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このウイルスのことになると、なぜ政府は我々を信用しないのか?我々に必要なのは政府の権威主義に対するワクチンだ。

<記事原文>Why don’t our governments trust us when it comes to this virus? We need a vaccine against state authoritarianism

RT OP-ed

ノーマン・ルイス

Norman Lewis

is a writer, speaker and consultant on innovation and technology, was most recently a Director at PriceWaterhouseCoopers, where he set up and led their crowdsourced innovation service. Follow him on Twitter @Norm_Lewis


2020年5月13日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月23日




 我々の政治家のリーダーたちは、Covid-19に賢明に対応する際に、私たち市民に対する自信が不足しているが、これは、恐ろしいことであり、また、間違った方向だ。こんなことをしていたら経済は破綻し、我々の未来も危ういものになるだろう。

 一時的にロックダウン緩和に向かう第一段階が世界中で展開し始める中で、何よりも、驚かされることが一つある。それは、政府が、自国民が常識を用い、責任感をもって行動することを信頼していないことだ。

 ブレグジット下の英国でさえ、ボリス・ジョンソン首相は、市民に「警戒を続け」常識をもって行動することを要求した。今週、ロックダウン措置緩和にむけた、おもしろくもない細かすぎる「赤子の歩み」 を提案したときだ。違反者に対する罰金を増やすという警告も、ついていた。

 政府が、英国国民や英国国民が良識を持っていることに対して自信をもてていないことは、英国市民は何ができて何ができないかについて書かれた50ページのガイドラインを見れば明らかだ。このガイドラインには、輝かしいCovid-19の新「警告メーター」がおまけについている。このメーターはまるで人気のチキンレストラン、ナンドスのペリペリの辛さチャートのようだ。一つだけぬかっているのは、大人たちが毎晩何時に床に入るべきかを決めていないことだけだった。

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 しかし、英国だけが、こんな上から目線で侮辱的な対応をしているわけではない。ここ最近の週で、ロックダウン措置を緩和しようとしているすべての国が、同じような一時的なステップを踏んでおり、もし新しい自由が、感染の新しい波を生むことになれば、すぐに元の措置に戻るとおどし、市民たちが安心しないよう警告を発している。

 しかし、例外が一つある。スウェーデンだ。スウェーデン国民たちのやり方で特筆すべきことは、他のどの地域とも対照的なのだが、信頼することが、Covid-19に対する戦略でもっとも大切な内容となっていることだ。

 もちろん、違う国々を比較するには、非常に慎重にならないといけない。世界の死亡者数を表す表が、確実にこの健康危機に対する政策を批判する道具に使われている。さらに、人口密度や年齢層が違う国どうしで比較するのは、全く筋が通らない。国の発展度も違うし、それにともなって健康対策やお年寄りへのケアの基準も変わってくるし、文化も様々だ。さらには、流行の進み具合が、国によって違うという事実もある。無数の但し書きを考慮に入れたこのような観察なしで断じるのは危険だ。

 しかし、「国民への信頼」ということに注目するのは論理的だ。信頼があるのか、ないのか。各国は信頼に対してどのような対応をとっているのか。このことは、政府と統治される側の市民たちとの間の基本的な政治的関係を物語る。

 ロックダウン措置や緊急事態宣言をするのではなく、スウェーデン政府は、市民にソーシャル・ディスタンスを取るよう依頼したが、おおむね自発性を重んじてのことだった。確かに、政府は感染者数のグラフの曲線を平らにするために制限をかけたのは事実だ。50人以上の集会は禁止、バーの営業は禁止、高校や大学では、お互い距離を取った中での学習しか認めなかった。しかし、他の国々とはちがい、厳しい抑制もなく、罰金もなく、警察の高圧的な態度もおこらなかった。

 スウェーデンの人達は自分たちの行いを確かに変えた。脅されてではなく、理性と良識を持って。もちろん、いくつかの間違いもあった。とくに、老人ホームでは。そこが一番弱い場所だ。スウェーデンの人達は、この致命的なミスから逃れることはできなかった。

 しかし、スウェーデンの人達が成し遂げたのは、感染者数のグラフの曲線を平らにし、ウイルスによって重症となるリスクが最も低い、若い人々や健康な人々の免疫力を高めたことだ。さらにもっと重要なことは、以下のような事実だ。それは、スウェーデン公衆衛生局局長、アンダース・テグニル氏によると、ストックホルム市では、今月初めにはもう、集団免疫が達成できたと見なされたことだ。

 集団免疫ということばは、耳あたりの良い言葉ではないかもしれないが、このゴールは、Covid-19と戦う全ての国での無言のゴールになっている。無限のロックダウン措置、特に経済を封鎖することは、ワクチンが開発されるまでの限られた時間しか持ちこたえられないだろう。集団免疫が病気に対して脆弱にならない方法であることを社会に明らかにすることは、この病気と戦う際に、避けられず、また必要な部分である。

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 ロックダウン措置をとれば、集団免疫をつけることを遅らせることになる可能性があった。さらに、経済に与える影響はCovid-19そのものが与える影響よりも悪くなる恐れがある。

 正否を決するのは時間だけだというこの悲劇的なパラドックスの結末はこうだ。スウェーデンのように、合理性と信頼に基づく道か、他のほとんど全ての国が採用している厳しいロックダウンという道か、どちらを選んでも、最終的には、同一地点に辿り着くのかもしれない。それが、集団免疫だ。しかし、辿り着いた際、我々の荒れ果てた経済や社会がどうなってしまっているのかは、致命的な問題だ。

 経済破綻に免疫が着く国などない。スウェーデンでさえ。OECDの予測によると、パンデミックに関わる制限により、発展国で、毎月2%経済が収縮するそうだ。世界規模の不況、いや恐慌が、起こりそうだ。最後まで対策を打たない国は、立ち上がる脚さえなくなっているかもしれない。

 しかし、政治的な失態はどこの国でも等しく悲惨なものになる。有権者のことを信頼せず、厳しいロックダウン措置を追求する政治家階級は、彼ら自身の民主主義を弱体化させてきた。彼らは、個人の自発性と独立心、さらには立ち上がる力(これこそ、今、かつてないくらい必要となってくるもの)をずたずたにした。Covid-19のワクチンはそのうち得られるかもしれない。しかし、国家の権威主義に対するワクチンなどない。

 政府が常識的な行為を実行する自分たちの判断力や能力を信頼していないと人民たちが気づくのが早ければ早いほど、世界中で蔓延する反民主主義の権威主義パンデミックの治療は早くうてるようになるだろう。

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