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サウジアラビアがイエメンで遂行する汚れた戦争と西欧の共謀

'As crimes pile up, they become invisible': Western complicity in Saudi Arabia's dirty war in Yemen

RT 2018年6月16日

<記事原文>https://www.rt.com/op-ed/429962-saudi-arabia-yemen-west/
(翻訳:大手山茂、新見明 2018年8月4日)


ジョン・ワイトは様々な新聞やウェブサイトに寄稿している。インディペンダント、モーニング・スター、ハフィントン・ポスト、カウンターパンチ、ロンドン・プログレスィブ・ジャーナル、フォーリン・ポリシー・ジャーナルなど。


サウジ主導のイエメン空爆で破壊された家を見つめるイエメン女性たち。2018年6月6日イエメン© Hani Al-Ansi / Global Look Press •

西側諸国が共犯となってイエメンに山のような苦難の数々をもたらしている。その姿はサウジアラビアの残虐の実行代理人であることを満天下に曝している。

3年間の過酷な紛争の連続で人口2,740万人のうち2,220万人が人道的支援を必要としている。1,700万人が食料不安、1,480万人が基礎的な医療が受けられていない、450万人の子どもたちが栄養失調で苦しんでいる。また290万人の人が国内での居場所をなくしている。死者は約1万人、負傷者は約5万人に上っている。

紛争の結果、イエメンは同時に「確認されたケースとしては現代における最大のコレラ感染」に直面している。このコレラ感染はサウジアラビアがイエメン西部にあるコレラ治療センターを爆撃したことによる他考えられない。フランスのNGO「国境なき医師団」がこの施設での作業を引き上げたからだ。

だが、この途方もないスケールの人的災害にもかかわらず、サウジアラビアに率いられたスンニ派連合の戦争はただ継続しているだけではない。攻撃が強化され、空、陸、海からの大規模な攻勢がとどまることなくフーシ派が支配する紅海の港湾都市ホデイダを襲っている。このホデイダ市は食料、医薬品、そして他の欠くことのできない人道的支援を周囲から遮断されたイエメンに搬入する残された最後の拠点のひとつなのだ。
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サウジ主導の連合軍が、イエメンで国境なき医師団の新たに建設された施設を爆撃する。

アムネスティ・インターナショナルによれば、
    「ホデイダ港は基礎的な必要品の80%を輸入に頼っている国にとっては命綱だ。この命綱的な供給を断ち切ることはすでに世界最悪の人道的危機状態になっているイエメンをさらに劣悪な状況に追い込むことになるだろう」 かくして「ホデイダ港への攻撃は何十万という市民へ壊滅的打撃を持つ可能性がある。それはホデイダ市にとどまらず、イエメン全土に及ぶものだ。」

アラビア半島の南端に位置するイエメンは中東の最貧国で、1人当たりGDPは紛争前でもたった1,400ドルしかなかった。

アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領がイエメンの国際的に承認された政府の元首となっている。 しかしながら、合法的な指導者にはよくあることだが、ハーディーは現在亡命生活を送っている。
ハーディ大統領は、前任者アリー・アブドッラー・サーレハの後を受け、2011年の大統領選で単独候補して大統領に選出された。サーレハは「アラブの春」のとどまることを知らない抗議運動の高まりの前に自ら権力を放棄したのだった。サーレハは1978年から北イエメンの指導者だったが、その後1990年に南北イエメンが統一されるとイエメン共和国大統領職に就いた。

前大統領サーレハの統治は汚職や国有資産の不正運用疑惑にまみれていた。彼自身は少数派のフーシ派と連携したが、このフーシ派こそ前述した「アラブの春」の抗議運動の中で彼を追放する役割を演じた。その後2015年にハーディ政権へのフーシ派の反乱が始まった。

フーシ派反乱の理由は、ハーディが大統領職に就くにあたって少数のシーア派が自治権を拡大することを容認しなかったからだった。サーレハがフーシ派に殺されたのは2017年末で、サーレハが反乱軍との関係を絶ち、イエメンの将来についてサウジアラビアと対話することの意欲を言明した後だった。
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何十万にが死の危機に。人道援助グループがサウジ連合軍に、イエメン市民を救うように懇請する
我々がイエメンで抱えている問題は、ご覧の通り、アラブの基準で言っても容易ならざる危機だ。

イエメンは長い間、サウジアラビアによる抑圧的なアラビア半島支配に痛めつけられてきた。この支配は、リヤドの原理主義的なワッハーブ派イデオロギーを奉じており、フーシ派反乱を焚きつけている面もある。ハーディ大統領は、サウジアラビアの操り人形だからだ。

フーシ派反乱はイエメン国民の大っぴらで広範な支持は受けていないにしても、それなりの共感を得ているという話もある。それはイエメンの首都サナアやホデイダのような港湾都市を含め他の都市中心部をうまく支配できていることから推し量れる。

もっと視野を広げると、この紛争は現在も進行中であるイランとサウジアラビア間の地域代理戦争の一部とも考えられる。2015年のフーシ派反乱の発端からリヤドの主張はこうだ、「フーシ派はイランの代理人であり、そのことで自分達の行動の正当性を得ているのだ」と。 しかし、2015年ベテランの中東特派員パトリック・コクバーンの記事によると、このリヤドの主張は「広く見ればプロパガンダないし誇張」ということになる。

3年後の現在2018年、イラン軍の関与は確実だ。フーシ派に武器を提供し、複数の情報によると軍事顧問も派遣している。かくしてサウジアラビアが2015年イランの関与があると虚偽の主張をしてイエメンへ武力介入したことが逆にその虚偽の主張を現実化させてしまったことになる。

西側諸国が共犯となってイエメン国民を大量虐殺し、苦しみを押しつけている話に戻ると、これほどあからさまで民主主義の仮面を装った偽善の例は過去に例がない。実際、アメリカ、イギリス、サウジアラビアが長く同盟関係を結んでいるということは、人権と民主主義の守護者を自認するアメリカ、イギリス両政府が嫌というほど繰り返す自慢話にもメスが入ることになる。
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US senators urge Pentagon to fully disclose its role in Saudi-led war in Yemen
オバマ政権に始まり、トランプ政権下で強化されたこの野蛮な紛争へのアメリカの関与は、①アメリカ軍による空襲(アメリカ政府によれば、標的はアルカイダとイスラム国)、②兵糧、情報など戦闘に関係しない支援が反フーシ派とサウジアラビア主導の連合軍に提供されたこと、などだ。もちろんサウジアラビアへアメリカの武器が販売されていることも忘れているわけではない。それはアメリカ武器輸出の50%以上を占めている。

この間、ペンタゴンの正式発表(2017)によればアメリカの地上軍はイエメンにも駐留し、再度その正当性の根拠を対アルカイダと対イスラム国(IS、旧ISIS)作戦従事に置いている。

イエメンにおけるサウジアラビアの戦争遂行努力を支えるイギリス政府の役割について、イギリスの武器販売はリヤド政府が周辺地域へ強大な力を示せるかどうかの鍵となっている。 その金額は2015年以降だけで46億ポンド(=60億米ドル)に上る。アメリカの場合と同様サウジアラビアはイギリス武器販売の最大市場であり、長年その状態が続いている。

2017年運動家達はイギリス政府を相手取ってイギリスが武器をサウジアラビアに売却するのは違法だとの訴訟を起こした。売却した武器の一部がイエメン市民を殺傷するために使用されているというのが主張だ。2017年、紛争におけるイギリスの役割が武器販売に限定されないことが明らかになった。デイリー・メ-ル紙に掲載された話は、「クロスウェイ作戦」というこれまで秘密にされてきた軍事作戦の詳細を語っている。その作戦では、50人のイギリス軍事顧問が紛争に派遣予定のサウジ軍を訓練していることも書かれている。

この驚くべき事実の発覚に応えてイギリス保守党議員であり前国際開発大臣だったアンドリュー・ミッチェルが激しく非難し、それはイエメンの人々の苦難にイギリスが「恥ずべき加担」をしている証拠だと語った。この苦難の規模を考えるなら、まっとうな考えをもった人ならだれも、ミッチェルの意見に同意すると思われる。

イエメンにおける戦争は汚れた戦争だ。それは西側諸国に支えられ、聖職者独裁を標榜はしているがその実サウジアラビアの泥棒政権によって遂行されている。劇作家ベルトルト・ブレヒトの語ったことは正しい。「犯罪は積み重なると見えなくなる。」
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