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米国や他の国々は都市閉鎖の経済的しっぺ返しを受け、スウェーデンの対Covid戦略は財政的な面では成果があったようだ


<記事原文 寺島先生推薦>
As US & other countries suffer punishing economic cost of lockdown, Sweden’s Covid strategy seems to be paying off financially

RT 論説面

2020年7月30日

Damian Wilson is a UK journalist, ex-Fleet Street editor, financial industry consultant and political communications special advisor in the UK and EU.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月10日



 スウェーデンはコロナウイルスの取り扱いでは異例の国であり、都市閉鎖をせず、学校や企業活動をそのままにしたことで世界中の嘲笑を浴びた...。が、そのやり方のお陰で、スウェーデンでは経済的打撃は少なくて済んだ。他の国は、と言えば、身動きもできない状態になっている。

 コロナウイルス・パンデミックの経済面での壊滅的な影響が収っていない。そして、Covid-19との果敢な闘いに挑んでいる多くの国々は、生命と経済の両面で重い代償を払っている。反面、スウェーデン(物議を醸す独自の道を切り開いた異例の国)は他のどんな国よりも早く立ち直っているように見える。

 そして、そんな事態になるとは誰も分かっていなかった。

 四半期としては史上最悪になるが、米国は2020年の第2四半期に国内総生産が9.5%も急落した。これは、第1四半期の2倍にあたる。さらに、Covid-19が原因の死者が15万人以上出ている。その対応に苦慮しているのが現状であり、状況は終末的な様相を呈している。

 対照的という点では一歩も譲らないのが、今回の危機に対処する米国のやり方である。スウェーデンはこの問題に対処するのに徒手空拳だったかもしれないが、米国の状況は混乱の極みだ。都市閉鎖。都市閉鎖解除。各方面から寄せられるばらばらの助言。科学者たちからなる顧問団と対立する大統領、そして一番恐ろしいのは、終わりが見えないこと、または今後事態が好転する兆候すらないことだ。

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 一方、ドイツはGDPが10.1%減となり、第1四半期よりも9ポイント下降し、50年間で最悪の四半期を記録した。明日(7月31日)はフランスとイタリアが過去3ヶ月間の数字を発表するので、さらに悪いニュースが予想される。

 しかし、スェーデンでは事態は異なった方向を取った。

 スウェーデンの政府直属の疫学者アンダース・テグネルがコロナウイルスに対処するために彼が立案した戦略を発表した時、世界は彼がおかしくなったと思った。

 彼の大規模計画とは何だったのか?何もするな!だ。

 常識をルールとした。そして、スウェーデン人は以前よりは定期的に手を洗い、お互いに敬意を払った距離を保つことはしたが、全国レベルでの都市閉鎖は実施しなかった。学校や店は閉じることはせず、人々は会社に行き、生活は可能な限り普段通りだった。

 自宅で仕事をすることを選んだ人たちは、この国の信頼性の高い高速インターネットの恩恵を受けた。また、学校に行かず家にいれば当然起こることになる子供たちの喧嘩の裁定もする必要がなかったので、実際仕事は何の邪魔もなくできたし、生産的な一日を過ごすことができた。

 批判はあった。そしてそれは少なからずあった。しかし、スウェーデン人は、その成果を今手にしている。(抜本的でない)表面をなぞるだけの戦略と考えられていた施策の効果が全面開花し始めているのだ。つまり、スウェーデン実業界への被害は、誰もが予想していたほど悪くはないらしい。

ALSO ON RT.COM

So now Sweden and the UK each think they were WRONG about their Covid-19 approaches. They can’t BOTH be right…

 通信大手のエリクソンや家電メーカーのエレクトロラックスのような企業は、多くの労働者が病気の時だけ家にいるという通常の勤務体制で営業を続け、生産性を維持した。
 
 それは国民の精神的健康にとてつもなく良い影響を与えただけでなく、他のほとんどの国が経験しているような、盲目的なパニックや孤立へ真っ逆さまに落ち込むのではなく、常識を軸にした取り組みがもたらした数々の利点を示すことになった。

 都市閉鎖などという厳格な措置をせず、スウェーデン人は普段通りのことをしただけだった。学校に行き、仕事をし、買い物をし、楽しいことをやった。それは、経済のエンジンを動かし続けるには十分だった。他の多くの国々は一時停止ボタンを押してしまった。そしてこのスェーデンのやり方は、経済の完全なメルトダウンを避けるのに十分であったようだ。

 スウェーデンは経済的な代償を払ってきたが、GDPの5%の落ち込みは米国やドイツの半分に過ぎず、不況の泥沼から抜け出すための坂道は他の国々よりも険しくなく、はるかに管理しやすい。

 スウェーデンではすべてがバラ色というわけではない。スウェーデンはCovid-19の影響を受けていないわけではなく、これまでのところ、フィンランド、デンマーク、ノルウェーの隣国よりもかなり多い死者数を記録している。

 スウェーデンのステファン・ローベン首相は先月、コロナウイルスの大感染について自国の措置がどうだったのかを調査すると発表した。そして、それは間違いなくいくつかの厳しい問いを発することになるだろう。しかし、煎じ詰めれば問いは1つだ:1,000万人の経済的幸福は5,700人の同じスウェーデン人のと引き換えにする価値はあったのか?だ。

 スウェーデンのパンデミック戦略の立役者であるテグネル氏は、もしまた同じ機会が与えられれば、おそらく、その時は他の誰もがやっていることとスウェーデン方式の中間のコースを選択するだろうと認めている。

 だから、上記の大きな問いかけに対しては「その価値はなかった」という答になるようだ。

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