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NGOの役割は新植民地主義を広めることだ



<記事原文 寺島先生推薦>

Role of NGOs in Promoting Neo-Colonialism



サイエド・エティサーム(Syed Ehtisham)著

グローバル・リサーチ 2021年2月16日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年3月19日



 文字通り、NGOは何千もある。よく知られているのは、オックスファム、グリーンピース、アムネスティ・インターナショナルだ。

 NGO設立は基本的には最近のことだ。ただ「YMCA世界同盟」は1855年に設立され、「赤十字国際委員会」は、1863年に発足した。(1)

 ある推定によれば、資格のある国際NGOは今、4万程度あるそうだ。 (多くの国々には関連した取り組みや支所がある) – 1世紀前には400以下しかなかったのだが。(2)

 政治学者はしばしばNGOのことを「圧力団体」や「ロビー団体」と呼んでいる 。国際関係分野においては、学者たちはNGOのことを「非国家主体(Non-state Actor)」 」(この名称は多国籍企業にも使用されているものだ)と呼んでいる。近年NGOは、新しい環境協定の促進に成功し、女性の権利の強化に大いに貢献し、重要な軍縮協定や軍縮措置を勝ち取ってきた。環境問題に関するNGOの活動のおかげで、1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択された。

 複数のNGOの共同による「地雷禁止国際キャンペーン」は、1997年の「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」締結の原動力となった。「国際刑事裁判所設立にむけたNGO連合」は1998年の「国際刑事裁判所ローマ規程」採択など、NGOが各国政府に圧力をかけ、秘密条約であった「投資に関する多国間協定」を1998年に取りやめさせる際に、欠くことのできない重要な役割を果たした。

 1990年代の後半には、「国連安全保障理事会に関するNGO審議会」が、国連で最も強力な組織である安全保障理事会と対話できる組織として立ち上げられた。一方、「ジュブリー2000キャンペーン」は貧しい国々の負債についての考え方や政策を変えた。同時に、ますます影響力を高めている世界規模でのNGOのキャンペーンは、「世界貿易機関」や「国際通貨基金」や「世界銀行」による経済政策をもっと公正なものにするよう要求してきた。(3)

 しかし一方で、各国政府はNGOに資金提供し、自国の利益を増やすようNGOを利用している。そのやり方はしばしば違法であり、ある国に動乱を呼び起こす原因を作ったり、正当な政府を転覆させたりすることもある。 (詳しくは後述する)。

 NGOは構造的には、非民主主義であり、説明責任がない組織だ。NGOの役員は選挙で選ばれているわけではない。書類上は、役員たちは正当な手続きを経て、取締役などの役職に就いているようだが、実のところその役員たちはウォール街の企業や、銀行や、国際金融機関の重役たちだ。

資金について

 1990年代に、国連難民高等弁務官事務所が警戒感を示したのは、各国政府が人道支援のための資金を多国間の組織ではなく、自国のNGOにどんどん投入しているという事実だった。(4)

 NGOは、私企業と変わらず、商品やサービスを売っている。 「アメリカ退職者協会 (以降(AARP) 」 が、その傾向の極端な例だ。1996年に同協会は、補完的医療保険で総収入38億ドル、9件の投資信託で137億ドルの資産を得ている。(5)

外交面での役割

 NGOが国連に声が届けられるという権利は、国連憲章の第71条で規定されており、後に続いた他の決定でも補完されている。2000年までには、国連の諮問機関としての資格を得ているNGOが約2500ある。(5)

 1992年のリオの「地球サミット」には、1400の NGOが直接参加していた。1995年の9月に北京で行われた世界女性会議には2600のNGOが政府間交渉に参加していた。(6)

 マレーシアに拠点

を置く「第三世界ネットワーク(Third World Network)」は、幅広い政策課題に取り組むNGOのいい例だろう。フィリピンに拠点を置く「借金からの自由連合(Freedom from Debt Coalition )」やドイツのNGOである「環境と開発におけるネットワーク(Network on Environment and Development,)」や、「アジア地域交流における新たな取り組み(the Asian Regional Exchange for New Initiatives、ARENA)」や、「アメリカ原住民の女性のための大陸間ネットワーク(the Continental Network of Indigenous Women of the Americas)や、「アフリカの負債と開発のネットワーク(AFRODAD, the African Debt and Development Network)」などだ。

 インドでは、「消費と信頼の会(the Consumer and Trust Society)」と「環境と科学センター(the Center for Science and Environment)」という二つのNGOが最も名が知れている。(7)

 オサマ・ビン・ラディンの殺害が国際法規上正当であるかどうかの疑問があるNGOから挙げられていたこともあったが、それは重要なことではない。それよりも、ラディンの居場所を見つける際には、あるNGOの協力があったという事実を見るべきだ。(8)

この段落の詳しい内容についてはhttps://www.hrw.org/news/2011/05/04/killing-osama-bin-ladenhttps://www.tapatalk.com/groups/theerant/sofrep-osama-bin-laden-s-real-mystery-hunters-t64764.html

を参照


アラブの春やそれ以外のカラー革命

 2012年12月に、エジプトの検事や警察がいくつかの団体の事務所を強制捜索した。それらの団体は「民主主義擁護派」と自称していたNGOだった。その中の4つのNGOは米国政府の息のかかった組織だった。43人いた関係者(うち16人が米国市民)が告訴されたが、その理由は彼らが政府に登録されていなかったことだけではなく、「4月6日運動(訳注:エジプトのアラブの春運動で主要な役割を担った団体)」に違法な資金援助を行っていたからだった。

 米国はカイロに代表団として高官を派遣し、米国市民を裁判にかけるのであれば、エジプト政府に対して行っていた軍に対する13億ドルの補助金と、経済援助として与えていた2億5千万ドルの補助金を削減すると脅した。その米国市民の中に、オバマ政権の運輸長官をしていたサム・ラフードの息子がいた。エジプト政府は、サムを含めて7名に出国禁止措置を科していた。その7名以外はすべて、事件の初日にエジプトを出国した。その人たちは裁判所に出頭させられることさえなかった。

 彼らに対する出国禁止措置もすぐに解除され、米国軍機が彼らを本国に連れ帰った。出国禁止措置が解除された翌日、1機の軍機が残った7名の米国市民を連れ帰った。米国政府はエジプトの裁判所に保釈金として500万ドルの賄賂を送った。(8)

 国際機関は米国や、米国の代理機関を非難するのではなく、エジプト軍が外国の干渉に対して被害妄想をもっていることを非難した。そしてその軍の動きは、政治体制や民主主義体制を再建することが遅れていることから目をそらさせるためだと断じた。そして西側のニュースメディアは沈黙を保っていた。(9)

 43人の容疑者は米国に拠点を置く以下の組織で活動していた。

①フリーダム・ハウス(Freedom House)
②全米民主国際研究所(the National Democratic Institute ,NDI)
③共和党国際研究所(the International Republican Institute,IRI)
④国際ジャーナリズムセンター(the International Center for Journalists,ICFJ)
⑤コンラート・アデナウアー財団(the Konrad Adenauer Stiftung)

 このうち活動資金の大部分について、政府からの直接または間接的な支援を受けていない団体はICFJだけだ。(10)

 マデレーン・オルブライト元民主党米国内務大臣は、NDIの議長をつとめている。そしてIRIの議長は、元共和党大統領候補のジョン・マケイン上院議員だ。

 NDIや、IRIや、国際民間企業センター(the Center for International Private Enterprise)は米国商工会議所や、アメリカ労働総同盟・産業別組合会議連帯センター(the Solidarity Center of the AFL-CIO)の代理機関でありこれら4団体が全米民主主義基金(NED)の中核を占める組織だ。

 NEDは米国政府から年間予算の90%を受け取っている。「フリーダム・ハウス」はNEDから定期的に資金を受け取っている。「コンラート・アデナウアー財団」は、「ドイツキリスト教民主同盟」と関係があり、ドイツ政府から資金の90%を受け取っている。(11)

 つまり5団体のどのひとつもNGOとは呼べない組織だということだ。

 「フリーダム・ハウス」は、自由市場や米国の外交政策に利する行動をすることを好むようだ。2011年にこんな声明を出している。「ベネズエラ国民はイラク国民と同程度の政治的権利を持っている」!!!(12)

 米国で教育を受けたボリビアの大富豪ゴンサロ・サンチェス・デ・ロサーダ元大統領は民営化のとりくみを密かに進めようとした。ボリビア国民はそれに抗議した。ゴンサロ元大統領は権力から追われた。すると「フリーダム・ハウス」は、ボリビアに対する評価を「自由な国」から「一部自由な国」に変えた。

 同国の半数以上を占める先住民族の権利を認めた最初の政府でありながら、ボリビアに対する評価は、「一部自由」のままであり、ボツワナよりも自由度が低い国とされているのだ。ボツワナは1965年に行われた最初の選挙以来ずっと一党独裁(ボツワナ民主党;BDP)状態にあるというのに。(13)

 1996年のファイナンシャル・タイムズ紙の記事は、「フリーダム・ハウス」は、イランにおける「内密行動」のための資金を米国務省から受け取るのに選ばれたいくつかの組織のうちのひとつであることを明らかにした。そして、訓練や資金が、イランの政権転覆を目指すグループに提供された。(14)

 5団体のうちもっともひどい組織は、IRIとNDIである。この2団体はNEDから補助金を受け取っており、その名目は「海外で以下の4点の事業を育成するため」である。その4点とは

(1) 政党
(2) 選挙制度と選挙組織
(3)自由貿易を支持する労働組合
(4) 自由市場や企業組織

だ。


 昨年の3月6日、「米国市民連盟(American Civil Society Organizations)」は、ワシントンのNED事務所前で抗議行進を行った。その要求は、「民主主義を攻撃することは、場所を問わず許さない!NEDは解散せよ!」であった。労働組合員や労働運動家たちは、長年抗議し、キャンペーンを行い、AFL-CIOの「連帯センター」がNEDとのつながりを断ち切ることを求めた。

回転ドア

NEDの議長は、ディック・ゲッパートだ。彼は元民主党議員で、今は会社コンサルタントやロビー関連業を行っている自社の代表取締役をつとめている。このNEDの代表取締役のメンバーには、ジョン・A・ボーンもいて、彼は元一流の国際銀行家で、ムーディーズ・インベスターズ・サービス社の元頭取および代表取締役で、現在はカリフォルニア州公共事業委員会の理事であり、石油化学関連のインターネット上の為替業務を行う会社の重役である。

 さらには、ケネス・デュバースタインは、レーガン政権下での大統領首席補佐官代理で、今は企業のためにロビー活動を行う自社の議長と代表取締役である。他にもマーティン・フロスト(元国会議員で1999年のシティ・グループ救助法という名でも知られている「グラム・リーチ・ブライリー法」の起草に加わった)や、ウィリアム・ガルストン(元レオ・シュトラウスの弟子。現米国海軍退役軍人)もいる。

 理事会には、超保守的なシンクタンク「米国新世紀プロジェクト(Project for a New American Century)」の創設メンバーである以下の4名がいる。

(1)フランシス・フクヤマ(『歴史の終わり』の著者)
(2)ウィル・マーシャル(「新民主党(the New Democrats)」の創始者。新民主党とは、民主党の政策を右派よりに転換することを目的とした組織である)
(3) ヴィンセント・ウェーバー元下院議員(「下院の銀行スキャンダル」がもとで1992年に政界から去った。現在は企業のロビー活動会社の業務執行役員をつとめている)。
(4)ザルメイ・ハリルザド。ジョージ・ブッシュ・ジュニア政権下で、イラク、アフガニスタン、国連の米国大使を務めた。現在、自身の国際企業顧問会社の社長兼代表取締役。その会社は、主にエネルギー、建設、教育、インフラストラクチャー部門について顧客に助言を与えている。現在、中東、特にイラクとアフガニスタンで事業を行いたいと考えている。(16)

 NEDは1983年に設立された。当時、米国政府は、多くの批判にさらされていた。具体的には、中南米における秘密裡の軍事行動や、軍事訓練や、準軍組織や暗殺集団への資金提供について批判されていた。NEDが設立されたのは、世界各国で米国政府が気に入らない政権の反対勢力に資金を提供するために、公式で正当な手段が必要だったからだ。そうすることで、CIAが秘密裡に資金を投入していたという汚点を消そうとしていたのだ。以下は、1991年のワシントン・ポスト紙の記事だ。「CIAは海外で悪事はしていない: スパイがいないクーデターという新しい世界(Innocence Abroad: The New World of Spyless Coups)」という記事の中で、アレン・ウェインスタイン(NEDの設立書の起草を支援した人物)は、こう宣言していた。「我々(NED)が今やっていることは、20年前はCIAが密かに行っていたようなことだ」(17)。

  1996年に、ヘリテージ財団はこれまでどおり議会からの資金を得るために、ある記事を発表していた。「NEDは国際間の“理念の戦争”においては、重要な武器となる。NEDは、戦略的に重要な地域で、親米の安定した民主主義の発展を進めることにより、米国の利益を前進させる働きを担っている。米国には、外交上有効なこのような組織を手放す余裕はない。冷戦は終わったが、“理念の戦争”は世界中で進行中だ」(18)。

 キューバや中国に対して行っているような、各国の政権を弱体化させようというキャンペーンに加えて、NEDが何度も加担してきたのは、世界中の左寄りで反米である民主的な政権に対して、選挙や政権交代に介入することだ。このようなことは、資金を投入したり、訓練を行ったり、戦略的な助言を与えることで可能となる。その相手は、現政権に反対する一派や、政党や、記者たちや、メディアだ。ケイトー研究所のバーバラ・コンリーはこう書いている。「NGOへの寄付金を通して、米国の納税者たちは、特定の利益団体に税金を払っていることになっている。その利益団体は、その金を使って、正式に選ばれた友好国の政府を攻撃し、外国の選挙を妨害し、民主主義運動の破壊を進めている」と(19)。

 1986年から1988年まで、民主国家であるコスタリカにおいて、NEDはノーベル平和賞受賞者であるオスカー・アリアス大統領に反対する勢力に資金を提供してきた。その理由は、アリアス大統領がレーガン政権の暴力的な中米政策を大っぴらに批判していたからだった。1980年代、NEDはフランスの「民主主義擁護」のために活動していた。それは、フランスでは国民から選ばれた社会主義的なフランソワ・ミッテラン政権下で共産主義の傾向が強まることに対応するためだった。1990年に、NEDはニカラグアの右派団体に資金を投入し、支援を行っていた。ダニエル・オルテガとサンディニスタ民族解放戦線は、選挙により政権から追われることになった。ウィリアム・ロビンソン教授はその選挙を、「外国から大規模な妨害を受けたために、国内の政治体制が完全にゆがめられ、選挙により国民が自由に選べる権利が傷つけられてしまった」と描写した(20)。

 1990年代後半にNEDは、ジャン=ベルトラン・アリスティドの選挙を妨害するために、米国が支援するハイチの右派勢力資金提供や支援を行ったのだ。アリスティドは、進歩的な元大統領であり、ハイチで初めて民主的な選挙の結果選ばれた指導者である。2004年のクーデターのため、アリスティドが2度目に排除されたとき、NEDは、アリスティド退陣に加担した主要組織に資金を提供し、戦略的な助言を与えていたという事実が明らかになった。

 NEDがベネズエラのウゴ・チャベス大統領に対する2002年のクーデターに関与していたことについては、調査もよくされており、記事にもなっている。しかしクーデター直後、当時IRIのジョージ・フォルソム理事長は、このクーデターに関するNEDが果たした企てについて語っている。それは、フォルソム理事長がマスコミ向けに、チャベス退陣を祝福するコメントを出した時だ。「NEDが果たした役割は、ベネズエラの政党とすべての市民団体を結びつけたことだった。このことがベネズエラの新しい民主的な未来の促進を支援したのだ」と(21)。

 IRIも2009年のホンジュラスのクーデターに一枚かんでいた。IRIの主張によれば、IRIは民主的な選挙の結果選ばれたマヌエル・セラヤ大統領を退陣させる運動を支援していた。その理由は、セラヤ大統領が「米州ボリバル同盟」への支持を表明していたからだ。 (米州ボリバル同盟とは、反自由貿易同盟であり、ホンジュラスや、ベネズエラや、ボリビアや、キューバが加盟している)。さらに、セラヤ大統領は電気通信業の民営化に反対していたからだ。「半球問題評議会(the Council on Hemispheric Affairs)」によると、米国の通信社AT&T社は、IRIと、IRI議長のジョン・マケイン上院議員両者に多額の資金提供を行い、電気通信業の民営化に反対しているラテン・アメリカ諸国を標的にしようとしていた(22)。

 NEDが支援する多数の活動家たちは、「アラブの春」運動で中心的な役割を果たしてきた。そして米国が支持する候補者が、新しく打ち立てられた暫定政権の指導的役割を持つようになった。その一番わかりやすい例は、リビアのアブドッラヒーム・アル=キーブ暫定政府首相だ。同首相は米国とリビアの二国の国籍を持ち、石油協会の元議長だ。この協会は英国のBPグローバル社や、シェル石油や、トタル社や、ジャパン石油開発株式会社から資金援助を受けている。同首相は、リビアの石油と天然ガス経営の仕事を支持者に手渡し、さらにガーディアン紙によれば、「西側の支援者たちを喜ばせるため」、内閣に入ると目されていたイスラム教徒たちに政権を明け渡したとのことだ。   

 2011年に最年少でノーベル平和賞を受賞したイエメン出身のタワックル・カルマンも、NEDにより作られた組織「鎖に縛られていない女性記者の会」のリーダーだった(23)。

 2009年に、16名のエジプト青年活動家たちが、ワシントンの「フリーダム・ハウス新世代の会(Freedom House New Generation Fellowship )」の2ヶ月の研修を受けた。活動家たちは弁護士の訓練を受け、米国政府の役員たちや、国会議員や、メディアの記者たちや、シンクタンクたちと面会した。すでに2008年には、「4月6日運動」の構成員たちが、ニューヨークで開催された青年運動協会(Association of Youth Movements, AYM)の第1回のサミットに参加していた。そこで活動家たちは他の運動に関わっている人々と関係を結び、新しいソーシャルメディアの使い方についてのワークショップに参加し、コンピューターのSIMカードを定期的に変えることで、国家によるネット監視を免れる方法など、革新的な技術を学んだ。AYMを資金援助しているのは、ペプシ社や、YouTubeや MTVだった。フェイスブックや、ツイッターを使用した活動の訓練に焦点が当てられていた2008年のサミットに参加していた有名人の中には、国務省のジェイムズ・グラスマンや、「フリーダム・ハウス」のシェリフ・マンサワーや、シャーリク・ザハー国家安全保障問題担当大統領補佐官や、NEDのラリー・ダイアモンドがいた(24)。

 それなのに2009年9月に、米国当局はエリオット・マジソン (米国市民で社会福祉業の正社員)を逮捕した。理由は、ピッツバーグで行われたG20に対する抗議活動のために、警察の動きの情報をツイッターで広めたためだった。曖昧な規定の連邦法騒乱罪違反を理由に、マジソンは逮捕された。その罪状は「通信手段の犯罪目的での使用」であり、「犯罪用具の所持」であり、「逮捕にすぐに応じなかった罪」であった(25)。

 2009年6月、国務省がツイッター社に要請したのは、予定していたアップグレードの日時を遅らせることだった。米国の息のかかったイランの抗議運動者たちの通信が遮られないようにするためだった。この要請を受けて、ツイッター社は、アップグレードの日時を遅らせた理由を、ブログポストでこう記していた。「ツイッターはイラクにおいて重要な通信手段としての役割を担っているからだ」と(26)。

 2008年に流出したカイロの米国大使館発の電報には、こんな題目がついていた。<「4月6日運動」活動家の米国訪問とエジプトの政権交代について>。その電報が明らかにしたのは、米国は「4月6日運動」の活動家とAYMサミットへの参加について話をしていたという事実だ。

 この対話でわかることは、2008年12月以降、米国のある組織が「4月6日運動」に関係していた青年組織に資金を提供していたことについて、その活動の目的がエジプトの政権交代にあったということを、米国政府とカイロの米国大使館は完全に認識していたということだ。
 2011年4月に、ニューヨーク・タイムズ紙は「米国の団体がアラブの暴動育成に手を貸していた」という記事を掲載した。 その記事の中で以下の様なことがはっきりと記載されている。「多くの団体や個人が、同地域で起こった反乱や改革に直接関わっていた。エジプトの“4月6日青年運動”も、“バーレーン人権センター”も、イエメンの青年指導者アンサー・キャディのような草の根運動家も、IRIや、NDIや、「フリーダム・ハウス」から資金提供や訓練を受けていた」と(27)。

 NEDの2009年の年間予算報告書によると、141万9426ドルの補助金が、その年エジプトの市民団体に与えられていたことがわかった。エジプトで「2011年1月・2月革命」が起こった前年である2010年には、補助金が249万7457ドルに跳ね上がっている。この総額の約半分の114万6903ドルが「国際民間企業センター」に割り当てられていた。例えば、「企業市民権の向上」や魅力ある市民社会組織の促進というワークショップ開催などの活動費用である。それらは「自由貿易にむけた法改正を提案できる能力を強化して、会員を代表して、民主化プロセスに参画するため」であった。「フリーダム・ハウス」も「地域の活動家やブロガーとの協力関係の強化のため」、8万9000ドルを受け取っていた(28)。

 同記事によれば、多くの青年団体や若者向けの関連事業に、総額37万954ドルの資金が提供されていた、とのことだ。そしてその資金は、青年活動家たちによる新しいメディアやSNSなどを駆使した広報活動や、訓練や、継続的な支援金として利用されていた、とのことだ(29)。

 革命後、NDIとIRIは大規模にエジプトでの活動の手を広げた。具体的には、両団体は5つの新しい事務所を開き、多数のスタッフを雇った。もとIRI職員のエジプト系米国人である27歳のダウラット・エイサによれば、「IRIはスタッフの個人の銀行通帳を使って密かに米国政府から資金を受け取り、IRIの会計担当の話では、局長が自分の個人のクレジットカードでお金を引き出していた」そうだ。報道によれば、サム・ラフードはスタッフに命じていたのは、米国向けにスキャンして送るために、組織の関連書類をすべて集めることだった。

 NDIや、IRIや、「フリーダム・ハウス」がエジプトの青年たちを訓練し、資金を提供していたのは明白だ。一方、米国政府と米国のエジプト大使は、この青年たちの運動の目的が、ムバラクを権力から追い出すことだということに完全に気付いていた。中国やキューバが、同様に米国の反政府組織に資金提供をしていたとしたら、それに加担していた者たちは、今エジプトで裁判に掛けられている43名よりもずっと厳しい刑を受けるだろう。それでも、これらの容疑者たちの真実は、「NGOの活動家である」というお粗末な仮面の裏側に隠されたままだ。

ウクライナの件:

 ウクライナの内戦は米国やEUの戦略の結果起こったのだ。その狙いは、両者になびきやすい政権にすることにより、ウクライナを欧州共同市場 とNATOに引き込み、お得意様国家にしようということだ。EUとウクライナ政府間の交渉の進み具合はゆっくりだった。その交渉が結果的に挫折したのは、EUからは面倒な要求がきていたのに、ロシアからは負債猶予や補助金などより好意的な条件が出されていたからだ。ウクライナをEUに加盟させる交渉に失敗し、憲法で規定された選挙が行われるのを待ちたくなかったので、NATOは、大金が資金提供しやすいNGOや、言いなりの指導者たちや、武装民兵を使って、選挙で選ばれた政府を失脚させた。この激しい暴動は成功し、米国の任命を受けた、民間人と軍人から成る臨時政府が権力を握った(30)。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、偽善の代表例だ

 NGOという言葉を使うことで、NGOが行っているのは無垢な慈善活動であるという幻想を抱かせようとしている。

 「ヒューマンライツ・ウォッチ(以降HRW)」は「人権を守り擁護することに精力的に取り組む世界で指導的な役割を果たしている独立組織のひとつ」だと自称している。しかしHRWは米国政府と密接な関係にあり、その独立性には疑問が持たれている。トム・マリンノースキーHRWワシントン支部長は、ビル・クリントン大統領の特別補佐官をつとめており、オルブライト国務長官の演説起草者でもあった。2013年に、マリンノースキーはHRWをやめ、 ジョン・ケリー国務長官の下で民主主義・人権・労働担当国務次官補に指名された。(31)

 HRWのスーザン・マニロウ副議長は、HRWのサイトの自身の経歴欄にこう書いている。「ビル・クリントンの長年の友人」であり、クリントン所属の民主党に「深く関わり」、民主党全国委員会の「数十のイベントを主催したことがある」、と。

 マリノフスキー  は2009年に、CIAが容疑者を強制輸送することに関して、「限られた状況下」においては、「合法的な役割」があると主張していた。それは、CIAが世界中で行ってきた テロ行為の容疑者を誘拐し、輸送した違法行為のことに関しての発言だった。(33)

 チャベス元大統領宛の2012年の書簡で、HRWはベネズエラが国連人権理事会に立候補していることについて批判し、ベネズエラは「許容できる段階を大きく下回っている」と主張し、同国が「人権に関して信頼のできる発言者としての資格があること」に疑問を呈していた。しかしHRWは、米国が同じ国連人権理事会に入る際には全く批判の声をあげなかった。米国は秘密裡に世界規模で暗殺計画を企て、容疑者の不法移送を続け、グアンタナモ湾収容キャンプでの不当な拘束行為をおこなっているというのに。(34)

 2013年2月、HRW はシリア内戦においてシリア政府がミサイルを使用したことを「不法だ」と断じた。しかしHRWは、米国が定めた国際法の明らかな違反に関しては沈黙を守っていた 。その国際法は米国が定めたものだ。それなのに8月に米国がシリアで行ったミサイル攻撃やイエメンや、アフガニスタンや、パキスタンで、女性や子どもたちを殺害したドローン攻撃については、何も抗議しなかったのだ。(35)

Syed Ehtisham is a retired surgeon who has worked in various HR and Socialist groups in the USA. He has published two books ,:”A Medical Doctor Examines Life on Three Continents,” and ,”God, Government and Globalization”, and is working on a third, “An Analysis of the Sources and Derivation of Religions”.

Notes:

1.     www.ifrc.org/en/who- we-r/history/

2.     Wiki.answers.com/Q/ How_many_international_ngos_ are_there_word_wide?#slide=2

3.     En.wikipedia.org/ wiki/Montreal_Protocol; enwikipedia.org/wiki/Ottawa_ Treaty

4.     www.global policy.org/component/content/ article/177/31605.html


5.     waysandmeans.house. gov/uploadedfiles/aarp_charts. pdf

6.     www.un.org/ womenwatch/daw/beijing

7.     Bhagwati , Jagdish N, “In Defense pf Globalization,” (New York: Oxford University Press, 2007). p 37

8.     Sofrep.com/31520/ osama-bin-ladens-real-mystery- hunters/

9.     www.cnn.com/2012/02/ 05/world/africa/egypt-ngos/ index.html

10. Ibid

11. Ibid

12. Ibid

13. www.globalpolicy.org/ ngos/introduction/51688-qngoq- the-guise-of-innocence.html

14. Ibid

15. www.thirdworldtraveler. com/NED/AFL_cut_Ties_NED.html

16. www. pressreleasetemplates.net/ preview/Board_Of_Directors_ Press_Release

17. Colorrevolutionsandgeopl olitics.blogspot.com/2011/05/ from-archives-innocence- abroad-new.html

18. www.newleftproject.org/ index.php/site/article_ comments/ngo_the_guise_of_ innocence

19. www.zoominfo.com/p/ Barbara-Conry/44047770

20. www.global research.ca/ngo-the-guise-of- innocence/30191

21. en.wikipedia.org/wiki/ 2002_Venezuelan_coup_d%27etat_ attempt

22. www.chavezcode.com/2009/ 07/role-of-international- republican.html

23. www.ned.org/for- reporters/ned-congratulates- tawakkul-karman-on-nobel- peace-prize

24. www.sott.net/article/ 223894-Googles-Revolution- Factory-Alliance-of-Youth- Movements-Colr-Revolutions-2-0

25. En.wikipedia.org/wiki/ 2009_G-20_Pittsburgh_summit

26. Ac360.blogs.cnn.com/ 2009/06/16/state-department- to-twitter-keep-iranian- tweets-coming/

27. www.nytimes.com/2011/04/ 15/world/15aid.html? pagewanted=all&_r=0

28. www.ned.org/ publications/annual-reports/ 2009-annual-report

29. Ibid

30. www.swp-berlin.org/ fileadmin/contents/products/ fachpublikationen/KS_Stewart_ final-Ukraine_NGOs.pdf

31. Angryarab.blogspot.com/ 2014/05/human-rights-watch_13. html

32. Cognitiveliberty.net/ 2014/the-hypocrisy-of-human- rights-watch

33. www.alternet.org/world/ nobel-peace-laureates-human- rights-watch-close-your- revolving-door-us-government

34. www.alternet.org/world/ nobel-peace-laureates-human- rights-watch

35. www.nbcnews.com/news/ other/white-house-admits- killing-civilians-drone- strikes-denies-breaking-law- f8C11435816.

 

 

 

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