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米国情報部が「中国」ウイルスについて本当に知っていたことは何か?トランプ政権とCDC(米国疾病予防センター)は事前に知っていた

<記事原文 寺島先生推薦>
What Did U.S. Intel Really Know About the ‘Chinese’ Virus? The Trump Administration and the CDC Had Advanced Knowledge

グローバルリサーチ 2020年4月22日

Pepe Escobar

<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ
2020年5月10日





 米国超党派作戦である中国に対するハイブリッド戦争2.0は、すでに熱を帯びてきている。24時間365日体制のフルスペクトルの情報戦部隊は、コロナウイルス関連のすべてを中国のせいにしている。さらにアメリカの惨めな準備不足に対してはきちんとした情報に基づいた批判があるのだが、それに対する陽動作戦としても機能している。

 予想通りのヒステリー状態蔓延。そしてこれはほんの始まりに過ぎない。

 訴訟の洪水が目の前に迫っている。例えば、バーマン法律グループ(民主党系)とルーカス-コンプトン(共和党系)が参入したフロリダ州南部地区での訴訟。その要点はこうだ:中国は大量の現金を払わなければならない。その額は1.2兆ドル。中国政府が所有している米国財務省債権の額とたまたま一致しているのはシュールな皮肉だ。それはテキサス州の訴訟が請求する20兆ドルにつながって行く。

 イラクにおける大量破壊兵器捜索のための国連主任査察官だったスコット・リッターが鮮やかに思い起こさせてくれたように、検察側陳述は モンティ・パイソンそのままだ。正確にはこんな感じ。

「彼女がアヒルと同じ重さなら・・・
・・・彼女は木でできている!」
「それゆえに・・・」
「魔女だ!」


 ハイブリッド戦争2.0の用語法において、現在のCIA流の言い方は、「悪の中国が文明化した我々に西側に、恐ろしい新型ウイルスの存在を伝えなかった」となる。もし、もし伝えていれば、我々に準備する時間はあっただろう、と。

 それなのに、中国は虚偽を語り、欺いた――それもマイク・ポンペオが自ら口にした「我偽り、欺き、盗みけり」というCIAのトレードマークとなっている方式によって。そして中国はすべてを隠蔽した。そして真実を検閲した。それ故、中国の望みは我々アメリカ人全員を感染させることだったことになる。今や彼らはアメリカが被った経済的、財政的損害と亡くなったすべての人のためにその代償を支払わなければならない。これは中国の責任だ。

 怒りは伝わるが中身が何もない音にしか聞こえないこんな言い方を耳にすると、どうしても2019年後半に戻って、後にSars-Cov-2とされたものについて、米国情報部が実際に知っていたことに再び焦点を合わせざるを得ない。
「そのような人工的に作られたものは一切存在しない。」
 この点に関しては後にも先にもABCニュースだけが金字塔のような報道をしている。それに依れば、国防総省国防情報局(DIA)の下部組織である国立医療情報センター(NCMI)によって2019年11月に収集された機密情報で、「傍受された通信と衛星画像の詳細な分析」に基づいて、武漢で手に負えなくなっている新しい病原性の伝染病についての警告がすでにあった、とのことだ。

 匿名の情報筋はABCに「分析官たちはそれがただ事では済まない出来事になる可能性があると結論づけた」と語り、さらにこの機密情報は「DIA, ペンタゴン統合参謀本部, そしてホワイトハウスに対しても繰り返しブリーフィング(簡単な状況説明)が行われた」ことも付け加えた。

 国防総省が、ペンタゴン用語を使い、DIAのNCMI長官であるR.シェーン・デイ大佐を介して、お決まりの型に従ってそれを否定せざるを得なかったのも何ら不思議ではない。
 
 「現在の公衆衛生危機の中で透明性を確保する点からも、2019年11月に国立医療情報センター(NCMI)のコロナウイルス関連製品/アセスメントの存在/リリースに関するメディアの報道が正しくないことははっきり申し上げられます。NCMIがそのようなものを人工的に作り上げたことは一切ありません。」

 もしそのような「人工的産物」が存在するならば、国防総省のトップで元レイセオン社のロビイストであるマーク・エスパーは、非常に多くの最新情報を持っていることになるだろう。当然の流れで彼はABCのジョージ・ステファノプロスの質問を受けた。

質問:国防総省は昨年11月に中国のCOVIDに関する情報評価をDIAの国立医療情報センターから受けたのか?

エスパー:ああ、それは記憶にないね、ジョージ・・・、でもこのことを念入りにウォッチしている人間はたくさんいるがね。

質問:この評価は11月に行われたもので、12月初旬に国家安全保障会議にブリーフィングされ、軍事態勢への影響の評価が目的だった。当然、あなたにとって重要なことであり、米国内での拡散の可能性もあるでしょう。ということは、12月に国家安全保障会議へのブリーフィングがあったならば、あなたは知っていたのではないでしょうか?"

エスパー:そうね・・・私はそのことを承知してはいないよ。


 では「そんな人工的産物は全く存在しない」のか?フェイクか?それはトランプを罠にかけるためのディープステート/CIAの合作なのか?それともいつも名前が挙がる容疑者たちが嘘をついているのか?トレードマークとなっているCIA流のやり方で。

 重要な背景をおさらいしておこう。11月12日、内モンゴル出身の夫婦が肺ペストの治療を求めて北京の病院に入院した。

 中国疾病予防センター(CDC)は、中国のツイッター「微博(ウェイボー)」で、これが新たな疫病である可能性は "極めて低い "と世論に伝えた。夫婦は隔離された

 4日後、3人目の肺ペスト患者が確認された。その男性と密接に接触していた28人が隔離された。肺ペストの症状があった者はいなかった。肺ペストには肺炎に似た呼吸不全の症状がある。

 CDC は「感染の危険性について心配する必要はありません」と繰り返し述べていたが、もちろん多くの懐疑論があった。CDC は 11 月 12 日にこれらの肺ペストのケースを公に確認していたかもしれない。しかし、内モンゴルから来た3人が治療を受けていた朝陽病院の医師李積鳳は、3人が最初に北京に運ばれたのは、実際は 11 月 3 日だったことを微信(ウィーチャット)でした。

 後に検閲者によって削除された李積鳳の投稿で大事な点は彼女がこう言っているところだ:「私は大抵の呼吸器疾患の診断と治療には非常に精通しています・・・が、今回、調査は続けましたが、肺炎の原因となった病原体が何であるかを把握することはできなかったのです。珍しい病気だなと思っただけで、患者さんの病歴以外の情報はあまり得られませんでした。」

 仮にそうだとしても、内モンゴルの3例は検出可能な細菌が原因のようだというのが重要な点だ。Covid-19はSars-Cov-2ウイルスが原因であり、細菌ではない。Sars-Covid-2の最初の症例が武漢で検出されたのは12月中旬から下旬のことだ。そして、中国の科学者たちがSars-Cov-2の最初の実際の症例を11月17日まで遡って確実に追跡することができたのはつい先月のことだった。 その11月17日というのは内モンゴルの夫婦、そして3人目の感染が確認された数日後になる。

 どこに目を向けるべきかを正確に知っていた
 
 CIAのスパイ活動や、微博(ウェイボー)や微信(ウィーチャット)でオープンな議論が行われていたことを考えれば、米国情報部(この場合はNCMI)が中国でのこのような動きを知らなかったというのは論外だ。だから、NCMIの「人工的に作り上げた産物」がフェイクではなく、本当に存在しているのであれば、NCMIはすでに11月の時点で、肺ペストのいくつかの漠然とした症例の証拠を見つけていたことにはなる。

 かくして、DIA、国防総省、国家安全保障会議、そしてホワイトハウスへの警告は、そのことについてだった、ということになる。コロナウイルスについての警告であったはずがない。

 どうしても避けて通れない疑問はこれだ:なぜNCMIはまだ11月の段階でウイルス性のパンデミックについてすべて分かっているなどということがあり得るのか?中国の医師たちが新型肺炎の最初の症例をはっきり確認したのは12月26日だというのに。

 これに次の様な興味をそそられる疑問を加えていただきたい。なぜNCMIはそもそも中国のこのインフルエンザ・シーズンにそれほどまでの関心を持ったのか?北京で治療された肺ペストの症例から、武漢での「謎の肺炎発生」の最初の兆候に至るまでのことに。
 
 11月下旬から12月上旬にかけて、武漢の診療所で活動が少しずつ活発になっているという微かにヒントとなるものはあったかもしれない。しかし、当時、中国の医師や中国政府はもちろんのこと、米国の情報機関も、何が実際に起きているのかを知ることはとてもできなかっただろう。

 中国が12月30日に新種の病気としてしか確認しなかったものを「隠蔽」することなど無理な話だ。この新種の病気は規定通りにWHOに通告された。それから、1月3日、アメリカのCDC(疾病予防センター)のトップ、ロバート・レッドフィールドは、中国のCDCのトップに電話をかけた。中国の医師がこのウイルスのゲノム配列を突き止めた。そして1月8日になってやっとこれがSars-Cov-2であると決定した。そして それはCovid-19を誘発するものであることも。

 この一連の出来事は、再び次のような巨大なパンドラの箱を開けることになった。
①非常にタイムリーな「イベント201」; ビル・メリンダ・ゲイツ財団とWHO、そして世界経済フォーラムとブルームバーグ公衆衛生学校を含むボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学銀河との間の癒着関係
ID2020――デジタルIDとワクチンのコンボ
③「ダークウインター」―― 米国に対して天然痘のバイオテロがあったという想定の図上演習。その後にイラクの行為と非難された炭疽菌攻撃(2001年)があった。
④米国の上院議員は、米国のCDCのブリーフィングの後に株を投げ売り。1,300人以上のCEOは、2019年に市場全体の崩壊を「予測し」、居心地のいい役職を手放した。
⑤FRB(連邦準備銀行)はすでに2019年9月にはQE4(4回目の量的緩和)の一部としてヘリコプター・マネー(究極の経済政策として市中に供給された大量の貨幣)を注ぎ込んでいた。

 そして、ABCニュースだけではなく、イスラエルも登場した。イスラエルの情報機関は、武漢で壊滅的なパンデミックがありそうだと米国の情報機関が実際11月に警告してきたと言っている(もう一度言うが、アメリカはどうして11月の2週目に、こんなにも早い時期にそれを知ることができたのだろうか?)そして、NATOの同盟国も11月に同様の警告を受けた。

 以下の結論は爆弾ものだ:トランプ政権とCDCは4ヶ月以上の間――11月から3月まで――事前の警告を受けており、Covid-19に襲われた時の適切な準備を整える時間はあった。そして彼らは何もしなかった。「中国は魔女!」との主張は完全に論破されている。

 さらに、イスラエルが暴露したことは、異常としか言えないことの裏付けになっている。つまり、武漢の病院の医師が最初に確認した症例が検出される約1ヶ月前に、米国の情報機関はすでにSars-Cov-2について知っていたのだ。神の介入とはこのことだ。
 
 そんなことが起こるのは、米国の情報機関が武漢での「謎の集団感染」に必然的につながる以前の一連の出来事を確実に知っていた場合だけだ。それだけではない。彼らはどこに目を向けるべきかを正確に知っていた。それは、内モンゴルでも、北京でも、広東省でもない。

 この疑問を完全な形で繰り返すがそれで十分というわけではまったくない:「どうして米国情報部は中国の医師が未知のウイルスを検出する1ヶ月前に感染が広がることを知っていたのだろうか?」
 
 「我偽り、欺き、盗みけり」のマイク・ポンペオが、Covid-19は「演習実演」であったことを、公表を前提に、語った時この顛末は終わりになっていたのかもしれない。さらにABCニュースとイスラエルの報道を勘案すれば、唯一可能な論理的な結論は、ペンタゴンとCIAはパンデミックが避けられないことを前もって知っていたということになる。

 それが決定的な証拠だ。そして今、アメリカ政府は総力を挙げて、中国を積極的、遡及的に非難することで、態勢の強化を図ろうとしている。

Pepe Escobar is an independent geopolitical analyst, writer and journalist. He is a frequent contributor to Global Research.
Featured image is from Morning Star
As the US Blames China for the Coronavirus Pandemic, the Rest of the World Asks China for Help
The original source of this article is Strategic Culture Foundation


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