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中国・パキスタン経済回廊(CPEC)により、中国とインドとの関係が緊迫化?

<記事原文 寺島先生推薦>
The China-Pakistan Economic Corridor (CPEC). Strained Relations with India?

Shahbazz Afzal著

グローバルリサーチ、2021年1月25日

 
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年2月21日

 

 2013年9月、東南アジア諸国連合サミットで、中国の習近平国家主席は、「一帯一路構想」(BRI)の構想と計画を発表した。これは、中国にとって、野心的で、広大で、入り組んだ貿易・商業網だ。そして、より広い世界への、商品、サービス、資本、人々の巨大化した相互交流である。

 間違いなく、「一帯一路構想」(BRI)は、21世紀に古代のシルクロードを復活・展開させるものだ。中国製品の交易路を再編成し、エネルギー豊かな国の天然資源への道筋を確保する。そして、これらの国々を巨大なインフラ計画と数十億ドルの投資で、根本的に変革することを目指している。アメリカのマーシャル・プランと第二次世界大戦後の西ヨーロッパの再建にある程度匹敵するが、「一帯一路構想」(BRI)は規模と構想力において、それを上回っている。構想の範囲は歴史上比類のないものだ、とも言われている。最近の報告によると、「一帯一路構想」(BRI)は90か国以上と40億人に影響を与える。

 中国・パキスタン経済回廊(CPEC)という「一帯一路構想」(BRI)旗艦計画(中国のカシュガルからパキスタンの深海港であるグワダルまで続く3000キロメートルの回廊)により、パキスタンに600億ドルを超える助成金とソフトローン投資が提供される。完成のあかつきには、中国がインド洋に到達できるようになる。パキスタンと国境を接する中国の遠隔西部地域の新疆ウイグル自治区を世界の他地域に開くだけでなく、中国を他のアジアやヨーロッパにつなぐことになる。つまり、洋上で、ヨーロッパ、アフリカ、他のアジア地域につながることになり、シンガポールやメラカ海峡を経由する海上輸送への依存を減らすことになる。

 間違いなく、パキスタンは中国「一帯一路構想」(BRI)の全体的な成功に不可欠であり、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)が失敗した場合、「一帯一路構想」(BRI)の潜在能力が十分に実現されない可能性がある。アンドリュー・スモールは、彼の見事で洞察に満ちた研究「中国・パキスタン枢軸」の中で、「パキスタンは、中国が地域大国から世界大国へと移行する上で、中心的な部分である」とさえ主張している。

 中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の開始から将来計画までの両国の長期的な関与は、これまでの中国とパキスタンの強固な関係基盤の上に作られている。

 1950年、パキスタンは中華人民共和国を認めた最初の国の1つであった。 1972年のニクソン大統領の中国訪問を促し、同様に中国と西側の正式な関係を再構築することから、イスラム世界への主要な仲介者としての役割まで、パキスタンは、中国から重要な戦略的パートナーとしてだけでなく、「鉄の兄弟」と見なされている。この友情は、壮大なカラコルム幹線道路(1959年に建築が始まり、1979年に完成)の建設によって強化された。この幹線道路は、パキスタンと中国の新疆ウイグル自治区を結ぶ「中国・パキスタン友好幹線道路」としても知られている。

 1950年以来、パキスタンは、広範な軍事および経済計画で、中国と協力してきた。中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、これらの計画の最新のものと見なされている。中国は、核兵器開発の原料をパキスタンに提供してきた。-そして今日、パキスタンは、核ミサイルを持つ唯一のイスラム教国である。中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、インドとパキスタンの関係に影響を及ぼしている。インドは、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)を、直接の挑戦と脅威と見ている。それは、経済主導を装っているが、真の意図は、カシミール地域をめぐる、インドに対して起こり得る2方面からの正面軍事攻撃のための軍事協力だ、と見ている。さらに、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、中国のパキスタンへの地上アクセスを容易にし、経済発展というよりもむしろ、より大きな政治的および戦略的目標をもつものである、とも見ている


 2020年12月、「ヒンズー紙」の報道によると、中国外務省報道官は、記者会見で、最近の中国とパキスタンによる合同空軍演習は、「ニューデリーにメッセージ」を送ることを意図したものか、と問われ、訓練は両国間の「日常的な取り決め」の一部だ、と答えた。ラダックでの中国軍とインド軍の軍事対立の最中での演習であり、その懸念はもっともだ。この最近の「日常的な」合同演習は20日間続いた。中国の日刊紙「環球時報」によれば、「両国からの空軍は大規模な衝突に焦点を当てており、大規模な空中戦や大量および接近戦での軍隊の使用を含んでいる。」

 一部の観測者の議論では、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、インドに、外交政策の目的、安全保障戦略、貿易政策の見直しを強いている、とのことだ。そして、中国に対する地域的、世界的な経済競争相手としてのインドの驚異的な台頭、インドのカシミール政策が、中国とパキスタンをさらに近づけた可能性がある、と。

 中国とパキスタンの両国は、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)計画を弱体化させ、頓挫させようと、真剣な試みがなされている、との認識を共有している。パキスタン国内でのテロ攻撃は、数千人の命を奪い、不安定さを生み出してきた。 2020年11月、パキスタンの新聞「The Express Tribune」の報道によると、パキスタン当局は「書類を公開したが、そこには、パキスタンでのテロ行為に対するインドの支援について、議論の余地がない証拠を含んでおり」、「インドは中国・パキスタン経済回廊(CPEC)を妨害しようとしていた」とのことだ。 インドは、インドが支配するカシミール内で、パキスタンが不安をかき立てるテロリストと過激派をかくまい、支援していると非難している。

 進行する非難とその応酬は、パキスタンとインドの関係を緊張させ、不安定にしている。中国はパキスタンを最高レベルで支援し続けている。 2020年5月、インドの新聞「The Economic Times」で報道されたように、中国外務省スポークスマンの趙立堅は「我々は、いかなる時も戦略的協力パートナーである。過去69年間、この関係は変化する国際情勢の試練に耐え、岩のように堅固であった。」

 インドは、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)が頓挫することを望んでいるかもしれない。インドの多くの報道機関は、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)をめぐって、パキスタンと中国の不仲や不一致を伝えている。しかし、中国によると、パキスタンとの関係はますます強固になっている。パキスタンへの新しい中国大使である農融(ノン・ロン)は、最近、次のように述べている。「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、2つの兄弟国の構想の産物である。その構想とは、数十年にわたる強力な二国間協力の絆を反映し、従来の商取引を超えたもので、全ての人にとってお互いに有利な状況となる目標を共有しているものである。」

 カシミール問題は、パキスタンとインド、中国とインドの大部分の問題の中心となってきた。この地域は3ヵ国によって分割、管理されており、パキスタンとインドはすでにカシミール地域をめぐって3度、戦争を行ってきた。

 カシミール地域を覆う絶え間ない戦争の脅威(3つの核保有国間の潜在的な軍事的発火点)にもかかわらず、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、2021年、急速に進展している、というのが多く専門家たちによる観測である。
 

Shahbazz Afzalは、独立作家であり、政治活動家である。

 
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