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朝鮮半島、再統一の時がやって来た

ジョン・ワイト
RT Op-Ed(ロシア・トゥデイ論説)
2018年4月27日

ジョン・ワイトは、『インデペンデント』『モーニング・スター』『ハフィントン・ポスト』『カウンター・パンチ』『ロンドン・プログレッシブ・ジャーナル』『フォーリン・ポリシー・ジャーナル』などの世界中の新聞やウエッブサイトで記事を書いている。RTとBBCラジオのレギュラー解説者でもある。現在、アラブの春における西側諸国の役割を調べた本に取り組んでいる。彼のことはTwitter @JohnWight1でフォローできる。



南北朝鮮指導者の歴史的会談で確認されたことは、朝鮮半島の平和的再統一を視野に入れる時がやって来たことだ。

実際のところ、金正恩と文在寅の二人の朝鮮指導者の会談は、世界史的に重要な出来事だ。朝鮮半島では数十年の敵対が続いた後、この苦悩にさいなまれた国においては、平和が長続きせず、戦争となる可能性がずっと高かった。

また朝鮮半島で現在進行している緊張緩和の急展開は、世界をびっくりさせた、というのが正直なところだろう。私たちは疑いなく、わずか数カ月のうちに、はるばる長い旅をやってのけた。そんな時、米国大統領ドナルド・トランプといえば、2018年の始めにツイッターで北朝鮮を脅迫していたのだ。

では、何がこの急激な変化をもたらしたのだろうか。以前にはなかったどんな要因があるのだろうか。朝鮮半島危機にブレーキをかけることになった要因は何であったのか。朝鮮半島情勢は、大惨事に向かって突進している列車やトラックに似ていたのだ。

(さらに読む)
「戦争のない新しい時代:二つの朝鮮が完全な非核化に同意する」
https://www.rt.com/news/425279-koreas-peace-denuclearization-talks/


ここでは、2017年5月の韓国大統領に文在寅が選出された意義を見落とすことができない。これは、彼の前任者である朴槿恵が政治的スキャンダルで失脚し、弾劾された後のことだった。元学生活動家で人権弁護士である文在寅は、「時来たりならば、その人来たらん」という格言を体現したように現れた。

重要なことは、文在寅の外交政策の中心課題は、南北朝鮮の平和的再統一を信念としていることだ。平和的再統一が文在寅の目標なのだ。もしそれが実現するならば、世界核兵器終末戦争の危険に曝された苦悩と対立の時代に、終焉を告げることにになるだろう。

一方、金正恩は、グロテスクな戯画の眼鏡を通して、屈服することを拒否する指導者と、西側では見られてきた。それにもかかわらず、彼は平和と和解への真摯な取り組みを示した。その平和と和解への真摯な取り組みは、その地域での苦しみの遺産を深く理解することと繋がっている。そして、その平和と和解への真摯な取り組みを阻害してきたのは、米国主導の西側帝国主義諸国による数十年にわたる窒息させるような圧力だった。

重要なことは、経済的な封鎖や制裁、そして差し迫った戦争と核による滅亡の脅威によって締め付けられながら、社会が繁栄し発展することは、不可能であるということを、西側のイデオローグたちが知らなかったり、無視を決め込んでいることである。それは、首ねっこを押さえつけながら、正しく呼吸していないことを咎めるようなものだ。

北朝鮮の一般的な描写は、自ら意図的に世界から孤立している国というものである。その国では2500万の人々が、考えることのないロボットにされ、生まれた時からカルト信者のように「親愛なる指導者」に服従し、「親愛なる指導者」をあがめるよう、言語に絶する残酷な制度の下で強制されてきたというものだ。それは、ジョージ・オーウェルの有名な小説『1984』の中で描かれている国や社会に似た世界であり、独裁的、全体主義的暗黒の世界で、広大な獄舎であるというものだ。

しかし、これが北朝鮮事情のすべてなのだろうか。さらに、それは事情の一部ですらあると言えるのだろうか。もしそれが事情のすべて、またはその一部でさえないのならば、北朝鮮の事情は一体どうなっているのか。

記者であり小説家でもあるアンドレ・ヴェルチェクは、国際平和派遣団の1人として、北朝鮮を訪問したことのある人物だ。ホワイトハウスによる北朝鮮への核による威嚇の絶頂期に、ヴェルチェクは、ドナルド・トランプへの公開書簡の中で書いている。

「北朝鮮の人々は、愚かなロボットのように見え、愚かなロボットのように振る舞っていることになっている。北朝鮮の人々は、すべての基本的感情や個性がなく、物事をしっかり見ず、痛みと思いやりと愛を感じることができないことになっている。」

「あなたは真実と現実を見たくないのだ。そして、あなたは他の人たちにも、盲目であることを望んでいるのだ。」

「たとえあなたが北朝鮮全体を粉々に爆破しても、実際には多くを見ることはできず、ほとんど何もわからないだろう。戦艦と潜水艦から発射される自分たちのミサイル、空母から離陸する自分たちの航空機、そして強力な爆発を映し出すコンピューター・グラフィックスの画像を見るだけだろう。そこには痛みもなければ、リアリティもなく、激しい苦痛もないだろう。あなたやあなた方の一般市民には何も分からないだろう」。

今まで、北朝鮮が西側諸国との約束に背を向けてきた国であり社会であったとしても、いったい誰が北朝鮮の人たちを責められるのか。数十年に及ぶ日本の植民地主義と帝国主義によって残された大きな傷、それに続く米国とその同盟国との朝鮮戦争(1950-1953年)で巨大な破壊を被り、それらの大きな傷跡を考えると、誰が北朝鮮の人たちを責められようか。

そして現在、経済制裁や、北朝鮮に向けられた何千ものミサイル、さらに韓国の多くの駐留米軍、沿岸をパトロールする核武装した米海軍戦闘集団のことが考慮されていない。

そのような事態は、アメリカ帝国主義の目的と性質に資するものであるのかもしれないが、それは朝鮮の人々にとっての平和と再統一への願いに反するものであり、彼らの利益と将来にとっては有害なものである。

進歩の敵というのは、民主主義や人権についてもったいぶった話をしながら、その一方で次々と国々を荒廃させている人たちだ。そういう事実に世界が、度も何度も目覚めて気づく時にはじめて、混乱と紛争よりも平和と安定が行き渡るだろう。

金正恩と文在寅の歴史的首脳会談は、私たちに希望を持たせてくれた。その希望とは、朝鮮半島だけでなく世界全体が、戦争の惨禍をかなぐり捨て、その代わりに平和を大切にする準備がようやくできたということだ。

そのような平和こそ、我々が長年待ち望んだことだ。
(翻訳:岩間龍男、新見明)
[記事原文]https://www.rt.com/op-ed/425320-north-south-korea-reunification/


<新見コメント>--------------------------------------
ピョンチャン冬季オリンピックを機に、電撃的な南北融和が図られました。私もその意義を知らせるために英文記事を読んでいたのですが、ちょうどそのとき岩間さんがジョン・ライトの記事を翻訳してくださいました。そして私も翻訳に参加して仕上げることができました。

国内では安倍政権の「対話のための対話では意味がない」などという、無神経な発言が報道されています。そうでなくても進歩的といわれてきた「筆洗(中日春秋)2018.2.13朝刊」でさえ、「化けたぬき」にたとえて北の宥和政策を否定的に報道しているのです。

チョスドフスキーが書いているように「33年間、最大で950近くの核兵器に脅され、しかも経済制裁で苦しめられてきた」*北朝鮮の苦境があるのに、一方的に北朝鮮を悪者にするばかりで、アメリカを非難する声は聞こえてきません。それでは東アジアや日本の平和は訪れるはずがありません。私たちはメディアによるこのゆがんだ理解を糺していくためにも、このような記事を読む必要があると思います。
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-35.html
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