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スウェーデンは、都市閉鎖をせずにコロナウイルスを克服――現在、スウェーデンの企業は利益を上げている


<記事原文 寺島先生推薦>

Sweden Defeated The Coronavirus Without A Lockdown - Now Its Companies Are Reaping The Benefits

インターネットニュースサイト ゼロ・ヘッジ
タイラー・ダーデン

2020年7月29日


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年8月12日

 コロナウイルス・パンデミックに対するトランプ政権の対応を批判する進歩派たちは、スウェーデンに目を向け、この北欧の国スウェーデンが都市閉鎖を見送ったことを、欲に駆られた茶番劇だという言い方を好んでする。このような還元的で、白黒はっきりさせようとする解釈は、ヒーローにはヒーローと悪役が必要だという子供じみた分析結果になるのが落ちである。しかし、スウェーデンの「COVID-19皇帝」(訳注:感染症を専門とするスウェーデンの医師アンデシュ・テグネル氏のこと。同国のCOVID-19対策責任者)は、もし過去に戻ることができれば、国の対応は一部変えただろうと認めてはいるが、都市閉鎖をせず、国を比較的開放状態にするという国としての決断は、報われることになった。もちろん、近隣諸国より死亡率は有意に高い(ただし、最悪の被害を受けた西ヨーロッパ諸国のすべてよりは低い)ことはあるが。

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 スウェーデンの感染死亡率は比較的高い。それは、介護施設で初期に発生した一連の感染が反映したもので、高齢者や病弱者の間で広範囲に死亡者が出ることになったからだ。
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 次のグラフは、スウェーデンと、アメリカ、ブラジル、イギリス、そしてその他いくつかの国とを比較したもの。
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 そして、アメリカは、相も変わらず、このコロナウイルス危機をどう処理するか、社会的距離を強制するかどうか(マスク着用の義務化も同じ)、そしてもし必要であれば、感染拡大と闘うためにさらなる都市閉鎖をすべきかどうか、という大統領選挙向け議論にどっぷり頭まで浸かっているので、人々の見解はその政治的志向によって大きく異なる。A・S・ファウチ博士(訳注:アメリカの医師、免疫学者で感染症関係の第一人者)でさえ、最悪の被害を受けたいくつかの地域は、事態が悪化した場合、自宅待機命令を課すことを「考える」べきだ、と述べているが、それが命令のように聞こえないように言葉遣いは非常に慎重だ。しかし、アメリカでは第2四半期の決算報告期が最も重要な週に入ると、FT(ファイナンシャル・タイムズ)紙はそれに先だって発表した記事の中で、スウェーデンの大企業がアナリストたちの予想を全面的に上回った結果を出していると指摘している。

 夏に向け最悪のスタートとなるはずだった。コロナウイルスを管理するために他国に比べ締め付けの緩いやり方を取ることが正しい道筋だったのかどうかの議論がスウェーデン国内で沸騰する中、ヨーロッパの大半のアナリストたちは、パンデミックが最高潮に達している間、スウェーデンからゾッとするような四半期決算が出てくるのではないか、と身構えていた

 しかし、この2週間、毎日スウェーデンの企業は、その予想を次から次へと打ち砕いている。通信機器メーカーのエリクソン社や貸付銀行であるハンデルス銀行、さらには電子錠などの製造メーカーであるアッサ・アブロイ社に至るまで、スウェーデンの企業は市場の予想をはるかに上回る利益を上げてきた。もっとも中には、アナリストたちが考えていたような急激な業績悪化ほどではない、という場合もあったが。

 「これほど高い割合で予想を上回る利益を上げている企業が出てくるのを見たことがありません。ほとんどすべての企業がそうだと言っていいのです」と、貸付銀行のスカンジナビア・エンスキルダ銀行(SEB)の経営戦略部長であるエスビョルン・ルンドヴァル氏は述べている。このような好決算が上程されると、このおどろくべきプラスの成果のいくつが、コロナウイルスを管理するための、何かと物議を醸し出しているスウェーデン的アプローチによるものなのか、という疑問が投げかけられることになる。他のヨーロッパ諸国や北米とは異なり、スウェーデンは都市閉鎖をしなかったし、学校を休校にせず、多くの店や企業も平常通りだった。――公衆衛生に関しては世界的な精査が集中し、毀誉褒貶さまざま飛び交う実験となった。「社会や学校が開かれているということは、私たちがコロナウイルスの打撃を受けていないということではありません。そうではなく、大事なのは突然家から出られないという事態が生じていない、ということです。それは間違いなく企業の助けになります」と、スウェーデンのベアリング(軸受)メーカーSKFの最高経営責任者アルリク・ダニエルソン氏はFT紙に語った。

 今回の四半期決算によって一部の経済学者達は、この決算がスウェーデンのGDPに及ぼす影響を再考せざるを得なくなった。

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 確かに、COVID-19に対して抵抗力のあるスウェーデン経済で、すべてが上げ潮で上昇しているように見える。そして、それは仕事や学校、またはレストランに行くようなことを恐れない、専門家がスウェーデン人の「心理的」な気質と語っているものに支えられているのだが、とりわけ一部の産業は、そのことの恩恵を多く受けている。


 アナリストたちの言によれば、国内に焦点を当てたスウェーデンの企業(ex.小口金融機関)と、ボルボ社のような、世界的な視点に立ち、より高いレベルの「不確実性」と格闘している企業との間には大きな差がある。

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 スウェーデンの経済がこれほどまでに好調なのには、いくつかの理由がある。一つは、中国や米国との経済関係が緊密であることである。昨年末に武漢でSARS-CoV-2が発生したとき、中国経済はすでに29年間で最も弱い成長ペースにまで減速していた。しかし、北京の強硬な対応のおかげで、中国本土経済はすでに成長に戻っている

 これは、多くの重工業製品や食品などを中国に輸出しているスウェーデンにとっては朗報だ。

 特にスペイン、ベルギー、その他の地域でより多くのクラスターが出現しているため、より大きな懸念はヨーロッパであるとFTは指摘している。

 すべての産業グループは、中国での経済回復の兆しと、欧州の多くの地域で初期の力強い反転が見られたこと、さらには、雇用を維持するための大規模な政府支援策に助けられてきた。

 今、彼らにとっての大きな心配事は、秋にコロナウイルスの第二波が欧米を襲うかだ。

 「さらに都市閉鎖はあるのか?人々の心にある恐怖という要素は低減するのか?」というのがダニエルソン氏の問いだ。「この二つのことが、どれだけ早く経済回復につながるかどうかの大きな問題になるでしょう。今は心理学が問題だし、人々が問題なのです

 これまであまり内に閉じこもらずやってきたことや、仕事や買い物、そして外での交流を恐れないのがスウェーデンの人々だということが、微妙な心理的優位性であると考えているのは彼だけではない。
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 そして死者はもっと少ない。


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