fc2ブログ

より良い世界を再構築する? 最初に、私たちはCovid-19が登場する前に西側諸国の経済が完全に崩壊していたことを受け入れる必要がある。

<記事原文 寺島先生推薦>
Rebuild a better world? First we need to accept that the West’s economies were utterly broken before Covid-19 came along



RT OP-ed 2020年4月29日

ノーマン・ルイス
イノベーションとテクノロジーについてのライター、スピーカー、コンサルタントであり、直近ではプライス・ウォーターハウス・クーパースのディレクターを務め、クラウドソーシングによるイノベーションサービスを立ち上げた。 Twitter @Norm_Lewisで彼をフォローしてください

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年5月12日



 パンデミックによるロックダウンは、歴史上最悪と思われる世界的な不況を引き起こしている。私たちは正常さを求めるためには、過去には戻ることはできない。私たちは勇気を出し、経済を再始動させるために根本的な対策を講じる必要がある。

 絶望的な時には尋常でない対策が必要であり、世界的な不況は絶望的な状況に向かっている。そのことが、回復するよりもっと悪化することになるのが明白な策に向かう前に、私たちが問題について率直で正直な議論をしなければならない理由だ。

 Covid-19危機の経済的影響が計り知れないものになることは間違いない。第2四半期の予測では、政府が国のGDPを四半期ベースで計算し始めて以来、経済活動が大幅に急速に低下する。経済津波がたくさんの巨大な波をともなって目前に迫っている。

 しかし、壊滅的な自然災害という比喩を用いて、パンデミックが世界経済にもたらす被害について述べることは危険である。それは、この深刻な健康危機と、そしてそれと戦うために講じられた措置が、私たちの経済的苦悩の原因であると連想させるからである。実際には、Covid-19がすでに慢性的に病んでいた経済に悪影響を与えただけのことだ。その経済は未診断で治療されないままになっていた。

ALSO ON RT.COM 
The global economy was deathly sick long before now, but Covid-19 will take the blame if it crashes



 これは繰り返し強調されるべき点である。迫り来る不景気は、Covid-19によるものではない。これは、症状と根本的な原因を混同している。世界的な経済成長、特に先進国の経済成長は、Covid-19の前からすでに悲惨だった。そして、それらは何年も続いていた。今年の経済予測は、だいたいの人がコロナウイルスに気づく前に、すでにかなり落ち込んでいた。

 Covid-19危機は前例のない政府の行動をもたらした。英国では、財務省は現在、HS2鉄道プロジェクトのようなインフラ計画の1.5倍に相当する追加の1500億ポンド(1,860億ドル)を4ヶ月間で借り入れる予定である。それはこれまでの借入金以上のものであり、戦時中のものよりも多くなる。そして、Covid-19以前の正常な状態への復帰が依然として不透明であることを考えると、これはほんの始まりに過ぎないかもしれない。

 これが、最近、1回限りの富裕税の課税について話題になった理由である。それは、誰もが(家計と企業、金持ちや貧乏人も)自分たちの純資産に見合う額を支払うというものだ。これは、資産に課税することよりはるかに、所得に課税するという世界の課税制度をひっくり返すことになるだろう。


READ MORE:

What will 6 months of Covid-19 do to our society? Only certain thing is we'll be in a state... and the STATE will be IN CONTROL

 スカイニュースの経済編集者であるエド・コンウェイは、タイムズ紙で、英国のすべての家計の純資産に対する1回限りの10%の徴収で、1兆ポンド(1.24兆ドル)を超える収益を生み出すと概算している。これで、Covid-19のすべてのコストを完済できる。そして何世代にもわたって国民健康保険を提供し、国の債務を戦時レベルから通常のようなものに減らすであろう。

 これは魅力的に聞こえるかもしれない。そして「Covid-19」不況の名の下にそれを正当化することはあり得ることかもしれない。しかし、それは2つの理由で悲惨なことになるだろう。

 まず、それは政治的なダイナマイトだということだ。すでに課税された収入で得られた資産に課税することは、きわめて不当である。そして、何百万人もの人々が経済的困難に苦しんできた長年の緊縮財政のあとでは、これは社会の分裂を悪化させることであり、分裂を埋めるものではない。私たち全員が一律であるという考えは、共通の目的ではなく、単に不平等と分裂を強調するだけである。歴史上、いかなる政府もまさにこの理由でこれを行わなかった。

 しかし、2番目の理由はさらに重要である。それは、硬直化した経済業績という慢性疾患を告知することを単に延期し、Covid-19の影響を乗り越えるために政府が取るべき厳しい決定を遅らせるだけである。


ALSO ON RT.COM

Open the economy – I need to feed my family!’ Will lockdown fatigue spiral into destructive mass protests?

 たとえば、富裕税のようなものは、2020年2月にイタリアが生産活動で17か月連続の減少に耐えたという事実をどのように扱うのだろうか。 EUの財政規制がこのようなアプローチを許可したとしても、イタリアの不十分な事業投資とユーロ圏の制約という一貫した経済的難問は解決されないであろう。

 先進国全体の慢性的な債務と低下し続ける生産性は、次の根本的な必要性を示している。その必要性というのは、生産活動をリセットすること、新しいテクノロジーに投資すること、現在は国家の補助金と支援を通じてのみ生き残っている停滞したゾンビ企業には消えてもらうということだ。これには政治的な勇気と、これがもたらす短期的な困難を人々に納得させる必要がある。しかし、生産活動を再活性化することが、将来生活水準を向上させ、公共サービスに資金を提供できる新しい富を生み出す唯一の長期的な方法である。今日、この議論に国民を巻き込んでいる政府は世界にはない。

 もし、一回限りの富裕税が導入され、そしてそれが停滞した経済と企業の存続のために債務を清算するのに使われるのではなく、生産的な投資を開始するために使用されたとしたら、その富裕税の論拠になるかもしれない。しかし、このことは、どの政府もやりたくないことを求めている。それは、私たちが直面している問題やそれに対処するための厳しい決断について有権者に大人の会話に参加させることだ。

ALSO ON RT.COM

Lockdowns, curfews. Troops on the streets. Governments handing out free cash. This utter madness was entirely avoidable

 イギリスの財務大臣であるリシ・スナックの例は、その問題をはっきりと示している。最近、毎日行われるダウニングストリートの記者会見で、彼は財務当局から報告された「厳しい時代」を認めたが、おそらくある程度の慰めを提供するために、英国は「危機のもとでも基本的には健全な経済状態にある」と嘘をついた。そして、経済は「立ち直るだろう」と皆に安心させた。

 読み書きできる高校生なら、ほとんどすべての先進国と同様に、英国の経済は根本的に健全な状態からほど遠いことを知っている。 Covid-19の封鎖は、すでに病んでいる患者に確実に新たな負担をかけている。しかし、富裕税のような緩和策が光をもたらすかもしれないとか、単に停滞していたCovid-19以前の正常性に戻るだろうと自分たちを欺くことは、私たちに向かってきているCovid-19以前の経済的津波を乗り越えるのに必要な私たちの能力を弱めるだけだ。




関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tmmethod

Author:tmmethod
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
最新コメント