ジュリアン・アサンジ、近日中にエクアドル大使館から強制退去か?―グレン・グリーンウォルドの報告
Ecuador's president to hand Assange over to UK during London visit – Greenwald
Published time: 21 Jul, 2018 22:57
Edited time: 23 Jul, 2018 09:44
<記事原文>https://www.rt.com/news/433783-wikileaks-assange-ecuador-uk/
(翻訳:大手山茂 2018.7.24 編集:岩間龍男2018.7.30)

FILE PHOTO © Pete Maclaine / Global Look Press
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エクアドルのレーニン・モレノ大統領は、イギリス当局と近々合意をまとめて(すでに合意した可能性もある)、ウィキリークスの創始者であるジュリアン・アサンジの亡命保護措置を解除することになると、グレン・グリーンウォルドが報告している。
モレノ大統領のイギリス訪問は、7月22日から28日にかけてのヨーロッパ歴訪の一環だ。彼の訪問は公式なものではないと言われており、イギリス政府高官と会うことはない。 その代わり、イギリス政府が共催する「世界障害者サミット」(7月24日)には参加することにはなるだろう。
しかし予測されていることは、モレノ大統領がこのイギリス訪問を利用して、「エクアドルがジュリアン・アサンジの亡命保護措置から手を引く合意をまとめること」だと、「インターセプト」の共同編集者であるグレン・グリーンワルドが報告している。グリーンウォルドは、エドワード・スノーデンがリークした機密文書を基に、アメリカの監視プログラムの詳細を真摯に報道し続けるジャーナリストとして世界中に知られている。グリーンウォルドは長年ウィキリークスに対しても、また彼のブログに情報を寄せてくれる数々の内部告発者たちにも支援と弁護活動をしてきた。

Ecuador to hand over Assange to UK ‘in coming weeks or days,’ own sources tell RT's editor-in chief
モレノ大統領は「この合意をまとめるまで(その手続きが完了していないにしても)あと一歩の所にいる」とグリーンウォルドは書いている。そのニュースソースは匿名だが「エクアドル外務省と大統領官邸に近い情報提供者」からのものだとしている。さらに「この合意の下、ウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジはロンドンのエクアドル大使館から退去を強制され、イギリス当局に身柄を引き渡される可能性がある、それも早ければ今週中にも」とグリーンウォルドのレポートは続く。
グリーンウォルドのレポートに先立って、RTの編集長であるマルガリータ・シモニャンは、彼女自身のニュースソースを引用、エクアドルがアサンジをイギリスに引き渡す準備が「ここ数週間、あるいは数日中」に整うと語っていた。グリーン・ウォルドによれば、そのような進展によって、アサンジは「最善のシナリオ」でも少なくともあと一年投獄されることになるだろう。これが意味していることは、「なんらかの罪で告訴されたり、まして有罪判決も受けていないのに」、アサンジが10年近く拘禁されてきたことになるということだ。
スウェーデン政府はアサンジのレイプ疑惑調査を2017年5月には取り下げていたので、アサンジがイギリス国内で現在直面している唯一の刑事訴訟案件は、「不出頭」に対して出されている2012年の逮捕状が未執行になっている件だけだ。それは、アサンジがイギリスでの保釈条件に従わず、エクアドルから亡命を認められ、ロンドンのエクアドル大使館に逃げ込んだことだ。
こういった違反にたいする刑期は3ヶ月だとグリーンウォルドは語っている。しかしイギリス当局がアサンジに対する罪名を「法定侮辱罪」に内々引き上げる可能性を心配している。そうなれば刑期は最大2年まで延びる。さらにイギリス当局がアサンジの身柄をアメリカに引き渡さないという保証を与えることはまず考えられない。アメリカはアサンジを秘密文書漏洩で刑務所送りにしようと待ち構えていることを隠そうともしていない。
機密文書の公表は専門的に見ればアメリカに在住する何人にも適用される犯罪である。しかし司法省の官僚達はこれまでその罪状で訴追することにあまり乗り気ではなかった。そのような事案は、逆に自分達が報道の自由、つまり憲法修正第1条「言論の自由」条項に違反していると告発される可能性を心配したからだ。
しかしトランプ政権はそのような心配はまったくないと表向き言明している。 マイク・ポンペオがCIA長官在任中に語った言葉:
「(ウィキリークスは)憲法修正第1条が正義の盾になっているとみなしている
ようだ。 ・・・・ 彼らはそう信じてきたが、どうやらそれは間違っている。」
Published time: 21 Jul, 2018 22:57
Edited time: 23 Jul, 2018 09:44
<記事原文>https://www.rt.com/news/433783-wikileaks-assange-ecuador-uk/
(翻訳:大手山茂 2018.7.24 編集:岩間龍男2018.7.30)

FILE PHOTO © Pete Maclaine / Global Look Press
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エクアドルのレーニン・モレノ大統領は、イギリス当局と近々合意をまとめて(すでに合意した可能性もある)、ウィキリークスの創始者であるジュリアン・アサンジの亡命保護措置を解除することになると、グレン・グリーンウォルドが報告している。
モレノ大統領のイギリス訪問は、7月22日から28日にかけてのヨーロッパ歴訪の一環だ。彼の訪問は公式なものではないと言われており、イギリス政府高官と会うことはない。 その代わり、イギリス政府が共催する「世界障害者サミット」(7月24日)には参加することにはなるだろう。
しかし予測されていることは、モレノ大統領がこのイギリス訪問を利用して、「エクアドルがジュリアン・アサンジの亡命保護措置から手を引く合意をまとめること」だと、「インターセプト」の共同編集者であるグレン・グリーンワルドが報告している。グリーンウォルドは、エドワード・スノーデンがリークした機密文書を基に、アメリカの監視プログラムの詳細を真摯に報道し続けるジャーナリストとして世界中に知られている。グリーンウォルドは長年ウィキリークスに対しても、また彼のブログに情報を寄せてくれる数々の内部告発者たちにも支援と弁護活動をしてきた。

Ecuador to hand over Assange to UK ‘in coming weeks or days,’ own sources tell RT's editor-in chief
モレノ大統領は「この合意をまとめるまで(その手続きが完了していないにしても)あと一歩の所にいる」とグリーンウォルドは書いている。そのニュースソースは匿名だが「エクアドル外務省と大統領官邸に近い情報提供者」からのものだとしている。さらに「この合意の下、ウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジはロンドンのエクアドル大使館から退去を強制され、イギリス当局に身柄を引き渡される可能性がある、それも早ければ今週中にも」とグリーンウォルドのレポートは続く。
グリーンウォルドのレポートに先立って、RTの編集長であるマルガリータ・シモニャンは、彼女自身のニュースソースを引用、エクアドルがアサンジをイギリスに引き渡す準備が「ここ数週間、あるいは数日中」に整うと語っていた。グリーン・ウォルドによれば、そのような進展によって、アサンジは「最善のシナリオ」でも少なくともあと一年投獄されることになるだろう。これが意味していることは、「なんらかの罪で告訴されたり、まして有罪判決も受けていないのに」、アサンジが10年近く拘禁されてきたことになるということだ。
スウェーデン政府はアサンジのレイプ疑惑調査を2017年5月には取り下げていたので、アサンジがイギリス国内で現在直面している唯一の刑事訴訟案件は、「不出頭」に対して出されている2012年の逮捕状が未執行になっている件だけだ。それは、アサンジがイギリスでの保釈条件に従わず、エクアドルから亡命を認められ、ロンドンのエクアドル大使館に逃げ込んだことだ。
こういった違反にたいする刑期は3ヶ月だとグリーンウォルドは語っている。しかしイギリス当局がアサンジに対する罪名を「法定侮辱罪」に内々引き上げる可能性を心配している。そうなれば刑期は最大2年まで延びる。さらにイギリス当局がアサンジの身柄をアメリカに引き渡さないという保証を与えることはまず考えられない。アメリカはアサンジを秘密文書漏洩で刑務所送りにしようと待ち構えていることを隠そうともしていない。
機密文書の公表は専門的に見ればアメリカに在住する何人にも適用される犯罪である。しかし司法省の官僚達はこれまでその罪状で訴追することにあまり乗り気ではなかった。そのような事案は、逆に自分達が報道の自由、つまり憲法修正第1条「言論の自由」条項に違反していると告発される可能性を心配したからだ。
しかしトランプ政権はそのような心配はまったくないと表向き言明している。 マイク・ポンペオがCIA長官在任中に語った言葉:
「(ウィキリークスは)憲法修正第1条が正義の盾になっているとみなしている
ようだ。 ・・・・ 彼らはそう信じてきたが、どうやらそれは間違っている。」
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