医薬品・医療製品規制庁)が出しているデータを見ても、ADEやVAHがどうなっているかに迫ることは全くできない。しかし実際のところは、「再感染」が起こるケースはもっと頻繁にあるはずなので、ワクチンを進めるか、やめるかを決めるのは、まだまだ早すぎるのだ。ADEやVAHの問題が起こっているのかを正しく見極めことはできるのだろうか?それとも、関係当局がこの問題に蓋をし続けるために、ワクチン接種後、ある程度時間が経ったあとで何らかの症状が出たとしても、被験者と連絡を取らないようにすることなどできるのだろうか?


 ニューヨーク大学のティモシー・カードーゾー博士と、テュレーン大学のロナルド・ビージー博士はこの問題をさらに掘り下げる論文を「国際臨床実験(the International Journal of Clinical Practice)」誌の10月号で発表している。10月と言えば、Covidワクチン臨床試験の第三相が完全な規模で実施されていた時だ。この論文の主張は、ワクチンによって引き起こされるADE(すなわちVAHのこと)の危険性は、理論上だけで済むものではないということだった。さらに、このウイルスが突然変異を遂げるにつれ、この危険性はより大きなものになることを警告していた。

 この論文では、SARS-CoV-2に関して以下のような記述がある。すなわち、「ほんの少しの変化、例えば、ウイルスが宿主細胞に融合する前後で、ウイルスのスパイクタンパク質(ウイルス表面の尖った部分)の形状(形態)が変化しただけでも、細胞内でスパイクタンパク質と結合するACE受容体を通して、ワクチン被接種者に影響を与える可能性がある」と。最初の感染者が出てから数ヶ月がたった今、いくつかの変異種においては、もとの武漢発祥のウイルスに対応できる免疫系を掻い潜ることのできるものがあることも分かってきており、この件についての懸念の方が大きい。このウイルスの変異種に関する危険性についても、ワクチン臨床試験の第三相の結果においては、重要視されていないのだ。

 カードーゾーとビージーの両博士はさらに、我々がずっと気にかけてきた点についても指摘している。それは、臨床試験の被験者に関することだ。そして、コビドワクチン接種を並んで待っている一般市民たちについても言うまでもなく同じことなのだ。具体的には、 これらの被験者たちが、このADEやVAHなどの危険性についての情報を聞かされていないという問題だ。さらに、ADEやVAHの症状が、ワクチン接種の後から来るということについても、知らされていないのだ。こんな状況で、 ワクチンの被接種者が、ワクチンを打ってから何ヶ月もしてから、病気になった場合はどうなるのか。 その被験者が、呼吸器系の疾病(コビドも含めて)に関わる特定の症状に苦しんだ際はどうなるのか?具体的に言えば、熱や、寒気や、咳や、息切れや、頭痛や、倦怠感などの症状だ。被験者たちは、このような症状が、何ヶ月も前に打ったワクチンにより引き起こされ重症化したコビドの症状によるものかもしれないということに気づけるだろうか?ワクチンを打っておれば、コビドにかからずに済むと思っているのに、そんなことが起こるなんて考えもしないのではないか?

 その後、カードーゾー博士と、ビージー博士は、ワクチンの臨床試験において、被験者が受けているインフォームド・コンセントが、標準とされる医療倫理からどれほどかけ離れたものかについて触れている。ADEのことも言及されてはいるが、大体は起こりうる危険性一覧の最後に記されており、一般市民が気づいたり、感知したりするには不十分であり、皆がきちんと理解できる項目にはなっていない。

 その時限爆弾は箱の中に隠されており、行政当局やワクチン製造会社がADEやVAHの危険性という障壁をうまくかいくぐることに成功したと考えている中で、この問題が深く懸念され、議論の的になることはない。世界中での大規模なワクチン接種が始まろうとしており、ワクチンを打つ行列に並んでいる人々は、この危険性について考えることもない。それは、誰もそれを伝えようとしていないからだ。

ADEが時限爆弾になる可能性はないのか?

 インフォームド・コンセントの中に明らかにされていない項目があることは、医学倫理から外れているだけではなく、法律違反にはならないのだろうか?我々は、このことが法律違反になることは十分考えられると思っている。もしこの先、証拠がきちんと提示された場合、この問題は法廷が何らかの対応を迫られる問題となるであろう。

 現時点では、ADEやVAHの重大な症状が出たという結果は出ていない。しかし、今の時点で判断するのは早すぎるし、症状が検出できていない場合も多いと考えられる。

 「長期にわたって続くCovid」の症例が散見されているが、それはADEが起こっているからだという可能性はないだろうか?この可能性について、我々はずっと考えている。Covidの症状が長期にわたっている患者に、鼻から採取した液による検査を行ったとしても、陽性という結果は出ないであろう。しかし、長期間にわたり体全体が感染されている場合、粘膜を調べてもウイルスの影響を受けているという証拠が見つからない可能性がある。そのような場合でも、感染が体内のある器官内で発生して、病状が悪化するケースも考えられる。であるので、このような長期間にわたる感染については、軽視すべきではないのだ。

 SARS-CoV-2の変異種が増えればこの問題も増えるのだろうか?その通りだ。そのことについては既に述べた。

今できることは?

 1.ワクチンを接種することを決心した人は、ADEやVAHの危険性があることを自覚しておくべきだし、ワクチンを打った後かなり時間が過ぎてから感染した際に、ワクチンを打っていなかった人よりも重症化するケースもあることも頭に入れておくべきだ。

 2.ワクチンを打とうと考えていたり、ワクチンを打つ計画をしている知人がいらっしゃるのであれば、この危険のことを知らせてあげて欲しい。そして、拙論「インフォームド・コンセント。この基本的な権利が本当に大切にされているのだろうか?」を読んで欲しい。

 3.この記事の拡散もしていただきたい。
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