ジョージ・ギャロウェイ:「友人のジュリアンがアメリカの収容所に送られなくて良かった。しかし、この恥ずべきエピソードは、英国の大きな汚点になりました。」
ジョージ・ギャロウェイ
<記事原文 寺島先生推薦>
George Galloway: I’m happy my friend Julian isn’t being sent to a US gulag. But this shameful episode is a huge stain on Britain
RT 論説面
2021年1月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年1月30日

George Gallowaywas a member of the British Parliament for nearly 30 years. He presents TV and radio shows (including on RT). He is a film-maker, writer and a renowned orator. Follow him on Twitter @georgegalloway

ジュリアン・アサンジは偉大で勇敢なジャーナリストとして 歴史に名を残すでしょう。そして彼が自分の崇高な仕事を継続する力を見失うことがありませんように。また、彼をこんな風に迫害することは、この国イギリス、そしてそんなイギリスと同一歩調を取った人々の恥となります。
世界史的人物になったジュリアン・アサンジは、私たちの時代の最も偉大なジャーナリストであり、発行人でもありますが、アメリカの不正義制度の収容所に強制送還されることはもうないでしょう。ハレルヤ!
でも ウェリントンがワーテルローの戦いの後に言ったように「危なかった!」のです。
ドキドキものでした。何よりも、体力は衰えながら優しい気持ちを持ったアサンジ氏、彼の奥さん、彼の子供たち、そして彼のご両親のことを思うとそうです。
虚偽申し立ての厳しい試練、エクアドル大使館での軟禁(実際は一階のアパート)、そして地獄のベルマーシュ刑務所。ここは万全の警備態勢が敷かれ、凍てつく寒さとCovidには無防備なコンクリートで囲まれています。「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」との銘文が入り口の上部の掲げられていてもおかしくありません。
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Blocking Assange’s extradition to the US is the right decision… but it’s been made for the wrong reason
たまたまですが、私は英国の刑務所職員の労働組合問題に長く関わってきたことで、英国の刑務所職員と最も良好な関係を築いていました。そして拘留中の彼の扱いを適正にするよう、機会があるごとに担当職員に申し入れをしていました。しかしうまくゆきませんでした。
(私の申し入れがうまくゆかなかったのは)警備員が彼を意地悪に扱おうとしたからではなく、意地悪は上からの指示だったからです。イギリスはジュリアン・アサンジの件で、国がこれまで築き上げた多くの信用を軽率に火中に投じてしまいました。
現在、野党のリーダーであるキール・スターマー卿は、検察長官でありながら、アサンジに対するセックス事件の告発(その妥当性についてはずっと疑惑が消えていません)の苦悩を長引かせるために、できることは何でもやってくれました。例えば、彼を告発しているスウェーデンの女性二人には、いつもスカスカとした内容しかない告訴のボロが出ても逃げ腰にならないよう説得していました。また、このスウェーデンの女性達には、アサンジを米国に引き渡さない、あるいはロンドンでアサンジと面会するために調査員を派遣するなどの動きには与しないよう説得しました。
ガーディアン紙は、かつてリベラルな英国の王冠を飾る宝石のような存在でしたが、今は自社のスター記者だったアサンジの、おそらくは中心的な迫害者になってしまいました。ウィキリークスが暴き出した情報のお陰で何年にも亘って散々おいしい思いをしていたのに、です。
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Slavoj Zizek: The treatment of Assange is an assault on everyone’s personal freedoms
国営放送局のBBCは、世界で最も重要な政治犯(アサンジ)は存在しないふりを押し通しました。(アサンジの事案を扱っている中央刑事裁判所のある)オールドベイリーとBBC本社の間の距離はたった2マイルしかないのに、です。
しかし、イギリスの司法制度のこの計算された底意地の悪さは、全く不要であり、一体どう理解すればよかったのでしょう。未決囚であれば当然与えられてしかるべき保温性のある下着も冬着も与えられていません。(そんな状態で)彼は今も刑務所の地下室に身を横たえています。
(アサンジに対する)侮辱的な仕打ちには際限がありませんでした。法廷では毎回裸になって所持品検査が行われます。防弾ガラスのブースに入れられて自分の事件の審理経過を追うことができません。裁判官席からは無意味な(そして根拠のない)人身攻撃がありました。この間の審理経過は、公平であるはずの裁判官からも検察官が発するような金切り声が聞こえてくるバナナ共和国*の見せしめ裁判のように見えることもありました。
*バナナ共和国・・・「<侮蔑的な言い方>特に中南米において、バナナの輸出に経済を依存しているために貧しくて、政治的に不安定で、治安の悪い小国(英辞郎)」
健康上の理由から引き渡しを拒否してはいますが、裁判官は米国の告発を事実上すべて受け入れ、ダモクレスの剣をアサンジや、衰退しつつあるとはいえまだ強力な米国帝国についての不都合な真実を公表する勇気のある他のジャーナリストの頭上にぶら下がったままにしておいたのです。
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Only we can lock up journalists and get away with it, UK embassy warns China
トランプ政権には、この拒否的判決に対して控訴するのであれば7日間の猶予があります。大統領は司法省に控訴はするな、とおっしゃったほうがいいでしょう。もしヴァネッサ・バライツァー判事を説得できなければ、米司法省は他の誰も説得できないということになるでしょう。そして、ここには、現在ホワイトハウスを占拠している男(トランプ)の心に訴えるかもしれないもう一つの理由があります。それは、アメリカの選挙で本当に実際何が起こったのかを知ることができる人間がいるとしたら、それはジュリアン・アサンジだということです。
最初からジュリアンの運動に参加していた(なんなら私の負った傷をお見せしましょうか?)のでたとえ負けても参加したことの誇りは持ち続けるでしょう。
今回の勝利を私が今どう感じているかをお伝えする言葉が見つかりません。
アサンジ氏は力が回復したら、家族と一緒に、すぐにどこか別の場所に移住して、これまでの仕事をぜひ続けて欲しいのです。犯罪者達の犯罪をレポートすることを犯罪とした犯罪者達の手の届かない、どこか安全な場所に。
<記事原文 寺島先生推薦>
George Galloway: I’m happy my friend Julian isn’t being sent to a US gulag. But this shameful episode is a huge stain on Britain
RT 論説面
2021年1月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年1月30日

George Gallowaywas a member of the British Parliament for nearly 30 years. He presents TV and radio shows (including on RT). He is a film-maker, writer and a renowned orator. Follow him on Twitter @georgegalloway

ジュリアン・アサンジは偉大で勇敢なジャーナリストとして 歴史に名を残すでしょう。そして彼が自分の崇高な仕事を継続する力を見失うことがありませんように。また、彼をこんな風に迫害することは、この国イギリス、そしてそんなイギリスと同一歩調を取った人々の恥となります。
世界史的人物になったジュリアン・アサンジは、私たちの時代の最も偉大なジャーナリストであり、発行人でもありますが、アメリカの不正義制度の収容所に強制送還されることはもうないでしょう。ハレルヤ!
でも ウェリントンがワーテルローの戦いの後に言ったように「危なかった!」のです。
ドキドキものでした。何よりも、体力は衰えながら優しい気持ちを持ったアサンジ氏、彼の奥さん、彼の子供たち、そして彼のご両親のことを思うとそうです。
虚偽申し立ての厳しい試練、エクアドル大使館での軟禁(実際は一階のアパート)、そして地獄のベルマーシュ刑務所。ここは万全の警備態勢が敷かれ、凍てつく寒さとCovidには無防備なコンクリートで囲まれています。「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」との銘文が入り口の上部の掲げられていてもおかしくありません。
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Blocking Assange’s extradition to the US is the right decision… but it’s been made for the wrong reason
たまたまですが、私は英国の刑務所職員の労働組合問題に長く関わってきたことで、英国の刑務所職員と最も良好な関係を築いていました。そして拘留中の彼の扱いを適正にするよう、機会があるごとに担当職員に申し入れをしていました。しかしうまくゆきませんでした。
(私の申し入れがうまくゆかなかったのは)警備員が彼を意地悪に扱おうとしたからではなく、意地悪は上からの指示だったからです。イギリスはジュリアン・アサンジの件で、国がこれまで築き上げた多くの信用を軽率に火中に投じてしまいました。
現在、野党のリーダーであるキール・スターマー卿は、検察長官でありながら、アサンジに対するセックス事件の告発(その妥当性についてはずっと疑惑が消えていません)の苦悩を長引かせるために、できることは何でもやってくれました。例えば、彼を告発しているスウェーデンの女性二人には、いつもスカスカとした内容しかない告訴のボロが出ても逃げ腰にならないよう説得していました。また、このスウェーデンの女性達には、アサンジを米国に引き渡さない、あるいはロンドンでアサンジと面会するために調査員を派遣するなどの動きには与しないよう説得しました。
ガーディアン紙は、かつてリベラルな英国の王冠を飾る宝石のような存在でしたが、今は自社のスター記者だったアサンジの、おそらくは中心的な迫害者になってしまいました。ウィキリークスが暴き出した情報のお陰で何年にも亘って散々おいしい思いをしていたのに、です。
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Slavoj Zizek: The treatment of Assange is an assault on everyone’s personal freedoms
国営放送局のBBCは、世界で最も重要な政治犯(アサンジ)は存在しないふりを押し通しました。(アサンジの事案を扱っている中央刑事裁判所のある)オールドベイリーとBBC本社の間の距離はたった2マイルしかないのに、です。
しかし、イギリスの司法制度のこの計算された底意地の悪さは、全く不要であり、一体どう理解すればよかったのでしょう。未決囚であれば当然与えられてしかるべき保温性のある下着も冬着も与えられていません。(そんな状態で)彼は今も刑務所の地下室に身を横たえています。
(アサンジに対する)侮辱的な仕打ちには際限がありませんでした。法廷では毎回裸になって所持品検査が行われます。防弾ガラスのブースに入れられて自分の事件の審理経過を追うことができません。裁判官席からは無意味な(そして根拠のない)人身攻撃がありました。この間の審理経過は、公平であるはずの裁判官からも検察官が発するような金切り声が聞こえてくるバナナ共和国*の見せしめ裁判のように見えることもありました。
*バナナ共和国・・・「<侮蔑的な言い方>特に中南米において、バナナの輸出に経済を依存しているために貧しくて、政治的に不安定で、治安の悪い小国(英辞郎)」
健康上の理由から引き渡しを拒否してはいますが、裁判官は米国の告発を事実上すべて受け入れ、ダモクレスの剣をアサンジや、衰退しつつあるとはいえまだ強力な米国帝国についての不都合な真実を公表する勇気のある他のジャーナリストの頭上にぶら下がったままにしておいたのです。
ALSO ON RT.COM

Only we can lock up journalists and get away with it, UK embassy warns China
トランプ政権には、この拒否的判決に対して控訴するのであれば7日間の猶予があります。大統領は司法省に控訴はするな、とおっしゃったほうがいいでしょう。もしヴァネッサ・バライツァー判事を説得できなければ、米司法省は他の誰も説得できないということになるでしょう。そして、ここには、現在ホワイトハウスを占拠している男(トランプ)の心に訴えるかもしれないもう一つの理由があります。それは、アメリカの選挙で本当に実際何が起こったのかを知ることができる人間がいるとしたら、それはジュリアン・アサンジだということです。
最初からジュリアンの運動に参加していた(なんなら私の負った傷をお見せしましょうか?)のでたとえ負けても参加したことの誇りは持ち続けるでしょう。
今回の勝利を私が今どう感じているかをお伝えする言葉が見つかりません。
アサンジ氏は力が回復したら、家族と一緒に、すぐにどこか別の場所に移住して、これまでの仕事をぜひ続けて欲しいのです。犯罪者達の犯罪をレポートすることを犯罪とした犯罪者達の手の届かない、どこか安全な場所に。
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