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元ピンクフロイドのメンバー、コンサートで「ホワイト・ヘルメット」を批判



元ピンクフロイドのメンバー、イギリス人歌手ロジャー・ウォーターズは、今はソロシンガーとして活動している。その彼が、問題のシリア人グループ「ホワイト・ヘルメット」をバルセロナのコンサートで批判した。「彼らはジハード主義者やテロリストのための宣伝活動をしているにすぎない」と。

この批判スピーチはウォーターズ自身が、金曜日バルセロナのコンサートでしたものだ。それはちょうど米英仏が「ホワイト・ヘルメット」の情報のみに依拠してシリアへの攻撃を準備していたときだ。この1週間前、「ホワイト・ヘルメット」は、シリア政府の科学兵器攻撃直後のものだとする写真や映像を公表した。その写真や映像に出てくるダマスカス近郊のドゥーマの町は、「イスラム軍」と呼ばれる武装グループに占領されていた。

コンサートの聴衆に向かって「ドゥーマや化学兵器攻撃疑惑についてステージで話してくれとの要請があった」とウォーターズは語った。ウォーターズは「この要請者と自分との間には、シリア情勢について大きな意見の違いがある」と述べた。

「ホワイト・ヘルメットは、ジハード主義者やテロリストのためのプロパガンダを作るだけのフェイク(偽)組織だ。それが私の考えだ。私たちの考えは違っている」と彼は説明した。拍手する聴衆がビデオからもわかる。

ウォーターズは、ホワイト・ヘルメットの「大義」をなぜ支持できないかを説明した。「もし我々がホワイト・ヘルメットやその周辺の宣伝に耳を傾けるようなことがあれば、自分達の政府がやろうとしているシリア人民への爆弾投下の後押しを奨励することになる。これは人類として、私たちがとんでもない誤りを犯すことにつながる」と彼は述べた。

さらに、「我々がすべきなのは、人々の頭上に爆弾を落としに行くようなことを止めるよう、自分達の政府に説得しに行くことだ。そして少なくとも必要な調査を全部やり終え、本当に何が起こっているのか、きちんとした理解ができるまで爆撃はやめるように説得すべきだ。何故なら今は、プロパガンダの方が本当の現実より重要視されるような世界だからだ」と彼は続けた。

ウォーターズは会場の人々に、「国境を越え、宗教を越え、国籍を越え」共に手を携えて、地球をもっといい場所にしよう、と呼びかけた。

「ホワイト・ヘルメット」はシリアの各地で活動し、「民間防衛組織」を自称している。彼らは種々の武装グループの指揮下にあり、その中にはシリア中央政府に対立する筋金入りイスラム主義者も含まれる。そしてアメリカやイギリスなどいくつかの西欧諸国からも資金を得ている。このグループは、西側メディアから広く賞賛され、彼らを扱ったドキュメンタリーはアカデミー賞さえ受賞した。

公開処刑の手助けをしたり、偽の救出作戦を実行するなど,ホワイト・ヘルメットに雇われた者たちによる疑念を呼ぶ行為が、これまでにも何度か発覚してきた。彼らのいわゆる「救出作戦」は本当の目的を隠蔽するためのものにすぎないと批判されるゆえんである。つまり「彼らの行為は、シリア政府に敵対する勢力に有利となるような写真や映像を捏造し、シリア政府軍に敵対する軍事行動に正当性を与えようとするものだ」と言う批判である。政府軍が「聖戦士」たちから奪還した地域の住民も、そのような批判を支持している。
    (翻訳:大手山茂、新見明)

<記事原文>
https://www.rt.com/uk/424247-roger-waters-white-helmets/

<新見コメント>ーーーーーーーーーーーーーーーー
元ピンク・フロイドのメンバー、ロジャー・ウォーターズが、公演で堂々と「ホワイト・ヘルメット」を批判する姿は、我が日本の芸能界ではなかなか見られないことです。イギリスが、アメリカやフランスと共に、「化学兵器」を口実にシリア爆撃に参加している時に、このような発言ができるイギリス人歌手がいることともに、このような記事を載せるRT(Russia Today)にも感心させられます。

なおピンク・フロイドに関しては寺島隆吉『国際理解の歩き方』(pp.27-29)にも書かれていることを、寺島先生から指摘していただき、読み直してみました。1990年に寺島先生がヨーロッパHOBO(浮浪者)の旅をしていたとき、ちょうどベルリンの壁崩壊が1989年11月9日のことですから、壁崩壊後にベルリンでピンク・フロイドの公演に出会ったことになります。

この翻訳は、大手山茂が最初に翻訳し、私が見直してから載せたものです。その際、寺島隆吉先生からも助言をいただき修正を加えました。このように新たな翻訳者が加わることによって、このサイトもさらに充実してくるのではないかと思います。
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