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西側の諸国民は目隠しをされたまま戦場へ向かっている

<記事原文 寺島先生推薦>
Western Peoples Are Going Into Battle Blindfolded!
筆者:ヒューゴ・ディオニシオ(Hugo Dionísio)
出典:Strategic Culture Foundation  2024年3月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月30日


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NATOによる全面的「反選挙運動」が功を奏さなかったのであれば、威嚇やロシア国民に恐怖や疑念、困惑を広めようという戦略もうまくいかなかった、ということだ。

先日のロシアの大統領選は、「報道」の概念や西側の諸国民が情報を入手する権利に対する侵略行為がまったく新しい段階に入ったことを示す機会となった。未だに「報道」機関であるという仮面をかぶっている主流報道機関という独占企業が、今頃になってやっと最悪の状態に陥ったと考える人間がいれば、の話だが・・・。この選挙は過去最悪のものとして知られる恐れがある。

3日間おこなわれたこの選挙までの数日、数週間は、今後起こることの準備運動となった。L’imitation de Napoléon(ナポレオンもどき)マクロンが指揮棒を手にし、ズボンをはいた将軍のように、彼のフランスが軍事的行動としてウクライナに軍を送る、とロシアを脅し始めた。脅しだけに飽き足らず、マクロンはそもそも制限や超えてはいけない線など存在しない、とまで述べた。

フランスが軍を送るのは、ロシア軍がキエフやオデッサ(この二つの都市の間にある地域のことは「口にして」いただろうか?)方面に進軍しようとしたときだけである、と明言した後マクロンはブレーキをかけ、いくつかの防衛戦を後退させた。それは私も含め多くの人たちが考えたことだ。事実は、マクロンはモルドバとの合意文書に署名した。これはウラジミール・プーチン大統領率いる行政府に対する明らかな挑発だ。そして、マクロンはドイツやポーランドの取り巻き連中と会い、この攻勢における協力体制を固めたのだ。

誰かが裏から手を回し、小物ナポレオンが臆病な様子を見せるショルツに激怒しているという情報を報道機関に流したに違いない。具体的には、ドイツ本場本物ソーセージのやり方でタウルスミサイルを送ることに抵抗していることについてだ。そんなことをすれば、キエフ政権はドンバスやクルスク、ベルゴロドで一般市民を殺し続けることになる。ロシア軍人を殺すことについては、これまでになく難しくなっている。

私にはこのl’enfant terrible(手に負えない子ども)についての騒ぎの狙いは、何より選挙を目前に控えたウラジミール・プーチン大統領に向けられたものだと思える。それと同時に、ロシア国民がどれほど自分たちの指導者を支持するかの決意を試そうとしている、とも言える。要は、私の見方になるが、ロシアの人々に彼らの大統領(プーチン)の動きを強調することで事態はエスカレーションするぞ、と脅すことにあった。同時にウクライナにNATOが介入するかどうかは、ひとえに、この官僚的で卑屈な軍隊であるNATO軍が両陣営対決の唯一の責任ある脅威と考える存在、つまりウラジミール・プーチンにかかっている、とも言っている。ロシア国民に対して潜在意識に働きかける(サブリミナルな)脅しをかけていた、ということだ。「独裁君主」で「暴君」で「独裁者」を選んでしまえば、ロシアとヨーロッパ、つまりNATOとの直接戦争がおこる危険が生じるぞ、と。

独占報道機関が出す唯一の疑問は、マクロンがこんなことをするのは、自身の欧州議会選挙にむけた宣伝活動のためではないか、ということだが、実は、ウクライナに軍を送る可能性の是非を問う指標はすでに示されている。BFMテレビがおこなった世論調査によると、フランス国民の57%が、この件に関してマクロンは間違っていると答えた、という。

フランス国民がその可能性を否決したのならば、マクロンがこのような決定を下した理由が国内選挙にあると考えるのには意味がない、ということだ。そしてこの点において、私はマクロンが「この決定は選挙に向けた動きとは全く無関係だ」と自己弁護していることに同意する。「国内では」という意味で! 言い換えれば、このL’imitation de Napoléon(ナポレオンもどき)は、部分的にウソをついていたのだ。その選挙工作は、ロシアの大統領選挙に介入しようという動きに関するものだったのだ。つまり、ロシアが西側でやっていると非難されている動きみたいなものだ。

この騒ぎに先だって、ナワリヌイ事件が奇術師の見世物のように展開されていたが、その狙いはウラジミール・プーチン大統領に反対する勢力が実際の力よりも強大であるという幻想をみせるためだった。その結果生じた状況から、ナワリヌイの死が見世物のひとつだったことを考えると、私はこの腐敗した人種差別主義者のナワリヌイにある種の自由主義的な姿を見ていた人々に、「ナワリヌイは無駄死にだった」という事実を伝えることはつらい。実際、これはマンガのような事例の一種だった。奇術師が自分の奇術を成功させるために、助手を殺してしまうという筋書きだ。悲しいことだ。

紛争や騒乱の脅威も嘘ではないと思わせようと、ロシアの大統領選挙が始まる1週間前から、報道機関による工作が展開された。「自由ロシア軍(FRL)」や「シビル大隊(SB)」という名称の仮想組織が国境を越えロシア国内の2つの村を占領した、という軍事的な動きもあることを含ませて。その後、旗を掲げた多くの写真や動画が公開され、キエフ政権が無関係だと主張する傭兵の大部分が虐殺され、戦闘車両が破壊されたことが確認された。私がカミカゼ作戦と呼んでいるものは何日も続き、この軍事宣伝作戦で1000人以上の兵士が失われた。

ロシアの選挙におけるNATOの広報戦略として特徴づけられたものは、最も致命的で、最も破滅的で、失敗した政治的プロパガンダ作戦として知られることになるだろう。主要人物や「活動家たち」はほぼ皆死んでしまった! この投票率と得票率でプーチンが選挙に勝ったのだから、CIAがあとどれだけのナワリヌイとカミカゼ大隊をしつらえないといけないか、見当もつかない。完全に遅ればせながら、ニューヨーク・タイムズ紙は私たちがずっと前から知っていたことを確認する記事を出した。「すでにウクライナの村々が人手不足になっており、リンゼー・グラハム米国会議員がゼレンスキーに、前線に最も若い兵たちを送る時だと伝えた」という記事だ!

しかし、私たちが向き合わねばならない問題がひとつある。それは、ウラジミール・プーチンに対して(反)選挙運動をおこなうことは本当に危険である、という事実だ。本当に恐ろしいことだ。相当数の宣伝活動家がCIAやキエフ政権の手で死んでいるからだ。となれば、それは何のための運動なのだろうか? 結局、投票率は記録的な高さとなり、ロシア大統領は過去最高の結果を得ることになった。

NATOの「反選挙活動」が功を奏さなかったのならば、脅しや、怖さと疑念と困惑をロシア国民の間に広めようという戦略も失敗した、ということだ。逆効果だった、とさえ言える。ロシア国民は、市民権や責任、勇気と抵抗についての教訓を示してくれた。自国の市民たちが今回のロシア国民のような振る舞いを見せるのであれば、どんな国のどんな市民でも、自分の国に誇りをもてることだろう。投票の方向性に関係なく、こんな風な動きに結集した諸国民であれば、間違いなく自分たちの未来を自分たちの手に掴むことができるだろう。

つまり、この動きは反教育的なサーカスに過ぎなかったのだ。この3日間、今回のロシアの選挙に関してはあることないことが目白押しに語られた。129カ国から1125人の独立選挙監視員がロシアに派遣されていたのに、テレビでは「この選挙は国際的な監視員たちから監視されていない」と報じられていた。まるで西側諸国の選挙では監視がおこなわれていて、さらにすでにネオ・ファシズムへ滑り落ちようとしている西側が、他国に民主主義のお手本を示せる立場にあるかのように。例えばキエフ政権のようにファシストやナチス政権を支持する勢力や、バルト諸国のように外国人を嫌悪する勢力であれば、民主主義の手本になれる資格などまったく失っているといえる。

弾圧に対する非難が殺到し、「ロシアでは投票は強制されている」という主張までされた。最後には、投票者の77%が「(被害者が犯人に対する同情心をもつと言われる)ストックホルム症候群」に陥った、という話を正しいと思わねばならなくなった。これらの投票者は「警告」にも関わらず、プーチンに「はい」と言いたくなってしまった、と。選挙前の数日間、その「警告」は西側諸国の大使館から雨のように流されており、ロシアでテロがおこなわれる可能性があると自国民たちに警告され、群衆を避けるよう助言がおこなわれていた。まるで「もしテロ攻撃があったとしても、それは自分たちがやったのではない」と言いたいかのように。

ナワリヌイの亡霊が再浮上した。この人物をどれだけつかい回せば気が済むのだろう! ナワリヌイは「正午」という作戦により今回の選挙を動揺させることを約束していた。ロイター通信は、投票に並ぶ長蛇の列の写真を撮って、ロシア「反体制派」による平和的な抗議活動と報じた。

「何千人もが!」とロイター通信は報じた。まるで1億人以上の有権者が存在する国で、その数千人が何かの代表となっているかのような報じ方だった。ヨーロッパ各地の大使館では、外交官の追放などのボイコット作戦にもかかわらず、行列はまるで投票への意志とは切り離されたものであるかのように感じられ、多くの場合、メディアでそう報じられた。

キエフ政権により投票箱には液体がかけられ、一般市民が爆撃され、投票所で破壊行為がおこなわれた。これら全てのことは西側民主主義社会の通信社と呼ばれる組織の客観的な分析からは見過ごされてきた。確かなことがひとつある。ロシア国民が今回の選挙を支持したのは、自身のアイデンティティを肯定し、自分たちの利益に反して継続される敵からの侵略に対する戦いと攻撃に向かう真の行為を求めるものであるとしても、注意深くものごとを見られなくなっている西側の諸国民にはその声が聞こえなかったのだ。それでも、西側の諸国民はその攻撃の効果を感じとることになるだろう。

情報独占媒体の「ニュース」報道と同様、西側の諸国民は生活のさまざまな分野において、ロシア国民が繰り出す攻撃の効果に苦しむことになるだろう。具体的には、

① 財源が公共事業から軍事産業に回されることで生活状況が悪化していること、
② 西側の支配者層が流すたった一つの真実と相容れない情報は検閲されるという工作が強められること、
③ 自分たちの権利が抑圧されること、
④ ネオ・ファシズムの促進に拍車がかかっていること、
⑤ 帝国主義のもとでの統治を唯一可能にする枠組みとして、ロシア国民に対する憎しみや外国人嫌悪を持たされていること、
⑥ 西側の諸国民の真の懸念から目をそらせるような陽動作戦が促進されていること、

つまり、平和や食べ物、教育、健康、住居の問題だ。

ロシア国民は西側の侵略から勝利を収め、NATOのサブリミナル攻勢に対して反響の大きい反撃を加えた。いっぽう、西側の諸国民は、現実に目覚めなければ、自分たちが感じている攻撃がどこから来ているのかさえ特定できないような状況に陥るだろう!

もしこの真実に対する攻撃について私が述べたことのすべてを証明するものがあるとすれば、それは西側の諸国民は目隠しをされたまま、戦場に放り込まれることになる!ということだ。
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