HBO Maxが、人種差別主義と闘うために『風と共に去りぬ』を配信中止―――そして私は、率直に言って、みなさん!強い関心を持っているのですよ。
<記事原文 寺島先生推薦>
HBO Max has pulled ‘Gone With the Wind’ from its service in order to fight racism and, frankly my dear, I DO give a damn!
RT 論説面 2020年7月10日
マイケル・マッカーフリー

Michael McCaffrey is a writer and cultural critic who lives in Los Angeles. His work can be read at RT, Counterpunch and at his website mpmacting.com/blog. He is also the host of the popular cinema podcast Looking California and Feeling Minnesota. Follow him on Twitter @MPMActingCo
<記事翻訳 寺島翻訳グループ>
8月10日

動画配信サービス会社HBOマックスは映画『風と共に去りぬ』を人種差別的だと判断し、その配信をとりやめた。その理由というのは、どうやら、視聴者というのは自分の考えもなく、頭が悪すぎるからそんなものを観せるわけにはゆかない、ということのようだ。
ここ数週間、「Black Lives Matter(黒人の命は大事)」のプラカードを持ったデモ隊が通りを埋め尽くす中で、私は「人種差別はウイルスである」という言葉をよく耳にした。それが本当ならば、この新しい映像配信会社HBOマックスはまさにその治療法を見つけたことになる。
HBOマックスが世界から人種差別を根絶するためのシンプルで残酷なほど効果的な治療法は、1939年の名作『風と共に去りぬ』の配信サービスを停止したことだ。・・・とりあえず・・・少なくとも「歴史的背景を踏まえた議論をした上で」この映画を再配信できるようになるまでは。」人種差別主義者たちよ、聞こえたか!
マーガレット・ミッチェルの同名小説を原作とした『風と共に去りぬ』は、皮肉なことにアフリカ系アメリカ人のハティ・マクダニエルが史上初の助演女優賞を受賞するなど、アカデミー賞10部門を受賞した。また、この映画は史上最高の興行収入(インフレ調整後)を記録しており、広く史上最高の映画の一つと考えられている。
しかし、この映画の許せない罪は、南北戦争や復興期のアメリカ南部を舞台に、黒人奴隷が慈悲深い白人の主人を慕う、幸せで充実した待遇を受けた集団として描かれていることだ。
ありがたいことに、HBOマックスの迅速な行動は、アフリカ系アメリカ人は今日よりも幸せで幸運な奴隷時代にはるかに良い暮らしをしていたという、最近ではどこにでもあるように思われるこの非常に人気のある理論に終止符を打つことになるだろう。
私の切なる願いは、HBOマックスやハリウッドの天才たちが、今こそ、社会的問題への気づきの一線を越えていたり、私たちの繊細な感性を傷つける過去の有名作品にも目を向けてくれることだ。
例えば、『スターウォーズ』シリーズはすべて、「覚醒の炎」の中にただちに放り込む必要がある。その同性愛嫌悪はこの映画に出てくるC3POにはっきり表現されており、それはゲイであることを決して表には出さないすべてのゲイ・ロボットの、神経を逆撫でするような、典型だからだ。
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北米・カナダの山中に棲むという巨大な毛深い人間に似た動物であるサスクワッチ(=Bigfoot)社会の構成員が『スターウォーズ』に出てくるチューバッカを見たらどう思うだろうか?チューバッカは明らかにサスクワッチの流れを汲むものであるのにそれを否定し、また自分を「森林惑星キャッシークからきたウーキー族」などと呼んでいるのを見たらどう思うだろうか?チューバッカの言葉は一貫して喉声で未発達なのに、手にしている石弓はレーザー仕込みになっている。そんな姿を見て誰がサスクワッチのことを思い浮かべるだろうか?
スティーブン・スピルバーグの『シンドラーのリスト』も退場しなければならない。歴史的には正確かもしれないが、それは問題ではない。何故なら、反ユダヤ主義者が、あんなものをナチスのポルノぐらいにしか見ていないことはバレバレだからだ。まさに吐き気がするほどの映画であり、こんな邪な理由で何かを楽しもうとする連中に、私は、はっきり言って我慢がならない。・・・いや、その点に関しては、理由は真っ当だな。
ナチスと言えば、『サウンド・オブ・ミュージック』も、本当のところは、ナチス寄りに感じられる。特に、画面いっぱいに笑顔で歌っているあの白人たちを見ると、だ。・・・だからこれもゴミ箱行き。
歴史の研究をしているから私には言えるのだが、
『ドクトル・ジバゴ』はロシアがテーマだ。・・・うーん・・・主流メディアとハリウッドを見てはっきり分かるのは、彼らがロシア人とナチスを同一視していることだ・・・だからこのクソ映画も焼却!
私の歴史に関する膨大な知識から言えば、1956年の名作『十戒』は今すぐアメリカのスクリーンから追い出す必要がある。この映画がどれほどエジプト人を否定的に描いているか分かだろうか?それは、正真正銘、私にはイスラム嫌いにしか見えない!
『タイタニック』は抹消されるべきだ。理由は白人しか登場しないからだけではない。クルーズ船業界の悪い面に光を当てていることもその理由だ。いいですか、諸君!企業だって人ですよ(法人なんだから)。
『ターミネーター』シリーズもそうだ。この映画はスカイネットのネガティブな描写でテクノロジー業界を本当に誹謗中傷している。テクノロジーが悪意のある勢力として見られることを、シリコンバレーの人たちはどう感じると諸君は思うのか?
テクノロジー業界といえば・・・フェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグの気持ちを考えるならば(もし彼に感じるという能力が少しでもあれば、の話だが)、『The Social Network』は未来永劫に亘って禁止されるべきだ。
『ブギー・ナイツ』は、とんでもない巨根の持ち主を否定的に描いていて、個人的にはとても不快だった。だから、これもボツ!
では、『市民ケーン』はどうだろうか?確かに少年ケーンと彼が大好きだった橇(そり)を型破りに描写しているが、他方メディアを所有する億万長者層(HBOマックスはこの層の成員)を本当に軽く扱っている。それが私には我慢ならない。・・・これも焼却処分!
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Destroy EVERYTHING! Will culture police keen to purge historical racism turn to museums, galleries and libraries next?
実際、その程度はどうあれ、少しでも人を不愉快にさせる映画は、その理由は問わず、すべて禁止する必要がある。それだけでなく、すべてのコピーは焼却し、その灰は風の中にまき散らさなければならないと思う。そうすれば、あらゆる種類の憎しみや偏見は永久に宇宙から根絶されるだろう、未来永劫に亘って。・・・アーメン。
HBOマックスに関して言えば、私たちは同社の英断に敬意を表し、全員、跪くべきだと思う。同社は私たちを私たちが持つ脆さと愚かさから救ってくれたのだ。選択の自由という重荷を取り除いてくれたのだ。映画『風と共に去りぬ』を、「文脈」など一切お構いなしに上映禁止にすることで。
要するに、マルチン・ルーサー・キング・Jr、マルコムX、そしてネルソン・マンデラは、すべて失敗したが、HBOマックスは見事に成功したということだ。人種差別は今、最終的かつ不可逆的に「風と共に去った!」
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