fc2ブログ

「都市封鎖政策は間違いだったし、Covid-19による死者数をさらに増やす原因になるだろう」 都市封鎖政策を始める後ろ盾となった科学研究を科学的に再考した研究の結論。


<記事原文 寺島先生推薦>
A scientific review of the science behind lockdown concludes the policy was a MISTAKE & will have caused MORE deaths from Covid-19

RT 論説面 2020年10月7日

ロブ・リヨンズ

Rob Lyons is a UK journalist specialising in science, environmental and health issues. He is the author of 'Panic on a Plate: How Society Developed an Eating Disorder'.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
2020年11月10日


 以下の研究報告は、3月に英国の政策立案者たちが採用したインペリアル大学のモデリング研究について分析したものだ。その報告が伝えているのは、①学校は閉鎖するべきではなかった②老人たちのような体が弱い人たちだけを隔離させるべきだった③そうなれば集団免疫がもっと良い形で獲得できたかもしれない。ということだった。

 エジンバラ大学の研究者たちによる新しい研究報告が示唆しているのは、都市封鎖政策はCovid-19による死者数を減らすことにはならず、ただ死を先延ばしにしただけに過ぎない可能性があるということだった。この報告は、世界的流行の対策として別の方法を採る必要があるのではないかということを示す新たな証拠の一つだ。これまで採られてきたような、社会全体をすっぽり覆うような対策法ではなく、もっと別の方法を採用する可能性があるという証拠だ。

 この研究はエジンバラ大学の物理・天文学科チームにより行われた。この報告を読んで、「あれ?」と思う方は、研究執筆者の一人であるグレアム・アクランド教授のわかりやすい説明を聞いてほしい。彼は私にこう言った。「3月から、著名な疫学研究者はみな以下の二つのグループに出向させられている。ひとつは、SPI-M(インフルエンザの世界的流行についてコンピューター・モデリングを用いた科学的な研究を行うグループ)であり、もうひとつはSAGE (科学者による緊急諮問委員会)だ。そして研究者たちは新しい研究を日単位で行っている。研究者たちには時間が十分になく、追試や、慎重な査読をおこなうことができなかった。数値の精査やコードの確認や妥当性の確認や追試をおこなえる研究者は何千人もいたのに」。

 アクランド教授によると、教授や共同研究者たちは、「SPI-MやSAGEから課されていたのは“あらかじめ用意されていた”すべての研究だった」そうだ。さらに、「SPI-Mは、閉じられた集団での集団討議が引き起こす問題をよく理解していた。そのため、SPI-Mが我々に要請していたのは、“研究の点検に関しては簡単に済ませてほしい”ということだった。真の疫学研究者であれば別の方法をとっていただろう。もし時間が十分に与えられていたのであれば」。

ALSO ON RT.COM

Thousands of the world’s top scientists are finally speaking out against lockdowns. Let’s pray it’s not too little, too late

 この論文は、都市封鎖政策採用の土台となったインペリアル大学のコンピューター・モデリングを批判しているわけではない。実は、この論文ではインペリアル大学が利用していたのと同じモデルを使っていた。そのモデルは、現実にとられた対策よりも広範な対策について評価するものであった。アクランド教授はこう言っている。「私の概観を言わせてもらうなら、政府の専門家たちは“新聞に出ているえせ専門家たち”よりも信頼の置ける予見をしている」。

 この論文中に、衝撃的な一文がある。それは都市封鎖措置の土台となったインペリアル大学の研究に関する記載だ。「世間一般に広まっている考えとは違うが、インペリアル大学の研究では、当時とられた都市封鎖措置は、特に想定していなかった」。都市封鎖措置が何ヶ月も続けられ、学校が秋までずっと封鎖された今になって、措置の土台となったモデルにどんな記載があったのかを見落としていたことがわかったというのは、驚くべき事実だ。

 この論文の目的は、「インペリアル大学のモデリング研究の追試と分析」である。このインペリアル大学のモデリング研究が、3月に英国の政策立案者たちが、都市封鎖措置をとる決定をした際の土台となったのだ。この論文の結論は「インペリアル大学のモデルは、よい予見になっていたと考えられる。もしそのモデルが、ウイルスの致死率を修正後の3.5%であるとして演算していたとしたら、だ。(3月16日のインペリアル大学の研究報告では致死率は2.2~2.4%の間にあるという前提だった)。そのモデルの結果で意外なのは、このモデルは、“学校閉鎖や若者たちの隔離政策を実行すれば、死亡者数は増える。第二波や次に続く流行の波を先送りすることにはなるが”ということを示唆していることだ」。

 このモデルが提案したのは、素早い対応をとれば、必要となる病床の数が不足することを抑える効果があるということだった。しかし、素早い対応をとることで流行を長引かせることにもなる。いくつかのコンピューター・モデリングによる演習においては、このことは長期的には死者数の増加を招く可能性が明らかになった。理由は?論文に記述されているとおり、「Covid-19による死者数は、高い年齢層において、急に高くなっているからだ。効果的なワクチンの計画がない中、英国でとられた流行を抑えるどんな対策も、予想されていた20万人という死者数よりも少なくなることにはならないだろう」

 ある数値に注意を払うことが賢明だ。その数値とは、スウェーデンがとったモデルと同様のモデルを使った際に演算された、実際の死者数を遙かに超える死者数だ。しかし、3月当時に不安を呼び起こしていたのは、たびたび伝えられた「“何の対策もとらなければ”50万人の死者が出る」という話ではない。そうではなく、インペリアル大学のチームによる以下のような主張だったのだ。それは、 「“最も効果的な流行緩和策(具体的には、感染者の隔離、家庭内での隔離、お年寄りの人たちの社会的距離の確保)”を取ったとしても、25万人程度の死者が出るだろう」という主張だ。

READ MORE

UK health secretary claims rise in Covid-19 cases is ‘very serious problem’

 この理由のせいで、「都市封鎖措置こそ効果がある」と我々は納得させられたのだ。政府がインペリアル大学のファーガソン氏に都市封鎖政策のモデリングを依頼し、20万人の死者が出るという結果が出ていたなら、こんな犠牲を払ってまでも、都市封鎖措置に突入していただろうか?

 Covid-19に関しては特に、学校や大学を閉鎖したことは重大な誤りだった。インペリアル大学のコンピューター・モデリングのチーム長であったネイル・ファーガソン氏が4月に出した表明とは異なるようだが。学校や大学を開放しておけば若い人々はもっとウイルスに感染していただろう。そしてほとんど病気の害を受けず、「集団」免疫は素早く獲得できていただろう。

 論文執筆者たちはこう結論づけている。「Covid-19の流行下で命を守る最適な対策法はインフルエンザの流行時に取られるようなものと違ったものでなければならない。というのも、インフルエンザとCovid-19では、年代層による死者数の偏りが異なっているからだ」。アクランド教授はこう語っている。「少なくとも、学校を開けておくことは可能だった。ただし、もっとも体の弱い人々を守るためにできるすべてのことができていたのならば、の話だが。何よりも優先すべきだった事項は病院や老人ホームにあの病気を入りこませないことだった」。

 驚くことでもないが、アクランド教授のこの主張は、SAGEがおこなっていた主張と同じだった。SAGEは、3月16日にインペリアル大学のコンピューター・モデリングの結果が公表される前にそんな主張をしていたのだ。例えば、グラハム・メドリー教授(SPI-Mの議長であり、SAGEの構成員でもある)は、3月13日BBCのニュース・ナイトという番組でこう語っていた。「このウイルスは長期間我々と共存することになるだろう。ウイルスの流行を経たのちには、季節性の普通の病気となり、他のすべてのコロナウイルスと同様、時期が来れば気づかぬうちに流行する病気のひとつになるだろう。今我々が目指すべきなのは、いわゆる集団免疫を獲得することだ。すなわち人口の大部分が感染に対して免疫をもっているという状態だ。ワクチンなしで、そのような状況になるための唯一の方法は、人口の大部分が感染することしかない」。

 そのために必要なのは、その病気により最も悪影響を受ける人たちをきちんと保護することだ。英国政府は都市封鎖措置という政策をとったのに、そういう対策が抜け落ちていた。

READ MORE

The NHS needs to stop being hysterical. Taking steps to shield the vulnerable elderly from Covid is NOT ‘age-based apartheid’

 雪崩のような現象を先延ばしすることが悪いこととは限らない。先延ばししたおかげで、有効な治療法を発見できた。特にステロイド系抗炎症薬がもっともひどい症状をもつ患者の命を守るのに有効だということがわかったのは大きい。 さらに、呼吸器は、危機が始まった当初は、非常に注目を浴びていたのだが、思っていたよりは役に立たないこともわかった。また、腎臓透析器を使うことは命に関わる可能性があることもわかった。ワクチンがすぐに行き渡るのであれば、重要な役割を果たすだろうが、来春までには間に合いそうもない。

 それでも、流行が終わらせるには、以下の二つの状況のいずれかが発生する必要があるという事実は変わっていない。それは①伝染の広がりが終わるくらい十分な人々が病気に感染すること②効果的なワクチンが普及すること。のどちらかだ。コンピューター・モデリングの結果によれば、以下のようになることが望ましい。それは感染する人が若くて健康であることとだ。老人や別の病気を持っている人ではなく。

 スウェーデンが見せたような冷静さを保てず、英国政府は混乱し、我々の自由に対して予想もつかないような制限をかけた。この制限措置のせいで、経済や人々の精神面や子どもたちの教育の影響やその他多くのことが大きな損害を受けてきた。さらに悪いことに、今回のコンピューター・モデリングをおこなった人たちが正しければ、都市封鎖政策は、人々の命を救うことにおいて、重大な役割を果たせないだろう。それなのに、このような措置をとることに関わった英国政府は、いの一番に英国政府が信頼をおいたインペリアル大学のコンピューター・モデリングを使用したことが良かったのか、見直したようには見えない。

 欧州中で症例数が増えている。特にフランスやスペインなどの非常に厳しい都市封鎖政策をとった国々においてだ。その事実が我々に伝えてくれるのは、今の状況は心配ではあるが警告となるまではいかない、ということだ。というのも、流行の広まりはおさまりつつあるといえるからだ。そしてその理由は、免疫を獲得した人々が増えているからだろう。症例数はいまだに増加してはいるのだが。しかし、この病気で亡くなっている人の数は少なくなっており、現在イングランドとウエールズにおける死因のうちの約2%を占めるにすぎない。

 すべてのシナリオの中の最悪の結果で終わる可能性もある。これまでにない制限措置が加えられ、ますます多くの老人がウイルスに感染し、そんな状況で、Covid-19だけではなく、インフルエンザのような通常の季節性の病気が蔓延する冬に突入するという結果だ。こうなれば、医療政策にとって大きな負担になる。

 方向を変更する時間はまだ残されている。若い人々のために社会を開放し、体が弱い人たちを保護したり、支えたりした上で、病気の流行に身を任せる。亡くなる人がゼロとか、すべてがきっちりうまくいく施策などない。我々が直面しているのは恐ろしい新型の病気だ。単なる危機を大惨事に変えてしまうような悪い政策をとったら何のいいわけもできない。

ALSO ON RT.COM

As Boris Johnson announces Britain’s ‘great reset’, were the Covid ‘conspiracy theorists’ right all along?
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tmmethod

Author:tmmethod
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
最新コメント