キューバはcovid-19と戦うため国際的な協力を要請
<記事原文 寺島先生推薦>Cuba Calls for International Cooperation to Combat COVID-19

テレスール 英語版 2020年4月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年6月11日
キューバの外務省は、今週、COVID-19の大流行と戦うために結集するよう国際社会に呼びかける手紙を出した。
COVID19の影響は、すでに測定可能であり、将来的にはより正しく評価できるだろう。それは、驚くべき数の感染者や、容認できないほどの死者数や、世界経済、生産、貿易、雇用および何百万人もの人々の個人所得へ与えた疑いのない損害があったからこそできることだ。
今回の問題は、医療問題という範囲を優に超えている。パンデミックが発生し、拡がっていったのは、すでに以前から国の内外で起こっていた経済の破綻や社会の非平等性によって示されていたシナリオの進行中のことだった。かつてないほど、移民や難民があふれ、外国人嫌いや人種差別が再び起こっている。科学や技術の進歩は、特に医療面において目覚ましく起こっているのだが、大多数の人々の福祉や健康的な生活を守るためというよりは薬剤産業や医療の商業化に焦点が置かれている。
Covid-19が到来したのは、生産と消費のさまざまなパターンで負荷がかかりすぎた世界であり、とりわけ高度に産業が進んだ国々や発展途上国のエリートたちの間でそうだった。そんなパターンはこの地球上に生息する生命が依存している有限の自然資源とは相容れないものであり、持続不可能だ。Covid-19の最初の感染者が確認される前に、世界中で、8億2000万人が空腹で、22億人が新鮮な水を得られる方法がなく、42億人が清潔な衛生環境を得られず、そして30・手を洗う基本的な設備すら欠いていた。
このシナリオは、世界中で、1年間67億ドルが広告費として使われていて、1兆8000億ドルもの軍事費が使われているという事実を考えると、余計に許容し難くなる。そんな軍事費は、covid-19の脅威には、何の役にもたたない。このウイルスで、すでに何万人もの人々の生命が奪われているのに。ウイルスは差別しない。お金持ちと貧者を区別しない。
しかし、ウイルスの影響は、一番脆弱で、一番稼ぎが少ない人たちには、より大きなものとなる。貧しく発展途上の国々や、先進国の大都市の貧民街の人たちには。そんな影響が特に感じられるのは、新自由主義政策や社会への援助が削られる政策の下で、国家による公共福祉の受け入れ態勢が、限られている地域においてだ。
Covid-19によってより多くの生命が奪われている地域は、政府による公共医療の予算が削られている地域だ。そのせいで、そんな地域ではより深刻な経済危機が引き起こされている。仕事をなくしたり、ビジネスを閉鎖せざるを得なくなったり、個人や家族の収入の劇的な減少に苦しんだりしている人々を、国家がほとんど援助しなかったり、援助する方法を持たない地域だ。最も進んだ先進国で死者数が一番多いのは貧者や移民者であり、米国では特にアフリカ系アメリカ人やラテン系の人たちの死者数が多い。
なおその上に、国際社会がこの世界的な脅威に対応しなければならない中で、世界でいちばん大きな軍、経済、技術や交渉能力をもつ国が、以下のような外交政策をもっているのだ。すなわち、対立や分断や極端な愛国主義や自民族至上主義や人種差別を煽ったり進めたりしようとする政策だ。
Covid-19に対する世界規模での取り組みの協力を促進し、特に国連(UN)や世界保健機関(WHO)などの機関がリーダーシップをとる必要がある時なのに、今の米国政府は、多国間での協調関係を攻撃し、世界が認めている機関であるWHOのリーダーシップを不適格なものとみなそうとしている。
米国はさらに、考えが狭い戦略に固執して、この状況で利を得ようと、米国は支配力を増そうとし、米国と意見が合わない国々を攻撃している。そのような例をいくつか挙げると、
①最近のベネズエラ共和国に対する激しい軍による脅迫
②4月月14日の米国大統領による発表。その日は、4月14日~18日にかけて祝われている、パン・アメリカン・デー(北米や南米諸国の政治的経済的連携を祝う日)期間中であった。この米大統領による発表は、ベネズエラやニカラグアやキューバに対する、モンロー・ドクトリンの影響を受けた新植民地主義的な考えのもとでの発表であった。このことは汎アメリカ会議のことを思い起こさせるものだ。その会議は今から130年前に、キューバの革命家ホセ・マルティ氏により糾弾されていた。
同じ時期に、(といっても1961年のことだが)ピッグス湾事件が起こっている。もう一つの米国による間違った戦略の例をあげると、他国を支援しようとCovid-19に対する戦いへの協力を要請しているキューバの私心をすてた取り組みに対する道義なき執拗な攻撃だ。
協力を推進したり共同で対応したりすることはしないで、米国国務省のトップの役人たちが時間を割いてやっているのは、パンデミックのドラマを眼前に突きつけられ、自国の主権を行使してキューバに支援を求めようと決定している各国政府を脅すような声明を発表することだ。米国政府の役人たちは、悪いと知りながら罪を犯している。パンデミックの最中に、キューバの国際協力を攻撃し、人類普遍の権利である医療福祉サービスを何百万人もの人々から奪おうとしている。現在進行中の危機の大きさから考えれば、私たちは、協力し、政治的違いを乗り越えて連帯していくしかない。ウイルスは国境もイデオロギーの違いも知らない。ウイルスは、全ての人の命を脅かすのだから、私たちすべてがウイルスに対してどう戦うかが大事になってくる。
どんな国も、自国が十分大きく、裕福で、力強いので、自分で自国を守れると考えて、自国のことだけ考えて振る舞い、他国の努力や困難を無視するべきではない。貴重で信頼の置ける情報を共有したり供給したりすることは喫緊の課題だ。以下のようなことを段階的に導入していかなければならない。
①生産の調整
②医療機器や個人用防具(PPE)や薬品の分配
しかも、公平性を保った上で、だ。資源が他国よりも行き渡っている国々は、パンデミックに対処する準備が一番出来ていないもっとも影響を受けている国々と資源を共有するべきだ。
これは、キューバのやり方だ。自然資源の限られた国であり、長年暴力的な経済封鎖を受けてきた小さな国家の慎ましやかな貢献。何十年間も時間をかけて、私たちは、医療分野において国際的な協力を発展させる経験を少しずつ積んできた。おかげで、世界保健機関や対象国からは、寛大な国であるという評価をもらっている。ここ数週間で、私たちは協力の要請に対応しているが、その対応は、政治体制が同じであるか、経済的に利益が出るかなどを考えることなしに行ってきたことだ。
今までのところ、21の職業医療チームが国家及び地方の業務に取り組むべく20カ国に派遣されている。これらのチームは、すでに60カ国に派遣されていた医療協力チームに加わり、チームを強化することになっている。現在、以前から活動していた医療チームは、サービスを提供していた国々で、Covid-19対策の取り組みに従事している。私たちは、キューバで生産された薬品も共有している。その薬品は、この病気の予防や治療に効果があると実験で証明されている。加えて、私たちの医療スタッフは、テレビ電話を通じて、いくつかの国々の患者たちや患者のグループに対する治療法についての相談や話し合いに、キューバから参加している。
これら全ての活動は、キューバ国民を守るという責任を脇に置いて行われているわけではない。その責任は、米国による経済的、商業的、金融的な封鎖のせいで、多くのものが限られている中でも、厳密に満たされている。興味のある方は、この主張を支持するデータを見つけるかもしれない。このデータは、公開されている。慎みの心がある人ならだれでも、 以下のことを理解するだろう。封鎖はキューバに対して大きな抑圧をかけており、封鎖のせいで医療システムを支える材料や機器や、とくにこのパンデミックの対応として必要なものが入ってくる保証がないのだ。
最近の例では、中国からの救援物資がキューバに入港できなかった。その理由は、輸送業者が米国の封鎖のせいで禁輸になっていると主張したからだ。この件に関して、米国国務省のトップは、厚かましくも、「米国はキューバへ薬品や医療器具を輸出している」と発言した。しかしながら、米国はこんな嘘話を支持するような二国間の一つの取引も挙げることが出来なかった。こんなことは、常識であり、広く世間に受け入れられていることだ。そう、経済封鎖が、キューバの発展や成功やキューバ市民のよりよい暮らしを妨げてきた一番の障害物であることは。
この厳しい現実は、米国政府の頑強で攻撃的な振る舞いだけから引き起こされたものであり、こんなことで、私たちは援助や連帯を進めていくことをやめたりはしない。私たちはどんな人々に対しても協力を惜しまない。もし必要であれば、キューバに大きな損害をもたらしてきた国に対しても、だ。キューバが理解しているのは、今は、協力と連帯が必要な時だということだ。キューバが追い求めているのは、政治的に偏りのない国際的な努力であり、その努力が
①科学研究の結果
②この病気を予防するいくつかの国々での実験
③もっとも脆弱な人々の保護
④パンデミックの期間を短くし、亡くなる人々の数を減らすのに貢献するような社会的な行動の実践
を発展させ共有することに向けることである。キューバは、国連のリーダー的役割や世界保健機関が不可欠な機関であることを強く信じている。私たちがともに行動すれば、ウイルスの広まりは抑えることができる。より、早くコストがかからないやり方で。
その後で、私たちはパンデミックのせいで起こっている経済や社会の危機と対応しなければいけない。この危機は、これまで誰も予見したことのないような規模の危機だ。しかし、私たちはそんな日が来るのを待っているわけにはいかない。今回のパンデミックで最初の命が奪われる前から積み重なっていた問題や脅威に対処することになる。発展途上の国々が、高度工業国ではたいていの人に行き渡っている科学技術、とくに医療分野における科学技術へのアクセスが保証されないとしたら。そして、高度工業国が無私で何の障害もないやり方で共有しないとしたら、世界の大多数の人たちはますます相互接続の度合いを深める世界において今と同じくらい、いやそれ以上に危機的な状況に晒されることになるだろう。
もし、発展途上の国々に対して政治的に、高圧的な経済措置が取られることがなくならないなら、発展途上の国々が、負担が重く支払いが不可能な外国からの借金を免除してもらえず、国際的な金融機関による無慈悲な監視の目からも自由にされないのならば、「この先、我々の世界はよりよい場所になり、経済格差や社会的地位の格差にも上手く対応する」という風には思えない。パンデミックがない社会であっても、毎年何百万人もの人が亡くなり、その中には子どもたちや女性たちやお年寄りたちも含まれているのだから。国際的な平和や安全に対する脅威が実在し、いくつかの国に対して不断に攻撃を仕掛けることがその脅威をさらに悪化させた。パンデミックの最終的な行き着く先が、もう少しだけ安全でまともな世界になるとはほとんど考えられない。もし、各国政府を代表する国際社会が、今までは解決することが難しいとわかっている決定に同意したり、受け入れたりするよう前進しない限りは。同様に、今後浮上してくる問題は、次のパンデミックに対処するに当たり、人類がどれだけきちんと準備ができるかということだ。
行動に移り、責任を果たすべきものたちの意思を結集する為の時間はまだ残されている。次の世代にその取り組みを任せるのでは、手遅れになる可能性がある。

テレスール 英語版 2020年4月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年6月11日
キューバの外務省は、今週、COVID-19の大流行と戦うために結集するよう国際社会に呼びかける手紙を出した。
COVID19の影響は、すでに測定可能であり、将来的にはより正しく評価できるだろう。それは、驚くべき数の感染者や、容認できないほどの死者数や、世界経済、生産、貿易、雇用および何百万人もの人々の個人所得へ与えた疑いのない損害があったからこそできることだ。
今回の問題は、医療問題という範囲を優に超えている。パンデミックが発生し、拡がっていったのは、すでに以前から国の内外で起こっていた経済の破綻や社会の非平等性によって示されていたシナリオの進行中のことだった。かつてないほど、移民や難民があふれ、外国人嫌いや人種差別が再び起こっている。科学や技術の進歩は、特に医療面において目覚ましく起こっているのだが、大多数の人々の福祉や健康的な生活を守るためというよりは薬剤産業や医療の商業化に焦点が置かれている。
Covid-19が到来したのは、生産と消費のさまざまなパターンで負荷がかかりすぎた世界であり、とりわけ高度に産業が進んだ国々や発展途上国のエリートたちの間でそうだった。そんなパターンはこの地球上に生息する生命が依存している有限の自然資源とは相容れないものであり、持続不可能だ。Covid-19の最初の感染者が確認される前に、世界中で、8億2000万人が空腹で、22億人が新鮮な水を得られる方法がなく、42億人が清潔な衛生環境を得られず、そして30・手を洗う基本的な設備すら欠いていた。
このシナリオは、世界中で、1年間67億ドルが広告費として使われていて、1兆8000億ドルもの軍事費が使われているという事実を考えると、余計に許容し難くなる。そんな軍事費は、covid-19の脅威には、何の役にもたたない。このウイルスで、すでに何万人もの人々の生命が奪われているのに。ウイルスは差別しない。お金持ちと貧者を区別しない。
しかし、ウイルスの影響は、一番脆弱で、一番稼ぎが少ない人たちには、より大きなものとなる。貧しく発展途上の国々や、先進国の大都市の貧民街の人たちには。そんな影響が特に感じられるのは、新自由主義政策や社会への援助が削られる政策の下で、国家による公共福祉の受け入れ態勢が、限られている地域においてだ。
Covid-19によってより多くの生命が奪われている地域は、政府による公共医療の予算が削られている地域だ。そのせいで、そんな地域ではより深刻な経済危機が引き起こされている。仕事をなくしたり、ビジネスを閉鎖せざるを得なくなったり、個人や家族の収入の劇的な減少に苦しんだりしている人々を、国家がほとんど援助しなかったり、援助する方法を持たない地域だ。最も進んだ先進国で死者数が一番多いのは貧者や移民者であり、米国では特にアフリカ系アメリカ人やラテン系の人たちの死者数が多い。
なおその上に、国際社会がこの世界的な脅威に対応しなければならない中で、世界でいちばん大きな軍、経済、技術や交渉能力をもつ国が、以下のような外交政策をもっているのだ。すなわち、対立や分断や極端な愛国主義や自民族至上主義や人種差別を煽ったり進めたりしようとする政策だ。
Covid-19に対する世界規模での取り組みの協力を促進し、特に国連(UN)や世界保健機関(WHO)などの機関がリーダーシップをとる必要がある時なのに、今の米国政府は、多国間での協調関係を攻撃し、世界が認めている機関であるWHOのリーダーシップを不適格なものとみなそうとしている。
米国はさらに、考えが狭い戦略に固執して、この状況で利を得ようと、米国は支配力を増そうとし、米国と意見が合わない国々を攻撃している。そのような例をいくつか挙げると、
①最近のベネズエラ共和国に対する激しい軍による脅迫
②4月月14日の米国大統領による発表。その日は、4月14日~18日にかけて祝われている、パン・アメリカン・デー(北米や南米諸国の政治的経済的連携を祝う日)期間中であった。この米大統領による発表は、ベネズエラやニカラグアやキューバに対する、モンロー・ドクトリンの影響を受けた新植民地主義的な考えのもとでの発表であった。このことは汎アメリカ会議のことを思い起こさせるものだ。その会議は今から130年前に、キューバの革命家ホセ・マルティ氏により糾弾されていた。
同じ時期に、(といっても1961年のことだが)ピッグス湾事件が起こっている。もう一つの米国による間違った戦略の例をあげると、他国を支援しようとCovid-19に対する戦いへの協力を要請しているキューバの私心をすてた取り組みに対する道義なき執拗な攻撃だ。
協力を推進したり共同で対応したりすることはしないで、米国国務省のトップの役人たちが時間を割いてやっているのは、パンデミックのドラマを眼前に突きつけられ、自国の主権を行使してキューバに支援を求めようと決定している各国政府を脅すような声明を発表することだ。米国政府の役人たちは、悪いと知りながら罪を犯している。パンデミックの最中に、キューバの国際協力を攻撃し、人類普遍の権利である医療福祉サービスを何百万人もの人々から奪おうとしている。現在進行中の危機の大きさから考えれば、私たちは、協力し、政治的違いを乗り越えて連帯していくしかない。ウイルスは国境もイデオロギーの違いも知らない。ウイルスは、全ての人の命を脅かすのだから、私たちすべてがウイルスに対してどう戦うかが大事になってくる。
どんな国も、自国が十分大きく、裕福で、力強いので、自分で自国を守れると考えて、自国のことだけ考えて振る舞い、他国の努力や困難を無視するべきではない。貴重で信頼の置ける情報を共有したり供給したりすることは喫緊の課題だ。以下のようなことを段階的に導入していかなければならない。
①生産の調整
②医療機器や個人用防具(PPE)や薬品の分配
しかも、公平性を保った上で、だ。資源が他国よりも行き渡っている国々は、パンデミックに対処する準備が一番出来ていないもっとも影響を受けている国々と資源を共有するべきだ。
これは、キューバのやり方だ。自然資源の限られた国であり、長年暴力的な経済封鎖を受けてきた小さな国家の慎ましやかな貢献。何十年間も時間をかけて、私たちは、医療分野において国際的な協力を発展させる経験を少しずつ積んできた。おかげで、世界保健機関や対象国からは、寛大な国であるという評価をもらっている。ここ数週間で、私たちは協力の要請に対応しているが、その対応は、政治体制が同じであるか、経済的に利益が出るかなどを考えることなしに行ってきたことだ。
今までのところ、21の職業医療チームが国家及び地方の業務に取り組むべく20カ国に派遣されている。これらのチームは、すでに60カ国に派遣されていた医療協力チームに加わり、チームを強化することになっている。現在、以前から活動していた医療チームは、サービスを提供していた国々で、Covid-19対策の取り組みに従事している。私たちは、キューバで生産された薬品も共有している。その薬品は、この病気の予防や治療に効果があると実験で証明されている。加えて、私たちの医療スタッフは、テレビ電話を通じて、いくつかの国々の患者たちや患者のグループに対する治療法についての相談や話し合いに、キューバから参加している。
これら全ての活動は、キューバ国民を守るという責任を脇に置いて行われているわけではない。その責任は、米国による経済的、商業的、金融的な封鎖のせいで、多くのものが限られている中でも、厳密に満たされている。興味のある方は、この主張を支持するデータを見つけるかもしれない。このデータは、公開されている。慎みの心がある人ならだれでも、 以下のことを理解するだろう。封鎖はキューバに対して大きな抑圧をかけており、封鎖のせいで医療システムを支える材料や機器や、とくにこのパンデミックの対応として必要なものが入ってくる保証がないのだ。
最近の例では、中国からの救援物資がキューバに入港できなかった。その理由は、輸送業者が米国の封鎖のせいで禁輸になっていると主張したからだ。この件に関して、米国国務省のトップは、厚かましくも、「米国はキューバへ薬品や医療器具を輸出している」と発言した。しかしながら、米国はこんな嘘話を支持するような二国間の一つの取引も挙げることが出来なかった。こんなことは、常識であり、広く世間に受け入れられていることだ。そう、経済封鎖が、キューバの発展や成功やキューバ市民のよりよい暮らしを妨げてきた一番の障害物であることは。
この厳しい現実は、米国政府の頑強で攻撃的な振る舞いだけから引き起こされたものであり、こんなことで、私たちは援助や連帯を進めていくことをやめたりはしない。私たちはどんな人々に対しても協力を惜しまない。もし必要であれば、キューバに大きな損害をもたらしてきた国に対しても、だ。キューバが理解しているのは、今は、協力と連帯が必要な時だということだ。キューバが追い求めているのは、政治的に偏りのない国際的な努力であり、その努力が
①科学研究の結果
②この病気を予防するいくつかの国々での実験
③もっとも脆弱な人々の保護
④パンデミックの期間を短くし、亡くなる人々の数を減らすのに貢献するような社会的な行動の実践
を発展させ共有することに向けることである。キューバは、国連のリーダー的役割や世界保健機関が不可欠な機関であることを強く信じている。私たちがともに行動すれば、ウイルスの広まりは抑えることができる。より、早くコストがかからないやり方で。
その後で、私たちはパンデミックのせいで起こっている経済や社会の危機と対応しなければいけない。この危機は、これまで誰も予見したことのないような規模の危機だ。しかし、私たちはそんな日が来るのを待っているわけにはいかない。今回のパンデミックで最初の命が奪われる前から積み重なっていた問題や脅威に対処することになる。発展途上の国々が、高度工業国ではたいていの人に行き渡っている科学技術、とくに医療分野における科学技術へのアクセスが保証されないとしたら。そして、高度工業国が無私で何の障害もないやり方で共有しないとしたら、世界の大多数の人たちはますます相互接続の度合いを深める世界において今と同じくらい、いやそれ以上に危機的な状況に晒されることになるだろう。
もし、発展途上の国々に対して政治的に、高圧的な経済措置が取られることがなくならないなら、発展途上の国々が、負担が重く支払いが不可能な外国からの借金を免除してもらえず、国際的な金融機関による無慈悲な監視の目からも自由にされないのならば、「この先、我々の世界はよりよい場所になり、経済格差や社会的地位の格差にも上手く対応する」という風には思えない。パンデミックがない社会であっても、毎年何百万人もの人が亡くなり、その中には子どもたちや女性たちやお年寄りたちも含まれているのだから。国際的な平和や安全に対する脅威が実在し、いくつかの国に対して不断に攻撃を仕掛けることがその脅威をさらに悪化させた。パンデミックの最終的な行き着く先が、もう少しだけ安全でまともな世界になるとはほとんど考えられない。もし、各国政府を代表する国際社会が、今までは解決することが難しいとわかっている決定に同意したり、受け入れたりするよう前進しない限りは。同様に、今後浮上してくる問題は、次のパンデミックに対処するに当たり、人類がどれだけきちんと準備ができるかということだ。
行動に移り、責任を果たすべきものたちの意思を結集する為の時間はまだ残されている。次の世代にその取り組みを任せるのでは、手遅れになる可能性がある。
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