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ロシアは制裁を撤廃し米国を軍備管理協定に戻す機会を逃した

<記事原文 Russia Missed Opportunity to Remove Sanctions & Restore US to Arms Control Agreements>

ポール・クレイグ・ロバーツ
2020年4月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2020年5月3日

ロシア政府は、石油交渉で勝利への切り札を持っていたのに、それを出さなかった。米国政府とサウジアラビア政府は、ロシア政府の同意をのどから手が出るくらいほしがっていた。その同意とは、石油の生産と供給を削減することにより、石油の価格を引き上げるという彼らの計画に対する同意だ。ロシアなら1バレル20ドル~25ドルでも耐えられるが、借金まみれで、破産しそうで、石油採掘でいうフラッキング(水圧で岩盤などを破砕すること)状態にある米国の産業では無理だし、肥大化した国家予算に苦しむサウジアラビアでも無理だ。ロシア政府は、ただこう言えば良かったのだ。

「原油価格を高くすることで、あなた方の窮地を救いましょう。でも、私たちの方にも、取引したいことがあります。 それは、以下のことです。すべての制裁措置をやめてください。私たちだけでなく、キューバ、ベネズエラ、中国、その他のいかなる国に対するすべての制裁措置を。これらの制裁は国際法違法であり、戦争行為にあたります。私たちは堪忍袋の緒が切れています。」

「私たちロシア政府が高い原油価格をあなた方に与える代わりに、さらなる要求があります。それは、あなた方米国が、不当にそして一方的に撤回したすべての軍備管理協定へ再度参加すること、私たちの国境からすべてのミサイルを取り除くこと、そして私たちの国境での挑発的な軍事演習をやめることです。」

借金まみれで、破産しそうで、フラッキング状態に直面している米国なら、きっとこの取引に同意しただろう。

嘆かわしいことだ。ロシア政府が、世界を平和に続く道に戻すチャンスではなく、またぞろ、米国政府に点数稼ぎをする道を選んだことは。米国政府は、ロシア政府のそんな思いやりを高く評価したことは今までないし、今回もそうはしないだろう。

ロシア政府は、「石油の混乱」を食い止めたと自慢しているが、実は、この混乱は、ロシアにとって最高の味方だったのだ。ロシア政府は、勝てる切り札を捨てて、米国政府とサウジアラビア政府を勝ち逃げさせてしまったのだ。

https://www.rt.com/news/485501-opec-russia-deal-prevents-chaos/

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