「我々は、必要と思えば誰にでもクーデターを仕掛ける」――注目の起業家イーロン・マスク氏はネット上で、ボリビアのエヴォ・モラレス前大統領の追放を冗談めかして煽り立てた
<記事原文 寺島先生推薦>
‘We will coup whoever we want’: Elon Musk sparks online riot with quip about overthrow of Bolivia’s Evo Morales
RT ワールド・ニュース
2020年7月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年8月20日

Tesla & SpaceX社のCEOであるイーロン・マスク氏がツイッターを炎上させたのは、自分の会社の利益のためであれば政権交代作戦を実行することに何の異論もない、と受け取れるような発言をしてからだ。しかし、マスク氏の発言は明らかに冗談だとする者もいた。
この挑発的なコメントをする前に、億万長者の実業家イーロン・マスク氏は、低迷するアメリカ経済を後押しするために、さらなる政府の景気刺激法案を作成しても「国民の最善の利益にはならない」だろう、と示唆していた。
これに納得できないコメンテーターは反論した。「何が人々の利益にならなったかあなたは分かっているのでしょう?アメリカ政府がボリビアのエヴォ・モラレスに対するクーデターを組織したのは、あなたがボリビアのリチウムを手に入れられるようにするためだったのですよ」、と。
マスク氏は、この非難に動じる様子もなく反論した。「我々は必要と思えば誰にでもクーデターを仕掛ける!頭を冷やしたらいい」と答えた。その後のツイートで彼は、テスラ社はオーストラリアからリチウムを調達していると述べた。
この投稿でツイッターは大炎上することになった。ジャーナリストのマックス・ブルメンタール氏は、マスク氏の無恥なツイートは、「ボリビアのリチウム・クーデターを実質的に正当化することになる」と主張した。
「再生可能」エネルギーの中心人物であるイーロン・マスク氏はボリビア・リチウム・クーデターを実質的に正当化するほんの数ヶ月前、リチウムが豊富なブラジルにあるテスラ社工場前でのボルソナロ・ブラジル大統領との会談を予定していた。
“Renewable” energy kingpin Elon Musk practically takes credit for the Bolivian lithium coup just months after planning a meeting with Bolsonaro ahead of a Tesla factory in lithium rich Brazil https://t.co/PcizH4pLfQ https://t.co/7kTrA7fPsV pic.twitter.com/zaVqte1KHW
— Max Blumenthal (@MaxBlumenthal) July 25, 2020
マスク氏があれこれ考えていることを「軽率」であり、「残酷で殺人者的な発想」と表現している評者もいる。「その歯に衣着せない言い方がさわやか」との認識も隠してはいないが。
誰もがこのテスラ社CEOの声明を額面通りに受け止めているわけではない。マスク氏の発言は明らかに冗談だと言う人もいるからだ。ただし、悪乗りが過ぎてはいるが。
「冗談のつもりなのだろう。それにしてもこれは本当にひどい。アメリカに支援された軍事クーデターが起きると苦しむのは無辜の人々なのだ。その人たちの苦しみを何とも思わないのか?」との返信があった。
ボリビアのエヴォ・モラレス前大統領は、昨年11月に選挙の不正行為を告発されて辞任し、国外に逃れた。モラレス前大統領はRTとのインタビューで、今回の事件を「クーデター」と呼び、ボリビアの埋蔵リチウム(世界最大級)を産業界の搾取に委ねる右派の指導者の就任を狙ったものだと語った。
ALSO ON RT.COM

Bolivian coup was all about the lithium & OAS had a hand in it, ousted president Morales tells RT
2019年11月の初め、ボリビアはドイツの企業ACI Systems Alemania(ACISA)との大規模なリチウムプロジェクトを中断した。テスラ社がオーストラリアからリチウムを受け取っているのは事実だが、テスラ社はACISAの顧客リストに入っているとも言われている。
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