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新型コロナウイルスの時代においては、農民闘争は生きるための普遍的な闘争だ。

<記事原文>
In Times of COVID19 the Peasant Struggle is a Universal Struggle for Life

International 360° 2020年4月17日
ウランタリー・イツマナ

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月30日

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何をもって発展していると見るかの基盤のひとつに、人が大地からどれだけ離れた所にいられるかという概念があったし、今もある。大地は、経済活動にとってあまり役に立たないものだという捉え方からくるものだ。

大地は、汚く、悪影響を及し、不快なものとして連想されていた。罪としてさえ。著名なギリシアの哲学者たちは、学のある人間は、大地に触れるべきではないと信じていた。

近代文明にとって、開化した人物とは、学校教育や職業訓練を終えた人であるとされ、つまりそうでない人は必然的に開化していない人と見なされた。開化するためには、都市化していなければならず、大地を嫌うという美学を持っていないといけなかった。

農民というアイデンティティを持つということは、質の高い市民生活を享受することから除外された人間であることになってしまった。別の言い方をすれば、農民であるということは、権利の主体としてのステータスを放棄することだった。多くの国では農民が国民の大多数を占めているとしても、おそらく、農民たちは生産者ではあるが、統治者ではなかった。

近代性は、金銭と郊外の労働力を至上のものと崇拝してきたため、農民たちが果たしてきた欠くことのできない決定的な役割を、皆の頭から消し去ってしまった。21世紀までには、農民のもつ権利は、拘束力のある人権の一部さえ保証されていないところまで来てしまっている。

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しかし、なんの警告もなしに、新型コロナウイルスのパンデミックが到来して、私たちをコンクリートの一室に閉じ込めてしまった。「社会的孤立」措置により、市場へ食料を買いに行くことも制限されている。

そんな中で、大地への「想像/願い」を持ち始める人たちが現れてきた。それは、ただの植木鉢の中の大地だとしても。私たちは、金銭やコンクリートはただの手段であり、食べ物や水を生み出さないことを、今、実感している。金銭やコンクリートは、命を生み出さない。

想像してみて。 殺人的なウイルスが、食品産業が手配した食料に付着しているとしたら。ウイルスが、食料を植え、育て、市場に提供するすべての人々を破壊するとしたら。

近代は、私たちに食料を育てる方法も水を確保する方法も、教えてはくれなかった。私たちは、生き抜く術を教えられていない。

4月17日は、私たち農民が「大地と水と種子を守るための国際農民闘争記念日」を祝う日だ。確かに農民は先住民であろうがなかろうが、食料と健康的な種子と水を育み、命を繋ぐのに不可欠なものだが、それだけではない。この母なる地球上のすべての人類と生きとし生けるものにとって、農民は欠くことのできないものだ。

この「隔離状態の惑星」において、農民闘争を主張することは、農民のためだけではない。大地と水と種子を要求することは、都市内に閉じ込められ、郊外から孤立させられた「脆弱な市民たち」からも、大きな叫び声となるにちがいない。


新型コロナウイルスが引き起こしたこの新時代において、私たちの中に眠っていたノスタルジー、すなわち、母なる大地を恋焦がれる気持ちが呼び起こされている。

その気持ちが私たちを動かし、菜園への回帰を想像し実行させる。そして菜園こそが、この恐るべき脆弱な時代における人知を超えた変化を乗り越える場所なのだ。

命のための、大地/水、住処を回復させる絶え間ない闘争を先延ばししないで、その菜園を私たちの愛すべきものたちが、よりよい生活を送るための知識を伝授する学校として、取っておきの場所だと考えよう。私は信じている。私たちは、いまは、何とか生き残ろうとする時代にいるのだ、ということを。

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だから、思い描いてみよう。都市の公共空間にある共同菜園を。思い描いて、頑張ろう。水源地を回復し、水の確保と種子の保全のため、学習を深めよう。そうすることが、私たちの食糧主権を守ることになる。このパンデミックの世界では、食糧主権こそが、私たちの存在に必要となる主権である。

この情熱と使命感をみんなに伝えよう。反地球行為だった近代性により破壊された、生態系を取り戻そう。

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